私に番なんて必要ありません!~番嫌いと番命の長い夜

豆丸

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長い夜③

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 女神様よりお褒めのお言葉を頂き、スイカ祭は大盛況で終わった。
 通常の仕事に戻って早3週間、毎日招かざる客はやって来る。

 
「アザレナ、ヤらせてくれ!」 

「お断りします!毎日毎日しつこいですね!私に番なんて必要ありません!教会に番解除届け提出済みです。ルークも提出したんですよね?」 

「俺は……出していない」 
 ルークのしっぽと耳がへたる。 

「は?なぜですか?ボン、キュ、ボンの妖艶な美女がお好みなのでしょう? 
 番解除が認められたら、禁呪によって私の匂いに反応しなくなり、別の番を探せます」 

「あー。それはわかってるんだよ!ただ……俺は……お前と、その……」 
 ルークは、言いにくそうに自分の髪をぐしゃぐしゃにした。 
 
「ルーク?」 
 
「つ、番と、一度番とヤってみたいだけだ!」 
「……最低ですね。ルークとヤって私に利益がありますか?」 
「…成体になれる」 
「私は、ルークが相手じゃなくても成れますよ」挑戦的な笑みを浮かべた。 
「………俺以外とヤるつもりなのか?」 
 地を這うような低く暗い声。ギラリと瞳に怒りを燃やしルークは、私の手首を強く掴んだ。 
「許さねえぞ!」 
「い、痛いっ。許すもなにも、私はルークのモノじゃありませんし、利益がないのにヤるつもりもありません!」
 
 
「利益ならあるさ!」 
  
 冷たくルークを睨んでいると、野太い声が会話に割りこんできた。 
 驚き振り向くとそこに隊長のピサロ・グレードが立っていた。ピサロはにかっと歯を出して笑うとルークの頭を犬耳ごと、ワシャワシャと撫でた。虚を突かれ、ルークは、私の手首を解放した。 
 
「ルーク青いな……ヤりたいだけじゃないだろう?……まあ、二人に教会から朗報だ!道端じゃなんだ、俺の部屋に来いよ」 

 書類の山に埋めれた隊長の執務室に案内される。崩れそうな山の中から一枚の書簡を引っ張り私たちに差し出した。 
 書簡には四人の女神が手を繋ぎ輪を作る模様が描かれていた。女神教会からの重要書簡の印。中身は、私の番解除申請に対する教会からの返事だった。 
 分厚い書簡を要約すると番は運命の相手です!から始まり、だらだら番は素晴らしいと書き散らした。ルークが書いたのかと疑うレベルで。 
 教会としては、竜人の私と狼獣人のルークが番になり優秀な子を沢山作ることを切望する。女神様も望まれている……で、終わっていた。 
 
「教会は自由恋愛を唱えているのに、番解除を認めては下さらないのですか!」 
 
「怒るなアザレナ。今まで番同士が夫婦にならない事例が無いからだ……落ち着け、ここを読んでみろ」
  
 ピサロ隊長が指を差した書簡の端に極少な文字で、この書簡を読んでも番解除を望む場合は、番同士で一晩を共に過ごし交わられよ…と、恐るべきことが書かれていた。 
 
「な、何ですか!この条件は!結局ルークとヤるしか道はないのですか?」 
 
「そ、そんなに俺とヤるの嫌なのかよ!」 
 
「嫌ですよ!ルークは、つるぺたのお子さまの体は好みじゃないんでしょう?私だって触って欲しくありません」 
 
「……わかった!俺からは幼体のお前に触らない……女神マーヤに誓う。だから頼む!」ルークは深々と頭を下げた。 
 きっと自分から女性に請い願うのは初めてなのだろう。耳としっぽを下げる情けないルークの姿に優越感が生まれる。気分がいい。 
  
 ルークは私に触れない。私主体で一回我慢して交われば、成体になれ番解除も出来るなら……利益は確かにある。  


「仕方ないです……ルーク、あなたと一晩共にします……」 
 
「ほ、本当か!」 
 ルークのしっぽが嬉しくて堪らないとばかりに左右にブンブン揺れた。 
  
 その後、交わりの日に番抑制薬を飲まないことを女神マーヤに誓わされた。一週間後に日にちを決め、隊長に有給申請をした。なぜか3日もとらされた。 
 場所はルークが良い所を知っていると言うので任せる。流石ヤリチン男、無駄な知識だけは高い。

