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【第一章】アスラン伝説編
1-12【坂の上での戦利品】
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俺のボーンクラブ+3が折れたうえに砕けちゃったよ、とほほ……。
岩場の斜面場でコボルト二匹に勝利して、レベルアップもしたけれど、折れた……。
俺の心も折れた……。
フローネちゃんやレベッカさんに、なんて言って詫びたらいいのだろうか。
俺は頭に被った呪いのパンティーを優しく指先で擦りながら心から詫びた。
ごめんなさいと……。
そして、膝から崩れる。
俯いた俺の視界に、片目が飛び出したコボルトの横顔が入って来た。
跪く俺の眼前で、頭をボーンクラブで潰されたコボルトが死んでいる。
「キモっ!!」
自分で殺しておいてなんだけど、マジでキモいわ~。
とにかくだ、めげてばかりもいられない。
ここは血生臭い殺伐としたファンタジーの世界観だ。
剣を振り回して戦っていれば、時には命を失うこともあるだろう。
それとは逆に、こちらが魔物の命を奪うことだって当然ながらあるだろうさ。
まあ、剣を振り回していたのはコボルトだし、俺は骨の棍棒を振り回していたんだけどね。
とにかく、コボルトには悪いが勝ったのは俺だ。
ここは静かに眠り続けてくれって感じだぜ。
南無南無……。
それと俺に顔を蹴られて坂を転がり落ちたコボルトのほうは、大岩に後頭部をぶつけて死んでしまったようだ。
後頭部をぶつけた大岩には赤くて大きな血飛沫が咲いていた。
その下でコボルトがぐったりとしているのだ。
なんか首も不自然な方向に曲がっているから首の骨が折れたのだろう。
そうとう強く頭を打ったのかな?
それとも首が折れたのは岩の坂を転がってるときだろうか?
まあ、なんにしろ、これでは間違いなく死んでいるだろうさ。
そして俺は折れたボーンクラブ+3を諦める……。
壊れた物は仕方がない。
所詮は武器は武器だ。
失ったら、新しく得ればいいのだ。
代わりに呪いのパンティーと一緒に後で埋めてやるよ。
マジ、ごめんなさいだわ。
そして俺は砕け散った骨の破片を拾いあげるとロングブーツの中に仕舞い込む。
さぁ~て、気を取り直して!
今度は追い剥ぎプレイ開始だぜ!
ひゃっほぉ~~い!
とりあえず俺はコボルトの服を剥ぎ取り、今着ているボロボロの服から着替え直した。
ズボンのお尻部分に穴が開いててスウスウするが仕方ない。
コボルトの尻尾の穴である。
それでも、ちょっぴりだけだが服装がましになったのが嬉しかった。
もう一着は血に汚れて酷かったから放棄する。
それと、ショートソードを二本を鞘ごと回収した。
これでボーンクラブ+3を失ったが武器には困らないぞ。
そして、コボルトたちは小さな巾着袋に金貨を三枚ずつ入れていたので手の中に吸い込んで回収した。
巾着袋も何かの役にたつかも知れないので、ちゃんと持っておく。
それと大岩に後頭部を激突して絶命したコボルトのほうが、ダガーを一本持っていた。
回収できる物はこのぐらいだった。
コボルトどもは素足だったので、靴は新しくゲットできなかったのが残念である。
そして鑑定作業に入る前にステータスを確認する。
何か新しいスキルを習得できているかもしれない。
「ステータス、かもーん!」
うきうき気分でシステムを呼び出すと、半透明のステータス画面が開かれる。
レベルが3に上がり、経験値が100に増えていた。
コボルトたちの経験は一匹につき25点ってことなのか。
武器無しスケルトンよりは強かった気がするしな。
お金も11Gに増えている。
スキル欄を見てみれば、やはり新しいスキルを覚えていた。
これが新しいスキルだった。
【潜伏スキルLv1】
物陰に潜伏して身を隠せる確率が上がる。
おお、これは役に立ちそうなスキルだな。
バックスタブと合わせれば不意打ちの成功率が格段に上がりそうだぜ。
さて、次は──。
【前蹴りスキルLv1】
前蹴りの威力と命中率が上がる。
な、何これ?
