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第285話【魔改造】
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さてさて、今晩は新しい寝床でゆっくりと寝ようと考えていた。
今俺が居るのはソドムタウンの郊外に在るログハウスの自室だ。
ベッドの横には転送絨毯が敷かれている。
繋がっているのはターナー村の宿屋だ。
俺はマジックトーチを掛けたダガーをテーブルに置いてベッドに座っていた。
夕飯も食べ終わりベッドに腰かけゆっくりとしていたのだ。
「よし、遺品整理もだいぶ落ち着いたな~。そうだ、忘れていたぜ。ステータス!」
俺はステータス画面を開いて新スキルのチェックを始める。
いろいろと忙しくて、すっかり新スキルのチェックを忘れていたのだ。
まあ、この際だから今やってしまおう。
どれどれ、おお、三つも新スキルを覚えているな。
流石はレベル30の節目だぜ。
では、どんなのがあるか見てみましょうね~。
まず一つ目は~。
【落下ダメージ軽減スキルマスタリー。落下ダメージを更に軽減してくれる】
あー、まー、そうだね~。
マスタリーか~。
メイドたち十三人を犠牲にしたんだ、このぐらい覚えたいよね。
では、二つ目は~。
【パッシブ・ポールウェポナリー。薙刀系武器の戦闘技術が向上】
ほほう、斬馬刀って薙刀なのか。
じゃあハルバードとかも薙刀なのかな?
まあ、今回は、狙って斬馬刀を使ったもんな。
これでスキルを習得しなかったら嘘だろう。
さて、最後の三つ目は~。
【毒耐性スキル。毒系攻撃に対して抵抗力が向上する】
まあ、覚えるよね~。
何せ腕一本を失うぐらいにさ、毒に苦しんだんだもの……。
兎に角だ。
これで今後は毒に苦しめられることが少なくなるだろう。
正直なところ毒で寝込むのは、もうごめんだわ……。
あれは結構辛いよ……。
さーて、スキルチェックも終わったし寝るか~。
っと、俺がベッドに横になると異次元宝物庫からプロ子が顔を出した。
「あのー、アスランさま~。今、少しよろしいでしょうか?」
「うわ、びっくりした!」
「ああ、すみません。驚かせるつもりは無かったのですが……」
「いや、いいよ、別に。でえ、なんだい、プロ子?」
「メイドたちの修復が済んだので、ヒルダちゃんが見てもらいたいと……」
「はぁ?」
なんだろう、こんな真夜中に?
まあメイドたちはアンデッドだから真夜中のほうが活発に活動するのかな?
それにしてもプロ子のヤツ、何故に気まずそうに言ってるんだ?
てか、それにヒルダも可笑しなことを言っていやがるな。
「修復が済んだのなら、普通に異次元宝物庫から出てこいばいいじゃんか」
「それなんですが……」
やっぱり気まずそうだな?
「何か言いずらいことでもあるのか?」
「それがですね、ヒルダちゃんが、だいぶ大きく魔改造をしちゃって……」
「ま、ま、魔改造!?」
「はい……」
あのヒルダが魔改造だと!?
しかも、だいぶ大きく魔改造だと!?
確かにヒルダはそんなに乳が大きくなかった。
それを魔改造したのか!?
プロ子がただの改造と述べずに魔改造と表現するぐらいだから、かなり大きく改造してしまったのか!?
まさに魔改造なのか!!??
う、ぅぅがああああ!!!
やーべーえーーー!!!
ちょっと嫌らしいことを考えてててしまったぁぁああああがあががああ!!!
まーかーいーぞーおーー!!
しーんーぞーうーがーー!!
「アスランさま、大丈夫ですか!?」
「大丈夫じゃあねえけど、大丈夫だーかーらー!!!」
「はわわわわっ!!」
落ち着け!!
落ち着く!!
落ち着いてきたぞ!!
あー、落ち着いたかな……。
よし、落ち着いた……。
さて、話を戻そうか。
「プロ子、何故にヒルダは魔改造なんてしたんだ?」
「前々から大きいほうが良かったらしいです。私は止めたのですが……」
「俺も大きいほうがいいとおもぉぉおおおおおおうううう!!!」
「アスランさま!!」
駄目だー!!
