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亡者の大森林へ向かえ

LV124 呪いの兜

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宿屋に戻ったフミヤ達。
イルイルとファリスに手を振り、
フミヤはヴィオラが待つ部屋に戻った。

「おかえり、フミヤ」
「ただいま、ヴィオラ」

フミヤの後についてベレッタも部屋に入ってくる。
「おーヴィオラ、コイツまた死にかけたぞ」
「えっ?」
「はい、ベレッタ君 黙りなさい」
フミヤはベレッタの話を遮るように
ヴィオラに話し掛けた。

「少しはゆっくりできた?」
「ええ、とっても」
ヴィオラはニコっとフミヤに微笑んだ。

「さてと・・・風呂でも入って来るか」

「フミヤ、お風呂入るのにその鉄の兜、取らないの?」
ヴィオラはフミヤに聞いた。

「・・・」

フミヤは少し沈黙し、答える。
「いやー取れないんだよ」

ベレッタは笑いを堪えている。

試しにフミヤは兜を取ろうと 頭の方へ手を伸ばすと、
「うっ、痛い」
首が変な方向へ曲がりフミヤの手を躱そうとする。
「こんな感じなんだよ」
ベレッタは嬉しそうにフミヤに近付いた。
「ヴィオラ見ろ、結構面白いぞ」
そう言うとベレッタは フミヤの頭に手を伸ばす。

「やめろ、ベレッタ。うぅ」
*フミヤは1のダメージを受けた。

「おい、ベレッタ。うぅ」
*フミヤは1のダメージを受けた。

「だから うぅ」
*フミヤは2のダメージを受けた。

ベレッタは徐々に手の速度を上げていく。

「ベレッタ、うぅ」

「お、おい、うぅ」

「べ、うぅ」

ゴン!

フミヤはベレッタの頭を殴った。

「何をするのだフミヤ」
「お前こそ、何するんだよ」

取れない鉄の兜に 穴の開いたズボン。
そして、赤いマントとフミヤの装備はどんどん変になっていくのだった。


そして次の日の朝、フミヤとベレッタは宿屋の庭にいた。

「メロ、アレ出して」
「モキュ」
メロは口に収納していた『アクタの剣』を吐き出した。

「これにメイカのくれた この柄を付けてと・・・」
フミヤはアクタの剣に 追尾の柄を装備した。
「行くぞーベレッタ」

「うむ、来るが良いフミヤ」
宿屋の庭で、ベレッタとフミヤの戦闘が始まった。

*フミヤの攻撃。
*ベレッタは身をかわした。

追尾の柄がベレッタの動きに反応し、高速で追尾する。

「痛えええええええええええ、ってなんでやねーん!」(何故か関西弁)

ベレッタの動きを追う追尾の柄の速さにフミヤの体が追い付かず
フミヤの右肩が激しく外れた。
*フミヤは54のダメージを受けた。

「てい!」
*フミヤは追尾の柄を投げ捨てた。

「アイツ(メイカ)の発明って 全然役に立たないな」
落胆するフミヤにベレッタは不敵な笑みを見せる。
「ムフフ、我の番だな」
ベレッタは勢いよくフミヤの頭に飛びつく。
「やめろ、ベレッタ!」

グキ

*フミヤは5のダメージを受けた。
またのフミヤの兜がベレッタの攻撃を躱し、
必要以上にフミヤの首が曲がる。
「このまま 限界までやれば、たぶん取れそうだぞ」
とベレッタは言い、尚もフミヤの頭を攻撃する。

「ホントにやめろ、ベレッタ。もう 嫌な予感しかしない」
フミヤの制止も聞かず、ベレッタはフミヤに襲い掛かる。

「あー」×10

フミヤは鉄の兜に引っ張られ、体ごと右へ左へと振り回される。
それは もはやフミヤとベレッタの戦いではなく
鉄の兜とベレッタとの闘いであった。

約10分もの間、鉄の兜とベレッタの攻防が繰り広げられると、
「おおお、フミヤついに取れたぞー」
ベレッタが、ついに鉄の兜を取れた頃、
ボロボロになり ぐったりと倒れるフミヤの姿があった。

*フミヤは鉄の兜を投げ捨てた。
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