87 / 87
番外編⑥ 休日はデート ~グレンさんと
しおりを挟む「……本当に……マナツを噛んで良いのか?」
私なりの精一杯のおねだりに、グレンさんは情欲を抑えきれない声で答えた。
「……いいわ」
「竜族にとってお互いの首を噛み合うのは子作りの為だ。噛むことで雄は射精を促され、雌は刺激で排卵する。マナツは、俺との子を望むのか?孕ませていいのか?」
「こ、子作りっ!?」
首を噛むことにそんな意味があったなんて。
グレンさんが仕切りに、私の首を噛みたがったのは私との子が欲しかったからなんだ。
私は、竜族じゃないから排卵はしないだろうけど。
胸に大きな喜びが広がる。それと共鳴して子宮が期待に蜜を垂らして震えた。
私の体も子作りしたいと望んでいる。
「……俺は、マナツを大切にしたい。子を望まないなら我慢できる。マナツは俺を噛んでくれた。それだけで天に昇るような気持ちだ」
泣き笑いの表情を浮かべて言われても説得力ないのに。グレンさんは、いつでも無理をしても私を気付かってくれる。
優しいこの人に報いたいから。
「……私は、グレンさんに噛んで欲しい。赤ちゃん出来たら嬉しいからぁ」
お尻を高くあげて、両手を伸ばしひくつく膣口を広げて見せた。
一度受け入れてグレンさんの形に広がったままの、ソコはもっと欲しくて、赤く充血してしどどに濡れていた。
「早くっ!噛んでっ。私を孕ませてっ。
ーーーーっ!?ひゃ!!痛っ!!あ、あああっん!!」
獣のように唸り声をあげたグレンさんに、首筋を噛みつかれた。鋭い牙が皮膚を破る。血が滲む。痛みに叫ぶ暇を与えず、グレンさんの陰茎が私を貫く。グルルルッと唸りながら、瞳孔が縦長に変化した。獲物になって補食されるよう、私を後ろから突き上げて荒々しく揺さぶる。
膣壁をずりずり擦りあげて、快楽の沼に沈める。それでも足りないと、赤ちゃんの部屋の入り口を荒々しくノックする。入れろ入れろと言うように。
「んんっ!!ああっ!!ひっ、ぁあんっ!!いいのっ!!」
気持ちいいトコロを余すことなく、擦られ潰されて、甘い声をあげることしか出来ない。
首を噛まれたまま、何度も何度も穿たれ揺さぶられる。力強い抽送を受け止めきれずに、顔と胸がベッドに沈む。
ギシギシと壊れそうにベッドが軋む。
「孕めっ!マナツっ!また……出すぞっ!」
お尻だけを持ち上げられた恥ずかしい格好で、何度も何度もたっぷり中に射精されて。
「あー、あー、ぁああんっ!!こ、こんなっ!た、たくさん、ひ、あんっ!!激しいーっ!!んんっ!!」
どちゅんどちゅんどちゅん、と責め立てられ、ただただ喘ぐ。
注がれ過ぎてお腹が苦しくても、飛沫が飛び散っても。それでもグレンさんは止まってくれない。
パチパチと甘く白く気持ちよく弾ける。何度もイカされて思考も体も享楽に溶けてしまう。
滴る汗と、結合部からずるりと抜け落ちた陰茎から、二人分の体液が溢れる。
ぽたり、ぼとりとシーツに大量に落ちた。
「っはっ!!クソっ!はーっ、俺は我慢してたのに、はあ、くっ、散々煽って…どうなるか、わかってなかったのか?」
グレンさんは私の首の噛み跡をいとおしそうに見つめ、そっと撫でた。ぞくぞくと皮膚が粟立つ。
「……あっ、あぁっ」
「もっと……だっ」
横向きにされ、足を大きく持ち上げられた。再び首を噛まれ、当たり前のように挿入される。嬉しいと中が喜び、収縮してわななく、きつく膣壁をすぼめて、グレンさんの陰茎を締めてしまう。
「あっゃ…っ、ぁはんっ、はやぁっーーーーっ!?またぁ、イッちゃうっん!イッちゃうっの、あぁあぁっ!」
「ーーくっ。はっ、し、締まる。
はあっ、はあ。
ハッ……マナツまた絶頂したのか?
