ドドメ色の君~子作りのために召喚された私~

豆丸

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苛立ちとお風呂

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 2階にあるハリーさんの診察室から出ると長い廊下の右手に一階から吹き抜けに太い木の柱が立ち並ぶのが見える。塗装されていない剥き身の木の質感、領主の館にしては全体的に地味な色合いにシンプルだけど頑丈そうな造り。大小たくさんの小部屋があるが、他の獣人とすれ違わない。ズボンを履き替えたハリーさんに先導され静かな廊下を歩く。 
 
「部屋たくさん在るのに他の獣人に会いませんね?」 
 
「部屋数が多いのは非常時に領民を避難させるためですよ。人に会わないのは、春は、黒ダニの増殖期なので先日大規模討伐がありまして、今、皆さん帰省中で必要最低数しか館には残っていません」 
「黒ダニ?」 
「ミサキの世界には居ませんか?巨大で硬く、瘴気で土地を腐らせる疫病神です。」 
 
「土地を腐らせる!いませんよっ」さすが異世界、魔物がいたよ。巨大な黒ダニを想像し背筋が寒くなる。 
 
「黒ダニが居ないなんて、ミサキの世界は良いですね。討伐で黒ダニは大人しくなりましたが、他の魔物も居ますから、外には絶対に出ないで下さいね」 
 
 そんな恐ろしい物がいるなら、言われなくても出ない、私は頷く。 
  
「討伐に、女の獣人はいないんですか?」 
「居ません、女性自体少ないですし、体も弱く外は危険ですから、家からほとんど出ませんね。」 
「家からほとんど出ない……私だったら息が詰まりますね………筋力低下して寝たきりになりそうよ……」
  
 女性が体が弱い原因、血が濃くなりすぎたこともあるけど、過保護にしすぎちゃったこともあるのかも知れないわね。 
 
 考えながら、玄関の入り口が見える廊下の端まで移動すると下から言い争うような声がする。 

「…………奥様……………人間など……………なぜ?…………可哀想………です……」所々聞こえるジャミの甲高い声。近づくにつれ、答えるラッセルのイライラした低い声が聞こえた。 
 
「……しつこいぞジャミ!俺も垂れているドドメ色の性器など嫌だ!…奥には悪いと思うが……竜神様の命令だ。閨の準備を頼む……。」 
「領主様!!」  
「くどいぞ!」牙を剥き一喝するとジャミは玄関から出ていこうとし振り向き様、「僕は認めませんよ!奥様は心の底から、領主殿をお慕いしていたんですから!」緑色の羽を広げ飛び去った。 
  
 ジャミの飛び去った方向を拳を握り締め見ていたラッセルは少し経つと玄関から出て行った。  

―――――最悪な気分。 
 垂れてドドメ色で悪かったわね………私を抱くの罰ゲームか何かのつもり? 
 私だって嫌よ!非常に腹立たしいし不愉快だわ! 
 ラッセルの好感度はマイナスだ。旦那に操を立てて死を選ぶほど、貞淑な女じゃない……私は死にたくはない。 
 でも、これから生きるためにラッセルと子作りしないとなんて、苦痛以外の何者でもないわ!
 あんなやつに好きに体を弄られると思うとゾッとした。垂れてるドドメ色と馬鹿にするなら、体を見てほしくもない!  
 
「み、ミサキ気にしないで下さい。先ほど内診しましたが、ミサキの陰部はピンクに近いドドメ色ですよ!ぼ、僕は綺麗だと思います!」ハリーさん、ドドメ色って言ってるよ……微妙な慰めを受けても嬉しくない。 

「………ねえ、ハリーさん」自然に声が低く冷たくなる。 
「は、はい!」私の剣呑な雰囲気に押され、ハリーさんが背筋を伸ばした。 
「ラッセルの部屋に行く前に目隠しと手を縛るロープを下さいな」 
「な、何に使うのですか?」ハリーさんがあからさまに警戒した。領主様に危害を加えるつもりはない。   
「ふふ、使用法を聞くのは野暮ですよ………ハリーさんも私に目隠しされて、縛られ上に乗られたいですか?」とびきりの笑顔を向けるとハリーさんは耳をぴくっとさせ赤くなった。


 
 

◇◇◇◇
 


 

「はあっ、ふー。お風呂気持ちいいっ」 
白い湯気が木で出来た露天風呂を覆う。一人で入るには贅沢すぎる広さ。木の香しい薫り、癒される。 
 誰かが風呂は命の洗濯と言った気持ちが痛いほど、解る。 
  
 ラッセルとの初めての子作りは私が一方的に絞った。旦那じゃない他人、しかも獣人相手で思ってたより緊張していた、体全体が強張り軋む。お湯の中でゆっくり力を抜き、ほぐしてゆく。 
 無理に捩じ込んだアソコがお湯でピリッとした。はあ、切れてるわ……ラッセルでかすぎよ。奥さん………大変だったわね。まだ入っているような、存在感が凄い。 
  
「ふーっ。綺麗ね」 
  
 湯船の縁に腰かけて空を見上げた。宝石のような巨大な蒼の月、銀紫の星と虹色のオーロラ、異世界なんだとしみじみ思う。 

 座ったとたん、湯船に入る前に掻き出したはずの精子が太ももに流れ、げんなりした。洗い場から木の桶と風呂椅子を持ってくると座り、桶で湯船からお湯を直接汲み、太ももにかけ精子を流した。 
  
 ラッセル精子多い、出しすぎよ……若い男の人だから、自慰したり、定期的に女性抱いて発散してたのかも知れないけど、きっと溜まってたのね。最後に腰振って私を突き上げてたし、気持ち良かったってことよね!
  
