390 / 604
第389話【トロール登場】
しおりを挟む
俺は頭の潰れたアマゾネスたちの死体を部屋の隅に並べて胸の前で手を組ませてやった。
南無南無南無っと拝む。
残念なことにアマゾネスゾンビはマジックアイテムどころか金目の物すら何も持っていなかった。
ゾンビだから武器すら持っていない。
流石にマジックアイテムじゃあないビキニアーマーまで剥ぎ取るのは可哀想だから、それは止めておいた。
さて、気を取り直して探索を再開させるかな。
俺は部屋を出て奥の通路を進む。
再び狭い通路だったが15メートルほど歩いただけで隣の部屋に到着した。
部屋への入り口には扉が在ったが開いたままである。
俺はランタンの明かりを絞ると出入り口に近付いて部屋の中を覗いた。
暗闇の中は静かだったが気配を感じる。
んん~、何か居るな……。
部屋の奥に大きな塊が二つ在る。
2メートルほどの塊なのだが暗くて良く見えない。
夜目スキルが有るが、これが限界だ。
しゃあないから俺はランタンで部屋の中を照らし出す。
再び殺風景な20メートル四方の部屋だった。
その部屋の奥に在るのは岩である。
岩には何か巻き付いている。
二つの変な岩が部屋の奥に在るのだ。
「うむ、不自然だ……」
俺は警戒しながら部屋に入る。
すると岩がグラグラと動き出した。
これ、生きてるよ。
「人間の匂いがするぞ~?」
「また、人間のゾンビじゃねえ~?」
「いや、生きのいい匂いだ~」
「じゃあ、食えるのか~?」
「うん、食えるな~」
どちらも頭の悪そうな口調だった。
岩たちが会話をしている。
いや、岩じゃあないぞ。
俺がネーム判定をしたら【トロールです】っと返された。
二体のトロールが振り返る。
ずんむりっとしたデブい体型のトロール二体は木の棍棒を持っていた。
そして、何故か岩のような肌にはビキニアーマーを纏っている。
俺は愕然としながら声を溢した。
「なんでトロールがビキニアーマーを着てるんじゃあ……」
振り返ったビキニアーマートロールと目が合った。
すると岩の顔を微笑ましてトロールが述べる。
「人間だ~。しかも男だぞ~」
「本当だ~。よ~し、こいつを殺そう~」
おっ、早くも殺す気満々じゃあねえか。
よーーし、やったろうじゃあねえか!!
「これで、オラたちもビキニアーマーから卒業だ~」
「こいつの服を剥ぎ取って、着込んでやるぞ~」
「でも~、こいつは一体だ。だから服も一着だぞ~」
「じゃあお前が上着を着ろよ~。オラはズボンを履くからさ~」
「それだとオラはチンチン丸出しじゃあねえか~」
「気にすんな~、オラは乳首丸出しだからさ~」
「あはははは~。そりゃあいいや~~!!」
気にしろ!!
なんだこのビキニトロールズは!?
バカなの!?
バカですか!?
俺があきれていると、ドシンドシンと音を鳴らしてデブトロールが走って来る。
身長は2メートル20センチぐらいだろうか。
醜悪な顔に太った体は岩のよう。
太い腕に丸太のような棍棒を持っている。
そして恥ずかしげもないビキニアーマー。
もう、どこから見ても変態だ。
変態にしか見えない。
うん、殺そう!!
殺すしかない!!
俺は腰からゴールドロングソードを引き抜いた。
「服だけ残してミンチになれ~」
トロールが棍棒を袈裟懸けに振るった。
「遅い!」
トロールだけにトロイ。
俺は身を屈めながら横に躱す。
そこから走った。
ビキニトロールの周りを進んで二匹の背後を取る。
容易い!
