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40・箱庭の魔王様
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縦穴鉱山の底の底、丸く拓かれた中央広場にオークたちが並んで集まっていた。
俺は岩に腰掛けながら偉そうに腕を組んで居る。
その背後に魔王軍が並んで控えていた。
俺はキルルに言う。
「キルル、聖杯をここに」
『はい、魔王様』
オークたち180匹が全裸の俺の前に片膝をついて頭を下げているなかで、畏まったキルルが陶器のワイングラス改めて聖杯のカップをお盆に乗せて運んで来た。
あのお盆はどこから持ってきたのだろう?
まあ、とにかくだ。
キルルが俺の前で片膝をついて聖杯を差し出すと、続いてゴブロンがダガーを差し出した。
そのダガーを受け取ると、俺は鮮血の儀式として手首を切って聖杯に鮮血を溜める。
「ルートリッヒ、この鮮血を口にしろ。俺に忠誠を誓わなければ石化するが、忠誠を誓い続ける限りステータスが向上する。腕力だけでなく、知力も向上するし、新たなメモリーにも芽生える。魔物として進化するのだ!」
「ありがたき幸せブヒ!」
ルートリッヒが聖杯を手に取ると、一気に飲みほそうとした。
「ちょちょちょちょっ、ちょっと待て!」
「ブヒ?」
「その一杯で全員分だから、少しずつ飲んでくれ……」
「は、はいブヒ……」
返事をしたルートリッヒが舐めるように鮮血を口にした。
そして、お盆に聖杯を戻すと変身が始まる。
「ブヒブヒブヒ!!」
両腕を抱え込むように俯いたルートリッヒが震えだした。
ここまではいつも通りである。
震えるルートリッヒの体が更に太くなる。
筋肉が大きく盛り上がる。
そして、褌一丁のルートリッヒの体に茶色い体毛が生え始めた。
その体毛は剛毛だった。
まるで針金のように太く鋭い。
更に豚面の口元に二本の牙が延び出て来た。
「変化したでやんすね」
『猪かしら……』
そう、ルートリッヒの外見は、豚から猪に変わって行った。
その風貌と眼光は、以前よりも勇ましく変化している。
「ブォォオオオオオオ!!!」
ルートリッヒが天に向かって吠えた。
「か、体に力が漲る! 脳裏に様々な知識が流れ込んでくるぞ!!」
ルートリッヒは獣のようにワイルドに吠えていた。
「ブォォオオオオオ!!」
「よし、進化が完了したようだな」
体の猛りが収まったのか、再びルートリッヒが俺の前で片膝をついた。
「魔王子バンデラス様の生まれ変わり、魔王エリク様!」
頭を上げたルートリッヒが鋭い眼光で俺を睨み付けた。
「猪豚組組長ルートリッヒ、ここに永久の忠誠を誓います!!」
ルートリッヒは俺を睨んでいるわけではないのだろう。
これがこいつの素の眼差しなのだろうさ。
でも、かなり怖い……。
更にヤクザ感が増したように見える。
「お、おう……。これから頼んだぜ。頼りにするからな」
「ははっ!!」
ルートリッヒは深々と頭を下げた。
その後に他のオークたちにも鮮血を与えて進化を促した。
こうしてオークの軍勢と縦穴鉱山が手に入ったことになる。
これで鉱山が生きていて鉄鉱石が採掘できればパーフェクトなんだけれどね。
それは今後の調査次第である。
そして、縦穴鉱山での戦いが終わって早くも一週間が過ぎさった。
俺は墓城の霊安室を塒にして暮らしていた。
墓城の下では、最近になって家らしい家が増え始めている。
煉瓦職人の技術をメモリーとして開封した者たちが煉瓦の家を作り始めたからだ。
前までは隙間風がピューピューと吹き込むボロ家ばかりだったのに、今は煉瓦の立派な家が多いのだ。
魔物の進化は早いようである。
縦穴鉱山のオークたちにもメモリーが開封されて、オークの多くが鉱夫と変化していた。
それで鉱山の掘削作業が開始され、鉱物が色々と採掘され始めたのだ。
狙いだった鉄鉱石が取れただけでなく、少量だが金銀銅が取れたらしい。
だからオークの鉱夫たちはフル回転で働いているとか。
疲れ知らずのオークたちは24時間の交代勤務で採掘に性を出している。
更に墓城と縦穴鉱山との間が切り開かれ、道を作り出したとか。
まだ山道だが、道のりを平らにして鉱石の運搬がスムーズにできるように計画しているらしい。
そして、切り倒した木々を建築資材として使うだけでなく、その木片で炭まで作り出したらしいのだ。
数引きのゴブリンに炭職人のメモリーを開封したものがいるらしい。
更に更に、農夫のメモリーを開封したコボルトが先導して、鶏を育て始めたり、畑を耕し始めたりもしているらしいのだ。
