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魔術
しおりを挟む「……フィン…来て」
震える声で呼び、羞恥に薄っすら紅く染まる肌をさらけ出す。
盛ったフィンに直ぐに挿入されると思っていた。それなのに、フィンはソナナを優しく抱き締めると、かさつく唇をソナナの唇に押し付けた。
初めてのキス、目を瞑ることも知らないソナナの視界はフィンでいっぱいだ。
うそ?キスされてる――ソナナは驚愕した。
魔女にとってキスは、様々な術式を込めるものである。王子の呪いを解く魔法のキス、幸せを願う祝福のキス、人を殺す呪いのキスなどなど。
一般的な愛情表現に使われることはなかった。性に翻弄なモフィでさえ唇にキスはしないのだ。
フィンが私に魔術をかけようとしている……。まさか、今までの実験台の怨みに!
フィンに魔力はない。ソナナに魔術などかけられるはずはない。フィンのソナナを見つめる瞳は、大切な宝石を慈しむかのよう、けして怨みなど微塵もない。
初めてのキスに混乱しているソナナに冷静な判断力はなかった。
「あっ、ふ、フィン!だ、ダメよ」
フィンのキスから逃れようともがくと、抱き締める腕に力がこもり、更に深くに抱き込まれる。
可愛らしい啄むようなキスが徐々に深いものに変わり、角度を代えて続けられる。リップ音が幻聴のようにいつまでも耳に残る。
唇を塞がれ、鼻から呼吸をすること知らないソナナは、酸素が足りない。熱くて苦しくて限界で、口を大きく開いたその隙間に、フィンの舌が捩じ込まれた。
差し入れた舌をソナナの舌に絡めて、解すように動かす。ゆっくりと歯茎をなぞったり、唇の裏側を舐める。ソナナの体がびくんびくんと跳ねた。フィンの唇は熱くて燃えるよう、その熱が唇を介してソナナの中に流れていく。
フィンの舌、熱くて気持ちいい―――なにコレ、魔術、魔術なの?
見たことのないソナナのひそめられた眉、色っぽい吐息、潤んだ瞳にフィンは、夢中で舌を動かす。
口内をフィンの舌に蹂躙されて、砂糖のように溶けていく体。輪郭が曖昧になる。
くたりと力の抜けたソナナの唇から唇を離すと、二人の唾液で口の周りはべっとりだ。
フィンは、濡れた口元を拭いもせず、ソナナの首から胸元にキスの雨を落としながら、桃色の頂きに辿り着く。
いじらしくたちあがった先を口に含みながら、真っ白な豊満な胸を、フィンの大きな手が包むこんだ。
誘うように揺れる膨らみを優しく揉みしだき、同時に反対側の先をちゅっと吸い上げれば、面白いようにソナナの体が反応する。
「あっ、あん。フィン、ま、魔術を使ったの?こんな、あふ、気持ちいいの………おか、おかしいわ」
フィンは、胸の片方の先っぽを指の腹で擦り、つまみ上げる。もう片方は、口の中ねっとりとした舌で責め立てた。
両胸からじんじんと快楽が広がり、体が熱くて堪らない。触られていない熱を帯びた中が、欲しい欲しいと、粘液を分泌させる。お尻を伝わり流れ、浅ましく内股を擦り合わせてしまう。
それに気づいたフィンは、胸の責めを止めた。ふっと笑みを浮かべると、ソナナの太ももを大きく割り開き、どろどろの中に指を差し入れた。
「ああ!指など入れないで、んん!」
抵抗なく入り込んだ指で、ソナナのなかを丁寧に解していく。まだ硬い壁を擦りソナナの感じる場所を探る。数を増やし、ぐちゃぐちゃと出し入れされる指。ソナナは、自分の中が、美味しそうに指を三本も咥え、卑猥な水音を奏でているのが信じられない。
完璧な魔女の私が、こんなに気持ちいいなんて、これは魔術にかかったに違いないわ。
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