ドドメ色の君~子作りのために召喚された私~

豆丸

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内診ともやもや

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 たくしあげた花柄のスカートの中に揺れる兎耳がピクピク動く。左手に本を持ちながら書かれた解剖の絵と私の女性器を比べぶつぶつなにやら呟いて、そしてノートにメモをとったり模写をする。
 
「ハリーさん、これ内診じゃないよね?必要なの?」 
  
 医者のハリーに領主様と交わるのだから、内診が必要なんですと言われ、病気なんか持ってないわ失礼なと思いながらも、下着を脱ぎベッドに横たわり、膝を立てて、無防備な下半身を晒したら………始まったのはまさかの写生会。 
恥ずかしいを通り越して、唖然とする。
     
「必要です!孕み人の医療発展のため貢献してください!」鼻息荒く私の股の間に陣取り、動く気配はない様子……
 
「貢献なんて、嫌ですよ。内診終わったらラッセルの部屋に私を連れていく約束してましたよね?遅れてもいいんですか?」 
 
「少しです、大丈夫ですよ!はあ、念願の人間の陰部です!ああっ、本の絵と実物は全然違いますね、私、感動してますっっ!」 
ハリーさんのテンションは高い、ピンクの鼻が忙しなく動き鼻息も荒く、目が……血走ってる。危ないわ、この人一番まともそうだったのに一番ヤバい人かもしれない…… 
 
「この本だと、小陰唇はヒダ状で薄いと書いてありますが、ミサキのは薄くなく厚いですし、少し垂れて黒っぽいですね?何でですか?」 
 
「え?何でと言われても…」  
 
そんなに垂れてるの?黒いの?……地味にショックだわ。それなりに性交経験あるし出産してるし無傷に綺麗なピンク色とはいかないだろけど…… 
 
「それに、陰核ですか?絵より大きく赤ちゃんの陰茎みたいですね!これは興味深い、是非とも測らせて下さい!」 
  
え?測る? 
陰核と測る相容れない単語に固まる。
 
 ハリーはウキウキと白衣の胸ポケットから定規なのか板切れをだすと、私の陰部にあてがう。 
 冷たい定規の硬い感触とハリーさんの柔らかい毛の生えた指先が触れ、下半身がぴくぴく動く。 
 久しぶりに、他人にしかも若い男に触られ、浅ましい欲望が目覚めてしまいそうで、居たたまれない。
 
「ハリーさん、止めて!そんなトコ、測るところじゃないでしょう?」 
 陰核を定規で押され、たまらず後ろにいざって逃げようとする。 
 
「じっとして動かないで下さい!測れませんよ!洋服も邪魔です!上まで捲って下さい!」  
 
 何かのスイッチが入ってしまったハリーさんにスカートを乱暴に持ち上げられ、右足に体重をかけ乗られ、左足を大きく開かれ固定された。   
 
「ハリーさん、あっ、いやですっ」 
 
「こ、これは医療行為です。変な声を出さないでいただきたい!」 
  
 医療行為なら測るのを止めてほしい。ハリーさんはぶつぶつ言いながら、私の陰核に触れ縦、横のセンチを測り、嬉しそうにノートに記入した。 
  
 私の陰核そんなに大きいんだ……知りたくなかった数字を聞いてしまった。 
   
「素晴らしいです!こんなに皮に守られていますっ」 
 プニプニと執拗に触られ、だんだん気持ちよくなり、お腹の奥の方が熱を持ち、トロリと濡れてきたのがわかる。 
 
「ち、膣口が、光っていますよ……これはもしかして!」 
 ハリーさんは人差し指で膣口をつつき、指に付着した愛液を掬うとためらいなく口に入れた。味わうように熱心に口をモグモグさせた。 
 
「ハハハリーさん、何で舐めるんですか!」
 
「素晴らしいです!コレが性的興奮時に出る粘液ですね?甘くて美味しいです!それに膣口、肉々しくて、内臓みたいで、こんなにゆるゆるで閉じてないんですね!」 
 興奮しっぱなしのハリーさんは膣口にも定規をあて長さを測りだす。 
  
 ハリーさんの顔は股間にくっつくんじゃないかと心配になるほど近く、おまけに鼻息がふごふご熱い。   
 ふとハリーさんの股間に目をやれば白衣のズボンが盛り上がっていた。      
 
 ひいいー。見るんじゃなかった!ちんこ勃てて、へ、変態がいるよー。やっぱり医療行為じゃないじゃない!………助けて神様。 
 
「ミ、ミサキ。中も測りますね?」ごくりと兎が喉をならした。  
 
「中って、まさか……俺のちんこで測りますとか言いませんよね?」 
   
「…………………。」 
「…………………………っ」 
   
 
「……そ、そんな、馬鹿な事言うわけないじゃありませんか!」瞼を赤くし目を反らした。 
   
「今の間はなに?言うつもりだったでしょ?この、変態医者!」
 
「ち、違います!確実に定規を中に入れて、どこまで入るのか測りますよ」 
 
「定規!…そんな硬いもの入れないで下さい」 
 
「大丈夫ですよ!肉の棒がはいるんです!定規ぐらい楽チンに入ります!」
 
「ら、楽チンじゃないです!私に無機物を入れる趣味はないです!嫌だったらっ!」無理やり私の膣口に定規を押し込もうとするハリーさんの頭を叩く、寧ろ無機物で、鈍器で殴りたい!
 
