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『果てなき無限の戦闘』第五回編
40.伝説は次の世界へ。(最終話)
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「伝説がようやく負けたなぁ、お前の時代ももう終わりだっ!」
「春宮…。」
「春宮くん…。」
誰もが敗北を確信した。
誰もが伝説が途切れたと確信した。
誰もが『終わり』を確信した。
が、その確信は簡単に崩れ落ちた。
2人だけは、諦めてはいなかった。
2人だけは…。
「みなさん、まだ終わってませんよ。」
宮色が言った。
彼女は元主催者。別の言葉で言うなら神と言ってもいいだろう。
天崎と宮色。
神の座に君臨していたのは、明らかに宮色の方が長い。
だからこそ、気づいた。
この戦闘はまだ終わっていないと。
「でも、弾丸が春宮の頭を…。」
みつめが信じられなさそうに言った。
そして、
「残念だったな…。」
俺はそう言った。
そしてようやく天崎が異変に気づく。
「おっ…お前…なっ、なぜ…、ヘッドに一発入れたはず…じゃあ…。」
キルされたら春宮の体が消え、噴水の広場の戦闘前のような状態になるはずだ。
しかし、そうなっていない。
まだ戦闘が続いてることになっていたのだ。
「たしかにお前の弾道は俺のヘッドを捕らえた。弾丸もそれ通りに通った。」
「ならなぜ…終わってないないんだ!」
「ちゃんと言ったぞ。撃たれる前にな。」
「なん…だと??」
場面は少し戻る。
「甘いな!春宮よっ!」
天崎のコルト シングルアクションアーミーの銃口から伸びる弾道。それ通りに放たれる弾丸は…。
「避けろ春宮!」
みんなが叫んだが…遅かった。
「これはお前が作り出した、出来損ないな世界だ。」
みんなや天崎には聞こえていなかったであろう、小さい声で俺がそう呟いた瞬間に…、
弾丸は、
俺のヘッドを貫いたのだったー。
場面は再び。
「出来損ないの世界だと、ちゃんと言ったぞ。」
「私が新たに作り出した、この素晴らしい世界が出来損ないだと?ふざけるなっ!」
「まだ気づいてないのか。」
すると、宮色が説明し始めた。
「天崎、確かにこの『結界の中の銃社会』はあなたが新たに作り出したもの。しかし、あなたには世界を作るなんてことはまだ早かった。
その証拠にみつめさんや、咲希さん、深村がこの世界に来ることができてしまった。」
「それと同じことが起こったのさ。」
「まさかっ!」
ここでようやく天崎が気づく。
「そう、弾道は俺のヘッドを捕らえていたが弾丸は空を切ったのさ。俺のヘッドをすり抜けたのさ。
まぁ、みつめたちがここに来てしまったことと同じようなことだな。」
「お前はそれを…わかって…?」
「あぁ滑ったのは素だが、そのあと避けなかったのはそういうことだ。」
「滑ったのは素なんだ。」
みんなが若干呆れたように言った。
「なぜお前はそれを…。」
「神から聞いたからだよ。」
場面は少し戻り、噴水の広場へ向かってる最中へ。
「春宮さん、これだけ言っておきます。私が元主催者だからこそわかることです。」
「元主催者だからわかること?」
みつめの姿の元主催者が俺にだけに聞こえるように言った。
「おそらく現主催者は気づいてないでしょうね。春宮くん、もし現主催者と戦闘になったときにはこれだけは覚えておいてください。」
「おう。」
「現主催者はあなたに憧れたと同時にずっとあなたの研究をしてきました。あなたになるために。だからいくらあなたでも苦戦するでしょう。
しかし、みつめさんたちがここに来てしまったのと同じような現象がここで起きてます。
それはあなたのヘッドが簡単に言うと【透明】になってます。」
「透明??」
ゲームっぽく言うと透明になっていると表現したほうが分かりやすい。
しかしこれは戦闘であってお遊びではない。
現実には透明なんてあり得ない。
だから『現実っぽく』説明すると、
「あなたのヘッドには絶対に弾丸が当たらないようになってしまっているのです。ヘッドだけですが。」
場面は再び戻る。
「つまり…おれは技量が足りなかったと…。」
「技量だけじゃない、お前は心でも俺に負けている!」
その距離7メートル程度。