また考えてしまった!!
俺って学習能力が低いな!!
ぜぇはー、ぜぇはー……。
「まあ、修復は済んだんだな……」
「はい、負傷した全員が修復しましたが……」
なんだよ、まだ歯切れが悪いな?
「じゃあ、なんで修復が済んだのに異次元宝物庫から出てこないんだ、ヒルダは?」
「それが、ここでは狭くて……」
「狭い?」
そんなに大きくしたのか!?
この部屋が狭いって、どんだけの巨乳だよ!?
爆乳や魔乳を通り越して単位が分からないぐらいデカイのか!?
それだと流石に興奮しないぞ……。
逆に引いちゃうわ……。
「それで、ヒルダちゃんが、外の広い場所でアスランさまに披露したいと言ってまして。何せ十三人分ですから」
あー、なるほど。
俺の勘違いか~。
そうだよね。
十三人のメイドが一斉に修復された自分を主人である俺に見てもらいたいんだもの、この部屋じゃあせまいか。
「分かったよ、プロ子。じゃあ外に出ようか。今は夜だし丁度いいだろう」
「はい。では外に……」
俺はプロ子と一緒に部屋を出た。
リビングを通らないと外に出れないのだが、リビングにはガイアとパンダが遊んでいた。
ガイアとパンダは綾取りをしている。
無限綾取りかな?
流石は眠らない不老不死の幼女だぜ。
「あっ……」
そして、俺に気付いたガイアが、ぼぉ~っとした感じで話しかけて来る。
「アスラン。こんな夜更けにお出掛けか?」
「いや、家の前に出るだけだ」
「プロ子とデートか?」
「いや、こんなチンチクリンは俺の好みじゃあない」
「そうか、貧乳は駄目か」
「ああ、貧乳は駄目だ」
「酷いですね、アスランさま……」
「プロ子、更に言えば、アンデッドはなお駄目だ」
「やっぱりペチャパイの死人は駄目なんですね」
「ああ、せめて巨乳だ」
「じゃあアスラン、私も駄目か?」
「ガイア、俺はロリコンじゃあない。だが、お前にはお前を求める層が間違いなく居るから安心しろ」
「うわー……、全然安心できないわ~……」
「まあ、兎に角外に出るぞ、プロ子」
「はい、アスランさま」
「私も行く~」
俺たちはゾロゾロとログハウスを出た。
ガイアは自分で歩かずに、四つん這いのパンダに股がっていた。
なんだかいいな。
俺もパンダに乗りたいな……。
「では、ヒルダちゃんたちを呼んで参りますね」
「ああ、頼む」
俺とガイアはログハウスから漏れる明かりの前に立っていた。
明かりはそれで十分だろう。
プロ子はスチャスチャと歩いて先に進むと振り返った。
「では、呼びますね……」
そう言うとプロ子は異次元宝物庫を開いて声を張った。
「ヒルダちゃん、よろしいですよ~」
すると異次元宝物庫の扉がググッンと大きく広がった。
その広さは縦横3メートルほどのサイズである。
えっ!?
なに!!
ヒルダのヤツは、そんなに派手な登場を企んでいるのかな?
なんともサービス旺盛だな。
すると───。
ゴォォオオオオオオオ!!
えっ、なに、この音は??
地鳴りか!?
『アースーラーンーさーまー……』
ハモってるのか!?
声が十三人分、ハモってるのか!?
ゴォォオオオオオオオ!!
『ご覧になってくださいまーせー、私たちの新ボディーぉぉおおおをををを!!!』
なに、なに、なに!!!
なんなの、この迫力は!?
なんか怖いぞ!!
ゴォォオオオオオオオ!!
なんか出てきた!?
3×3メートルの出入り口から巨大な塊がゴォォオオオオって出て来る。
それは縦横3メートルの巨大な肉の塊だった。
二十六本の足をバタつかせながら、一つに縫い合わされたメイドたちの巨体を引き摺りながら異次元宝物庫から出て来るのだ。
腕には腕が連結させられ長く延長されている。
頭部は一塊に纏められ、ヒルダ以外は目隠しされていた。
その成りは、まさに魔改造だった。
しかし、総合する感想は……。
キモッ!!
