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翡翠の守護書庫 19
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気を取り直して図書館に向かおう、教会からは市場を通ればすぐだが市場で良い物を見付けたのでいくつか買いながら到着した。
以前見た通り、細かい結晶の煌めきに透明感のある白や緑等の色合いの美しい翡翠の壁を眺めながら入り口で手続きする、と言っても学生は学生証を見せれば良いだけだった。
門をくぐり壁と同じ翡翠を使った石畳を通り図書館に入った。ちょっと翡翠に見入ってた性で1分位の距離なのに30分も掛かってしまったのは仕方がない。
「こんにちは、ここに来るのは初めてかな?」
入り口付近の柱を見てどうやって加工したのか考えているといると受付に居る人に話しかけられてしまった。
「はい、初めてです」
「この、翡翠図書館は殆どが翡翠からできてるから物珍しさで始めて来た時はしばらく見ている子居るけどあなたみたくずっと見てる子は初めて見たよ、一応図書館だから壁や柱より本を読んでね、欲しい本の場所がわからなかったらお姉さんが教えてあげるからね、あと、貸し出しと返却の手続きもここで出来るからね」
むう、確かにちょっと翡翠を見すぎていたかな、メインの目的は今後のために各地の鉱物情報を集めるために来たのだ、元の世界の様にネットでちゃちゃっと調べたりはできないので、この都市に居る間に多くの情報を参集し採掘や鉱物の簡易検査の道具を作る為に来たのである、もちろん入学したからにはそれ以外の事も学んでいく、知識や経験がどんな所で必要になってくるか分からないからだ。
「でしたら、鉱物の本は何処にあるでしょうか?」
「鉱物・・・宝石じゃなくて?」
「宝石もですけど、鉄鉱石等の資源、それら以外の石に関する本が欲しいです、出来れば産地が乗っている物か、鉱山の本なんかもいいですね」
「ちょっと待っててね、え~とあそこにあそこと、え~と・・・」
紙に区画、本棚の番号、それぞれどんな分類かを書いていきそれを手渡してくれた
「はいこれ、覚えてる限りだけど」
体育館5個分くらいの広さ敷地に何万冊有るか分からないけど、かなりの量の蔵書が有るのに殆ど覚えているのだろうか、だとしたらこの人すごいな。手渡されたメモを見ると20冊ほど書かれているやっぱり少ない・・・お礼を言って案内板でを見て一番近い所を目指す、最初は採掘資料だ。
本棚から分厚い本2冊を引き抜き人のいない机で本を広げる、この二冊の本には過去の採掘の記録が綴られていて、場所や採掘物、採掘量が記録されている、もちろん過去の記録だがどのような物が採れるかで大まかにどんな鉱床か地質がわかる。
古い情報だけど、この国だと金属は6割が鉄で残りは銅が1割で錫や鉛等が2割、残りの1割が金銀やミスリル等の希少金属を採掘している、それぞれで稀に魔石化している物が採れる地層があるがごく狭い範囲らしい、大半を占める鉄は赤い縞状の鉱脈と書いてあるから縞状鉄鉱床だろう、元の世界だと海に溶け込んだ大量の鉄イオンが初期の光合成生物によって生産された酸素と反応して酸化鉄として沈殿していき膨大な量の鉄鉱床として地中に埋蔵されている、また、基本的に赤と黒の層に成っていて赤い部分はチャート(石英の堆積岩)で黒い部分は赤鉄鉱で構成されている。元の世界では鉄の90%がこの縞状鉄鉱床から生産されているがこの世界でも同じのようだ。
購入しておいた地図に採掘所やそれが有るはずの町にナンバリングと主要な鉱物を書いていき、別の紙にナンバーに該当するように産出するものを書いていった。
このスズの採れる場所でやたら重たい黄色い結晶が出るのか、アレかな?こっちの赤い柱状の結晶は鉛の産地近くか、多分アレだな、欲しいなぁ。
「ん~・・・古い」
ここにある資料は細かい二次鉱物(メインの鉱物以外の物)も記載されていて有用な情報が多いけど、如何せん古いなぁ情報が一番新しいので10年前か、まあ新しい情報だとやはり国家機密に近い物に成るのかもしれないから仕方ないか、それに趣味で採る分には枯れた鉱脈でも全然問題ない、問題が有るとすれば鉱山の採掘とともにできた町は閉山とともに消滅していくのが多いから周囲に町がない場合や坑道掘り(穴を掘り進む採掘法)の場合そこが何か生物の住処に成る場合もあるので危険だ。他にも掘り進んでいって魔物の巣穴と繋がることも有るらしく、そのせいで採掘が止まる事もあるらしい。魔獣を倒せる力も付けなければいけないな。
この後ずっと地図とメモにカリカリ書き込んでいき、2冊目は宝石や金属以外の産業利用される鉱物について書かれていた。2冊分の情報をまとめたらちょうどお昼の鐘が鳴ったのでさっき屋台で買っておいた焼き菓子をポリポリ食べながら地図を見て分析する。また、この図書館内での飲食はOKで本に防汚系の魔術が掛かっているかららしい。
