繋がった人

繋がった人

あの子は友達なの、

大切なんだろうから優しくするの、

友達は大切な存在だよ、

世の中の考えによればそう、

じゃあこの苛立ちは何だろう、

ならこの諦観は何でだろう、

もどかしい絵の具の混ざり合いみたいに、

何かが挟まって隔ててる、

優しさなんて最初からないのかも、

みんなそんなものかも、

悪意の貼り絵で作られた僕らの、

あるようでないような繋がり、

時間をかけて大人になった僕らの、

虚しいほどに上手くなった継ぎ接ぎ、

あの子はどう思ってるのか、

そんなことは分からない、

僕は何がしたいのか、

そんなことも分からない、

錆びついた鎖を手繰り寄せるみたいに、

身は汚れ、

擦り切れそうな音が嫌になる、

僕は手を離さなきゃいけないのかな、

いつかあの子は気づくかな、

炭素みたいに救ってくれるものはないの、

気づきながらも未だに探してる僕、

あの子の哀れを悲しむ間もなく、

聴こえないさよならを伝えるふりして、

多分僕は歩き出すのかな、

あの子もいつか分かるかな、

僕の足跡は消えてくけれど、

元気にやってくれるといいな、