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水晶の迷い道 9
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翌日、お兄様と一緒に朝から工房へ向かった。ヘレンさんに場所で送ってもらい午後に迎えに来てもらうようにお願いした。
工房ではすでに何人も作業していた、何を作っているのか見ると昨日自分の作った3D彫刻を作っていた、職人として目新しい物にチャレンジしたくなるのだろう、きっと技術の向上に繋がるから良いことだろう、
お父様は貴族向けには商品を直接売り行く、または宝石のみを見てもらい、気に入ったものをその後から希望する宝飾品を作る。この時に持っていくのは腕のいい職人の作ったものだけだ。それ以外の物は西区にあるお店に置かれていて、一般の王都民が買いに来る、今作っているような練習で作ったものでも売れそうだったら売りに出している。今作られている物は幾つかはお兄様と一緒に学都に行きラインバース宝石店の宣伝として一役買ってくれるだろう。
「おはようございます、ロバーナさんは居られますか?」
「お嬢、おはようございます。それに坊ちゃん、お嬢が心配で帰って来たんですね、帰ってくる気はしてましたぜ」
お兄様のシスコンぶりは周知の事実のようだ、とりあえず今日来た用件を伝えると、急ぎの仕事もないから大丈夫との事なので早速奥の部屋でお勉強を開始する、お兄様はカリワさんとミュフィーさんに3D彫刻の制作状況を聞きつつどのように作るのか聞きつつ私を褒め足り自慢してる。器用なもんだ。
「知っているとは思いやすが、一から説明させていただきます」
教えて貰うのは
・主な宝石類や貴金属
・それれぞれの用途
・どのように扱うと割れたり傷ついたりするのか
・どのようにカットすると美しくなるか
・真贋の見分け方
等々
元の世界にもあった、ダイヤ、トパーズ、ルビー、サファイヤ、エメラルド等々以外にもまったく知らない鉱物の名前もあった。
特に魔石と呼ばれる分類だ、この魔石は大まかに3種類あって、一つは魔物の体内で形成されるもので、もう一つが地中の魔力の流れや溜まっている場所による作用を受けた鉱脈から出る物、そして人工的に結晶を作り出してその成長途中に魔力を練りこんでいく物が有るという。最後のはできたらやってみたいので覚えておこう。
この世界の岩石は残念ながら細かい分類はされていない。しかし、産出する鉱物の2次鉱物は知られているようで、それが有るところにはそれの元となった鉱物が出るから鉱山の運営者や自分みたいな石好きには必要な知識だろう。けどまさか、火成岩・堆積岩・変成岩の分類すら無いとは・・・いや、確か岩石の分類が始まったのはわりと近代だったはずだから仕方がないか。
宝石はただ美しい宝飾品として使われる以外に、魔法や魔法薬の触媒・粉末はスクロールの塗料等に使われる、魔石は魔術を組み込んで魔道具に使われたり、魔力を貯めておけるので魔力タンク等として使われるそうだ。
「勉強になりました!」
「次は実技ですぜ、と言っても二人はまだ水晶しか扱えねえでしょうから、お嬢の考えた内彫刻をやりましょうかい」
「「はい!」」
元気に返事をして水晶を手にする、用意されたものはすでにカットされた物や水晶の形のままの物だった、なのでお兄様に渡す分をジャンジャン量産していく、この綺麗な六角柱にバラの花から茎までをモチーフにしたものなんかなかなかの出来だ、うまく花ビラを一枚一枚再現できているのでお兄様のいい人でもいればその人に渡してもらおう。お兄様にもあげないと拗ねるだろうから作らないと、何が良いだろう?私の顔なんか言われたらどうしようか・・・
「お兄様、中に掘る物で何か希望はありますか?プレゼントさせてください」
「え!プレゼントかい、うれしいな!そうだなあ、何か商売繁盛を願う物なんかが良いかな」
「商売繁盛ですか、それでしたらあれでしょうか」
「あれ?」
日本人ならだれでも知っている招き猫である、上げている手によって金運と客入りが変わったはずだがどっちだったかな?まあ、気にせず作ろう。
