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第235話【無限合法ロリ】
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鉱山から出ると日が沈みかけて、夕日が揺らいでいた。
俺は宿屋ドリフターズ亭にガイアを連れて帰る。
宿屋のオヤジには大変怪しまれたが、身寄りの無い子を拾って来たと説明して無理矢理に納得させた。
この国では幼女をどうのこうのすると犯罪になるらしいのだが、俺が元居た世界に比べればユルユルの法律のようだった。
この国には奴隷制度は無いらしいが、隣国には有るらしい。
そのせいで、子供が金で売り買いされる残酷な実態は珍しくないようだ。
まあ、ガイアも素直に俺を兄様と呼んでいるので、誰も文句は言えないのである。
正直なところ、これで非合法だからと疑われて捕まったら、たまらんよな。
兎に角、ガイアは無限合法ロリのようだ。
まあ、兎に角ガイアをソドムタウンに連れていこうと思う。
ここはスカル姉さんに預けるのが得策だろう。
あとはスカル姉さんがどうにかしてくれると思う。
そんなわけで俺は宿屋の一室を借りて転送絨毯を引きながら準備をしていた。
それを見ていたガイアが意外なことを言う。
「アスランお兄様って、転送絨毯を持ってるんだ」
「えっ、おまえ、これが転送絨毯だって、見ただけで分かるのか?」
「うん、転送絨毯って、模様のように編み込まれた柄が法則的だから、見れば大体分かるわ」
「そうなのか」
やはりこいつが2000年間生きていたってのは本当らしいな。
年の功で、意外と物知りのようだ。
「アスランお兄様、どこに行くの?」
「ソドムタウンだ」
「ソドムタウン?」
それは知らないのか。
ってことは、ソドムタウンが出きる前にこいつは封印されたってことになる。
その辺のことも、おいおい調べればいいかな。
面倒臭いから、調べる必要も無いかな?
まあ、本人が気になるようだったら、勝手に調べるだろう。
俺が気にするこっちゃあないかも知れん。
「これから行く町は、冒険者と売春婦の町ソドムタウンだ」
「冒険者と売春婦?」
「まあ、そこが俺の本拠地だ」
「そこに家があるの?」
「いまは、焼け落ちているけどな……」
「それは、大変だね」
「まあ兎に角、移動しようか」
「は~い、アスランお兄様」
「チ◯コ」
俺とガイアは並んで転送絨毯に乗るとソドムタウンに移動した。
「スカル姉さん、ただいま~」
俺はガイアをテント内に待たせて一人で外に出る。
外の空き地にはスカル姉さんの他に、ゴリ、放火魔バイマン、全裸吟遊詩人のオアイドスが焚き火を囲んでいた。
側にシルバーウルフたちがじゃれあっている。
どうやらもう少しで晩飯のようだった。
俺は皆と挨拶を交わすとスカル姉さんに本題を打ち明ける。
「スカル姉さん、また一人、預かってもらいたいヤツがいるんだ」
「またお前は変なヤツを拾ってきたのか!」
鍋の前でお玉を持っているスカル姉さんは、少し怒っているようだった。
まるで子犬を拾ってきた弟を叱っているようにだ。
それよりも「また変なヤツを拾ってきた」と言うフレーズを聞いた男たちが暗い顔で俯いていた。
まあ、自分たちが、それに該当する存在なのだから仕方がないだろう。
そう、ゴリ、バイマン、オアイドスの三名は、変なヤツなのだ。
少なくとも未だに全裸なオアイドスは、間違いなく変なヤツだろう。
まあ兎に角話を戻そう。
「いや、今回のヤツは変なヤツだが、今までの変なヤツよりはマシな変なヤツだ」
「結局は変なヤツなのは変わらないんだな」
鋭いところを突くな、スカル姉さんは……。
「兎に角だ、俺の妹だと思って扱ってくれないか」
「妹だと?」
「ガイア、出てきていいぞ」
「分かったわ、アスランお兄様」
俺が呼び寄せるとガイアがテント内から出て来る。
踵まで有る長い金髪に、死に装束を惑った少女は一見可憐に見えた。
まだ未発達で華奢な体型は小柄で幼女体型である。
歳のころは、まだ六歳か七歳ぐらいに見えるが、これで2000歳を越えているのだから恐ろしい。
「あら、可愛い子ね」
スカル姉さんの反応は良さそうだ。
俺は一安心した。
「でえ、アスラン。この子はどこから攫って来たのだ?」
「人攫いみたいに言うな!」
「となり町から攫われて来ました」
「ガイア、お前も紛らわしいことを言うな!」
「アスラン、ついに女の子を攫うまで落ちたか……」
「スカル姉さん、人の話をちゃんと聞こうぜ!」
離れたところでゴリたち三人も、白い目でこちらを見ながらこそこそと話している。
こいつら俺を人攫いにしたいのかよ!!