キックの鍛練度が上がったってことかいな?
トーキックが前蹴りなのかな?
まあ、無いよりはましかな。
それと【クラブスキルLv1】がLv2に上がってるぜ。
やはり使った武器で戦闘スキルの上昇が異なるみたいだな。
さてさて、もう一つ新スキルがあるぞ。
最後は何かな?
【魔力感知スキル】
スキルを発動してから数秒間、自分から半径3メートル以内にある魔力を目視で確認できる。
あー、便利系のスキルだねー。
これは必須だわ~。
早速使ってみるか。
「魔力感知っ!」
俺は意識を集中させながら辺りを見回した。
コボルトから回収したダガーが俺の手元で、青白く光っていた。
それと今着ている服やショートソードには変化が見えなかったが、折れたボーンクラブを入れたロングブーツの口が、ダガーと同じように中のほうから淡く輝きだしていた。
「これがマジックアイテムの反応なのか?」
なるほど、このダガーはマジックアイテムなのか。
それと折れたボーンクラブ+3が、まだマジックアイテム扱いになっていることに驚いた。
俺は淡く輝いていたロングブーツの中を覗き込む。
すると良く見てみると、折れた骨の中に何か輝く物が混ざって入っていた。
俺は近場にあった平べったい岩の上にボーンクラブの破片を出してみる。
するとロングブーツの中から骨に混ざって赤色の石が一つだけ出て来た。
「宝石かな?」
親指サイズの赤い石は、ルビーの原石みたいだった。
「魔力感知」
再び魔力感知スキルを使ってルビーの原石を見てみる。
するとやはり原石は青白く光を放っていた。
「このルビーの原石はマジックアイテムだぞ」
しかし、砕けた骨の破片は光っていない。
だとするならば、このルビーの原石は骨の中に入り込んでいて、ボーンクラブをマジックアイテムにしていた本体か核なのだろうか?
なにそれ、偶然?
偶然だとするならば、奇跡に近い混入だぞ?
普通は骨の中にルビーが入るか?
それとも物理法則を無視した異世界ファンタジーの奇跡なのか?
はたまた俺が持っているハクスラスキルの特殊効果なのか?
まあ、とにかくだ。
このルビーの原石が、マジックアイテムとしての本体だったようだな。
それだけは間違いないだろう。
まあ、これ以上は深いことは考えるのも突っ込むことも止めておこう。
なんの得にもならないしね。
よし、今度はアイテム鑑定だ。
楽しみはあとに取っとくとして、まずはダガーからアイテム鑑定を始めた。
【ダガー+1】
一日一回、ライトの魔法で三時間ほど輝く。
なんだろう、ちょっとショボイな。
ただの明かりかよ。
マジックトーチの魔法があるから要らないよね。
次だ!
本命のアイテム鑑定を始める。
【ルビーの原石+3】
戦闘時の幸運が向上する×3。
え?
どういうことですか?
戦闘時の幸運×3だって?
三倍なの?
もしかして+3って、魔力の効果が三個あるってことなのかな?
しかも、このルビーの原石は、たまたま同じ効果が重なったマジックアイテムなのかな。
なんか、俺の推測は当たってそうだった。
それで戦闘が幸運的にも楽々と勝てたのかな。
たまたま蹴落とした岩がコボルトの脛に命中して、たまたま顔を蹴飛ばしたコボルトが大岩に頭をぶつけて絶命したりとか……。
他にも真っ直ぐなダンジョンでスケルトンたちが転倒して重なりあった件も納得が行く。
すべてはこのルビーのおかげだったのかな~。
たぶん、そうだね……。
だとするならば、幸運×3は侮れんぞ!
