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ご馳走

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 隠れていた芽を見つけられ、中とともにソコさえも指でフィンになぶられる。指で潰され擦れ、フィンから与える淫楽にソナナはぐずぐずに溶けていく。 
 こんこんと涌き出るたっぷりの粘液がフィンの指をふやけさせても、フィンの責めは終らない。        
  
 自分の体が制御出来ない。フィンの指を食いちぎろうと動く中。こんな、いやらしの、欲しいの、フィンの魔術なのだ。恋という魔法にかけられたのだ。霞みかかる思考の中、ソナナは思った。  

「――――あああっん、ん!」 
 甘い声をあげて絶頂に染まるソナナ。雷魔法を、撃たれたかのような衝撃が全身を駆け登り、頭の中が白一色になる。
    
 
 下ごしらえのすんだご馳走ソナナがフィンの前に横たわる。盛大に達して、はあ、はあ、と荒い息。 
 焦点の合わない恍惚の表情。薔薇色に染まる肌。お漏らしのように塗れた女性器。慎ましかった芽は充血し、みる影もない。 
 柔らかく解れた入り口が、ハクハク動き、中に挿入される瞬間を今か今かと待っていた。
 
  
 風呂場で一度吐精したとしても、もはや限界のフィン。先走りとは思えない多量の粘液で根本まで濡れ、泣いているような一部を欲しがる入り口に押し付ける。グブッと、解れても充分に狭い中を広げながら、埋もれるように穂先が飲み込まれていく。    
 
「あ、あ、あっ」ソナナの体が弛緩し戦慄く。  

(中が……熱くてうねって吸い付く。気持ち良すぎだ。く、まだだ。出るなよ!俺ので、ソナナをもっとぐずぐずにイカせるまでは……)  

 フィンは、獣じみた唸り声をあげて、自分本意に穿ちたい衝動に耐える。ゆっくり腰を動かしソナナの中の快楽を引きずりだそうとする。

 自分より高い体温、滴る汗が心地よい。
 角張って筋肉質な男らしい体に包まれて、どうしようもなく嬉しくて、ソナナから腕を回しフィンの背中にしがみつく。 
 

あっ、あっ。フィン、くっつくの、気持ちいい……」 
 予想外のソナナの甘える声。皮膚と皮膚がぴったり密着され、たわわな胸を擦り付けられた。 
  
 童貞だった者に堪らない刺激に、フィンの理性は限界を越えた。グリグリと陰茎を深く嵌め込み、奥を容赦なく抉る。 
 
 力強く抜き差しを繰り返せば、良すぎる快楽にソナナの体は大きく仰け反り、欲しいと中をぎゅうっと、締め上げた。 
 
「……で、出る」 
 ソナナの中、はち切れそうに、体積を増した陰茎。その意味を知り、惚けながらもソナナは叫んだ。 
 
「……ああっ!フィン…だ、出すなら。あっ!ビンに出してっ」
 そう、媚薬のため精子が必要で、フィンとの行為はその為に致しているのだ。 
 
 奴隷のフィンに命令して無理矢理しているのだから……恋心を自覚した、ソナナは胸が痛い。 
 
 ソナナはしがみついていた手を離し、中にフィンを咥えこんだまま、上半身を横に向け、ベッドサイドに置いたビンに手を伸ばした。 
 
 あと少し――指先がビンに触れた瞬間、ズドンと深く重く最奥を抉られた。 
 
「―――あっ、ああ!」 
 びくんと指先が跳ねて、ビンにあたり、乾いた音をたて無情にもベッドの下に転がってしまう。 
 
「ふ、フィン!あっ、あん。ビンが!」 
「はっ、はっ………な、中に……」 
「あ、あ。フィン、な、中は、ダメ」 
 ダメだと否定しながら、ソナナの中がフィンを咥え離さない。 
  