「違う違う違う、こいつの名前はガイアって言ってな、鉱山町ランバラルルのダンジョン内で拾って来たんだよ!!」
「なるほど、百歩譲って人攫いで無いのは信じてやろう。だが、ダンジョン内で拾ったってのはなんだ。この子は孤児か?」
「ああ、孤児ってのはあっているかな」
なんだろう。
思ったより説明が面倒臭いな。
俺はゴリたちを眺めたあとにスカル姉さんに言った。
「まあ、とりあえずスカル姉さん、こっちに来てくれ」
「なんだ?」
それから俺は、ガイアとスカル姉さんを連れて空き地を出る。
他のヤツに話を聞かれたくなかったからだ。
それに関してはスカル姉さんもゴリたちも察してくれたようだ。
この子の身寄りについて配慮してくれたつもりなのだろう。
だが俺は、ガイアが不老不死だってことを、スカル姉さん以外には秘密にしたかったのだ。
それがばれれば、また面倒臭いことにガイアが巻き込まれると思ったからである。
不老不死なんてものは、厄介ごとのいいまとだ。
絶対に悪どいヤツに目を付けられいざこざに巻き込まれるだろう。
そのことに付いて俺はスカル姉さんに話したのだ。
スカル姉さんとガイアに不老不死は秘密だと言い聞かせる。
説明を聞いたスカル姉さんは、ガイアの頭をくしゃくしゃに撫でながら言う。
「この子が不老不死だとはね。流石に信じられないわ」
ガイアはスカル姉さんに、頭をくしゃくしゃにされても無抵抗で無表情だった。
「こいつは、それ以外は一人で何も出来ない、ただの幼女なんだよ。だから今までの悪どい大人に良くない使われかたばかりされて来たんだ」
「そう、私は不幸な美少女よ」
ガイアがそう述べると、スカル姉さんが頭をくしゃくしゃに撫でる手を速めた。
更にくしゃくしゃにする。
「なるほど、面白い子を拾って来たな、おまえは」
「だからしばらく面倒を見てくれないか」
「それは、やぶさかじゃあないが……」
「やぶさかじゃあないが、なに?」
スカル姉さんは何が引っ掛かっているのだろう?
「なんか悪いヤツの追っ手とかは無いだろうな。そんなのが有ると、庇いきれないぞ」
「それは無いだろう。だってこいつは、鉱山内で発掘された遺跡のなかで、俺が来るまで封印されていたのだもの」
「封印?」
「だからこいつの秘密を知っているのは、俺たち三人だけだ」
「なるほどな」
「だからこいつを、俺の妹だと思って面倒を見てもらいたいんだ」
「まあ、事情は分かったわ」
するとスカル姉さんの白衣を引きながらガイアが言った。
「スカルお姉様、よろしく」
スカル姉さんも笑顔で応える。
「よろしくね、ガイアちゃん」
良かった。
これでガイアをスカル姉さんに押し付けて、俺は冒険の旅が続けられるぞ。
しめしめだぜ。
「ところでスカルお姉様は、アスランお兄様の本当のお姉さんなの?」
「馬鹿言え、こんな弟が居てたまるか。血なんぞ繋がっていないわ!」
言いながらスカル姉さんは、ちょっと強めな拳骨をガイアの頭に落とした。
何故に折檻するの!?
「いーたーいー!」
ガイアは頭を抱えながら両膝を付いた。
それにしてもスカル姉さんは、何故にそんなに強く否定しますかな……。
もしも俺が本当の弟だと、そんなに嫌なのかな……?