こいつらパワーは強そうだが移動速度は低いぞ。
所詮はデブだ。
俺は背後からトロールの背中を斬りつけた。
「もろうた!!」
だが───。
「なにっ!!」
俺の剣は硬い皮膚に弾かれる。
俺が斬ったのはブラの紐だけだった。
岩ってレベルの硬さじゃあない。
鉄だ、鉄の塊だ。
「いやん、オラのブラが外れたわ~」
俺にブラの紐を斬られたトロールは、可愛らしく胸を押さえて踞る。
しかし、もう一体が俺を追って攻撃を振るう。
「ちょこまかすんな、俺の上着~!!」
トロールの振り向き様の横振り攻撃。
俺は棍棒を屈んで躱すと後方に退いた。
少し仕切り直す。
んんー、破壊力が足りないのかな?
ならば──。
「ジャイアントストレングス、ディフェンスアーマー、ディフェンスシールド、フォーカスアイ、ファイアーエンチャントウェポン!!」
次々に唱えられるエンチャント魔法を帯びた俺のからだが様々に輝いた。
そして黄金剣が炎に包まれる。
攻撃力アップのついでに防御力も上げといた。
「まてこら、上着!!」
「ライトニングボルト!!」
「ギィァアアア!!」
よし、魔法が効いたぞ!!
「とうっ!!」
俺はジャンプ一番で飛びかかった。
「かーらーのーー!」
俺は上段に大きく構えて黄金剣を振りかぶっていた。
そこから──。
「ヘルムクラッシャー!!」
全力に攻撃スキルを乗せた兜割り。
攻撃力1.5倍の一撃だ。
その一撃がビキニトロールの顔面を切り裂いた。
「うぎゃぁあああ、顔が~!!」
片手で顔を押さえながらよろめくビキニトロール。
浅いか!?
だが切れた。
切れれば殺せる。
「もうブラなんか要らないぞ~!」
ブラを切られたビキニトロールが、そのブラを投げ捨てた。
ノーブラで駆け寄って来る。
「ライトニングボルト!!」
「ギョェエエエ!!」
同じ作戦だ。
まずは魔法で怯ませてからの本命攻撃に続く。
「ダッシュクラッシャー!!」
3メートルダッシュで一気に間合いを詰めた俺の残撃がノーブラトロールの膝を攻めた。
ガンっと音が響く。
「ぬぬっ!!」
剣が膝に食い込んだ。
だが、足を切断までは行かない。
「ちっ!!」
剣が骨に食い込んだところで止まって抜けないぞ。
「痛いー、痛いぞー!!」
そして、ノーブラトロールが膝の痛みに悲鳴を上げながら闇雲に棍棒を振るった。
その一振りが俺の肩に当たってしまう。
「のわっ!?」
強い衝撃に俺の体が吹っ飛んだ。
燃え上がる黄金剣から手を放してしまう。
「いてー、俺の肘がー!!」
いや、肘じゃあない、膝だ……。
「糞ぉぉ、オラの美顔がぁぁああ!!」
いや、デブで酷い顔だぞ……。
いやいや、突っ込んでる場合じゃあ無いぞ。
俺は異次元宝物庫から斬馬刀を取り出した。
その斬馬刀にファイヤーエンチャントを施す。
「一気に攻める!!」
「仕返ししてやるぞ、上着!!」
俺が走ると顔を切られたビキニトロールも走り出した。
俺とトロールが激突する。
「のわぁあああ!!」
「どぉらぁあああ!!」
俺の斬馬刀とビキニトロールの棍棒が鍔迫り合いを繰り広げる。
やはり凄いパワーだぜ。
こりゃあアカン。
俺は身を躱して鍔迫り合いから逃げた。
「おっとっとっ……」
俺が横に逃げると勢い余ったビキニトロールが前のめりに倒れた。
俺は四つん這いに倒れたトロールの延髄を狙って斬馬刀を振るう。
「ワイルドクラッシャー!!」
ガンって音が鳴った。
斬りつけた斬馬刀の刀身がトロールの後ろ首に半分ぐらい刺さっている。
流石は攻撃力2.5倍のスキルだぜ。
「ぐはぁっ!!」
四つん這いのビキニトロールが血を吐いた。
刀身が脊髄を切り裂き食道にまで到達した証拠だ。
「ち、くしょ、う……」
まだ、生きてる!?
まだ、倒れない!?
まだ、しゃべれるのか!?