俺はすかさず走り出して、コルト シングルアクションアーミー 7.5インチ キャバルリーを構えた。
―そして止まる―。
銃口から天崎までの距離
―ほぼないに等しいー。
天崎はもう抵抗する気がなかった。
ここが天崎に足りなかった心の強さ。
「終わりだ、天崎。お前の支配も、お前の世界も、お前の理想も!お前の憧れも!」
「俺は…お前になりたかった…。」
「残念だが、そこにいるのはお前が憧れたアブソリュート・トラジェクトリー【春宮冬立】ではない。」
深村さんが語り始めた。
「確かに俺とお前は春宮に憧れた。しかし、憧れたのは【過去の春宮】だ。今の春宮はソロではない。仲間と伝説を塗り替えようとしてる、『アブソリュート・トラジェクトリーへの挑戦者の一人』だ。」
「俺の負けだ…。」
「伝説を作って待ってるぜ、天崎。お前のヘッドをこいつで撃ち抜くのはそのときまで取っておくぜ。」
無理にキルする必要はない。
どちらかが敗北を認めれば、それで戦闘は終わる。
【勝者:春宮。パーティー名は…。】
「あ、パーティー名。」
「そういえば決めてなかったですね。」
「じゃあこれは?」
みつめが提案した。
【アブソリュート・チャレンジャー】
この名前の意味、
それは…、
春宮冬立
矢弥里みつめ
神水咲希
仲槙由依奈
成山鳳巳
田島・ハーパー
誰1人として欠けることない(絶対なる)メンバーであり、
伝説を塗り替える者たち(挑戦者)であることを意味している。
【パーティー名:絶対なる・挑戦者 変更完了。】
「さて、みなさん。ゲートを作ります。ここはやがて崩れ、消えるでしょう。危険です。しかし、ゲートを潜れば現実世界の結界に入る前に戻ります。」
記憶はなくならないらしい。
でも時間は進んでないことになるそうだ。
最後にみんなで集まり、
「帰るか!日常へ。」
「えぇ、そしてまた。」(仲槙)
「第六回で。」(成山)
「今度こそ。」(咲希)
「伝説を塗り替えよう!」(みつめ)
「俺も誘えよな。全力でサポートするぜ。」(田島)
『もちろん!』
俺たちの物語はここで決して終わったりしない。
「なんてったって。」
「俺たち。」(成山)
「私たちは。」(みつめ、仲槙、咲希)
伝説を塗り替えるまでは、なにがあろうとトリガーに指を掛け続ける。
『アブソリュート・チャレンジャーなんだからっ!』
俺たちは未来へ続くゲートをくぐったのだった。
「春宮…。」
「春宮くん…。」
誰もが敗北を確信した。
誰もが伝説が途切れたと確信した。
誰もが『終わり』を確信した。
が、その確信は簡単に崩れ落ちた。
2人だけは、諦めてはいなかった。
2人だけは…。
「みなさん、まだ終わってませんよ。」
宮色が言った。
彼女は元主催者。別の言葉で言うなら神と言ってもいいだろう。
天崎と宮色。
神の座に君臨していたのは、明らかに宮色の方が長い。
だからこそ、気づいた。
この戦闘はまだ終わっていないと。
「でも、弾丸が春宮の頭を…。」
みつめが信じられなさそうに言った。
そして、
「残念だったな…。」
俺はそう言った。
そしてようやく天崎が異変に気づく。
「おっ…お前…なっ、なぜ…、ヘッドに一発入れたはず…じゃあ…。」
キルされたら春宮の体が消え、噴水の広場の戦闘前のような状態になるはずだ。
しかし、そうなっていない。
まだ戦闘が続いてることになっていたのだ。
「たしかにお前の弾道は俺のヘッドを捕らえた。弾丸もそれ通りに通った。」
「ならなぜ…終わってないないんだ!」
「ちゃんと言ったぞ。撃たれる前にな。」
「なん…だと??」
場面は少し戻る。
「甘いな!春宮よっ!」
天崎のコルト シングルアクションアーミーの銃口から伸びる弾道。それ通りに放たれる弾丸は…。
「避けろ春宮!」
みんなが叫んだが…遅かった。
「これはお前が作り出した、出来損ないな世界だ。」
みんなや天崎には聞こえていなかったであろう、小さい声で俺がそう呟いた瞬間に…、
弾丸は、
俺のヘッドを貫いたのだったー。
場面は再び。
「出来損ないの世界だと、ちゃんと言ったぞ。」
「私が新たに作り出した、この素晴らしい世界が出来損ないだと?ふざけるなっ!」
「まだ気づいてないのか。」
すると、宮色が説明し始めた。
「天崎、確かにこの『結界の中の銃社会』はあなたが新たに作り出したもの。しかし、あなたには世界を作るなんてことはまだ早かった。