「こことここはたぶん鉱脈型熱水鉱床でこっちはスカルンかな?ここは分からないな現地に行って地質を見ないだめね」
以前見た通り、細かい結晶の煌めきに透明感のある白や緑等の色合いの美しい翡翠の壁を眺めながら入り口で手続きする、と言っても学生は学生証を見せれば良いだけだった。
門をくぐり壁と同じ翡翠を使った石畳を通り図書館に入った。ちょっと翡翠に見入ってた性で1分位の距離なのに30分も掛かってしまったのは仕方がない。
「こんにちは、ここに来るのは初めてかな?」
入り口付近の柱を見てどうやって加工したのか考えているといると受付に居る人に話しかけられてしまった。
「はい、初めてです」
「この、翡翠図書館は殆どが翡翠からできてるから物珍しさで始めて来た時はしばらく見ている子居るけどあなたみたくずっと見てる子は初めて見たよ、一応図書館だから壁や柱より本を読んでね、欲しい本の場所がわからなかったらお姉さんが教えてあげるからね、あと、貸し出しと返却の手続きもここで出来るからね」
むう、確かにちょっと翡翠を見すぎていたかな、メインの目的は今後のために各地の鉱物情報を集めるために来たのだ、元の世界の様にネットでちゃちゃっと調べたりはできないので、この都市に居る間に多くの情報を参集し採掘や鉱物の簡易検査の道具を作る為に来たのである、もちろん入学したからにはそれ以外の事も学んでいく、知識や経験がどんな所で必要になってくるか分からないからだ。
「でしたら、鉱物の本は何処にあるでしょうか?」
「鉱物・・・宝石じゃなくて?」
「宝石もですけど、鉄鉱石等の資源、それら以外の石に関する本が欲しいです、出来れば産地が乗っている物か、鉱山の本なんかもいいですね」
「ちょっと待っててね、え~とあそこにあそこと、え~と・・・」
紙に区画、本棚の番号、それぞれどんな分類かを書いていきそれを手渡してくれた
「はいこれ、覚えてる限りだけど」
体育館5個分くらいの広さ敷地に何万冊有るか分からないけど、かなりの量の蔵書が有るのに殆ど覚えているのだろうか、だとしたらこの人すごいな。手渡されたメモを見ると20冊ほど書かれているやっぱり少ない・・・お礼を言って案内板でを見て一番近い所を目指す、最初は採掘資料だ。
本棚から分厚い本2冊を引き抜き人のいない机で本を広げる、この二冊の本には過去の採掘の記録が綴られていて、場所や採掘物、採掘量が記録されている、もちろん過去の記録だがどのような物が採れるかで大まかにどんな鉱床か地質がわかる。
古い情報だけど、この国だと金属は6割が鉄で残りは銅が1割で錫や鉛等が2割、残りの1割が金銀やミスリル等の希少金属を採掘している、それぞれで稀に魔石化している物が採れる地層があるがごく狭い範囲らしい、大半を占める鉄は赤い縞状の鉱脈と書いてあるから縞状鉄鉱床だろう、元の世界だと海に溶け込んだ大量の鉄イオンが初期の光合成生物によって生産された酸素と反応して酸化鉄として沈殿していき膨大な量の鉄鉱床として地中に埋蔵されている、また、基本的に赤と黒の層に成っていて赤い部分はチャート(石英の堆積岩)で黒い部分は赤鉄鉱で構成されている。元の世界では鉄の90%がこの縞状鉄鉱床から生産されているがこの世界でも同じのようだ。
購入しておいた地図に採掘所やそれが有るはずの町にナンバリングと主要な鉱物を書いていき、別の紙にナンバーに該当するように産出するものを書いていった。
このスズの採れる場所でやたら重たい黄色い結晶が出るのか、アレかな?こっちの赤い柱状の結晶は鉛の産地近くか、多分アレだな、欲しいなぁ。
「ん~・・・古い」
ここにある資料は細かい二次鉱物(メインの鉱物以外の物)も記載されていて有用な情報が多いけど、如何せん古いなぁ情報が一番新しいので10年前か、まあ新しい情報だとやはり国家機密に近い物に成るのかもしれないから仕方ないか、それに趣味で採る分には枯れた鉱脈でも全然問題ない、問題が有るとすれば鉱山の採掘とともにできた町は閉山とともに消滅していくのが多いから周囲に町がない場合や坑道掘り(穴を掘り進む採掘法)の場合そこが何か生物の住処に成る場合もあるので危険だ。他にも掘り進んでいって魔物の巣穴と繋がることも有るらしく、そのせいで採掘が止まる事もあるらしい。魔獣を倒せる力も付けなければいけないな。
この後ずっと地図とメモにカリカリ書き込んでいき、2冊目は宝石や金属以外の産業利用される鉱物について書かれていた。2冊分の情報をまとめたらちょうどお昼の鐘が鳴ったのでさっき屋台で買っておいた焼き菓子をポリポリ食べながら地図を見て分析する。また、この図書館内での飲食はOKで本に防汚系の魔術が掛かっているかららしい。
「こことここはたぶん鉱脈型熱水鉱床でこっちはスカルンかな?ここは分からないな現地に行って地質を見ないだめね」
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