 ふふん、ちょっとちんこ舐めてあげたら、簡単に勃っちゃったし、あんなに嫌がってたのに私の勝ちね~。勝ち負けじゃないのに得意げになる。 
  
 次回からも目隠し、ロープは必須ね。ラッセルは竜神の命令で一週間に一度は子作りしないといけないと言った。 
 私の生理周期ハッキリしてるから、排卵しそうな2日3日前の月に一回だけにしてもらいたいな。ラッセルに交渉して……いや、竜神様とお話出来るならその方が早い……孕めなくても死に戻さないで下さいと懇願もしたいし。 
 
「うーん」思わず唸ると直ぐ側で声がした。 
「唸った、ミサキ大丈夫?」 
 振り返ったそこには、白い巨大な塊ではなく、犬獣人のカンタさんが心配そうに立っていた。 
 白い塊に見えたのはカンタさんが洋服を着ていなかったからだった。胸部から足先まで全体的に白いもふもふした毛に覆われて乳首も陰部も解らない。 
 毛に覆われてるから迷うけど、裸でいいのかしら?
 
「あの、カンタさん今、裸なの?あと、なんで一緒に入るの?」自分の裸を体を丸ませ隠しながら聞いた。 
 
「ミサキ。お風呂、服着て入らないよ、僕。 お風呂、好きだから入った。ミサキと一緒にお風呂嬉しい。そうだ、タオル、着替え、置いといたよ。お風呂出たら、ミサキを部屋に案内する!」 
  
 全く邪なものを感じさせないカンタさん、ただ純粋にお風呂に入りたかった様子に警戒が薄れる。誉めてと言わんばかりにしっぽを振った。しっぽの反動で白くて気づかなかったが、前のしっぽも揺れた。 
 
 えっ、前にしっぽなんかない、カンタの動きに合わせて左右にしっぽにみえた、ちんこが揺れた。 
 カンタさんのちんこは、太くて短くて毛に覆われていた。微笑ましい大きさだ、ラッセルのが規格外だっただけに、余計ほっとする。ヨシヨシしたいぐらい………しないけどね。 
 
「カンタさん、着替えありがとう。私は出るから、のんびり入って……」警戒は薄れたが、他人の男性と一緒に入る趣味はない。 
 上がり湯もそこそこに脱衣場に逃げる私の腕をカンタさんが掴んだ。 
 
「ちょっとカンタさん?」振り払うにもびくともしない。  
「ミサキ、洗うよ。僕、侍女の代わりに。ラッセル様に頼まれてる」 
  
 カンタさんは私の肩を掴むと強引に風呂椅子に座らせ、自分も後ろに座る。 
 手に石鹸を持つと両手の毛を使い、泡立て、たくさんの泡で私の背中を洗い出した。 
  
 首スジから肩甲骨、腰にカンタさんの大きな手が這い回る。手のひらにある肉球のプニプニしたゼリーのような質感と極上の毛皮の心地よさに声が上がる。 
嫌だ、気持ちいい……ラッセルとの交わりで燻ったままの体には、刺激が強すぎる。一回イクか、自慰しとけば良かったわ……。
 
「――――――っ。はっ。あっ、カンタさん、止めてっ」
「前、洗うよミサキ。体伸ばして。丸くじゃ洗えない」
「はっん………前は自分で、洗ったから…ん、大丈夫よ」   
「まだ、ラッセル様の匂いするよ。ダメ洗う」
 カンタさんは丸くなり抵抗する私の脇の隙間から両手を突っ込むとおっぱいを擦るように洗い出した。 
 
「や、おっぱいだめっ……あっ、んっ」 
 円を書くように丸く優しく、乳首も摘ままれ、洗われる。甘いうずきが乳首から燻ったままの体に火をつけようと広がる。 
 
「ミサキ。柔らかいね、体、お肉、ぷにぷに気持ちいい、おっぱいもおっきい食べたいな」 
 洗っていたはずの両手が下からおっぱいを掬うとやわやわと揉みしだく。 
 いつの間にかカンタさんの大きな体が、私の背中にくっついて、後ろから抱きしめられるようにおっぱいを弄られていた。 
 
「ミサキのおっぱい凄いね。プリンみたい、形が変わる、食べたい、食べていい?」 
「ああん。いやっ、だめよ、食べないでっ」 
  
 耳をカンタさんの犬舌でベロベロ舐められる。ぞくぞくして体が仰け反る。ああっ、このまま、カンタさんに好きにされちゃう…… 
 
「あれ?ミサキ、湯あたり?耳まで赤い。」   
「そう、湯あたりなの、早く上がりたいの」 
「大変だ!出よう、早く!」 
 泡がついたままに慌てたカンタさんに抱っこされお風呂場から出された。 
 
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