床の隣に広がる世界

YAMATO

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序章「居場所と趣味」

本屋のボーイミーツガール

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ふわっとした空気が肌に心地よく駅からここまで歩いてきた熱を冷ましてくれるようなちょうどいい気温。
自動扉をくぐり本のために管理された気温が自分にとって最高の環境をもたらしてくれているということを実感しながら

ずずいのずいと床をけり、本屋の中を闊歩する。

これなるものは本屋に何をしに来ているのかと申しますと、もちろん本屋に来たらすることはすることは一つしかあるまいよ、そう「本を買う」

それがいにあるだろうかいやないであろう。

もしかすれば、本好きの辺タイヤ個々の可愛い店員さん目当てで着ている度という不届きなものはいるかもしれないが

本屋に来てそんなことをしているのは不届き旋盤そんなのはお客と呼ぶにはあまりにもお角様神様志向が身につきすぎであろう

日本の客商売の仕方を改革していく必要があると僕は常々思っているがそれがこんなところにも表れるとは日本を本格的に改革する人は現れないのだろうか

無駄な思考に気を取られていると本屋を無意識のうちに物色してしまい2冊を見繕ってしまっていることに気づき本日の目的を忘れていることに気が付いた。

「あ、」

手に持っている本をどうするかと一瞬逡巡してから、
「とりあえずKeep」

持っている本を小脇に抱え、本日発売の木対策を本を探しに行った。

おそらくポップなどでわかりやすくなっているだろうと思い出入口、レジ付近の平積みされている
棚を見ていくとその本はそこにあった

人気SF作家 沖田蘭丸作 「不可解な真相にこそ花が咲く」


これかなり前評判から期待していた作品だった。

最近かなりのペースで発刊をしてきている若手作家さんでこれに合わせて既刊を読み漁ってかなり感触が良かったのでこれまでのを超えてきてくれると願って
本手に取りWebページで眺めていた表紙と科背表紙を確認しながらレジに持っていこうと歩きだした。

「んっぶぁ」

奇声とわずかな衝撃が自分のアドレナリンドバドバの頭に入力され、脳みそが全然そんなことは気にせず本が読みたいというような指令を出しているのを感じていたが、何とか脳に入力された情報が何処かへ行ってしまう前に捕まえて
処理をしたところ人とぶつかり
その人が目の前に座り込んでいる
僕は座り込んでいるのを訝しみながら手を差し出し立つように促した。
すると、
「あなた今、無視しようとしたわね」
小さな少女はこれをいかなる不条理に遭遇してそれに対抗するよう反抗的な目を自分に向けていた。
座り込んでいるとかなり小さく子供のように思えたが服装がしっかりおしゃれでかわいかったので
年相応というわけではないのだろう

と先ほどの声は聞かなかったことにして
「ほら、手を貸してやるから立ち上がったらどうだせっかくの服が汚れるぞ」
話を変えて切り抜けようと試みるが
そんな悪知恵もむなしく

「あなた今、話をそらそうとしてるでしょ黒髪」

さらに悪態を突かれて嫌な顔をしてしまったためちゃんと聞いていることがばれてしまった。

もう遠慮することはないなと思い、軽く突かれた分だけ返してやろうという気持ちで
「すまん、本を見ていてチビの君に気が付かなかった」

ありのままを少しのスパイスとともに提供すると
自分で勢いよく立ち上がり
「本性を現したわね。人にぶつかったったっていうのにその態度何なの」

「その態度といわれても僕はいつもこんな感じだ」

「そんなの知らないわよとりあえず謝罪しなさい」

頑固とした態度の少女にこれから本を読む時間がとられていることに気が付き、

「あー、わるかったよ本が楽しみで見てなかったんだ」

「ふん」

と俺の顔をじろじろと見てにらみつけていたのが手元の本に一度本が向き
話を聞く気になったのか

「本ね、その本買ってもいないじゃない表紙見ながら歩くなんて変態なの」

相変わらず悪態が止まらないのがあれだが
ようやく進展したと思い

「なわけあるか、これ目当てで来たんだ発売日に少しくらい見てても変なことじゃないだろ」

本と僕の顔を見ながら意地悪をするような顔をして

「フーン、それ目当てで来てたのね、私も本読むし気持ちはわかるけど」

少女から理解を示されたところで
「じゃあわかってくれたところで、僕はもう行く
小さいんだから踏まれないように気をつけろよ」

「小さくなーーい!!」
後ろからちいさな手のパンチが飛んできたがこずかれた程度だったので
入力された痛みはそのまま無視されていき

レジに向かった

後ろで少女もバックヤードから出てきた店員と話をしていたが何を話しているのかは聞き取れず
予約している本でもあるのだろうかと
先ほど聞いた読書好きな要素を勘定に入れながら予想をしていると

レジの順番が来て、手早く電子マネーで決済を済ませて本屋を出ようとすると、後ろからその本私も好きだから感想教えなさいよねー」
と手を振っているのがみえた

いつ会うかはわからないがこの本屋はいつも使っているから彼女が来ることがあるならまた会うこともあるだろうと思い本屋をあとにした。
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