閉じた花

永井晴

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閉じた花

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可憐なその子は影に隠れる

青葉にも枯葉にも似ない容姿

憐れむ誰かの呼吸に傷つく

あんなにも暮れた陽の紅のように

ぱっと咲いて、ぱっと消える

夢のように生きる人

きっと回転は終わりなく

胸の奥地に見る秘宝

上の方まで連れてゆくのでしょう

風船は遠く街を離れて

開いた手のひら枯れ穂を仰ぎ

続く変化もこの地に別れ

光った命、加速度つけて、

星の降る空をいつまでも飛んでゆくあの子

見送る人たちのキスなんて何も届かないもの

そして今日も夕暮れが来て

置いていく嘘に現を抜かす人々の群れ

それこそ哀れむものなれと

閉じた花輪の蕾が言うと
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