 
 約束の日、そわそわ落ち着かないルークに連れて来られたのは、彼の持ち家。 
 豪華なホテルだと思っていましたが………私ごときにお金はかけたくないと言うことですか?腹がたつ。 

 ルークにしてはカントリー調の暖かみのある悪くない家。一人で暮らすには部屋数が多く広過ぎる……どうせ妖艶な美女を侍らせ、ハーレムでも作るつもりだったんでしょう。
 
「……俺の…家に…俺の番が……くっ。滾るな」  
 ぶつくさ囁くルークの声は苛立つ私には聞こえなかった。
 
 
◇◇◇ 

  
 ルークの精を二回絞り、沸き立つ番の匂いに、欲しくて堪らなくなり怖くて浴室に逃げた。 
 
 火照った体を冷やすようにシャワーを浴びる。顔に、体にかかった濃厚な精を荒い流す。なんて凄い量、皮膚にこびりついて取れない。
 
 甘くて美味しい番の精。欲しいと訴える体。自分の陰部をさわるとくちゅくちゅと音がした。ルークに感じさせられるなんて……。 
  
 ルークが欲しくて動き滴る中、ここに番を受け入れたらどんなに気持ちいいだろう?  
  
 頭を震い、ルークの精に溺れかけた思考を振り払う。抑制薬の後遺症でルークの匂いを感知しにくいはずなのに、恐るべし番という呪い。 
 冷静にならなければいけない。 
 
 番に快楽に溺れることなく、潤滑油を使い、一度だけルークを受け入れ早く終わらせる。 

 冷たいシャワーを止め顔を上げた。ポタポタと滴が髪を伝う。 
  
その瞬間………。 
    ―――ドクンッ!!! 
 
 心臓が跳ねた。体が熱くて痛くて四肢を引き裂かれるかのよう。鋭い痛みが全身を駆け巡る。 
 
「ああああああっーーーっ!!」 
 私は、悲鳴をあげながら自分の肩を抱き締めた。 
 
「どうした?アザレナ?大丈夫か?」 
 悲鳴を聞き付けたルークが浴室に飛び込んだ。痛みに呻く私を見るとルークの瞳が大きく見開かれる。ワナワナと震える指が私を指差す。

「……お、お前……アザレナか?」 
 
「あ、はあっはあ……わ、私以外なんだと?」 
 痛みが波のように引き、私はルークを睨む。いつもよりルークの頭が近いような気がする。ルーク短時間で縮んだ? 
 
「そうだ、この股間にくる。クセになる番の匂い……アザレナしかいねえっ!」 
 ルークの瞳孔がカッと開く、はあはあっと犬歯を剥き出し獰猛な雄に豹変した。 
 
「ルーク?なっ!ああっ!」 
 ルークの両手がにゅと伸びてきて、私のおっぱいをわしづかみにした。私のおっぱいにルークの手が沈む。
 
「すげえ、すげえっ!」 
 ルークは手加減なく私のおっぱいを下からモミモミする。ルークの手で形を変えられる。 
 
「うそ!私のおっぱいペッタンコだったはず……んっ!あっ、ぁっ、ルークだめです!幼体の私に触ったら石になって……っ!あんっ!」 
 ルークがぷくッとした乳首を指で弾いた。 
 
「ああっ?こんな、色っぽくて旨そうな身体が幼体なわけないだろう?はあっ……たまんねえなっ」 
 ルークの片手がゆっくり括れた腰の曲線をなぞり、白い太ももを触る。しばらく腰と太ももを堪能したあと、丸みを帯びた桃のようなお尻を撫で回し、ぐっと掴んだ。  
 
「あっ!」ルークに触られた箇所が熱い。 
 
「アザレナ、お前成体になったんだ」 
 
「は?成体…そんな嘘です!」  
 私の悲鳴混じりの絶叫が広い浴室に響いた。  

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