……ふーっ。もう、これで何回目だ?」
中に居座ったまま、穿たれ続けて意地悪い質問までされる。
「ん、あー、ぁああんっ!!もぅ、わ、わかんにゃいぃっー」
絶頂の高みを越えて、もう降りてこれない。
「ーーっつ!!絶頂し過ぎて、呂律が回ってないのか!くっ、かわいいっっ!可愛すぎだっ!!……俺にだけその声、聞かせてくれっ!はっ。ふっ、んっ。頼むっ」
たかが外れたグレンさんの暴走は私が気を失っても続いた。
結果的にピザは朝御飯になってしまった。
辛いピザを頬張り晴れやかな表情のグレンさんに対して、私の表情は冴えない。下半身ボロボロで寝不足の隈の妖精ですから。
「そうだ、マナツがこの家を気に入ったのなら俺とレインで買い取るが、どうしたい?」
「え?買い取ってどうするの?」
「三人で住むに決まってるだろう?そのための、物件探しだ。これといったのが見つからなくて、ここが七番目だな。もちろん今、直ぐにと贅沢は言わない。竜神様が成体になってからでいい」
「出先にレインさんと『七番』って、こそこそ言ってたのはこの事だったのね?」
「そうだ……本当はマナツに秘密で探しプレゼントする予定だったが。レインが本人に見てもらった方が良いと判断したからな……。パンもケーキも焼けるかまど付きの、この物件にするか?」
グレンさんに期待を込めた純粋な目で見られる。
婚約者だから一緒に住んでもおかしくはないけど。レインさんが絡んでいる以上、これは俗に言う囲い込み行為だろう。逃げるつもりはないのに。
竜神様が成体に育つまでは、けじめとして結婚式は待ってほしい。レインさんもしつこいからなぁ……遠い目をしながら思う。
「……俺たちと、ここに住むのはいやか?」
「違うわ。この物件素敵だけど。子供が出来たら住居が二階だけになっちゃうから手狭だと思うの。
……子供かぁー。グレンさんに似た女の子とレインさんに似た女の子って絶対かわいいと思うのよね。あっ、でも二人に似た男の子もわんぱくそうで楽しそうね」
家族が増えたらと、想像するだけで顔がにやけてしまう。他人の竜神様でもこんなに可愛いのだから、自分の子供なら本当に目に入れても痛くないほどなのだろう。
グレンさんとレインさんと新しい居場所を作り、家族となって子供を産み育てる。そして、今度は私が子供たちの温かい居場所となって営みは続いていく。
「……俺は、マナツに似た女の子がいい」
グレンさんに、にっこりと穏やかに微笑まれた。 初めて見るその笑顔は、なぜかレインさんを彷彿とさせて。嫌な予感にお腹がぞわりとする。
すっと肩に置かれたグレンさんの手に力が入った。
え?えっ?嘘でしょう??
ーーっつ!!
ーーーーっ!?
