結界の中は銃社会

『果てなき無限の戦闘』第五回編

29.フルオートの脅威

「進むか…といっても、もうすでに自分がどの位置なのかわからん…。」

霧は予想以上に濃くて、進めば進むほど視界が奪われていく。

「これならどこから弾丸飛んでくるか、わかったもんじゃないな…。」

するとだれかの足音が聞こえてくる。

「誰だ？もう敵の登場か？」

すると…。

「うぉーーーーーーー！」

銃を構えていきなり飛び出して来た。
それは敵ではなく、

「成山！？」

「なんだ、春宮か。」

「誰だか全然わかんねぇな。」

「とりあえず一緒に行動した方がいいか。」

ということで成山と敵を探すことにした。
すると…

「ん？金属音？」
 
俺は微かに聞こえた金属音などで直感した。

「成山！伏せろ！」

俺は成山に飛びかかり一緒に木陰に倒れる。
背中を無数の弾丸が空を切る。

「あっぶねぇ。」

「春宮、よくわかったな。」

「直感だ。」

「しっかし、これが噂のやつか…。いったい誰が。」

すると霧の中から弾幕の主が姿を表す。

「やぁ、初めまして。ごきげんいかがでしょうか？」

「あぁ、最悪だね。」

「私はブラックサンの隊長です。」

いきなり成山が俺の腕をつかんで木陰に引っ張って来た。

「どうした？成山。」

「おい、聞いてねぇぞ、あの武器。」

「あの武器がどうした？見たことない感じだが。」

成山が驚いている。

「どうしたの？」

トランシーバーで聞いていた他のやつらも心配して聞いてくる。

「あの銃は散弾銃。しかもフルオートだ。」

「フルオートで散弾銃だぁ！？」

仲槙がいち早く気づいた。

「まさかAA-12！？」

「どうやらそうみたいだな。」

成山は銃にそこそこ詳しい。だからあの銃から逃げた。
なぜなら厄介な銃だからである。

「第1回にはあんなの使うのいなかったぞ。」

「めんどいぞあれは。ミニガンは固定されてたがな。」

すると、ブラックサンの隊長の声が、木の向こうから聞こえる。

「会って早々失礼かと思いますが、残念ながらあなた方を殺さねばなりません。」

「誰が殺されるもんか！」

「さぁ、始めましょう。霧の殺し合いゲームを。」

俺は成山と離れた木陰に移動して敵の様子を伺う。

「どうするか…。」



視点と場面は仲槙へ。


私はひたすらに前に歩いていた。

「あっ。」

すると、足を滑らせて後ろに転びそうになる。
その瞬間、目の前を数発の弾丸が通り過ぎる。

「だれ！？」

「外してしまったか。」

霧の中からでて来たのはブラックサンのアタッカー

「それは！」

敵が持っていたのはM4A1 カービン

「あなたの実力。試させていただこう。」

「望むところよ。」



この不利な状況。

切り抜けられるか―。