さっきから作りまくっていたおかげでだいぶ細かい調整ができるようになっていた、[カット]の薄い膜を面から立体に成るように広げ、広げた分カットの効果が薄まりカットの密度が細かい網の目のような状態になったので一回で立体に掘れる、ただ、頭の中で立体図を構成しながらじゃないと無理なのでかなり集中力がいるので、簡単な物しか作れない。
「出来ました、どうぞお兄様」
「これは、遠い異国の古い豪商が好んで置いていたという招き猫か、よく知っていたな」
「以前本で読んだことが有りまして、商売繁盛の御利益が有ると書いてあったもので」
これは本当だ、リタの記憶に残っていた。いったい女神さまは、何人やらかしたのだろうか?今度聞いてみよう。
「ありがとうリタ、もっと大きな店にして見せるからな、そしてこのもう一つのバラのもプレゼントかい?」
「プレゼントですけど、どなたか学都でお世話に成った人に渡してください」
「そうか、あいつにでも渡すかな、確か花が好きだったはずだ」
「あら、いい人ですか?」
「はっはっはっ、そんなんじゃないさ、僕が売っている小物を作って貰っている人だよ、アーリーって名前の女の子で同じ学年でね、入学当初から仲が良いんだ」
(あー、お兄様は鈍感系の可能性が出てきたぞ、アーリーさんには入学後協力出来ることが有ればしてあげよう)
「そうでしたか、ではその人にあげてください、そしてこれらを持って行ってしっかり売ってください」
「そうするよ、ありがとう、他に作った物は売ってしまうのが惜しいくらいだ」
この後、出来上がった内彫刻はお兄様の魔法箱に入れていった、いわゆるマジックバッグの一種だろう箱というが引き出し近い、形は幅と奥行きが10cm、高さが2cmほどで、引き出しの取っ手を引くと長い引き出しが出てきてさらに幾つかの小さい引き出しが横についている、それを更に引いて、横長の引き出しを引くと、少し奥行きのあるパーテーションで分けられていて鉱物用の標本箱に似ている。空間拡張の魔法が有るのだろう、拡張域は大きさ的にそんなに広くはないだろうがおそらく高価なもので、これはお父様がお兄様に入学祝にプレゼントしたものだ。
ヘレンさんが迎えに来たのでこの日のお勉強は終わった。帰ってからヘレンさん監修のもとに軽い筋トレを開始した、少しづつ運動量を増やして行くそうだが、結構キツイ・・・明日筋肉痛に成ってないと良いんだが。
工房ではすでに何人も作業していた、何を作っているのか見ると昨日自分の作った3D彫刻を作っていた、職人として目新しい物にチャレンジしたくなるのだろう、きっと技術の向上に繋がるから良いことだろう、
お父様は貴族向けには商品を直接売り行く、または宝石のみを見てもらい、気に入ったものをその後から希望する宝飾品を作る。この時に持っていくのは腕のいい職人の作ったものだけだ。それ以外の物は西区にあるお店に置かれていて、一般の王都民が買いに来る、今作っているような練習で作ったものでも売れそうだったら売りに出している。今作られている物は幾つかはお兄様と一緒に学都に行きラインバース宝石店の宣伝として一役買ってくれるだろう。
「おはようございます、ロバーナさんは居られますか?」
「お嬢、おはようございます。それに坊ちゃん、お嬢が心配で帰って来たんですね、帰ってくる気はしてましたぜ」
お兄様のシスコンぶりは周知の事実のようだ、とりあえず今日来た用件を伝えると、急ぎの仕事もないから大丈夫との事なので早速奥の部屋でお勉強を開始する、お兄様はカリワさんとミュフィーさんに3D彫刻の制作状況を聞きつつどのように作るのか聞きつつ私を褒め足り自慢してる。器用なもんだ。
「知っているとは思いやすが、一から説明させていただきます」
教えて貰うのは
・主な宝石類や貴金属
・それれぞれの用途
・どのように扱うと割れたり傷ついたりするのか
・どのようにカットすると美しくなるか
・真贋の見分け方
等々
元の世界にもあった、ダイヤ、トパーズ、ルビー、サファイヤ、エメラルド等々以外にもまったく知らない鉱物の名前もあった。
特に魔石と呼ばれる分類だ、この魔石は大まかに3種類あって、一つは魔物の体内で形成されるもので、もう一つが地中の魔力の流れや溜まっている場所による作用を受けた鉱脈から出る物、そして人工的に結晶を作り出してその成長途中に魔力を練りこんでいく物が有るという。最後のはできたらやってみたいので覚えておこう。
この世界の岩石は残念ながら細かい分類はされていない。しかし、産出する鉱物の2次鉱物は知られているようで、それが有るところにはそれの元となった鉱物が出るから鉱山の運営者や自分みたいな石好きには必要な知識だろう。けどまさか、火成岩・堆積岩・変成岩の分類すら無いとは・・・いや、確か岩石の分類が始まったのはわりと近代だったはずだから仕方がないか。
宝石はただ美しい宝飾品として使われる以外に、魔法や魔法薬の触媒・粉末はスクロールの塗料等に使われる、魔石は魔術を組み込んで魔道具に使われたり、魔力を貯めておけるので魔力タンク等として使われるそうだ。
「勉強になりました!」
「次は実技ですぜ、と言っても二人はまだ水晶しか扱えねえでしょうから、お嬢の考えた内彫刻をやりましょうかい」
「「はい!」」
元気に返事をして水晶を手にする、用意されたものはすでにカットされた物や水晶の形のままの物だった、なのでお兄様に渡す分をジャンジャン量産していく、この綺麗な六角柱にバラの花から茎までをモチーフにしたものなんかなかなかの出来だ、うまく花ビラを一枚一枚再現できているのでお兄様のいい人でもいればその人に渡してもらおう。お兄様にもあげないと拗ねるだろうから作らないと、何が良いだろう?私の顔なんか言われたらどうしようか・・・
「お兄様、中に掘る物で何か希望はありますか?プレゼントさせてください」
「え!プレゼントかい、うれしいな!そうだなあ、何か商売繁盛を願う物なんかが良いかな」
「商売繁盛ですか、それでしたらあれでしょうか」
「あれ?」
日本人ならだれでも知っている招き猫である、上げている手によって金運と客入りが変わったはずだがどっちだったかな?まあ、気にせず作ろう。
さっきから作りまくっていたおかげでだいぶ細かい調整ができるようになっていた、[カット]の薄い膜を面から立体に成るように広げ、広げた分カットの効果が薄まりカットの密度が細かい網の目のような状態になったので一回で立体に掘れる、ただ、頭の中で立体図を構成しながらじゃないと無理なのでかなり集中力がいるので、簡単な物しか作れない。
「出来ました、どうぞお兄様」
「これは、遠い異国の古い豪商が好んで置いていたという招き猫か、よく知っていたな」
「以前本で読んだことが有りまして、商売繁盛の御利益が有ると書いてあったもので」
これは本当だ、リタの記憶に残っていた。いったい女神さまは、何人やらかしたのだろうか?今度聞いてみよう。
「ありがとうリタ、もっと大きな店にして見せるからな、そしてこのもう一つのバラのもプレゼントかい?」
「プレゼントですけど、どなたか学都でお世話に成った人に渡してください」
「そうか、あいつにでも渡すかな、確か花が好きだったはずだ」
「あら、いい人ですか?」
「はっはっはっ、そんなんじゃないさ、僕が売っている小物を作って貰っている人だよ、アーリーって名前の女の子で同じ学年でね、入学当初から仲が良いんだ」
(あー、お兄様は鈍感系の可能性が出てきたぞ、アーリーさんには入学後協力出来ることが有ればしてあげよう)
「そうでしたか、ではその人にあげてください、そしてこれらを持って行ってしっかり売ってください」
「そうするよ、ありがとう、他に作った物は売ってしまうのが惜しいくらいだ」
この後、出来上がった内彫刻はお兄様の魔法箱に入れていった、いわゆるマジックバッグの一種だろう箱というが引き出し近い、形は幅と奥行きが10cm、高さが2cmほどで、引き出しの取っ手を引くと長い引き出しが出てきてさらに幾つかの小さい引き出しが横についている、それを更に引いて、横長の引き出しを引くと、少し奥行きのあるパーテーションで分けられていて鉱物用の標本箱に似ている。空間拡張の魔法が有るのだろう、拡張域は大きさ的にそんなに広くはないだろうがおそらく高価なもので、これはお父様がお兄様に入学祝にプレゼントしたものだ。
ヘレンさんが迎えに来たのでこの日のお勉強は終わった。帰ってからヘレンさん監修のもとに軽い筋トレを開始した、少しづつ運動量を増やして行くそうだが、結構キツイ・・・明日筋肉痛に成ってないと良いんだが。
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