34 / 87
俺は特別か?② sideグレン
しおりを挟む自らの舌でマナツの口内をかき混ぜたながら、腰を引き寄せた反対側の手のひらで耳を撫で、首筋をたどり下に降りていく。
浮き出た鎖骨の形を確かるように撫でるとその先の膨らみへ。
その手の意味が解ったマナツは、弱々しく俺の手のひらを押さえた。
「はあっ、だっ、駄目よ…グレンさん…」
否定する言葉とは真逆の表情。上気した頬。潤んだ瞳には情欲が宿る。唇は俺の唾液でテラテラ光る。俺に与えられた快楽を逃そうと内腿を擦り合わせて耐えている。
「駄目そうには…見えない」
再び唇奪い。快感を伴う魔力譲渡、媚薬のような聖なる力を流し込む。マナツが快楽に流されるように。
「あっ、ん」
びくびくと跳ねた体、トロリとしたマナツの表情に後押しされる。
服の上からも大きいとわかる、柔らかい膨らみをやわやわと揉む。
凄いな。
こんなに柔らかいものがこの世にあったのか? 服の上からでも、この柔らかさだ!直接触ったらどんなに柔らかいのか想像も出来ない。
触りたい直接。
俺はごくりと唾を飲み込むと、胸の前のボタンを外そうと試みるが、小さな花の形のボタンは片手では外せそうにない。背中はリボンで調整するのか複雑に編み込まれていた。
マナツはお手当て日は動きやすい、侍女と同じ形のお仕事服を着ているが、今日は本来休みだった
ノコアに綺麗な黄色いドレスを着せられていた。経験のない俺には難易度が高い凝った装飾。とても似合うが脱がせにくい。
引きちぎるか?
欲望の赴くまま半竜化して、裸にひんむきその体を暴く、楔を打ち付け俺だけのモノにしたい。
竜族にとっての番認定はお互いに首後ろを噛み合うことだ……俺はマナツと番に成りたい。
どうしようもない獰猛な欲望に苛まれる。背中から羽が生え、瞳孔が縦長に変化する。伸びた牙をその首筋に穿ちたい衝動と戦う。
マナツは聖女候補で人間だ。
首筋に牙を穿ったら恐怖しかない。
二度と俺に気安く微笑んでくれないだろう……俺はマナツに嫌われたくない。欲しいのは体もだが、心もだ。
ぐっと拳を握り込むと衝動を抑え込む。背中の羽と牙をしまう。
「んっ、グレンさん……はぁ。お、終わり、なの?」
動きの止まった俺を不信に思ったのか潤んだ瞳で見上げた。はあっと吐息が色っぽい。体は熱くぐったりと俺にもたれていた。いつもは決して見せない弱々しい姿にぐっとくる。
「終わりじゃない…まだ足りないだろう?」
「あん、グレンさん」
唇を合わせれば、すっかり快楽に従順になったマナツは俺の首の後ろに腕を回すと俺の唇を受け止めた。俺の舌に合わせてマナツの小さい舌がチロチロ動く。俺が絡めれば、マナツも絡め。俺が啜えばマナツも啜う。
口からお互いの唾液が溢れ首筋を伝う。それすらただひたすら、気持ちいい。
厨房に俺たちの口づけの音が生々しく響く。
俺の半身は雄々しく立ち上がりズボンに山を作る。固くはち切れそうで痛いほど。
口づけはそのままにマナツの手がそっと半身に触れた。
「あっ、おっきい、グレンさんの、すごいわ」
マナツに触れられ、びくびく震えた。
しゅっしゅっとマナツの手が上下に動く。強すぎず弱すぎず。結婚していたマナツは扱いに慣れているのか、その動きは俺の欲望を開放するのに十分だった。
「あっ!ああ!ぐっ!!」
出したい、出したい!マナツの中に。打ち寄せる快楽に俺は身悶えた。先走りがズボンに模様を作る。マナツが擦るのを止め、その模様を指先でなぞる。
「ふふ、グレンさん、可愛い……き、気持ちいいの?もう出ちゃうの」
妖艶に微笑んで俺を揶揄するマナツ。悦楽に支配された淫魔のよう。俺がマナツを気持ちよくぐずぐずに惚けさせたい、これでは逆だ。
「マナツは、気持ちよくないのか?」
薄い服の上から俺はマナツの浮き出た胸の頂きをきゅっと摘まむ。
「んっ!ああ!」
柔肉を揉みその柔らかさを堪能する。
洋服が邪魔だ。もどかしい。
硬く立ち上がった頂きを服ごと、口に含んだ。たっぷりの唾液で先を転がし引っ張っるように吸い上げた。
「あっ、はんっ!ああ!気持ち、いい」
マナツがの体が甘く跳ねて、俺に胸を押し付けた。
もっと、という意味か?