結局、片付けもソコソコに大急ぎで神殿に帰ることになってしまう。
お出迎えに遅れた私たちは、竜神様に怒られ、目ざとく首の噛み跡を見つけたノコアちゃんたちには、祝福された。
ベンダルさんは、終始渋い顔で「俺は噛みたいのを我慢しているのに」と、ぶつくさ言っていた。
レインさんには…………。
「グレンとは首を噛み合ったのですから、僕ともしてくれますね」っと、迫られ後日酷い目にあうのだけど、この時の私は、まだ知らない。
番外編 休日はデート~グレンさんと
〈終わり〉
あとがき
後日、レインさんにも噛まれてる→朝までコース→虹色の卵を産むの流れです。
自己エロ補給として書き始めた番外編、思いのほか、長くなりました。お読みくださりありがとうございました。
気が向いたらレインさんサイドも書くかもです~。
10
お気に入りに追加
212
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(3件)
あなたにおすすめの小説
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
悪役令嬢、追放先の貧乏診療所をおばあちゃんの知恵で立て直したら大聖女にジョブチェン?! 〜『医者の嫁』ライフ満喫計画がまったく進捗しない件〜
華梨ふらわー
恋愛
第二王子との婚約を破棄されてしまった主人公・グレイス。しかし婚約破棄された瞬間、自分が乙女ゲーム『どきどきプリンセスッ!2』の世界に悪役令嬢として転生したことに気付く。婚約破棄に怒り狂った父親に絶縁され、貧乏診療所の医師との結婚させられることに。
日本では主婦のヒエラルキーにおいて上位に位置する『医者の嫁』。意外に悪くない追放先……と思いきや、貧乏すぎて患者より先に診療所が倒れそう。現代医学の知識でチートするのが王道だが、前世も現世でも医療知識は皆無。仕方ないので前世、大好きだったおばあちゃんが教えてくれた知恵で診療所を立て直す!次第に周囲から尊敬され、悪役令嬢から大聖女として崇められるように。
しかし婚約者の医者はなぜか結婚を頑なに拒む。診療所は立て直せそうですが、『医者の嫁』ハッピーセレブライフ計画は全く進捗しないんですが…。
続編『悪役令嬢、モフモフ温泉をおばあちゃんの知恵で立て直したら王妃にジョブチェン?! 〜やっぱり『医者の嫁』ライフ満喫計画がまったく進捗しない件~』を6月15日から連載スタートしました。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/500576978/161276574
完結しているのですが、【キースのメモ】を追記しております。
おばあちゃんの知恵やレシピをまとめたものになります。
合わせてお楽しみいただければと思います。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
子持ちの私は、夫に駆け落ちされました
月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?

【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。

覚悟はありますか?
翔王(とわ)
恋愛
私は王太子の婚約者として10年以上すぎ、王太子妃教育も終わり、学園卒業後に結婚し王妃教育が始まる間近に1人の令嬢が発した言葉で王族貴族社会が荒れた……。
「あたし、王太子妃になりたいんですぅ。」
ご都合主義な創作作品です。
異世界版ギャル風な感じの話し方も混じりますのでご了承ください。
恋愛カテゴリーにしてますが、恋愛要素は薄めです。
男装騎士はエリート騎士団長から離れられません!
Canaan
恋愛
女性騎士で伯爵令嬢のテレサは配置換えで騎士団長となった陰険エリート魔術師・エリオットに反発心を抱いていた。剣で戦わない団長なんてありえない! そんなテレサだったが、ある日、魔法薬の事故でエリオットから一定以上の距離をとろうとすると、淫らな気分に襲われる体質になってしまい!? 目の前で発情する彼女を見たエリオットは仕方なく『治療』をはじめるが、男だと思い込んでいたテレサが女性だと気が付き……。インテリ騎士の硬い指先が、火照った肌を滑る。誰にも触れられたことのない場所を優しくほぐされると、身体はとろとろに蕩けてしまって――。二十四時間離れられない二人の恋の行く末は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
めちゃくちゃ面白くて2日ほどで一気に読んでしまいました。
卵のあたりのお話も読みたいです。
これからも頑張ってください。応援しています。
ありがとーです!
感想とても嬉しいな
今書いているのが落ち着いたら書きたいと思います。
龍神様に癒されたぁ🥰
素敵なお話をありがとうございました👏✨
せちさん、感想嬉しいです!
ありがとうございます!
モチベーション爆上がりです。今書いてる「悪役令嬢の面の皮」もお暇な時に読んで下さい!
とても楽しく読ませて頂いています。
まだ途中ですが続きを楽しみにお待ちしています~♪
ありがとうございます。
感想ありがとうございます!
後半部も頑張って書いていきます(^-^)/