そんな感じで、どんどん墓城の周りは開拓されていく。
キングの話だと、今は近くの岩場から石のブロックを採取しようと計画しているらしい。
建築家のペルシャが墓城の復興を計画しているらしいのだ。
どうやらこの墓城も、そのうち復興するらしい。
まあ、俺は、それまで霊安室で待っていようと考えている。
そして、最近キルルと二人で町を散歩していて分かったことがあった。
大工が家を建てている。
鍛冶屋がハンマーでトンテンカントンテンカンっとやっている。
狩り班が動物やら野生のモンスターを狩ってくる。
それをコックが調理して振る舞っている。
それら魔物たちの暮らしを見ていて俺は気が付いた。
「なあ、キルル……」
『なんですか、魔王様?』
キルルは笑顔で聞き返してきた。
「俺さ……」
『なんですか?』
「こいつらが働いているのに、俺は何もしてないよな?」
そう、無職だ。
『そうですね。いつも魔王様は食っちゃ寝ばかりですね。それがどうかしましたか?』
「なんで、こいつらには仕事のメモリーが開封されるのに、俺には仕事が出来るようなメモリーが開封されないんだ?」
『はい~?』
キルルが首を傾げる。
『 魔王様が何を言いたいのか分かりませんよ?』
「なんで、俺が出来ないことを、こいつらは出来るんだ……?」
『ますます言っている意味が分かりません?』
「そ、そうか……。とにかく、俺は異世界転生してきてさ。チートで最強無敵なんだけれどさ。俺ってやっぱり社会不適合者なのは変わらないんだなって思ってよ……」
『社会不適合者?』
「だって仕事の一つも出来ないんだもの……」
ふがいない。
なんか、情けないのだ。
「魔王なのに、何もすることがない……。ぐすん……」
『んん?』
キルルは不思議そうに首を傾げていた。
まあ、可愛いキルルの顔を見れたからいいか~。
「ああ、でも、少し変わったことがあるや」
『なんですか?』
「もう俺は、ボッチじゃあないや」
それが大きな救いだった。
コボルト、ゴブリン、ホブゴブリン、ヘルキャット、オーク。
魔物ばかりだが、今は仲間に囲まれている。
いや、こいつらは家族に近い。
それが転生前と大きく違った。
そう、変わったのだ。
「よしっ!」
俺は空を見上げる。
「明日から俺も頑張ろう!」
『はい、魔王様!』
【第一章、完】
俺は岩に腰掛けながら偉そうに腕を組んで居る。
その背後に魔王軍が並んで控えていた。
俺はキルルに言う。
「キルル、聖杯をここに」
『はい、魔王様』
オークたち180匹が全裸の俺の前に片膝をついて頭を下げているなかで、畏まったキルルが陶器のワイングラス改めて聖杯のカップをお盆に乗せて運んで来た。
あのお盆はどこから持ってきたのだろう?
まあ、とにかくだ。
キルルが俺の前で片膝をついて聖杯を差し出すと、続いてゴブロンがダガーを差し出した。
そのダガーを受け取ると、俺は鮮血の儀式として手首を切って聖杯に鮮血を溜める。
「ルートリッヒ、この鮮血を口にしろ。俺に忠誠を誓わなければ石化するが、忠誠を誓い続ける限りステータスが向上する。腕力だけでなく、知力も向上するし、新たなメモリーにも芽生える。魔物として進化するのだ!」
「ありがたき幸せブヒ!」
ルートリッヒが聖杯を手に取ると、一気に飲みほそうとした。
「ちょちょちょちょっ、ちょっと待て!」
「ブヒ?」
「その一杯で全員分だから、少しずつ飲んでくれ……」
「は、はいブヒ……」
返事をしたルートリッヒが舐めるように鮮血を口にした。
そして、お盆に聖杯を戻すと変身が始まる。
「ブヒブヒブヒ!!」
両腕を抱え込むように俯いたルートリッヒが震えだした。
ここまではいつも通りである。
震えるルートリッヒの体が更に太くなる。
筋肉が大きく盛り上がる。
そして、褌一丁のルートリッヒの体に茶色い体毛が生え始めた。
その体毛は剛毛だった。
まるで針金のように太く鋭い。
更に豚面の口元に二本の牙が延び出て来た。
「変化したでやんすね」
『猪かしら……』
そう、ルートリッヒの外見は、豚から猪に変わって行った。
その風貌と眼光は、以前よりも勇ましく変化している。
「ブォォオオオオオオ!!!」
ルートリッヒが天に向かって吠えた。
「か、体に力が漲る! 脳裏に様々な知識が流れ込んでくるぞ!!」
ルートリッヒは獣のようにワイルドに吠えていた。
「ブォォオオオオオ!!」
「よし、進化が完了したようだな」
体の猛りが収まったのか、再びルートリッヒが俺の前で片膝をついた。