俺は斬馬刀から手を離すと異次元宝物庫からウォーハンマー+1攻撃力向上を取り出した。
それで斬馬刀の刀背を打った。
その一撃で更に斬馬刀の刀身が首に深く食い込んだ。
「もう、一丁だ!!」
二擊目のウォーハンマーでビキニトロールの姿勢が力無く前に崩れた。
尻を突き上げ顔を地面につけて動かなくなる。
ビキニトロールの首は皮一枚で繋がっている状態だった。
まず一体撃破だ。
「良くも仲間を~!!」
ノーブラトロールが俺の黄金剣を振り上げながら走って来る。
「あっ~、俺の愛剣を!?」
それよりも、あいつ走れるの?
あれ、膝が治ってやがる。
トロールには強い自己再生能力が有るって聞いたことがあるが、ここまで速く再生するんだな。
「もうお前の服はオラ一人の物だ~。服以外全部細切れにしてやるぞ~!!」
無茶苦茶に振るわれる黄金剣の攻撃は速い。
流石は俺の愛用武器だぜ。
だが、剣技が幼稚だ。
穴だらけである。
「それっ!!」
俺は見つけた剣筋の穴を突いてウォーハンマーを振るった。
槌頭の一撃がノーブラトロールの顔面を撃ち殴る。
「ぐはっ!!」
まるで釣りかねを叩いたかのような感触。
硬いが空っぽ感が有る。
たぶん脳味噌が入ってないからだろう。
その一撃でノーブラトロールの前歯が飛んだ。
「歯がぁ~!!」
あれ、ハンマーのほうが効いてるぞ。
あー、なるほど。
俺は刃物で岩を切ってたから悪かったんだ。
岩は【切る】より【砕く】のほうが効果的なんだ。
続いて──。
「そぉ~~ら!!」
俺は顔を押さえているノーブラトロールのビキニパンツを下から掬い上げるようにウォーハンマーで叩いた。
ゴーーーンっと音が鳴る。
「ぐはっ!?!?!?」
頭も股間も釣り鐘のような感触がしたぞ。
どうなってるんだ、こいつの頭と玉は?
「うがぁぁ……、金玉がぁ~……」
ノーブラトロールが股間を両手で押さえながら前のめりに倒れた。
一体目と同じように顔を床につけて尻を高く上げている。
違うのは、まだこいつは生きている。
「ワイルドクラッシャーで一撃に決めたいが、スキル回数の節約だ」
言いながら俺はウォーハンマーを振り上げた。
「オラ、オラ、オラ、オラ、オラ!!」
複数打の滅多打ちである。
俺はノーブラトロールの後頭部をウォーハンマーでボコボコのタコ殴りにしてやった。
やがてノーブラトロールは動かなくなる。
勝ったぞ!!
ビキニトロール、ノーブラトロールを撃破。
この戦いの教訓は、硬けりゃ斬らすに叩けである。
【つづく】
南無南無南無っと拝む。
残念なことにアマゾネスゾンビはマジックアイテムどころか金目の物すら何も持っていなかった。
ゾンビだから武器すら持っていない。
流石にマジックアイテムじゃあないビキニアーマーまで剥ぎ取るのは可哀想だから、それは止めておいた。
さて、気を取り直して探索を再開させるかな。
俺は部屋を出て奥の通路を進む。
再び狭い通路だったが15メートルほど歩いただけで隣の部屋に到着した。
部屋への入り口には扉が在ったが開いたままである。
俺はランタンの明かりを絞ると出入り口に近付いて部屋の中を覗いた。
暗闇の中は静かだったが気配を感じる。
んん~、何か居るな……。
部屋の奥に大きな塊が二つ在る。
2メートルほどの塊なのだが暗くて良く見えない。
夜目スキルが有るが、これが限界だ。
しゃあないから俺はランタンで部屋の中を照らし出す。
再び殺風景な20メートル四方の部屋だった。
その部屋の奥に在るのは岩である。
岩には何か巻き付いている。
二つの変な岩が部屋の奥に在るのだ。
「うむ、不自然だ……」
俺は警戒しながら部屋に入る。
すると岩がグラグラと動き出した。
これ、生きてるよ。
「人間の匂いがするぞ~?」
「また、人間のゾンビじゃねえ~?」
「いや、生きのいい匂いだ~」
「じゃあ、食えるのか~?」
「うん、食えるな~」
どちらも頭の悪そうな口調だった。
岩たちが会話をしている。
いや、岩じゃあないぞ。
俺がネーム判定をしたら【トロールです】っと返された。
二体のトロールが振り返る。
ずんむりっとしたデブい体型のトロール二体は木の棍棒を持っていた。
そして、何故か岩のような肌にはビキニアーマーを纏っている。
俺は愕然としながら声を溢した。
「なんでトロールがビキニアーマーを着てるんじゃあ……」
振り返ったビキニアーマートロールと目が合った。
すると岩の顔を微笑ましてトロールが述べる。
「人間だ~。しかも男だぞ~」
「本当だ~。よ~し、こいつを殺そう~」
おっ、早くも殺す気満々じゃあねえか。
よーーし、やったろうじゃあねえか!!