キモイぞ!!
それに、これを見たことあるぞ!!
確か地下の小ダンジョンで、三体分のドールを束ねたガーディアンドールのプロトタイプだ。
あれの十三人分の超巨大なガーディアンドールだわ!!
キモイっ!!
マジでキモイぞ!!!
俺の隣でガイアとパンダも、あんぐりと口を開けて固まってるしさ!!
ヤバイわ!!
なに、この魔改造わさ!?
『アスランさまー、どうですかー。私たちの新しいボディーはー? 戦闘力満点ですよ!!』
俺は冷静に答える。
「ヒルダ、キモイわ……」
『えっ、キモイ??』
ヒルダは意外なことを言われたかのような表情をしていた。
「うん、すげーキモイ……」
『カッコイイじゃあなくて??』
「うん、マジでキモイよ……。ほら、見て、この二人を」
俺は口を開けたまま固まるガイアとパンダを指差した。
「これで分かってもらえるかな?」
『いいえ、カッコイイはずです!!』
「認めないのね……」
『み、認められませんわ!!』
あー、こいつは、こいつを作った魔法使いと同じセンスなんだな……。
そして同じミスを繰り返してやがる……。
親のミスを子が繰り返す……。
遺伝だわ……。
完全に遺伝子を引き継いでますわ……。
俺は深い溜め息を吐いてから言った。
「ヒルダ、お前はメイドだろう。戦闘マシーンじゃあないだろう。ちゃんと奉仕が出きるような体に戻しておけ。命令だからな。じゃないと粗大ゴミとして捨てるぞ!」
『なんて酷い。酷いですわ、アスランさま……。でも、うっかり奉仕のことを忘れていましたわ……。確かにこれでは奉仕が出来ませんね……』
「うっかりかよ……」
あー、馬鹿だ。
ヒルダが馬鹿になってやがる。
高いところから落ちて、頭のネジが全部ユルユルに緩んだのかな……。
アンデッドのネジって、どうやって締め直せばいいのかな?
【つづく】
今俺が居るのはソドムタウンの郊外に在るログハウスの自室だ。
ベッドの横には転送絨毯が敷かれている。
繋がっているのはターナー村の宿屋だ。
俺はマジックトーチを掛けたダガーをテーブルに置いてベッドに座っていた。
夕飯も食べ終わりベッドに腰かけゆっくりとしていたのだ。
「よし、遺品整理もだいぶ落ち着いたな~。そうだ、忘れていたぜ。ステータス!」
俺はステータス画面を開いて新スキルのチェックを始める。
いろいろと忙しくて、すっかり新スキルのチェックを忘れていたのだ。
まあ、この際だから今やってしまおう。
どれどれ、おお、三つも新スキルを覚えているな。
流石はレベル30の節目だぜ。
では、どんなのがあるか見てみましょうね~。
まず一つ目は~。
【落下ダメージ軽減スキルマスタリー。落下ダメージを更に軽減してくれる】
あー、まー、そうだね~。
マスタリーか~。
メイドたち十三人を犠牲にしたんだ、このぐらい覚えたいよね。
では、二つ目は~。
【パッシブ・ポールウェポナリー。薙刀系武器の戦闘技術が向上】
ほほう、斬馬刀って薙刀なのか。
じゃあハルバードとかも薙刀なのかな?
まあ、今回は、狙って斬馬刀を使ったもんな。
これでスキルを習得しなかったら嘘だろう。
さて、最後の三つ目は~。
【毒耐性スキル。毒系攻撃に対して抵抗力が向上する】
まあ、覚えるよね~。
何せ腕一本を失うぐらいにさ、毒に苦しんだんだもの……。
兎に角だ。
これで今後は毒に苦しめられることが少なくなるだろう。
正直なところ毒で寝込むのは、もうごめんだわ……。
あれは結構辛いよ……。
さーて、スキルチェックも終わったし寝るか~。
っと、俺がベッドに横になると異次元宝物庫からプロ子が顔を出した。
「あのー、アスランさま~。今、少しよろしいでしょうか?」
「うわ、びっくりした!」
「ああ、すみません。驚かせるつもりは無かったのですが……」
「いや、いいよ、別に。でえ、なんだい、プロ子?」
「メイドたちの修復が済んだので、ヒルダちゃんが見てもらいたいと……」
「はぁ?」
なんだろう、こんな真夜中に?