何故か俺は悔しかった。
【つづく】
俺は宿屋ドリフターズ亭にガイアを連れて帰る。
宿屋のオヤジには大変怪しまれたが、身寄りの無い子を拾って来たと説明して無理矢理に納得させた。
この国では幼女をどうのこうのすると犯罪になるらしいのだが、俺が元居た世界に比べればユルユルの法律のようだった。
この国には奴隷制度は無いらしいが、隣国には有るらしい。
そのせいで、子供が金で売り買いされる残酷な実態は珍しくないようだ。
まあ、ガイアも素直に俺を兄様と呼んでいるので、誰も文句は言えないのである。
正直なところ、これで非合法だからと疑われて捕まったら、たまらんよな。
兎に角、ガイアは無限合法ロリのようだ。
まあ、兎に角ガイアをソドムタウンに連れていこうと思う。
ここはスカル姉さんに預けるのが得策だろう。
あとはスカル姉さんがどうにかしてくれると思う。
そんなわけで俺は宿屋の一室を借りて転送絨毯を引きながら準備をしていた。
それを見ていたガイアが意外なことを言う。
「アスランお兄様って、転送絨毯を持ってるんだ」
「えっ、おまえ、これが転送絨毯だって、見ただけで分かるのか?」
「うん、転送絨毯って、模様のように編み込まれた柄が法則的だから、見れば大体分かるわ」
「そうなのか」
やはりこいつが2000年間生きていたってのは本当らしいな。
年の功で、意外と物知りのようだ。
「アスランお兄様、どこに行くの?」
「ソドムタウンだ」
「ソドムタウン?」
それは知らないのか。
ってことは、ソドムタウンが出きる前にこいつは封印されたってことになる。
その辺のことも、おいおい調べればいいかな。
面倒臭いから、調べる必要も無いかな?
まあ、本人が気になるようだったら、勝手に調べるだろう。
俺が気にするこっちゃあないかも知れん。
「これから行く町は、冒険者と売春婦の町ソドムタウンだ」
「冒険者と売春婦?」
「まあ、そこが俺の本拠地だ」
「そこに家があるの?」
「いまは、焼け落ちているけどな……」
「それは、大変だね」
「まあ兎に角、移動しようか」
「は~い、アスランお兄様」
「チ◯コ」
俺とガイアは並んで転送絨毯に乗るとソドムタウンに移動した。
「スカル姉さん、ただいま~」
俺はガイアをテント内に待たせて一人で外に出る。
外の空き地にはスカル姉さんの他に、ゴリ、放火魔バイマン、全裸吟遊詩人のオアイドスが焚き火を囲んでいた。
側にシルバーウルフたちがじゃれあっている。
どうやらもう少しで晩飯のようだった。
俺は皆と挨拶を交わすとスカル姉さんに本題を打ち明ける。
「スカル姉さん、また一人、預かってもらいたいヤツがいるんだ」
「またお前は変なヤツを拾ってきたのか!」
鍋の前でお玉を持っているスカル姉さんは、少し怒っているようだった。
まるで子犬を拾ってきた弟を叱っているようにだ。
それよりも「また変なヤツを拾ってきた」と言うフレーズを聞いた男たちが暗い顔で俯いていた。
まあ、自分たちが、それに該当する存在なのだから仕方がないだろう。
そう、ゴリ、バイマン、オアイドスの三名は、変なヤツなのだ。
少なくとも未だに全裸なオアイドスは、間違いなく変なヤツだろう。
まあ兎に角話を戻そう。
「いや、今回のヤツは変なヤツだが、今までの変なヤツよりはマシな変なヤツだ」
「結局は変なヤツなのは変わらないんだな」
鋭いところを突くな、スカル姉さんは……。
「兎に角だ、俺の妹だと思って扱ってくれないか」
「妹だと?」
「ガイア、出てきていいぞ」
「分かったわ、アスランお兄様」
俺が呼び寄せるとガイアがテント内から出て来る。
踵まで有る長い金髪に、死に装束を惑った少女は一見可憐に見えた。
まだ未発達で華奢な体型は小柄で幼女体型である。
歳のころは、まだ六歳か七歳ぐらいに見えるが、これで2000歳を越えているのだから恐ろしい。
「あら、可愛い子ね」
スカル姉さんの反応は良さそうだ。
俺は一安心した。
「でえ、アスラン。この子はどこから攫って来たのだ?」
「人攫いみたいに言うな!」
「となり町から攫われて来ました」
「ガイア、お前も紛らわしいことを言うな!」
「アスラン、ついに女の子を攫うまで落ちたか……」
「スカル姉さん、人の話をちゃんと聞こうぜ!」
離れたところでゴリたち三人も、白い目でこちらを見ながらこそこそと話している。
こいつら俺を人攫いにしたいのかよ!!