「これで、オラたちもビキニアーマーから卒業だ~」
「こいつの服を剥ぎ取って、着込んでやるぞ~」
「でも~、こいつは一体だ。だから服も一着だぞ~」
「じゃあお前が上着を着ろよ~。オラはズボンを履くからさ~」
「それだとオラはチンチン丸出しじゃあねえか~」
「気にすんな~、オラは乳首丸出しだからさ~」
「あはははは~。そりゃあいいや~~!!」
気にしろ!!
なんだこのビキニトロールズは!?
バカなの!?
バカですか!?
俺があきれていると、ドシンドシンと音を鳴らしてデブトロールが走って来る。
身長は2メートル20センチぐらいだろうか。
醜悪な顔に太った体は岩のよう。
太い腕に丸太のような棍棒を持っている。
そして恥ずかしげもないビキニアーマー。
もう、どこから見ても変態だ。
変態にしか見えない。
うん、殺そう!!
殺すしかない!!
俺は腰からゴールドロングソードを引き抜いた。
「服だけ残してミンチになれ~」
トロールが棍棒を袈裟懸けに振るった。
「遅い!」
トロールだけにトロイ。
俺は身を屈めながら横に躱す。
そこから走った。
ビキニトロールの周りを進んで二匹の背後を取る。
容易い!
こいつらパワーは強そうだが移動速度は低いぞ。
所詮はデブだ。
俺は背後からトロールの背中を斬りつけた。
「もろうた!!」
だが───。
「なにっ!!」
俺の剣は硬い皮膚に弾かれる。
俺が斬ったのはブラの紐だけだった。
岩ってレベルの硬さじゃあない。
鉄だ、鉄の塊だ。
「いやん、オラのブラが外れたわ~」
俺にブラの紐を斬られたトロールは、可愛らしく胸を押さえて踞る。
しかし、もう一体が俺を追って攻撃を振るう。
「ちょこまかすんな、俺の上着~!!」
トロールの振り向き様の横振り攻撃。
俺は棍棒を屈んで躱すと後方に退いた。
少し仕切り直す。
んんー、破壊力が足りないのかな?
ならば──。
「ジャイアントストレングス、ディフェンスアーマー、ディフェンスシールド、フォーカスアイ、ファイアーエンチャントウェポン!!」
次々に唱えられるエンチャント魔法を帯びた俺のからだが様々に輝いた。
そして黄金剣が炎に包まれる。
攻撃力アップのついでに防御力も上げといた。
「まてこら、上着!!」
「ライトニングボルト!!」
「ギィァアアア!!」
よし、魔法が効いたぞ!!
「とうっ!!」
俺はジャンプ一番で飛びかかった。
「かーらーのーー!」
俺は上段に大きく構えて黄金剣を振りかぶっていた。
そこから──。
「ヘルムクラッシャー!!」
全力に攻撃スキルを乗せた兜割り。
攻撃力1.5倍の一撃だ。
その一撃がビキニトロールの顔面を切り裂いた。
「うぎゃぁあああ、顔が~!!」
片手で顔を押さえながらよろめくビキニトロール。
浅いか!?
