写真スキルは、意外と強力でした ―写真スキルは勇者も超える―

スキルって進化するんだっけ

　僕は【剣術】が【剛剣術】に進化したことに驚いていた。

　スキルには、階級があり剣術だったら下から【剣術】、【剛剣術】、【鋼剣術】、【大剣術】と四つのスキルがある。
　僕が驚いているのは、スキルが進化したことだ。
　何故なら冒険者をやっていた父さんに、『スキルって進化するの？』って質問したら『お前は馬鹿か』と言われて、笑われたことがあったからだ。

　僕が考えるのをやめた直後、草むらからゴブリンが二体現れた。

　僕は、いい機会だと思いゴブリンが斬りかけて来るのを待ってから【ソーラーレイ】と唱え、ゴブリンの息の根を止めた。
　僕は、ゴブリンが斬りかけて来るところを思い出し【写真】と唱えた。
　すると、頭の中にまたしても言葉が浮かんできた。

　:スキル【剛剣術】は【鋼剣術】に進化しました。

　僕は、【剛剣術】が【鋼剣術】に進化したことに本当に喜んだ。
　何故なら【鋼剣術】のスキルを持つ人は、国に五人もいない貴重なスキルで、戦局を巻き返したことも数少ないくらい強力なスキルだからだ。

　僕は期待を込めて、もう一体のゴブリンが斬りかけて来ることを思い出し【写真】と再び唱えた。
　すると、頭の中に言葉が浮かんだ。

　:スキル【鋼剣術】は【大剣術】に進化しました。

　僕は、本当に【写真】スキルが貰えてよかったと思った。
　この大陸には、今まで【大剣術】のスキルを持つものは今まで四人しかいなかった。
　また、【大剣術】のスキルを持つ者はいずれも王女と結婚し、王様になるくらい最強であった。
　そんなスキルを僕が手に入れたことに、僕はまだ信じることが出来ず僕の手は震えていた。

　僕は手の震えが止まったことを確認すると、僕は辺りの木の根元を探し始めた。　
　本当はもう少しゴブリンを探しても良かったが、【神聖術】を使い過ぎると僕が魔力切れで倒れてしまうかもしれないので止めておいた。

　僕が木の根元を探していると、とあるキノコが見つかった。

「わぁ。これってキビョウスナオダケじゃないか。」

　キビョウスナオダケは、そのまま焼いて食べてもいいし、ポーションを作る時にも使うことがある万能キノコだ。
　父さんと一緒にキビョウスナオダケを食べた時は、美味しかったな。

　僕は、キビョウスナオダケを食べるか、食べずに売るか迷っていた。

　結構悩んだが、やはり食べることにした。
　やっぱり食欲には敵わないよ。

　




「よし、こんなもんかな。」

　僕は、辺りにある枝を集めて焚き火の準備をしていた。
　空には、無数の星がキラキラと光っていた。

「それじゃあ、いただきます。」

　僕は、手を合わせて目の前に広がる色々な種類のキノコに手を伸ばした。
　実は枝を集める時に他にもキノコを見つけたのだ。
　えっ、キノコは毒がないかって。【家事】スキルを使ってキノコに毒はないかしっかり確認したから毒に関しては大丈夫だ。
　
　キノコを取ろうとして、手を伸ばしたがキノコはいつの間にか無くなっていた。

「あぁ。美味しかった。」

　僕は、キノコに満足してカバンから寝袋を取り出した。
　魔物に関しては、【神聖術】で結界を張ったから安心だ。
　
　僕は、いつもと変わらず安心して横たわった。