「違う違う違う、こいつの名前はガイアって言ってな、鉱山町ランバラルルのダンジョン内で拾って来たんだよ!!」
「なるほど、百歩譲って人攫いで無いのは信じてやろう。だが、ダンジョン内で拾ったってのはなんだ。この子は孤児か?」
「ああ、孤児ってのはあっているかな」
なんだろう。
思ったより説明が面倒臭いな。
俺はゴリたちを眺めたあとにスカル姉さんに言った。
「まあ、とりあえずスカル姉さん、こっちに来てくれ」
「なんだ?」
それから俺は、ガイアとスカル姉さんを連れて空き地を出る。
他のヤツに話を聞かれたくなかったからだ。
それに関してはスカル姉さんもゴリたちも察してくれたようだ。
この子の身寄りについて配慮してくれたつもりなのだろう。
だが俺は、ガイアが不老不死だってことを、スカル姉さん以外には秘密にしたかったのだ。
それがばれれば、また面倒臭いことにガイアが巻き込まれると思ったからである。
不老不死なんてものは、厄介ごとのいいまとだ。
絶対に悪どいヤツに目を付けられいざこざに巻き込まれるだろう。
そのことに付いて俺はスカル姉さんに話したのだ。
スカル姉さんとガイアに不老不死は秘密だと言い聞かせる。
説明を聞いたスカル姉さんは、ガイアの頭をくしゃくしゃに撫でながら言う。
「この子が不老不死だとはね。流石に信じられないわ」
ガイアはスカル姉さんに、頭をくしゃくしゃにされても無抵抗で無表情だった。
「こいつは、それ以外は一人で何も出来ない、ただの幼女なんだよ。だから今までの悪どい大人に良くない使われかたばかりされて来たんだ」
「そう、私は不幸な美少女よ」
ガイアがそう述べると、スカル姉さんが頭をくしゃくしゃに撫でる手を速めた。
更にくしゃくしゃにする。
「なるほど、面白い子を拾って来たな、おまえは」
「だからしばらく面倒を見てくれないか」
「それは、やぶさかじゃあないが……」
「やぶさかじゃあないが、なに?」
スカル姉さんは何が引っ掛かっているのだろう?
「なんか悪いヤツの追っ手とかは無いだろうな。そんなのが有ると、庇いきれないぞ」
「それは無いだろう。だってこいつは、鉱山内で発掘された遺跡のなかで、俺が来るまで封印されていたのだもの」
「封印?」
「だからこいつの秘密を知っているのは、俺たち三人だけだ」
「なるほどな」
「だからこいつを、俺の妹だと思って面倒を見てもらいたいんだ」
「まあ、事情は分かったわ」
するとスカル姉さんの白衣を引きながらガイアが言った。
「スカルお姉様、よろしく」
スカル姉さんも笑顔で応える。
「よろしくね、ガイアちゃん」
良かった。
これでガイアをスカル姉さんに押し付けて、俺は冒険の旅が続けられるぞ。
しめしめだぜ。
「ところでスカルお姉様は、アスランお兄様の本当のお姉さんなの?」
「馬鹿言え、こんな弟が居てたまるか。血なんぞ繋がっていないわ!」
言いながらスカル姉さんは、ちょっと強めな拳骨をガイアの頭に落とした。
何故に折檻するの!?
「いーたーいー!」
ガイアは頭を抱えながら両膝を付いた。
それにしてもスカル姉さんは、何故にそんなに強く否定しますかな……。
もしも俺が本当の弟だと、そんなに嫌なのかな……?
何故か俺は悔しかった。
【つづく】
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