ラッキーは無敵成り!
岩場の斜面場でコボルト二匹に勝利して、レベルアップもしたけれど、折れた……。
俺の心も折れた……。
フローネちゃんやレベッカさんに、なんて言って詫びたらいいのだろうか。
俺は頭に被った呪いのパンティーを優しく指先で擦りながら心から詫びた。
ごめんなさいと……。
そして、膝から崩れる。
俯いた俺の視界に、片目が飛び出したコボルトの横顔が入って来た。
跪く俺の眼前で、頭をボーンクラブで潰されたコボルトが死んでいる。
「キモっ!!」
自分で殺しておいてなんだけど、マジでキモいわ~。
とにかくだ、めげてばかりもいられない。
ここは血生臭い殺伐としたファンタジーの世界観だ。
剣を振り回して戦っていれば、時には命を失うこともあるだろう。
それとは逆に、こちらが魔物の命を奪うことだって当然ながらあるだろうさ。
まあ、剣を振り回していたのはコボルトだし、俺は骨の棍棒を振り回していたんだけどね。
とにかく、コボルトには悪いが勝ったのは俺だ。
ここは静かに眠り続けてくれって感じだぜ。
南無南無……。
それと俺に顔を蹴られて坂を転がり落ちたコボルトのほうは、大岩に後頭部をぶつけて死んでしまったようだ。
後頭部をぶつけた大岩には赤くて大きな血飛沫が咲いていた。
その下でコボルトがぐったりとしているのだ。
なんか首も不自然な方向に曲がっているから首の骨が折れたのだろう。
そうとう強く頭を打ったのかな?
それとも首が折れたのは岩の坂を転がってるときだろうか?
まあ、なんにしろ、これでは間違いなく死んでいるだろうさ。
そして俺は折れたボーンクラブ+3を諦める……。
壊れた物は仕方がない。
所詮は武器は武器だ。
失ったら、新しく得ればいいのだ。
代わりに呪いのパンティーと一緒に後で埋めてやるよ。
マジ、ごめんなさいだわ。
そして俺は砕け散った骨の破片を拾いあげるとロングブーツの中に仕舞い込む。
さぁ~て、気を取り直して!
今度は追い剥ぎプレイ開始だぜ!
ひゃっほぉ~~い!
とりあえず俺はコボルトの服を剥ぎ取り、今着ているボロボロの服から着替え直した。
ズボンのお尻部分に穴が開いててスウスウするが仕方ない。
コボルトの尻尾の穴である。
それでも、ちょっぴりだけだが服装がましになったのが嬉しかった。
もう一着は血に汚れて酷かったから放棄する。
それと、ショートソードを二本を鞘ごと回収した。
これでボーンクラブ+3を失ったが武器には困らないぞ。
そして、コボルトたちは小さな巾着袋に金貨を三枚ずつ入れていたので手の中に吸い込んで回収した。
巾着袋も何かの役にたつかも知れないので、ちゃんと持っておく。
それと大岩に後頭部を激突して絶命したコボルトのほうが、ダガーを一本持っていた。
回収できる物はこのぐらいだった。
コボルトどもは素足だったので、靴は新しくゲットできなかったのが残念である。
そして鑑定作業に入る前にステータスを確認する。
何か新しいスキルを習得できているかもしれない。
「ステータス、かもーん!」
うきうき気分でシステムを呼び出すと、半透明のステータス画面が開かれる。
レベルが3に上がり、経験値が100に増えていた。
コボルトたちの経験は一匹につき25点ってことなのか。
武器無しスケルトンよりは強かった気がするしな。
お金も11Gに増えている。
スキル欄を見てみれば、やはり新しいスキルを覚えていた。
これが新しいスキルだった。
【潜伏スキルLv1】
物陰に潜伏して身を隠せる確率が上がる。
おお、これは役に立ちそうなスキルだな。
バックスタブと合わせれば不意打ちの成功率が格段に上がりそうだぜ。
さて、次は──。
【前蹴りスキルLv1】
前蹴りの威力と命中率が上がる。
な、何これ?
