【番外編完結】聖女のお仕事は竜神様のお手当てです。

豆丸

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俺は特別か?② sideグレン

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 自らの舌でマナツの口内をかき混ぜたながら、腰を引き寄せた反対側の手のひらで耳を撫で、首筋をたどり下に降りていく。 
 浮き出た鎖骨の形を確かるように撫でるとその先の膨らみへ。 
 その手の意味が解ったマナツは、弱々しく俺の手のひらを押さえた。 

「はあっ、だっ、駄目よ…グレンさん…」 
 否定する言葉とは真逆の表情。上気した頬。潤んだ瞳には情欲が宿る。唇は俺の唾液でテラテラ光る。俺に与えられた快楽を逃そうと内腿を擦り合わせて耐えている。 
 
「駄目そうには…見えない」 
 再び唇奪い。快感を伴う魔力譲渡、媚薬のような聖なる力を流し込む。マナツが快楽に流されるように。
「あっ、ん」 
 びくびくと跳ねた体、トロリとしたマナツの表情に後押しされる。
 服の上からも大きいとわかる、柔らかい膨らみをやわやわと揉む。 
 
 凄いな。 
 こんなに柔らかいものがこの世にあったのか? 服の上からでも、この柔らかさだ!直接触ったらどんなに柔らかいのか想像も出来ない。 

 触りたい直接。 
 俺はごくりと唾を飲み込むと、胸の前のボタンを外そうと試みるが、小さな花の形のボタンは片手では外せそうにない。背中はリボンで調整するのか複雑に編み込まれていた。 
  
 マナツはお手当て日は動きやすい、侍女と同じ形のお仕事服を着ているが、今日は本来休みだった
 ノコアに綺麗な黄色いドレスを着せられていた。経験のない俺には難易度が高い凝った装飾。とても似合うが脱がせにくい。 

引きちぎるか? 
 
 欲望の赴くまま半竜化して、裸にひんむきその体を暴く、楔を打ち付け俺だけのモノにしたい。 

  
 竜族にとっての番認定はお互いに首後ろを噛み合うことだ……俺はマナツと番に成りたい。
 
 どうしようもない獰猛な欲望に苛まれる。背中から羽が生え、瞳孔が縦長に変化する。伸びた牙をその首筋に穿ちたい衝動と戦う。 

  
 マナツは聖女候補で人間だ。 
 首筋に牙を穿ったら恐怖しかない。 
 二度と俺に気安く微笑んでくれないだろう……俺はマナツに嫌われたくない。欲しいのは体もだが、心もだ。 
  
 ぐっと拳を握り込むと衝動を抑え込む。背中の羽と牙をしまう。 

「んっ、グレンさん……はぁ。お、終わり、なの?」  
  
 動きの止まった俺を不信に思ったのか潤んだ瞳で見上げた。はあっと吐息が色っぽい。体は熱くぐったりと俺にもたれていた。いつもは決して見せない弱々しい姿にぐっとくる。 

「終わりじゃない…まだ足りないだろう?」 
「あん、グレンさん」 
  唇を合わせれば、すっかり快楽に従順になったマナツは俺の首の後ろに腕を回すと俺の唇を受け止めた。俺の舌に合わせてマナツの小さい舌がチロチロ動く。俺が絡めれば、マナツも絡め。俺が啜えばマナツも啜う。 
  
 口からお互いの唾液が溢れ首筋を伝う。それすらただひたすら、気持ちいい。 
 厨房に俺たちの口づけの音が生々しく響く。 
  
 俺の半身は雄々しく立ち上がりズボンに山を作る。固くはち切れそうで痛いほど。  
 口づけはそのままにマナツの手がそっと半身に触れた。 
 
「あっ、おっきい、グレンさんの、すごいわ」  
  
 マナツに触れられ、びくびく震えた。 
 しゅっしゅっとマナツの手が上下に動く。強すぎず弱すぎず。結婚していたマナツは扱いに慣れているのか、その動きは俺の欲望を開放するのに十分だった。
 
「あっ!ああ!ぐっ!!」  
  
 出したい、出したい!マナツの中に。打ち寄せる快楽に俺は身悶えた。先走りがズボンに模様を作る。マナツが擦るのを止め、その模様を指先でなぞる。 
 
「ふふ、グレンさん、可愛い……き、気持ちいいの?もう出ちゃうの」  
  
 妖艶に微笑んで俺を揶揄するマナツ。悦楽に支配された淫魔のよう。俺がマナツを気持ちよくぐずぐずに惚けさせたい、これでは逆だ。 
 
「マナツは、気持ちよくないのか?」 
 薄い服の上から俺はマナツの浮き出た胸の頂きをきゅっと摘まむ。 
 
「んっ!ああ!」 
 柔肉を揉みその柔らかさを堪能する。 
 洋服が邪魔だ。もどかしい。 

 硬く立ち上がった頂きを服ごと、口に含んだ。たっぷりの唾液で先を転がし引っ張っるように吸い上げた。 
 
「あっ、はんっ!ああ!気持ち、いい」 
  
 マナツがの体が甘く跳ねて、俺に胸を押し付けた。 
 もっと、という意味か? 
 俺は夢中で胸をしゃぶった。洋服の胸の部分は俺の唾液で色が変わり、胸当てが透けて見えた。扇情的なマナツの姿、息は絶え絶えで、下半身をびくつかせ内腿を擦る。 
 
 俺の半身は限界だ。 
 
 ふわりとしたマナツのスカートをめぐり、白い太ももを撫でてから、むっちりした肉を掴み割り開く。
 
「あっ!グレンさん、み、見ないでぇ」    
  
 羞恥に身を捩るマナツのショーツはしっとり濡れていた。 
 
「……くっ。こんなに、濡れてる」
  
 マナツも気持ち良く感じてくれているのだ。俺はズボンごとそそりたつ半身をマナツのショーツ越しのソコに押し付けた。 
 
 どくどく脈打つ熱い半身をずっ、ずっ、ずっと上下に擦れば、マナツのソコが甘く震え溢れた。俺の先からも先走りが溢れて混ざる。体液を媒介にして聖なる力がマナツに移行する。 
  
 布越しの抽送がもどかしいのに、そのもどかしさすら気持ちいい。 

 腰の動きが止まらない。力強く打ち付ければ、マナツの太ももが戦慄き、俺の半身を挟み込んだ。 ぐっと柔らかい肉に挟まれ、脳天に快感が突き抜けた。  

「はあっ、ぐっ!!ぐぐっ!」 
 
「ああっ!いっちゃう!!」
  
 マナツが白い喉を仰け反らせるとびくんびくんと震えて弛緩する。 
 俺はその喉を甘噛みするとズボンに欲望を撒き散らした。
 
 
 マナツのショーツも俺のズボンもひどい有り様で、二人で余韻の息を吐く。厨房に場違いな性の匂い。 

 下着越しのふれあい。未挿入でこんなに蕩けるほど気持ちいい。 
 もっともっと深く繋がったら……どうなるのだろう?  

 ぐったりと横たわる無防備なマナツを前に抑制など効く筈もなく、ただの雄と化した俺はマナツの精にまみれたショーツに手を伸ばした。

 
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