錬金術師が不遇なのってお前らだけの常識じゃん。

いいたか

文字の大きさ
上 下
7 / 385

第六話 模倣

しおりを挟む
俺は屋敷にある書物を読み漁っていたら錬金術について分かったことがいくつかある。

・詠唱が一切要らないと言うこと。

・合金等を調合し、自在に形を形成出来ること。 また、鍛冶師とは違い形を形成するだけなので物の強度や鋭利さなどは鍛冶師の専門分野である。

・ポーションや毒薬などを作成することが出来ること。 これはレシピさえ知っていて素材が揃っていれば熟練度によって上級の物が作れたりする。

・錬金術は火、水、土、風の四大属性や、無属性といった属性には当てはまらないこと。

・錬金術は体内魔力ではなく空気中の魔素まそを利用して行う為魔力枯渇が起きない。

今ある書物ではこのくらいしか分からなかったが、魔法と錬金術の共通点があるのですこしおさらいしておく。

共通点があるということは同じような事が可能なのではないかと模索してみる。
白魔法師という天職やその上位天職において、素材があれば工程を踏まずに簡単に薬を製薬魔法というものがある。 これは、錬金術の能力と同じと言っても過言ではない。

人が魔力や魔素等使用し何かを媒介にし任意的に起こしうる現象であること。

これにより俺は錬金術による魔法を模倣が出来る可能性を考えてみた。

俺はその日から魔法の自主練習に錬金術による魔法模倣の研究を取り入れてみることにした。

結果から言うと、出来たんだ。

そう、指先から小さな火の玉を低速で打ち出すことの出来るプチファイアを模倣できたのだ

夢の男の記憶の中にあった可燃物と酸素が、何かしらの影響で熱をもらうことにより、発火を起こすと言うもの
存外イケた なんなら青い炎が出た。 青い炎の温度は約千七百度~千九百度程度なので、かなりの高威力だ。

実験に金属製の的を使ったらプチファイアの模倣でさえ一部溶けていたので初級以降の魔法を模倣したらどうなってしまうのか。 また加減が出来るのか試して行く必要がある。

青い高温のプチファイア…。 誰も見たことがないはずだ。

このまま上手くいけば特級魔法師も追い越せる戦力を手に入れられるかもしれない。
そうすれば皆を見返せるかもしれない…。 そんなことを思いながら毎日鍛錬するのであった。

その後一週間が経過したある日。

指先から小さく水を出すプチウォーター、そよ風を起こすウィンド、土の壁を作るアースウォールなどの初級魔法より下の初歩魔法と呼ばれる物は模倣が完成した。

午後になり魔法の講師であるライラ・フォン・メーティル様がいらっしゃった。

「今日は初級魔法を見せますので、ゆっくり練習していきましょう」
渡りに船だ! これでより研究が捗る!

「最初に見せますのは、ファイアボール。 こちらは少々爆発しますので少し離れてご覧ください。 炎よ、爆ぜろ」
言われた通りに離れていたので無害だが若干爆風が来る。
ほんとに爆発した 多分これなら野獣くらいなら丸焦げになるだろう

「次にウィンドカッター行きます。 こちらはイメージがし難いので少々骨が折れました。 風の刃よ、切り裂け」

結構分厚い木製の的が真っ二つになる 実践で使えば少々悍ましいかもしれない
殺傷能力が比較的高い魔法だ

「一気にやっても覚えきれないと思うので、今日は以上になります。 イメージのしやすい魔法から練習していきましょう。 どれがイメージしやすかったですか?」

「はい、ファイアボールがイメージしやすかったです。 それと何故水属性の魔法はお使いになられなかったのですか?」

俺は疑問に思ったことを問いかける

「私の家系では代々水魔法が苦手でせいぜい使えても初級までなのですが、私は水属性をほとんど扱えず...」

「これは…。 大変失礼しました…」

俺は聞いちゃいけないことを聞いてしまったかもしれない。

「大丈夫ですよ。 周知の事実ですので」

優しく微笑んでくれたメーティル先生は本当に優しく家族のような温かさを感じたのだった。
しおりを挟む
感想 48

あなたにおすすめの小説

迷い人 ~異世界で成り上がる。大器晩成型とは知らずに無難な商人になっちゃった。~

飛燕 つばさ
ファンタジー
孤独な中年、坂本零。ある日、彼は目を覚ますと、まったく知らない異世界に立っていた。彼は現地の兵士たちに捕まり、不審人物とされて牢獄に投獄されてしまう。 彼は異世界から迷い込んだ『迷い人』と呼ばれる存在だと告げられる。その『迷い人』には、世界を救う勇者としての可能性も、世界を滅ぼす魔王としての可能性も秘められているそうだ。しかし、零は自分がそんな使命を担う存在だと受け入れることができなかった。 独房から零を救ったのは、昔この世界を救った勇者の末裔である老婆だった。老婆は零の力を探るが、彼は戦闘や魔法に関する特別な力を持っていなかった。零はそのことに絶望するが、自身の日本での知識を駆使し、『商人』として新たな一歩を踏み出す決意をする…。 この物語は、異世界に迷い込んだ日本のサラリーマンが主人公です。彼は潜在的に秘められた能力に気づかずに、無難な商人を選びます。次々に目覚める力でこの世界に起こる問題を解決していく姿を描いていきます。 ※当作品は、過去に私が創作した作品『異世界で商人になっちゃった。』を一から徹底的に文章校正し、新たな作品として再構築したものです。文章表現だけでなく、ストーリー展開の修正や、新ストーリーの追加、新キャラクターの登場など、変更点が多くございます。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが…… アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。 そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。  実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。  剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。  アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~

春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。 冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。 しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。 パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。 そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

4/4ー俺の親が自重しなかった結果チートな身体を得た。

ギン
ファンタジー
病気がちで子供時代の殆どを病院で過ごした黒鉄 倭人《クロガネ ワヒト》は人生の最後をそのまま病院にて終わらせる。 何故か先に異世界転生していた、自重しない親のおかげ?でチートな身体を得た主人公。 今度は多分、丈夫な身体でこの世界を楽しむ予定だ、異世界を異世界らしく生きて行きたい所だが、何せ親が先に来ているから。大体のことはもうお膳立てされている。そんな異世界を、自分のやりたい様に行動して行く。親父もハーレム作ったから。自分も作ろうかなとか思ってるとか、思ってないとか。 学園編、冒険者編、各種族編までは構想があるのでサクサク進める事を目標にしています。 そんなお話です。 2章のエピローグまでは1日1話程度の更新で進もうと思っています。 1日分で3000文字↑の量になります。 小説家になろうでも同じ小説で執筆中です。見やすい方でどうぞ。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

異世界に転生したのでとりあえず好き勝手生きる事にしました

おすし
ファンタジー
買い物の帰り道、神の争いに巻き込まれ命を落とした高校生・桐生 蓮。お詫びとして、神の加護を受け異世界の貴族の次男として転生するが、転生した身はとんでもない加護を受けていて?!転生前のアニメの知識を使い、2度目の人生を好きに生きる少年の王道物語。 ※バトル・ほのぼの・街づくり・アホ・ハッピー・シリアス等色々ありです。頭空っぽにして読めるかもです。 ※作者は初心者で初投稿なので、優しい目で見てやってください(´・ω・) 更新はめっちゃ不定期です。 ※他の作品出すのいや!というかたは、回れ右の方がいいかもです。

処理中です...