だが切れた。
切れれば殺せる。
「もうブラなんか要らないぞ~!」
ブラを切られたビキニトロールが、そのブラを投げ捨てた。
ノーブラで駆け寄って来る。
「ライトニングボルト!!」
「ギョェエエエ!!」
同じ作戦だ。
まずは魔法で怯ませてからの本命攻撃に続く。
「ダッシュクラッシャー!!」
3メートルダッシュで一気に間合いを詰めた俺の残撃がノーブラトロールの膝を攻めた。
ガンっと音が響く。
「ぬぬっ!!」
剣が膝に食い込んだ。
だが、足を切断までは行かない。
「ちっ!!」
剣が骨に食い込んだところで止まって抜けないぞ。
「痛いー、痛いぞー!!」
そして、ノーブラトロールが膝の痛みに悲鳴を上げながら闇雲に棍棒を振るった。
その一振りが俺の肩に当たってしまう。
「のわっ!?」
強い衝撃に俺の体が吹っ飛んだ。
燃え上がる黄金剣から手を放してしまう。
「いてー、俺の肘がー!!」
いや、肘じゃあない、膝だ……。
「糞ぉぉ、オラの美顔がぁぁああ!!」
いや、デブで酷い顔だぞ……。
いやいや、突っ込んでる場合じゃあ無いぞ。
俺は異次元宝物庫から斬馬刀を取り出した。
その斬馬刀にファイヤーエンチャントを施す。
「一気に攻める!!」
「仕返ししてやるぞ、上着!!」
俺が走ると顔を切られたビキニトロールも走り出した。
俺とトロールが激突する。
「のわぁあああ!!」
「どぉらぁあああ!!」
俺の斬馬刀とビキニトロールの棍棒が鍔迫り合いを繰り広げる。
やはり凄いパワーだぜ。
こりゃあアカン。
俺は身を躱して鍔迫り合いから逃げた。
「おっとっとっ……」
俺が横に逃げると勢い余ったビキニトロールが前のめりに倒れた。
俺は四つん這いに倒れたトロールの延髄を狙って斬馬刀を振るう。
「ワイルドクラッシャー!!」
ガンって音が鳴った。
斬りつけた斬馬刀の刀身がトロールの後ろ首に半分ぐらい刺さっている。
流石は攻撃力2.5倍のスキルだぜ。
「ぐはぁっ!!」
四つん這いのビキニトロールが血を吐いた。
刀身が脊髄を切り裂き食道にまで到達した証拠だ。
「ち、くしょ、う……」
まだ、生きてる!?
まだ、倒れない!?
まだ、しゃべれるのか!?
俺は斬馬刀から手を離すと異次元宝物庫からウォーハンマー+1攻撃力向上を取り出した。
それで斬馬刀の刀背を打った。
その一撃で更に斬馬刀の刀身が首に深く食い込んだ。
「もう、一丁だ!!」
二擊目のウォーハンマーでビキニトロールの姿勢が力無く前に崩れた。
尻を突き上げ顔を地面につけて動かなくなる。
ビキニトロールの首は皮一枚で繋がっている状態だった。
まず一体撃破だ。
「良くも仲間を~!!」
ノーブラトロールが俺の黄金剣を振り上げながら走って来る。
「あっ~、俺の愛剣を!?」
それよりも、あいつ走れるの?
あれ、膝が治ってやがる。
トロールには強い自己再生能力が有るって聞いたことがあるが、ここまで速く再生するんだな。
「もうお前の服はオラ一人の物だ~。服以外全部細切れにしてやるぞ~!!」
無茶苦茶に振るわれる黄金剣の攻撃は速い。
流石は俺の愛用武器だぜ。
だが、剣技が幼稚だ。
穴だらけである。
「それっ!!」
俺は見つけた剣筋の穴を突いてウォーハンマーを振るった。
槌頭の一撃がノーブラトロールの顔面を撃ち殴る。
「ぐはっ!!」
まるで釣りかねを叩いたかのような感触。
硬いが空っぽ感が有る。
たぶん脳味噌が入ってないからだろう。
その一撃でノーブラトロールの前歯が飛んだ。
「歯がぁ~!!」
あれ、ハンマーのほうが効いてるぞ。
あー、なるほど。
俺は刃物で岩を切ってたから悪かったんだ。
岩は【切る】より【砕く】のほうが効果的なんだ。
続いて──。
「そぉ~~ら!!」
俺は顔を押さえているノーブラトロールのビキニパンツを下から掬い上げるようにウォーハンマーで叩いた。
ゴーーーンっと音が鳴る。
「ぐはっ!?!?!?」
頭も股間も釣り鐘のような感触がしたぞ。
どうなってるんだ、こいつの頭と玉は?
