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6 明るい明日へ
珠希ちゃんと潤くん
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なんか動揺しちゃって、梶さんの目が見られない。ペンを持つ右手、白くて本当にきれい。左手は。ん?指輪?
「たぶん、梶って名字に慣れないから、余計に珠希の方を呼んでしまうのもあると思いますよ」
梶さん、結婚してたんだ。良かった。あ。
「あの。寮の生徒のことなんですけど」
ようやく本題に入る。まだ梶さんと水谷先生の間柄について、聞きたいことはいっぱいあるけれど、予定時間は限られている。
笹生さんのこと。4月の入学当初はそうでもなかった。ゴールデンウイークには、部活生ではないのに帰省しなかったので、少し気になる存在になっていったこと。5月の半ばくらいから、門限を破りはしないがギリギリにならないと帰寮しないことが気になり出した。
7月、朝熱を出して、病院に付き添って行ったあとは、少し打ち解けた感じがあり、早くはないが、門限ギリギリよりは早めに帰寮するようになっていったことに、安心していたこと。などなど。わたしが見てきた笹生さんのことを全部聞いてもらいたくて、午前中ノートに書き出しておいたものを見ながら話す。
ときおりメモをとりながら梶さんは、わたしの目を見て、うんうん、頷きながら話を聞いてくれる。
「で、今回の門限破りの罰として、わたし90日間同室で生活することになりました」
なるほどねー。とつぶやきながら、メモを取る手をとめて、梶さんは再びにっこりする。
「育て直しかな」
「育て直し、ですか?」
なにそれ。
「笹生さんにも面接したいのですが、外出禁止のなかに、学校のカウンセリングルームに来ることは含まれますか?」
「いや、それは、寮長先生に確認してみますが、たぶん大丈夫だと思います」
「じゃ、わたし聞いてみます」
そういうと、目の前の内線電話をとって、梶さんが早速寮長先生の許可をとる。
「では、明日午前9時から、笹生さんの面談をお願いします」
「たぶん、梶って名字に慣れないから、余計に珠希の方を呼んでしまうのもあると思いますよ」
梶さん、結婚してたんだ。良かった。あ。
「あの。寮の生徒のことなんですけど」
ようやく本題に入る。まだ梶さんと水谷先生の間柄について、聞きたいことはいっぱいあるけれど、予定時間は限られている。
笹生さんのこと。4月の入学当初はそうでもなかった。ゴールデンウイークには、部活生ではないのに帰省しなかったので、少し気になる存在になっていったこと。5月の半ばくらいから、門限を破りはしないがギリギリにならないと帰寮しないことが気になり出した。
7月、朝熱を出して、病院に付き添って行ったあとは、少し打ち解けた感じがあり、早くはないが、門限ギリギリよりは早めに帰寮するようになっていったことに、安心していたこと。などなど。わたしが見てきた笹生さんのことを全部聞いてもらいたくて、午前中ノートに書き出しておいたものを見ながら話す。
ときおりメモをとりながら梶さんは、わたしの目を見て、うんうん、頷きながら話を聞いてくれる。
「で、今回の門限破りの罰として、わたし90日間同室で生活することになりました」
なるほどねー。とつぶやきながら、メモを取る手をとめて、梶さんは再びにっこりする。
「育て直しかな」
「育て直し、ですか?」
なにそれ。
「笹生さんにも面接したいのですが、外出禁止のなかに、学校のカウンセリングルームに来ることは含まれますか?」
「いや、それは、寮長先生に確認してみますが、たぶん大丈夫だと思います」
「じゃ、わたし聞いてみます」
そういうと、目の前の内線電話をとって、梶さんが早速寮長先生の許可をとる。
「では、明日午前9時から、笹生さんの面談をお願いします」
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