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インタビュー ( 3 )
しおりを挟む――あれは……馬屋でしょうか? そこに1人の白髪の男性が見えますね。話しかけてみます。すみません!
「ん……。虫が入り込んじゃったかも。直ぐ駆除しないと」
――虫? ハエか何かでしょうか。
「ねぇ、君誰? お嬢様に群がるハエじゃないよね?」
――ええっ! まさか虫って僕の事ですか!?
「他に何がいるの?」
――僕は虫じゃないです! クアさんから連絡きてませんか? インタビューをしに来たミルです。
「あ……。連絡きてたかも。ごめん」
――ふぅ……。なんとか虫判定にはなりませんでしたね。それでは、インタビューに答えて下さりますか?
「うん」
――ありがとうございます! それではまず、あなたのお名前と種族とお仕事の内容を教えてください。
「ジル・スチールァ。種族は獣人の狼族。仕事は御者。お嬢様を運ぶのは僕の特権。お嬢様が学園に行ってる時とかは、魔獣討伐のお手伝いをしている。僕強いから」
――強い御者。安心ですね。次の質問です。お気に入りの武器などはありますか?
「鞭。名前は『霸』」
――霸、いい名前ですね……って鞭!? 鞭って武器になるんですか? バチンバチンっ、て。召喚獣使いならわかりますが……。
「鞭も十分武器になる。勢いよく振れば刃物よりも鋭くなるし、簡単に斬れる」
――ほ、ほぉ。斬れるんですか。鞭で。刃物より鋭い鞭って……。怖いですね。普段は馬を御すのに使われるのですか?
「使う。その時は斬れないよう優しく使うからロクとロシは怪我しない。あ、ロクはこの黒馬でロシは白馬のほう」
――覚えやすい名前ですね。鞭の使い方って変わるんですね……。初めて知りました。
それでは、最後の質問です。ジルさんにとって、フェール侯爵令嬢様の事をどのように思っていますか?
「僕にとって、なくてはならない人。お嬢様がいないと僕もいないようなもの。お嬢様がいてくれるから、僕は今生きていられる。本当に、本当に、僕にとって一番大切な人」
――ジルさんにとっても、フェール侯爵令嬢様は宝物のような存在なんですね。嬉しいです。
ジルさん、改めてインタビューにお答えくださって、ありがとうございました。
「ん。ありがとう」
――ジルさんの最初の発言には驚きましたが、彼もいい人ですね。次の方に会うのも楽しみです。
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