まあメイドたちはアンデッドだから真夜中のほうが活発に活動するのかな?
それにしてもプロ子のヤツ、何故に気まずそうに言ってるんだ?
てか、それにヒルダも可笑しなことを言っていやがるな。
「修復が済んだのなら、普通に異次元宝物庫から出てこいばいいじゃんか」
「それなんですが……」
やっぱり気まずそうだな?
「何か言いずらいことでもあるのか?」
「それがですね、ヒルダちゃんが、だいぶ大きく魔改造をしちゃって……」
「ま、ま、魔改造!?」
「はい……」
あのヒルダが魔改造だと!?
しかも、だいぶ大きく魔改造だと!?
確かにヒルダはそんなに乳が大きくなかった。
それを魔改造したのか!?
プロ子がただの改造と述べずに魔改造と表現するぐらいだから、かなり大きく改造してしまったのか!?
まさに魔改造なのか!!??
う、ぅぅがああああ!!!
やーべーえーーー!!!
ちょっと嫌らしいことを考えてててしまったぁぁああああがあががああ!!!
まーかーいーぞーおーー!!
しーんーぞーうーがーー!!
「アスランさま、大丈夫ですか!?」
「大丈夫じゃあねえけど、大丈夫だーかーらー!!!」
「はわわわわっ!!」
落ち着け!!
落ち着く!!
落ち着いてきたぞ!!
あー、落ち着いたかな……。
よし、落ち着いた……。
さて、話を戻そうか。
「プロ子、何故にヒルダは魔改造なんてしたんだ?」
「前々から大きいほうが良かったらしいです。私は止めたのですが……」
「俺も大きいほうがいいとおもぉぉおおおおおおうううう!!!」
「アスランさま!!」
駄目だー!!
また考えてしまった!!
俺って学習能力が低いな!!
ぜぇはー、ぜぇはー……。
「まあ、修復は済んだんだな……」
「はい、負傷した全員が修復しましたが……」
なんだよ、まだ歯切れが悪いな?
「じゃあ、なんで修復が済んだのに異次元宝物庫から出てこないんだ、ヒルダは?」
「それが、ここでは狭くて……」
「狭い?」
そんなに大きくしたのか!?
この部屋が狭いって、どんだけの巨乳だよ!?
爆乳や魔乳を通り越して単位が分からないぐらいデカイのか!?
それだと流石に興奮しないぞ……。
逆に引いちゃうわ……。
「それで、ヒルダちゃんが、外の広い場所でアスランさまに披露したいと言ってまして。何せ十三人分ですから」
あー、なるほど。
俺の勘違いか~。
そうだよね。
十三人のメイドが一斉に修復された自分を主人である俺に見てもらいたいんだもの、この部屋じゃあせまいか。
「分かったよ、プロ子。じゃあ外に出ようか。今は夜だし丁度いいだろう」
「はい。では外に……」
俺はプロ子と一緒に部屋を出た。
リビングを通らないと外に出れないのだが、リビングにはガイアとパンダが遊んでいた。
ガイアとパンダは綾取りをしている。
無限綾取りかな?
