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ハク side③

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 僕は、ブラックボアを追って草むらの方へ来た。
 …お母さんは、「木の陰で待ってなさい」と言っていたけれど…少しなら大丈夫だよね。

 僕は、草むらを走っていると先程のブラックボアに追い付いた。次は、逃げられないようにしないと。
 僕は、【中風魔法】を使ってブラックボアを逃げられないように風の結界で囲んだ。…どうだ、これで逃げられないだろ。

 僕は、風で逃げられないブラックボアに対して【中風魔法】を使い、【エアカッター】と唱えた。
 すると、ブラックボアは血を出して横に倒れた。

 僕は、横に倒れたブラックボアを口で挟むと、木の陰に帰ろうと思った。
 しかし、そう思った瞬間自分の影に大きな影が重なった。

「うわっ。」

 僕は、後ろを見るとキングブラックボアが居た。

「やっ…やっ…やばい」

 僕は、後ろに居る巨体なキングブラックボアに怯えてしまった。後ろにいるキングブラックボアは、僕のお母さんの五倍位の大きさで、10m以上ある。

 僕は、後ろにいるキングブラックボアから逃げる為に、【中風魔法】を使って追い風を作りながら走った。
 数分間走って、後ろを見てみると僕の後ろにはキングブラックボアが200m位後ろにいた。

 僕は、ラストスパートだと思い、追い風をもっと強くして走った。
 僕は、全速力で走っていると、口に挟んでいたブラックボアを地面に落としてしまった。

「あっ、やばい」

 僕は、地面に落ちたブラックボアを口に挟み直そうとした。しかし、そうするとキングブラックボアに追いつかれてしまう。
 僕は、悩んだ結果地面に落ちたブラックボアを拾うことにした。…だって、お母さんに自分で倒した魔物をプレゼントしたいんだもん。

 僕は、急いで地面に落ちているブラックボアを口に挟み、後ろを見た。
 後ろには、スピードを上げたキングブラックボアが、僕に迫ってきていた。
 
 僕は、追い風を作り、思いっきり走ったがキングブラックボアに追いつかれてしまった。

(くそ……やばい……)

 キングブラックボアは、僕のことを食べようと口を開けてきた。
  僕は、キングブラックボアから逃れようとキングブラックボアに噛みついた。しかし、キングブラックボアは少しふらついただけで、倒れてはくれなかった。
 キングブラックボアは、僕に噛みつかれたことに怒ったのか、僕のことを食べるのでは無く、巨大な足で強く蹴った。

「「ボキッ」」

 僕の、骨が数本折れた音がする。
 僕は、キングブラックボアに蹴られて、空を飛んでいる。…骨は、折れちゃったけど食べられなくて良かった。

 僕は、地面に落ちそうになると残った魔力で、風のマットを作った。
 僕は、地面に足を下ろすとさっきまで居た木の陰まで、骨の折れた足を運んだ。
 幸い、右足の骨は折れておらず、時間は掛かったが、先程まで居た木の陰まで戻ることが出来た。

(こんなことなら、お母さんの言うことを守っておけばよかったな…)
 
 僕は、そんなことを思いながら、木の陰に隠れようとした。
 すると、先程まで居なかったお母さんがそこに寝ていた。

 僕は、寝ているお母さんを起こそうとしたが、お母さんは全然起きてくれなかった。

 僕は、全然起きてくれないお母さんに困惑した。

 
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