「魔王子バンデラス様の生まれ変わり、魔王エリク様!」
頭を上げたルートリッヒが鋭い眼光で俺を睨み付けた。
「猪豚組組長ルートリッヒ、ここに永久の忠誠を誓います!!」
ルートリッヒは俺を睨んでいるわけではないのだろう。
これがこいつの素の眼差しなのだろうさ。
でも、かなり怖い……。
更にヤクザ感が増したように見える。
「お、おう……。これから頼んだぜ。頼りにするからな」
「ははっ!!」
ルートリッヒは深々と頭を下げた。
その後に他のオークたちにも鮮血を与えて進化を促した。
こうしてオークの軍勢と縦穴鉱山が手に入ったことになる。
これで鉱山が生きていて鉄鉱石が採掘できればパーフェクトなんだけれどね。
それは今後の調査次第である。
そして、縦穴鉱山での戦いが終わって早くも一週間が過ぎさった。
俺は墓城の霊安室を塒にして暮らしていた。
墓城の下では、最近になって家らしい家が増え始めている。
煉瓦職人の技術をメモリーとして開封した者たちが煉瓦の家を作り始めたからだ。
前までは隙間風がピューピューと吹き込むボロ家ばかりだったのに、今は煉瓦の立派な家が多いのだ。
魔物の進化は早いようである。
縦穴鉱山のオークたちにもメモリーが開封されて、オークの多くが鉱夫と変化していた。
それで鉱山の掘削作業が開始され、鉱物が色々と採掘され始めたのだ。
狙いだった鉄鉱石が取れただけでなく、少量だが金銀銅が取れたらしい。
だからオークの鉱夫たちはフル回転で働いているとか。
疲れ知らずのオークたちは24時間の交代勤務で採掘に性を出している。
更に墓城と縦穴鉱山との間が切り開かれ、道を作り出したとか。
まだ山道だが、道のりを平らにして鉱石の運搬がスムーズにできるように計画しているらしい。
そして、切り倒した木々を建築資材として使うだけでなく、その木片で炭まで作り出したらしいのだ。
数引きのゴブリンに炭職人のメモリーを開封したものがいるらしい。
更に更に、農夫のメモリーを開封したコボルトが先導して、鶏を育て始めたり、畑を耕し始めたりもしているらしいのだ。
そんな感じで、どんどん墓城の周りは開拓されていく。
キングの話だと、今は近くの岩場から石のブロックを採取しようと計画しているらしい。
建築家のペルシャが墓城の復興を計画しているらしいのだ。
どうやらこの墓城も、そのうち復興するらしい。
まあ、俺は、それまで霊安室で待っていようと考えている。
そして、最近キルルと二人で町を散歩していて分かったことがあった。
大工が家を建てている。
鍛冶屋がハンマーでトンテンカントンテンカンっとやっている。
狩り班が動物やら野生のモンスターを狩ってくる。
それをコックが調理して振る舞っている。
それら魔物たちの暮らしを見ていて俺は気が付いた。
「なあ、キルル……」
『なんですか、魔王様?』
キルルは笑顔で聞き返してきた。
「俺さ……」
『なんですか?』
「こいつらが働いているのに、俺は何もしてないよな?」
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『そうですね。いつも魔王様は食っちゃ寝ばかりですね。それがどうかしましたか?』
「なんで、こいつらには仕事のメモリーが開封されるのに、俺には仕事が出来るようなメモリーが開封されないんだ?」
『はい~?』
キルルが首を傾げる。
『 魔王様が何を言いたいのか分かりませんよ?』
「なんで、俺が出来ないことを、こいつらは出来るんだ……?」
『ますます言っている意味が分かりません?』
「そ、そうか……。とにかく、俺は異世界転生してきてさ。チートで最強無敵なんだけれどさ。俺ってやっぱり社会不適合者なのは変わらないんだなって思ってよ……」
『社会不適合者?』
「だって仕事の一つも出来ないんだもの……」
ふがいない。
なんか、情けないのだ。
「魔王なのに、何もすることがない……。ぐすん……」
『んん?』
キルルは不思議そうに首を傾げていた。
まあ、可愛いキルルの顔を見れたからいいか~。
「ああ、でも、少し変わったことがあるや」
『なんですか?』
「もう俺は、ボッチじゃあないや」
それが大きな救いだった。
コボルト、ゴブリン、ホブゴブリン、ヘルキャット、オーク。
魔物ばかりだが、今は仲間に囲まれている。
いや、こいつらは家族に近い。
それが転生前と大きく違った。
そう、変わったのだ。
「よしっ!」
俺は空を見上げる。
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