キックの鍛練度が上がったってことかいな?
トーキックが前蹴りなのかな?
まあ、無いよりはましかな。
それと【クラブスキルLv1】がLv2に上がってるぜ。
やはり使った武器で戦闘スキルの上昇が異なるみたいだな。
さてさて、もう一つ新スキルがあるぞ。
最後は何かな?
【魔力感知スキル】
スキルを発動してから数秒間、自分から半径3メートル以内にある魔力を目視で確認できる。
あー、便利系のスキルだねー。
これは必須だわ~。
早速使ってみるか。
「魔力感知っ!」
俺は意識を集中させながら辺りを見回した。
コボルトから回収したダガーが俺の手元で、青白く光っていた。
それと今着ている服やショートソードには変化が見えなかったが、折れたボーンクラブを入れたロングブーツの口が、ダガーと同じように中のほうから淡く輝きだしていた。
「これがマジックアイテムの反応なのか?」
なるほど、このダガーはマジックアイテムなのか。
それと折れたボーンクラブ+3が、まだマジックアイテム扱いになっていることに驚いた。
俺は淡く輝いていたロングブーツの中を覗き込む。
すると良く見てみると、折れた骨の中に何か輝く物が混ざって入っていた。
俺は近場にあった平べったい岩の上にボーンクラブの破片を出してみる。
するとロングブーツの中から骨に混ざって赤色の石が一つだけ出て来た。
「宝石かな?」
親指サイズの赤い石は、ルビーの原石みたいだった。
「魔力感知」
再び魔力感知スキルを使ってルビーの原石を見てみる。
するとやはり原石は青白く光を放っていた。
「このルビーの原石はマジックアイテムだぞ」
しかし、砕けた骨の破片は光っていない。
だとするならば、このルビーの原石は骨の中に入り込んでいて、ボーンクラブをマジックアイテムにしていた本体か核なのだろうか?
なにそれ、偶然?
偶然だとするならば、奇跡に近い混入だぞ?
普通は骨の中にルビーが入るか?
それとも物理法則を無視した異世界ファンタジーの奇跡なのか?
はたまた俺が持っているハクスラスキルの特殊効果なのか?
まあ、とにかくだ。
このルビーの原石が、マジックアイテムとしての本体だったようだな。
それだけは間違いないだろう。
まあ、これ以上は深いことは考えるのも突っ込むことも止めておこう。
なんの得にもならないしね。
よし、今度はアイテム鑑定だ。
楽しみはあとに取っとくとして、まずはダガーからアイテム鑑定を始めた。
【ダガー+1】
一日一回、ライトの魔法で三時間ほど輝く。
なんだろう、ちょっとショボイな。
ただの明かりかよ。
マジックトーチの魔法があるから要らないよね。
次だ!
本命のアイテム鑑定を始める。
【ルビーの原石+3】
戦闘時の幸運が向上する×3。
え?
どういうことですか?
戦闘時の幸運×3だって?
三倍なの?
もしかして+3って、魔力の効果が三個あるってことなのかな?
しかも、このルビーの原石は、たまたま同じ効果が重なったマジックアイテムなのかな。
なんか、俺の推測は当たってそうだった。
それで戦闘が幸運的にも楽々と勝てたのかな。
たまたま蹴落とした岩がコボルトの脛に命中して、たまたま顔を蹴飛ばしたコボルトが大岩に頭をぶつけて絶命したりとか……。
他にも真っ直ぐなダンジョンでスケルトンたちが転倒して重なりあった件も納得が行く。
すべてはこのルビーのおかげだったのかな~。
たぶん、そうだね……。
だとするならば、幸運×3は侮れんぞ!
ラッキーは無敵成り!
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