「痛たたっ、ミサキ暴力反対、医学の発展の為です!我慢して下さいっ」 
 
「何が、医学の発展よ!ちんこおったてて説得力ないのよっ!」   
 無我夢中で目の前に揺れていた兎耳をおもいっきり引っ張った。 
 
「あ、あっ、ミサキっ、引っ張ったら、駄目ですよ!」 
 
「駄目なのは、ハリーさんです!定規入れないで!」兎耳をもげる勢いでぐいぐい引っ張る、いや寧ろもげてしまえ。   
  
「ひいいー。痛い」泣き声と共にハリーさんは定規から手を離し、耳を押さえ守ろうとした。   
 
「は、定規入れません、ううっ、離しましたからー。引っ張らないで下さい」 
 ハリーさんが下半身から離れたので、私は股を閉じ、急ぎ服を整えた。 
 
 彼は、私の前にぺたんと座り、耳を擦り擦り私を悲しそうな顔で見上げた。 
 耳の毛が私の掴んだ手の跡で毛皮が逆立ち、少し抜けてしまい痛々しい。ふわふわと抜けた毛が綿毛のように漂う。 
 
 ちょっとやりすきだかしら?……元を辿ればハリーさんが悪いのに罪悪感が沸く。 
 
 兎の飼育本に耳は神経が集中してて、掴んではいけませんって書いてあったわね。 
悪いことしたかも……。 
 
「ハリーさん、やり過ぎましたごめんなさい。でも、定規は止めて下さいね」 
  
 私は手を伸ばすとハリーさんの耳に優しく触れた。一瞬びくっと体を強張らせたハリーさんだけど、引っ張らないと理解したのか、大人しく触らせてくれた。 
 ふわふわの柔毛の素晴らしい感触。耳の根元から先までゆっくり優しく撫で続けるとハリーさんの顔は真っ赤に染まる。 
 熱の孕む瞳で私を見つめ、ズボンが限界なほど、膨らみ、腰を揺らし始めた。
 
「ち、ちょっと……ハリーさん?」 
 
「そ、そんなに優しくされたら、僕!我慢出来ません!出ます!出ちゃいます!――ぐっぐ、ああっ、っ!」 
 腰を前後に振り、私は耳しか触っていないのに、体をガクつかせハリーさんは吐精した。 
白衣のズボンの真ん中に黒い染みが広がり、恥ずかしそうに耳をぷるぷるさせ、余韻に浸っていた。 
 
  
困った――――やっぱり変態医者だったわ。
 
  
  

   
◇◇◇   





 賢者タイムに入り落ち着いたハリーさんに謝られ、ラッセルの寝室に案内するからと服を渡された。領主ラッセルと同じ赤い衣に金色の帯、でも明らかにサイズは小さい。 
 
「この、洋服って、女性用?………もしかして奥さまの?」 
   
「すいません、不快になられましたか?今はこの館に女性は住んでいなくて予備の衣もないので、ラッセル様の離縁した奥さまのを拝借しました」 
   
「………聞いても良いですか?……ラッセルが離縁した理由って………もしかして、」 
 
「はい、子供が出来なかったからです。………奥様はそれはそれは綺麗な黒豹獣人でしたが、体が弱く1日中部屋に籠っていらっしゃいました。子作りに良い薬草や治療、はては、まじないまでしましたが、3年間孕むことがなく、1年前に離縁されています」 

 最低、子が出来ないから、離縁なんて酷いわ……少しだけ上がったラッセルの好感度が地に落ちた。ジャミの激昂ぶりをみると、竜の背では不妊の原因は女性にされるようだ。女の価値は子を孕むことだけなのかと気分が悪くなる。
 
 不妊外来に来た最低男を思い出した。検査結果を捏造しただろう?俺に精子が無いなんて嘘だ!妊娠しないのは女の妻のせいだと喚いていたっけ………暴れるから、警察に速やかにお持ち帰りしてもらった。 
 後日奥さん菓子折り持って謝りに来て、モラハラも酷く離婚するって言ってたっけ………今は違う人と幸せな結婚して2児の母になったと聞いている。本当に良かった。

 ラッセルは、男性側にも責任があると言った時、ミサキにも一理あると言ってくれたけど、本心は解らない。 
 彼にもし種が無く、性交しても孕めなかったら私は死ぬのかしら…………協力はしたから竜神に見逃してもらえるのかしら? 
はっきりしないし、解らないことが多すぎる。 
  
 奥さんの服に袖を通しながら、これからラッセルに抱かれるかと思うともやもやした。 
 
 

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