悪役令嬢の面の皮~目が覚めたらケモ耳旦那さまに股がっていた件

豆丸

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本当の名前

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「……貴女の、本当の名前を教えて下さい」  
 ポツリと旦那さまが囁いたのは、幾度となく欲望を受け止めたあと。いつもの就寝時のように腕枕をして、旦那さまの足に足を絡めてうつらうつらしている時だった。 

「え?旦那さま!中身が変わったと信じてくれるんですか?」 

「……信じるもなにも、実際そうなのでしょう?」 
 真剣に私を見つめるアイスブルーの瞳とかち合う。大きく頷くと、旦那さまは私を抱く腕に力を込めた。 

「外部には、貴女は記憶喪失で通しますから、そのつもりでいてください……悪用しようとする人間も出て来ないとは言い切れませんので」 

「はい!旦那さまにわかってもらえて嬉しいです~!」擦り擦りと胸の筋肉に頬を寄せた。 

「……んっ、そうですが?それより名前を、旦那の私にも黙っているつもりですか?」拗ねるように言われて慌てて続けた。 

「湯浅風花です。湯浅が名字で風花が名です」
  
「フーカ……」 
 発音しにくいのか旦那さまは真ん中を伸ばした。
 低い美声に名を呼ばれ、嬉しいやらくすぐったいやら。  

「せめて……二人きりのときは、フーカと名で呼びましょうか?」
  
 旦那さまの気づかいはとても嬉しい。 
 でも…お姉さんの顔と体で風花と呼ばれるのは違うような気がするし。中身が風花なら風花でも良いような気もするし、判断に迷う。 

「………この国での通称はヴィヴィアンなので旦那さまが、本当の名前を知ってるだけで私は満足ですよー。   
 本名をうっかり誰かに聞かれたら面倒ですし、シリウスが聞いたら混乱しそうですから」 
 少し迷ったのち、キッパリ言った。風花を捨てる訳じゃない。この国でヴィヴィアンとして私らしく生きていくことを決めたから。 

「……良いのですか?」 

「はい! 
 どっちにしても素敵な旦那さまと可愛い息子を絶対に幸せにしますからね。期待して下さい!」 
 にっこり笑い、トンと豊かな胸を叩く。プルンと勢い良くおっぱいが揺れた。  

「……ふっ、幸せにしてもらうのではなく、貴女が幸せにするのですか?」 
  
「勿論です!溢れるぐらい幸せにしますよ~」 
 決意を示すように、旦那さまの頬に触れた。ギュウとその逞しい裸体にしがみつく。 

「…………それでは、今すぐお願いします」 

「え?」 
 パッと顔を上げると、それはそれは良い笑顔の旦那さまと目が合った。その笑顔、ちょっと怖いです。 
 旦那さまはしがみつく、私の手をガッと掴むと自らの股間に誘導した。 

 ん?大きい……。 

 そこには、今宵度重なる戦いを終え休止したはずのモノが、不死鳥のごとく立ち上がっていた。 


「ええぇー!?だ、旦那さま!まさかっ!またするのですか?あんなに出したのに、絶倫にも程があります」 
 エッチは気持ちいいですが、イキ過ぎてしんどいです。涙目で恐る恐る旦那さまを伺う。 

「貴女が、無防備に裸で擦りついたり、目の前で胸を揺らし誘うから悪いのです」
 しれっと悪びれずに言い切ったよこの人。

「私のせいですか~?」

「そうです貴女のせいです……無駄に可愛いらしいのが悪いのです」
 そう言って、股間を握らせていない反対の手で、私の唇を指でつついた。  
  
「うわわーっ!?可愛いらしいきましたーっ!!とうとうデレですか?旦那さまーっ!!」 
 初めて可愛いって言われた。興奮して早口で捲し立てると、旦那さまは私の手を使い、ぐにゅうとおちんぽを擦り始めた。 
 私が触れれば、何度も繰り返し射精してお風呂上がりのように湯だったおちんぽは再びガチガチに硬くなっていた。 

「んっ、はっ。デレがなんの事だかわかりませんが、幸せとやらにしてください」
 旦那さまの息が上がる。目蓋が赤く染まっていく。単純な私は、可愛いと言われて旦那さまに執拗に求められて純粋に嬉しい。欲の濁る眼差しで見つめられ、心臓が高鳴る。 

「はい!ドーンと任せて下さい」  
 自分と旦那さまの臭いのするおちんぽの先を口に含むと豊満な胸に挟み、柔肉を使ってズリズリと擦りあげた。 
 うぐぅと旦那さまから、快楽に耐える色艶が聞こえる。びくびくと震えて、穴先から溢れる粘液。旦那さまがパイズリフェラで感じてる証拠。アイスブルーの目がトロンと愉悦に溶けていく。
  
 うわわ、悶える顔も素敵っ!尊すぎますっ。
  
 朝っぱらからと思ったけど、真面目な旦那さまを翻弄する耐え難い優越感に、夢中でおちんぽに吸い付いた。
  
 たかが外れた旦那さまに、挿入され最後は啼かされた。起きたシリウスが扉を叩くまで執拗な愛の行為は続いたのだった。 
  
 
「ホッホッ、お二人にお酒を飲ませたかいがありました。思ったより早く次のお子が期待できそうです」と、ほくそ笑むシャーリングさん。 

「シオン隊長……容赦ねーな」 
 旦那さまにドン引きするスージーさん。 

「マァマ?びょーき?」 
 心配そうに私の顔を撫で撫でするシリウス……指先すら動かない。ううっ、遊べなくてごめんよー。

 その日、旦那さまは………足腰立たない私を心配したリンスさんとミミさんに説教され回数制限を言い渡されておりましたとさ。 
 


 シリウスも人型になれ、旦那さまに好きと言われ、閨じゃなくとも抱き合えました~。 

 ほぼ毎日筋肉に触れられる関係は素晴らしいです!ミミさん、リンスさんのお陰様で抱き潰される心配もなくなりました。回数制限のせいで一回が長いような気もするけど……。 
  
 シリウスとは約束通り、護衛兼監視の旦那さまとスージーさん、森に詳しいワタルさんも一緒に近くのススハラ山に虫取りに行きましたよー。
 シリウスは三角カブトムシや、氷クワガタなど珍しい昆虫を捕まえご満悦な様子。川でワタルさんが釣った魚をその場で捌き、焼き魚にしてくれて、みんなで食べました。香ばしくて、新鮮で美味しかったです。

 屋敷の人達との関係も改善されて、絵に書いたような家族三人の幸せが訪れる。そう思っていたんだけど、横槍は思ってもいない人物からもたらされた。
 
 シリウスの誕生日会からおよそ2週間後。なんと、お姉さんを断罪した張本人第一王子ジャスティス様から、私に公妾になれとの命令が届いたのだ。

 なんで??どうしてこうなった~?! 
 何を間違えたの~!失礼なことは言ってないはず。旦那さまをありがとうとは言ったような気がするけども。
 
 怒りに震え冷気ただ漏れの旦那さま。珍しく狼狽するシャーリングさん。 
 私は、真っ青な顔で先日、王城でジャスティス王子と遭遇したときのことを思い浮かべた。

   
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