その証拠にみつめさんや、咲希さん、深村がこの世界に来ることができてしまった。」
「それと同じことが起こったのさ。」
「まさかっ!」
ここでようやく天崎が気づく。
「そう、弾道は俺のヘッドを捕らえていたが弾丸は空を切ったのさ。俺のヘッドをすり抜けたのさ。
まぁ、みつめたちがここに来てしまったことと同じようなことだな。」
「お前はそれを…わかって…?」
「あぁ滑ったのは素だが、そのあと避けなかったのはそういうことだ。」
「滑ったのは素なんだ。」
みんなが若干呆れたように言った。
「なぜお前はそれを…。」
「神から聞いたからだよ。」
場面は少し戻り、噴水の広場へ向かってる最中へ。
「春宮さん、これだけ言っておきます。私が元主催者だからこそわかることです。」
「元主催者だからわかること?」
みつめの姿の元主催者が俺にだけに聞こえるように言った。
「おそらく現主催者は気づいてないでしょうね。春宮くん、もし現主催者と戦闘になったときにはこれだけは覚えておいてください。」
「おう。」
「現主催者はあなたに憧れたと同時にずっとあなたの研究をしてきました。あなたになるために。だからいくらあなたでも苦戦するでしょう。
しかし、みつめさんたちがここに来てしまったのと同じような現象がここで起きてます。
それはあなたのヘッドが簡単に言うと【透明】になってます。」
「透明??」
ゲームっぽく言うと透明になっていると表現したほうが分かりやすい。
しかしこれは戦闘であってお遊びではない。
現実には透明なんてあり得ない。
だから『現実っぽく』説明すると、
「あなたのヘッドには絶対に弾丸が当たらないようになってしまっているのです。ヘッドだけですが。」
場面は再び戻る。
「つまり…おれは技量が足りなかったと…。」
「技量だけじゃない、お前は心でも俺に負けている!」
その距離7メートル程度。
俺はすかさず走り出して、コルト シングルアクションアーミー 7.5インチ キャバルリーを構えた。
―そして止まる―。
銃口から天崎までの距離
―ほぼないに等しいー。
天崎はもう抵抗する気がなかった。
ここが天崎に足りなかった心の強さ。
「終わりだ、天崎。お前の支配も、お前の世界も、お前の理想も!お前の憧れも!」
「俺は…お前になりたかった…。」
「残念だが、そこにいるのはお前が憧れたアブソリュート・トラジェクトリー【春宮冬立】ではない。」
深村さんが語り始めた。
「確かに俺とお前は春宮に憧れた。しかし、憧れたのは【過去の春宮】だ。今の春宮はソロではない。仲間と伝説を塗り替えようとしてる、『アブソリュート・トラジェクトリーへの挑戦者の一人』だ。」
「俺の負けだ…。」
「伝説を作って待ってるぜ、天崎。お前のヘッドをこいつで撃ち抜くのはそのときまで取っておくぜ。」
無理にキルする必要はない。
どちらかが敗北を認めれば、それで戦闘は終わる。
【勝者:春宮。パーティー名は…。】
「あ、パーティー名。」
「そういえば決めてなかったですね。」
「じゃあこれは?」
みつめが提案した。
【アブソリュート・チャレンジャー】
この名前の意味、
それは…、
春宮冬立
矢弥里みつめ
神水咲希
仲槙由依奈
成山鳳巳
田島・ハーパー
誰1人として欠けることない(絶対なる)メンバーであり、
伝説を塗り替える者たち(挑戦者)であることを意味している。
【パーティー名:絶対なる・挑戦者 変更完了。】
「さて、みなさん。ゲートを作ります。ここはやがて崩れ、消えるでしょう。危険です。しかし、ゲートを潜れば現実世界の結界に入る前に戻ります。」
記憶はなくならないらしい。
でも時間は進んでないことになるそうだ。
最後にみんなで集まり、
「帰るか!日常へ。」
「えぇ、そしてまた。」(仲槙)
「第六回で。」(成山)
「今度こそ。」(咲希)
「伝説を塗り替えよう!」(みつめ)
「俺も誘えよな。全力でサポートするぜ。」(田島)
『もちろん!』
俺たちの物語はここで決して終わったりしない。
「なんてったって。」
「俺たち。」(成山)
「私たちは。」(みつめ、仲槙、咲希)
伝説を塗り替えるまでは、なにがあろうとトリガーに指を掛け続ける。
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