流石は眠らない不老不死の幼女だぜ。
「あっ……」
そして、俺に気付いたガイアが、ぼぉ~っとした感じで話しかけて来る。
「アスラン。こんな夜更けにお出掛けか?」
「いや、家の前に出るだけだ」
「プロ子とデートか?」
「いや、こんなチンチクリンは俺の好みじゃあない」
「そうか、貧乳は駄目か」
「ああ、貧乳は駄目だ」
「酷いですね、アスランさま……」
「プロ子、更に言えば、アンデッドはなお駄目だ」
「やっぱりペチャパイの死人は駄目なんですね」
「ああ、せめて巨乳だ」
「じゃあアスラン、私も駄目か?」
「ガイア、俺はロリコンじゃあない。だが、お前にはお前を求める層が間違いなく居るから安心しろ」
「うわー……、全然安心できないわ~……」
「まあ、兎に角外に出るぞ、プロ子」
「はい、アスランさま」
「私も行く~」
俺たちはゾロゾロとログハウスを出た。
ガイアは自分で歩かずに、四つん這いのパンダに股がっていた。
なんだかいいな。
俺もパンダに乗りたいな……。
「では、ヒルダちゃんたちを呼んで参りますね」
「ああ、頼む」
俺とガイアはログハウスから漏れる明かりの前に立っていた。
明かりはそれで十分だろう。
プロ子はスチャスチャと歩いて先に進むと振り返った。
「では、呼びますね……」
そう言うとプロ子は異次元宝物庫を開いて声を張った。
「ヒルダちゃん、よろしいですよ~」
すると異次元宝物庫の扉がググッンと大きく広がった。
その広さは縦横3メートルほどのサイズである。
えっ!?
なに!!
ヒルダのヤツは、そんなに派手な登場を企んでいるのかな?
なんともサービス旺盛だな。
すると───。
ゴォォオオオオオオオ!!
えっ、なに、この音は??
地鳴りか!?
『アースーラーンーさーまー……』
ハモってるのか!?
声が十三人分、ハモってるのか!?
ゴォォオオオオオオオ!!
『ご覧になってくださいまーせー、私たちの新ボディーぉぉおおおをををを!!!』
なに、なに、なに!!!
なんなの、この迫力は!?
なんか怖いぞ!!
ゴォォオオオオオオオ!!
なんか出てきた!?
3×3メートルの出入り口から巨大な塊がゴォォオオオオって出て来る。
それは縦横3メートルの巨大な肉の塊だった。
二十六本の足をバタつかせながら、一つに縫い合わされたメイドたちの巨体を引き摺りながら異次元宝物庫から出て来るのだ。
腕には腕が連結させられ長く延長されている。
頭部は一塊に纏められ、ヒルダ以外は目隠しされていた。
その成りは、まさに魔改造だった。
しかし、総合する感想は……。
キモッ!!
キモイぞ!!
それに、これを見たことあるぞ!!
確か地下の小ダンジョンで、三体分のドールを束ねたガーディアンドールのプロトタイプだ。
あれの十三人分の超巨大なガーディアンドールだわ!!
キモイっ!!
マジでキモイぞ!!!
俺の隣でガイアとパンダも、あんぐりと口を開けて固まってるしさ!!
ヤバイわ!!
なに、この魔改造わさ!?
『アスランさまー、どうですかー。私たちの新しいボディーはー? 戦闘力満点ですよ!!』
俺は冷静に答える。
「ヒルダ、キモイわ……」
『えっ、キモイ??』
ヒルダは意外なことを言われたかのような表情をしていた。
「うん、すげーキモイ……」
『カッコイイじゃあなくて??』
「うん、マジでキモイよ……。ほら、見て、この二人を」
俺は口を開けたまま固まるガイアとパンダを指差した。
「これで分かってもらえるかな?」
『いいえ、カッコイイはずです!!』
「認めないのね……」
『み、認められませんわ!!』
あー、こいつは、こいつを作った魔法使いと同じセンスなんだな……。
そして同じミスを繰り返してやがる……。
親のミスを子が繰り返す……。
遺伝だわ……。
完全に遺伝子を引き継いでますわ……。
俺は深い溜め息を吐いてから言った。
「ヒルダ、お前はメイドだろう。戦闘マシーンじゃあないだろう。ちゃんと奉仕が出きるような体に戻しておけ。命令だからな。じゃないと粗大ゴミとして捨てるぞ!」
『なんて酷い。酷いですわ、アスランさま……。でも、うっかり奉仕のことを忘れていましたわ……。確かにこれでは奉仕が出来ませんね……』
「うっかりかよ……」
あー、馬鹿だ。
ヒルダが馬鹿になってやがる。
高いところから落ちて、頭のネジが全部ユルユルに緩んだのかな……。
アンデッドのネジって、どうやって締め直せばいいのかな?
【つづく】
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