俺は夢中で胸をしゃぶった。洋服の胸の部分は俺の唾液で色が変わり、胸当てが透けて見えた。扇情的なマナツの姿、息は絶え絶えで、下半身をびくつかせ内腿を擦る。
俺の半身は限界だ。
ふわりとしたマナツのスカートをめぐり、白い太ももを撫でてから、むっちりした肉を掴み割り開く。
「あっ!グレンさん、み、見ないでぇ」
羞恥に身を捩るマナツのショーツはしっとり濡れていた。
「……くっ。こんなに、濡れてる」
マナツも気持ち良く感じてくれているのだ。俺はズボンごとそそりたつ半身をマナツのショーツ越しのソコに押し付けた。
どくどく脈打つ熱い半身をずっ、ずっ、ずっと上下に擦れば、マナツのソコが甘く震え溢れた。俺の先からも先走りが溢れて混ざる。体液を媒介にして聖なる力がマナツに移行する。
布越しの抽送がもどかしいのに、そのもどかしさすら気持ちいい。
腰の動きが止まらない。力強く打ち付ければ、マナツの太ももが戦慄き、俺の半身を挟み込んだ。 ぐっと柔らかい肉に挟まれ、脳天に快感が突き抜けた。
「はあっ、ぐっ!!ぐぐっ!」
「ああっ!いっちゃう!!」
マナツが白い喉を仰け反らせるとびくんびくんと震えて弛緩する。
俺はその喉を甘噛みするとズボンに欲望を撒き散らした。
マナツのショーツも俺のズボンもひどい有り様で、二人で余韻の息を吐く。厨房に場違いな性の匂い。
下着越しのふれあい。未挿入でこんなに蕩けるほど気持ちいい。
もっともっと深く繋がったら……どうなるのだろう?
ぐったりと横たわる無防備なマナツを前に抑制など効く筈もなく、ただの雄と化した俺はマナツの精にまみれたショーツに手を伸ばした。
1
お気に入りに追加
212
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪

【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。
悪役令嬢、追放先の貧乏診療所をおばあちゃんの知恵で立て直したら大聖女にジョブチェン?! 〜『医者の嫁』ライフ満喫計画がまったく進捗しない件〜
華梨ふらわー
恋愛
第二王子との婚約を破棄されてしまった主人公・グレイス。しかし婚約破棄された瞬間、自分が乙女ゲーム『どきどきプリンセスッ!2』の世界に悪役令嬢として転生したことに気付く。婚約破棄に怒り狂った父親に絶縁され、貧乏診療所の医師との結婚させられることに。
日本では主婦のヒエラルキーにおいて上位に位置する『医者の嫁』。意外に悪くない追放先……と思いきや、貧乏すぎて患者より先に診療所が倒れそう。現代医学の知識でチートするのが王道だが、前世も現世でも医療知識は皆無。仕方ないので前世、大好きだったおばあちゃんが教えてくれた知恵で診療所を立て直す!次第に周囲から尊敬され、悪役令嬢から大聖女として崇められるように。
しかし婚約者の医者はなぜか結婚を頑なに拒む。診療所は立て直せそうですが、『医者の嫁』ハッピーセレブライフ計画は全く進捗しないんですが…。
続編『悪役令嬢、モフモフ温泉をおばあちゃんの知恵で立て直したら王妃にジョブチェン?! 〜やっぱり『医者の嫁』ライフ満喫計画がまったく進捗しない件~』を6月15日から連載スタートしました。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/500576978/161276574
完結しているのですが、【キースのメモ】を追記しております。
おばあちゃんの知恵やレシピをまとめたものになります。
合わせてお楽しみいただければと思います。
廃妃の再婚
束原ミヤコ
恋愛
伯爵家の令嬢としてうまれたフィアナは、母を亡くしてからというもの
父にも第二夫人にも、そして腹違いの妹にも邪険に扱われていた。
ある日フィアナは、川で倒れている青年を助ける。
それから四年後、フィアナの元に国王から結婚の申し込みがくる。
身分差を気にしながらも断ることができず、フィアナは王妃となった。
あの時助けた青年は、国王になっていたのである。
「君を永遠に愛する」と約束をした国王カトル・エスタニアは
結婚してすぐに辺境にて部族の反乱が起こり、平定戦に向かう。
帰還したカトルは、族長の娘であり『精霊の愛し子』と呼ばれている美しい女性イルサナを連れていた。
カトルはイルサナを寵愛しはじめる。
王城にて居場所を失ったフィアナは、聖騎士ユリシアスに下賜されることになる。
ユリシアスは先の戦いで怪我を負い、顔の半分を包帯で覆っている寡黙な男だった。
引け目を感じながらフィアナはユリシアスと過ごすことになる。
ユリシアスと過ごすうち、フィアナは彼と惹かれ合っていく。
だがユリシアスは何かを隠しているようだ。
それはカトルの抱える、真実だった──。
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?
子持ちの私は、夫に駆け落ちされました
月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。
男装騎士はエリート騎士団長から離れられません!
Canaan
恋愛
女性騎士で伯爵令嬢のテレサは配置換えで騎士団長となった陰険エリート魔術師・エリオットに反発心を抱いていた。剣で戦わない団長なんてありえない! そんなテレサだったが、ある日、魔法薬の事故でエリオットから一定以上の距離をとろうとすると、淫らな気分に襲われる体質になってしまい!? 目の前で発情する彼女を見たエリオットは仕方なく『治療』をはじめるが、男だと思い込んでいたテレサが女性だと気が付き……。インテリ騎士の硬い指先が、火照った肌を滑る。誰にも触れられたことのない場所を優しくほぐされると、身体はとろとろに蕩けてしまって――。二十四時間離れられない二人の恋の行く末は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる