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水晶の迷い道 8
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「お兄様、お帰りなさいませぇいッ!!」
立って挨拶をしたらダッシュで抱き着こうとしたので避ける時に変な声が出てしまった。お兄様は私が避けたので椅子に抱き着きながら床にすっ転んでいる
「うぐぐ」
「お兄様、大丈夫ですか?」
「リタぁ・・・目が覚めないと聞いて飛んできたがそれだけ動けるということは治ったんだなぁ、よかった」
「ええ、この通りしっかり治りましたよ」
お兄様は床に転がったまま私の心配をしている、とりあえず起きてほしい、おや、ヘレンさんが入ってきて兄に近づいて立たせて、思いっきり叩いた、この前見た光景とほぼ一緒だった。また床に転がったお兄様に向けてヘレンさんが問いただす。
「屋敷の中は走らない!玄関でお嬢様はお元気になられたと言ったではないですか、それに学校はどうされたのですか?」
「学校は、妹が危篤だから家に帰る、と言って来た!元気になったと聞いても、自分の目で確かめるまでは安心できん!」
「全く、何から叱ればいいのか分かりかねます」
ヘレンさんが深いため息をついて首を振っている。この前のお父様より早く、張り手から復活したお兄様が今度はゆっくり近付いてきて優しく抱きしめてきた。
「お兄様、ご心配をおかけしてごめんなさい」
「ルースを助けたそうじゃないか、立派な妹を持てて兄として誇りに思うぞ」
「さあさあ、お坊ちゃまへのお仕置きは後にしますからまずはお食事をお食べ下さい」
いつの間にかお兄様の分の食事も用意されていた、再開された夕食で私のミルク煮を見てお兄様が不安そうな顔をしていたが明日から普通の食事に戻ることを言うと安心していた。
そして、教会での諸々と学都への入学を話すと大いに驚いて、そして喜んでいた。
「リタに女神様のご加護を授かるとは、何て素晴らしいことなんだ!それに今度から学都に来るどう喜んでいいか分からないよ」
「リウス、リタが学都に入ることは触れ回っても構わんが、女神様の加護などについては絶対言うなよ、どんな悪い虫が付くか分からんからな」
「元論ですお父様、女神様の加護の事が無くとも、悪い虫はすべて駆除します」
「あなたにリウス、あんまりリタを過保護にするのは良くないわよ」
「そうですよ、お父様にお兄様、せっかく世界を見て回るために学都で勉強して強く成ろうとしてるのに、あんまり構われると嫌いに成っちゃいますよ」
二人の動きが止まった。
「もし、何かあったら頼りにしますから、そんなにショックを受けないでください、そういえばお兄様はどうやってこちらまで戻ったのですか?かなり早く手紙が届いたのでしょうか?」
ここ王都から学都までは片道4日は掛かる、頑張ってもこんなに早く来れるはずがない、手紙は学都まで行く商隊を利用して送ったので良くて5日、下手するともっと掛かる。各都市間や冒険者ギルド同士での重大な連絡に、転送装置が使用されるが魔力の消費量が手紙一つで3000を超えるので一般人は普通は使えない。
「手紙は三日前の夜に届いてね、急いで準備してここまでの町や村で馬を繰り返し乗り換えて夜通し走ってきた、さすがに疲れたから二日はゆっくりしていくつもりだ」
「かなりお金を使ったんではないですか?あと、私が心配だからと夜中に走るのは危ないです」
「なに、ちょっと学校で小遣い稼ぎしてるからねこれ位は大丈夫だよ、あと魔物避けもしっかり持って行ったから安心だよ」
「リウス、お前は学校で何をやっているんだ・・・で、どんな商売をしているんだ?」
「ちょっとした雑貨や小物を売っています、ついでに西区の店の商品を幾つか持って行こうと思うのですがどうでしょう?」
「持っていくのはいいが、製作費だけは貰うぞ。そうだ、今日、リタが新しい商品を作ってくれたのだが、それも持って行って貰おうか、あれは売れるぞ」
「それはどんなものですか?」
「水晶の中を彫ってネコを描いたのだよ、実物はルースが持っている、今は練習中だろうからどれ位売り物に成る物が作れるか分からんが、帰るまでに10個は持っていけるだろう」
「それは面白い、明日工房へ行ってみます」
「私も行きます、もう少し綺麗な物を作れそうな気がするので試して見たいのです、あと一緒に宝石のお勉強もすれば一石二鳥です」
「そうか、じゃあ私と一緒に行こうか、妹の頑張る姿を見るのも兄の仕事だ、リタの素晴らしい腕を見せてもらおう」
このお兄様、ちょっと所じゃなく重度のシスコンだな、ミュフィーさんも気難しい感じがなかった、あくまでもリタの記憶によるものだから勘違いや主観に左右されていると見るべきだろう、今後は気を付けよう。
そして夕食も終わって紅茶を飲もうというときにお兄様が「あ~、そろそろ限かう」と、テーブルに突っ伏して寝てしまった。
夜通し走って来たと言っていたので一睡もしていないのだろう。ヘレンさんともう一人のメイドが両サイドから持ち上げて連行していった。
立って挨拶をしたらダッシュで抱き着こうとしたので避ける時に変な声が出てしまった。お兄様は私が避けたので椅子に抱き着きながら床にすっ転んでいる
「うぐぐ」
「お兄様、大丈夫ですか?」
「リタぁ・・・目が覚めないと聞いて飛んできたがそれだけ動けるということは治ったんだなぁ、よかった」
「ええ、この通りしっかり治りましたよ」
お兄様は床に転がったまま私の心配をしている、とりあえず起きてほしい、おや、ヘレンさんが入ってきて兄に近づいて立たせて、思いっきり叩いた、この前見た光景とほぼ一緒だった。また床に転がったお兄様に向けてヘレンさんが問いただす。
「屋敷の中は走らない!玄関でお嬢様はお元気になられたと言ったではないですか、それに学校はどうされたのですか?」
「学校は、妹が危篤だから家に帰る、と言って来た!元気になったと聞いても、自分の目で確かめるまでは安心できん!」
「全く、何から叱ればいいのか分かりかねます」
ヘレンさんが深いため息をついて首を振っている。この前のお父様より早く、張り手から復活したお兄様が今度はゆっくり近付いてきて優しく抱きしめてきた。
「お兄様、ご心配をおかけしてごめんなさい」
「ルースを助けたそうじゃないか、立派な妹を持てて兄として誇りに思うぞ」
「さあさあ、お坊ちゃまへのお仕置きは後にしますからまずはお食事をお食べ下さい」
いつの間にかお兄様の分の食事も用意されていた、再開された夕食で私のミルク煮を見てお兄様が不安そうな顔をしていたが明日から普通の食事に戻ることを言うと安心していた。
そして、教会での諸々と学都への入学を話すと大いに驚いて、そして喜んでいた。
「リタに女神様のご加護を授かるとは、何て素晴らしいことなんだ!それに今度から学都に来るどう喜んでいいか分からないよ」
「リウス、リタが学都に入ることは触れ回っても構わんが、女神様の加護などについては絶対言うなよ、どんな悪い虫が付くか分からんからな」
「元論ですお父様、女神様の加護の事が無くとも、悪い虫はすべて駆除します」
「あなたにリウス、あんまりリタを過保護にするのは良くないわよ」
「そうですよ、お父様にお兄様、せっかく世界を見て回るために学都で勉強して強く成ろうとしてるのに、あんまり構われると嫌いに成っちゃいますよ」
二人の動きが止まった。
「もし、何かあったら頼りにしますから、そんなにショックを受けないでください、そういえばお兄様はどうやってこちらまで戻ったのですか?かなり早く手紙が届いたのでしょうか?」
ここ王都から学都までは片道4日は掛かる、頑張ってもこんなに早く来れるはずがない、手紙は学都まで行く商隊を利用して送ったので良くて5日、下手するともっと掛かる。各都市間や冒険者ギルド同士での重大な連絡に、転送装置が使用されるが魔力の消費量が手紙一つで3000を超えるので一般人は普通は使えない。
「手紙は三日前の夜に届いてね、急いで準備してここまでの町や村で馬を繰り返し乗り換えて夜通し走ってきた、さすがに疲れたから二日はゆっくりしていくつもりだ」
「かなりお金を使ったんではないですか?あと、私が心配だからと夜中に走るのは危ないです」
「なに、ちょっと学校で小遣い稼ぎしてるからねこれ位は大丈夫だよ、あと魔物避けもしっかり持って行ったから安心だよ」
「リウス、お前は学校で何をやっているんだ・・・で、どんな商売をしているんだ?」
「ちょっとした雑貨や小物を売っています、ついでに西区の店の商品を幾つか持って行こうと思うのですがどうでしょう?」
「持っていくのはいいが、製作費だけは貰うぞ。そうだ、今日、リタが新しい商品を作ってくれたのだが、それも持って行って貰おうか、あれは売れるぞ」
「それはどんなものですか?」
「水晶の中を彫ってネコを描いたのだよ、実物はルースが持っている、今は練習中だろうからどれ位売り物に成る物が作れるか分からんが、帰るまでに10個は持っていけるだろう」
「それは面白い、明日工房へ行ってみます」
「私も行きます、もう少し綺麗な物を作れそうな気がするので試して見たいのです、あと一緒に宝石のお勉強もすれば一石二鳥です」
「そうか、じゃあ私と一緒に行こうか、妹の頑張る姿を見るのも兄の仕事だ、リタの素晴らしい腕を見せてもらおう」
このお兄様、ちょっと所じゃなく重度のシスコンだな、ミュフィーさんも気難しい感じがなかった、あくまでもリタの記憶によるものだから勘違いや主観に左右されていると見るべきだろう、今後は気を付けよう。
そして夕食も終わって紅茶を飲もうというときにお兄様が「あ~、そろそろ限かう」と、テーブルに突っ伏して寝てしまった。
夜通し走って来たと言っていたので一睡もしていないのだろう。ヘレンさんともう一人のメイドが両サイドから持ち上げて連行していった。
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