 ばちゃんばちゅんと打ち付けるように抜き差しされ、苦しいのと気持ちいいのが溢れて混ざり……そして、弾けた。 
 
「―――ああああっ!」 
 ソナナが絶頂し、中を喰い締めた瞬間、耐えきれず獣じみた唸り声をあげてフィンはソナナの奥に精子をぶちまけた。 
  
 多量の精子に空虚な中を埋められ、どうしようもなく満たされる。 
  
 結合部から収まりきらなかった精子が流れても、離れたがく、お互いくっついたまま。二人の荒い息が重なった。   
 
 見上げれば、目の前にいとおしいそうに、ソナナを見つめるフィンの顔。 
 その表情に胸がぎゅっとして、ソナナからフィンの唇にキスを落とす。 
 驚き一瞬固まったフィンだったが、ソナナからキスされて嬉しくて、ちゅっとキスを返す。   
  
 花開くようにソナナが微笑む……初めてみる表情にソナナの中、小さくなったはずのフィンの陰茎は再び力を取り戻す。太く固く雄々しく、圧倒的な存在感。
 
「……ああっ!フィン、またおっきいわ!はあ、お腹苦しい」 
 
「足り…ない」 
 獰猛なフィンの眼差しに炙られながら、先ほど出した精子を押し込むように腰を持たれ、小刻みに揺すられた。 
 
(……すごい、やっぱり若い雄だから無限に出るシステムなのか……) 
  
 中をズリズリと擦られ、燻る快楽を再び引きずり出され、あえぎ声しかでない。ソナナの中、フィンの陰茎がびくびく震えた。 
 
「ああっまた、出るちゃう。ダメ!フィン、次はビンに出して!ビ、んんんっ」 
    
 フィンの胸を押し退けようとした両手首を捕まれ、荒々しく唇さえも塞がれた。 
 ビンの中に出すつもりなど、フィンにはない。出すならソナナの中だ。言わせないとばかりに口内を舌で蹂躙した。   
 
 屈強なフィンの体の下、押さえ付けられ中を穿たれる。口から、お互いの唾液が繋がったまま流れ、結合部はお互いの体液で泡立ち卑猥な音を奏でる。
 
「…ソナナ」        
  
 完璧な魔女の私が、奴隷のフィンに好き勝手に貪られる……屈辱的なはずなのに、名前を呼ばれるだけで、酷く嬉しく満たされた。ソナナは陶酔感に浸りながら、フィンの精を中に受け入れ続けた。
 
 
 ソナナが目を覚ますと、体はフィンによって清められていた。色んな体液でドロドロだったリネンも清潔な物に変わっていた。貪られて指先さえ動かすのが億劫な体に……これが恋の痛みか……と、思い顔を赤らめた。 
  
 フィンは作った夕食をソナナに食べさせたり痛む体に軟膏を塗ったりと、甲斐甲斐しく世話をしてくれた。 
 
 そんな、献身的なフィンに対してソナナは怒りを爆発させた。 
 
「フィンの馬鹿!ビンに出してって何度も言ったのに!媚薬作れないじゃない!」   
 
 フィンは精子を全てソナナの中に吐き出してしまい、ビンは空のままだった。 
  
 怒る主人も可愛いなと思いながらフィンは微笑むとソナナに告げた。 
 
「……明日は……ビン……にも、出す。」 
 

 
  
◇◇◇
   
 
 
「フィン君とラブラブになれて良かったわねー!ソナナもイカせてもらえたみたいだし。ただ、愛を囁くのが、お互いの名前だけなのが残念たけど……まあ、及第点ってところね」モフィはソナナからの報告を聞き、ニマニマした。
 
「恋を知った……これで私は完璧な魔女だ!これで、ステラ様に少し近づけたわ」ソナナは誇らしい気持ちで紅茶を啜る。 
 
「完璧な魔女って……まだ、こだわってるんだ?ソナナは、偉大なる魔女ステラ様みたいになりたいのね?」 
 こくりっと頷く、純粋なソナナにモフィは悪戯心を刺激された。
 
「ソナナ知ってた?……実はね、ステラ様は……人間との間に子供がいるのよ?」 
 モフィは玩具ソナナに耳打ちし、新しい話題を提供した。そして、顔を真っ赤にしたソナナに無理矢理、本を押し付けた。  

 ソナナは、モフィのお茶会から帰ると、フィンに本を渡した。 
 そして、「私の代わりに読むように…」と部屋に逃げ帰ろうとしたけれど、本の題名を見たフィンに、その場で押し倒されのは言うまでもない。 



 遠くない未来、赤子を背負いながら、パンを焼くフィンの姿が見られることになる。
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