「うがぁぁ……、金玉がぁ~……」
ノーブラトロールが股間を両手で押さえながら前のめりに倒れた。
一体目と同じように顔を床につけて尻を高く上げている。
違うのは、まだこいつは生きている。
「ワイルドクラッシャーで一撃に決めたいが、スキル回数の節約だ」
言いながら俺はウォーハンマーを振り上げた。
「オラ、オラ、オラ、オラ、オラ!!」
複数打の滅多打ちである。
俺はノーブラトロールの後頭部をウォーハンマーでボコボコのタコ殴りにしてやった。
やがてノーブラトロールは動かなくなる。
勝ったぞ!!
ビキニトロール、ノーブラトロールを撃破。
この戦いの教訓は、硬けりゃ斬らすに叩けである。
【つづく】
0
お気に入りに追加
384
あなたにおすすめの小説
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
転生受験生の教科書チート生活 ~その知識、学校で習いましたよ?~
hisa
ファンタジー
受験生の少年が、大学受験前にいきなり異世界に転生してしまった。
自称天使に与えられたチートは、社会に出たら役に立たないことで定評のある、学校の教科書。
戦争で下級貴族に成り上がった脳筋親父の英才教育をくぐり抜けて、少年は知識チートで生きていけるのか?
教科書の力で、目指せ異世界成り上がり!!
※なろうとカクヨムにそれぞれ別のスピンオフがあるのでそちらもよろしく!
※第5章に突入しました。
※小説家になろう96万PV突破!
※カクヨム68万PV突破!
※令和4年10月2日タイトルを『転生した受験生の異世界成り上がり 〜生まれは脳筋な下級貴族家ですが、教科書の知識だけで成り上がってやります〜』から変更しました
【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。
ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。
剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。
しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。
休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう…
そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。
ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。
その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。
それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく……
※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。
ホットランキング最高位2位でした。
カクヨムにも別シナリオで掲載。
屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
ハズレスキル【分解】が超絶当たりだった件~仲間たちから捨てられたけど、拾ったゴミスキルを優良スキルに作り変えて何でも解決する~
名無し
ファンタジー
お前の代わりなんざいくらでもいる。パーティーリーダーからそう宣告され、あっさり捨てられた主人公フォード。彼のスキル【分解】は、所有物を瞬時にバラバラにして持ち運びやすくする程度の効果だと思われていたが、なんとスキルにも適用されるもので、【分解】したスキルなら幾らでも所有できるというチートスキルであった。捨てられているゴミスキルを【分解】することで有用なスキルに作り変えていくうち、彼はなんでも解決屋を開くことを思いつき、底辺冒険者から成り上がっていく。
『特別』を願った僕の転生先は放置された第7皇子!?
mio
ファンタジー
特別になることを望む『平凡』な大学生・弥登陽斗はある日突然亡くなる。
神様に『特別』になりたい願いを叶えてやると言われ、生まれ変わった先は異世界の第7皇子!? しかも母親はなんだかさびれた離宮に追いやられているし、騎士団に入っている兄はなかなか会うことができない。それでも穏やかな日々。
そんな生活も母の死を境に変わっていく。なぜか絡んでくる異母兄弟をあしらいつつ、兄の元で剣に魔法に、いろいろと学んでいくことに。兄と兄の部下との新たな日常に、以前とはまた違った幸せを感じていた。
日常を壊し、強制的に終わらせたとある不幸が起こるまでは。
神様、一つ言わせてください。僕が言っていた特別はこういうことではないと思うんですけど!?
他サイトでも投稿しております。
爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。
秋田ノ介
ファンタジー
88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。
異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。
その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。
飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。
完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる