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リリアンの結婚相手
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感動の一夜が明け目が覚めると、ウエンはいつの間にか戻っていたようだ。
まじまじと寝ているウエンを観察すると、長い睫毛に流れる金色の髪。褐色の肌が相変わらず美味しそうだ。ウエンは昔から性格もいいし誰にでも優しい。
シェド人特有の長身で逞しい身体はどこにいても目立つ。そしてウエンは国王になる人だ。そんな彼を女性が放っておく訳がない。今は移住してきた私を懐かしがってべったりだけど、いずれはウエンも高貴族か他国の王女と結婚するはずだ。
(そろそろアンヌも許してくれるかな?私ひとりだたら本店の余っている部屋で十分だし、もう王宮を出てもいい頃よね)
レイシャルは何とも言えない気分になり、さっさとリリアンが待つ訓練場に向うことにした。
「お嬢様、今日は早いですね」
「リリアンが訓練を始めていると思って料理長に頼んで朝食を持って来たわ。珈琲もあるのよ」
「それは有難いです。丁度休憩をしようと思っていましたし」
「良かったわ。ここに座って一緒に食べましょう」
リリアンと芝生に座ってサンドウィッチを取り出した。珈琲はまた温かくカップに注ぐと湯気がたっている。
「ミリューに住んでいたら、魚をサンドウィッチに入れるなんて発想はなかったですよね」
「そうね。サーモンの美味しさも知らなかったでしょうね」
「サーモンは私も好きです」
「おや、美味しそうなサンドウィッチですね」
声を掛けてきたのは騎士のヴァンだった。レイシャルが見晴らし台に登った時に出会った騎士だ。あの時は大型船が到着しているか心配で、ウエンが止める声も聞こえず男性の更衣室に入ってしまったのだ。
真っすぐに向かった見張り台の扉から大型船を確認すると満足して振り返ったまでは良かった。その時レイシャルが見たのは、上着やズボンを脱いでいる騎士達だったのだ。ウエンに『ここは男性騎士の更衣室だから止めたのに』と言われ、真っ赤になって『すいません!』と謝りながら部屋を出たのだ。
その時にぶつかったのがヴァンだった。それもシャワーから出たところで彼は素っ裸だったのだ。
ヴァンもまさか女性がいるとは思わなかっただろう。すごく驚いた顔をしていた。私は頭が真っ白になってどうやって部屋に戻ったのかも記憶がない。現生だったら間違いなく痴漢で捕まっていただろう。そんな彼は1番の被害者だった。
「///////」
「レイシャル様、なぜ真っ赤?」
「くっくっく。何か思い出したようですね」
「貴方は?」
「ヴァン・ヘルシキ。ヘルシキ子爵の次男です」
「ヴァン様とレイシャル様はお知合いですか?」
(リリアン、聞かないで~)
「少し前に知り合ったのですが、楽しい出会いでしたから印象的で・・・」
(もーーーう、無理だわ)
「リリアン!お仕事の途中で邪魔をしては駄目よ。ヴァン様どうぞ行ってください」
「先ほど引継ぎも終わったので、今日の仕事は終了です。時間はたっぷりありますからお気遣いなく」
「・・・へぅ。そうなのですか」
「くっくっく。リリアン嬢の今日のお相手はゴーン先輩でしたね。ここで見学しても?」
「ええ、構いませんが」
「あ、あの・・・私は向こうに行くのでごゆっくり」
「だったら、荷物は私がお持ちしますよ」
「あぅ・・・(ああ、逃げ出したい)」
王妃教育まで受けているレイシャル様だ。普段は表情に出さないのに明らかに言動がおかしい。
(おっと、ウエン王子の強敵現れるか?ヴァン様は爽やかな好青年。押しに弱いレイシャル様はどうなる!)
「とか考えていないで、ストレッチでもするか」
ちらほらと人が集まり観客席が埋まり始めた。挑戦相手も訓練場の反対側で準備をしているのが見える。
(今日の相手は身体も大きいしパワータイプのようね)
試合では公平性をかくため、騎士団長が立会をすることになっている。団長が会場に現れるとふたりは中央に歩き始めた。
「今日お相手いただくゴーンだ。勝つだけで公爵になれるなんて美味しい話だよな。本気を出すから許してくれ」
(最近こんなのばっかりだな)
「勝てればの話でしょ・・・」
「負ける気がしねぇ。怪我がないように気を付けるから、いつでもギブアップしてくれ」
「・・・・・」
***
(なんだか強そうな男ね。無理をしないでよリリアン)
「レイシャル嬢、肩に力が入り過ぎです」
「あ、ありがとう。なんだかリリアンが怪我をしないか心配で、こっちまで力が入っちゃうわ」
「少し肩を揉みましょう。貴方が緊張しているとリリアン嬢にも緊張が移りますから」
「ごめんなさい。貴方に気を使わせて」
ガスッ
「あっ、始まったようです」
ゴーンが先制攻撃に剣を振り下ろすと、すんでのところでリリアンが避けた。剣は地面にめり込み、力の強さを見せつけているようだ。
上手く避けているが、一撃一撃が強いかしてリリアンも距離を取る。
「どうした?かかってこないのか」
リリアンは何度か剣を交わしているうちに先ほどから左脇を狙っているようだ。
「くっそ!」
距離を開け、またリリアンが切り込む。そうしているうちにゴーンがよろけた。
「リリアンの勝利!」
「はあ、はあ、はあ・・・」
「卑怯だぞ、同じところばかり狙いやがって!」
「何を言っているのです。恨むなら自分の弱さを恨みなさい」
「キース様?」
「人だかりができていると思えば、こんなところで何をしていたのです」
「練習試合ですが、それが何か?」
「試合ですか?今日は勝てても騎士を相手にそこまで貴方が強いと思いません。怪我をする前にお辞めなさい」
「私の勝手です。それともキース様が練習を付けてくれるのですか?」
「・・・・なぜ私が戦わないといけないのです」
「だって、噂ばっかりでキース様が本当に強いのか私は知りませんから。貴方の一族の強さも」
「いいでしょう。では10分です・・・貴方に与える時間は」
「おーーーーーと!次の挑戦者だ!」
***
「はあ?キースが戦うの?」
「レイシャル嬢どうかしたのですか?」
「ヴァン、ちょっと黙って」
私はキースの登場に動揺が隠せない。この国に戻ってきてまだ日が浅い、絶対この挑戦の意味が分かっていないはずだ。
(ミカエルはハネムーンでいないし、どうすればいいの?)
私の予感が当たっていれば、ミカエルは間違いなく怒り狂う。
「もう、リリアン何やってるのよ」
「両者が立ち位置に立った」
ふたりが1mほどの距離に立ちお互いの目を見据えていた。キースは素手で戦うのか何も持っていない。それでもお互い本気で戦うのか今までと殺気が違うのだ。みんな固唾を飲んで試合を見守る。
「始め!」
「・・・・え?」
「・・・・・・何が起こったの?」
予想外と言っていいのか、予想通りと言えばいいのか試合は一瞬で終わったのだ。キースの強さは次元が違った。気づいたらリリアンは地面に背中を打ち付け、痛そうに顔をしかめている。みんなが一瞬過ぎて何が起こったか分からなかったのだ。
「ち、挑戦者の勝ち!!!リリアン嬢の結婚相手はキース殿です!」
「・・・・ん?」
土を払い立ち上がったリリアンはキースに手を差し伸べていた。
「不束者ですが、よろしくお願いします」
「はあ?・・・・・・結婚。私が?」
「ええ、国王陛下も認めた婿取りです。その試合にキース様が勝ったのです。私の結婚相手はキース様です」
(やっぱりーーーーーーーーー!分かってなかった!)
「そうじゃ、私がリリアン嬢の希望を叶えたのだ」
そこに現れたのは国王陛下だった。今までもリリアンの試合を陰で見守っていたという。
「キース殿は確かノル王国の出身だったな。昨日はミリュー王国出身の若者の結婚式を見守った。次はシェド王国で新たに令嬢となったリリアン嬢とノル王国出身であるキース殿との結婚式か。いいだろう、鷲が責任を持ってプロディースしよう」
「何?何が?ど、どうなっている?」
陛下がふたりの手を取り、高く持ち上げると会場からは温かい拍手が起こった。
私は隣に座っているヴァンの手を強く握っていたようだ。それをウエンが見ているとも気づかずに。私はただ冷や汗を流し固まっているキースに『虐殺は駄目よ』と念を送っていただけなのだ。
横で笑い転げているウラーラ侯爵夫人とバッカム卿が意外とお茶目だなと思いながら。
まじまじと寝ているウエンを観察すると、長い睫毛に流れる金色の髪。褐色の肌が相変わらず美味しそうだ。ウエンは昔から性格もいいし誰にでも優しい。
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「リリアンが訓練を始めていると思って料理長に頼んで朝食を持って来たわ。珈琲もあるのよ」
「それは有難いです。丁度休憩をしようと思っていましたし」
「良かったわ。ここに座って一緒に食べましょう」
リリアンと芝生に座ってサンドウィッチを取り出した。珈琲はまた温かくカップに注ぐと湯気がたっている。
「ミリューに住んでいたら、魚をサンドウィッチに入れるなんて発想はなかったですよね」
「そうね。サーモンの美味しさも知らなかったでしょうね」
「サーモンは私も好きです」
「おや、美味しそうなサンドウィッチですね」
声を掛けてきたのは騎士のヴァンだった。レイシャルが見晴らし台に登った時に出会った騎士だ。あの時は大型船が到着しているか心配で、ウエンが止める声も聞こえず男性の更衣室に入ってしまったのだ。
真っすぐに向かった見張り台の扉から大型船を確認すると満足して振り返ったまでは良かった。その時レイシャルが見たのは、上着やズボンを脱いでいる騎士達だったのだ。ウエンに『ここは男性騎士の更衣室だから止めたのに』と言われ、真っ赤になって『すいません!』と謝りながら部屋を出たのだ。
その時にぶつかったのがヴァンだった。それもシャワーから出たところで彼は素っ裸だったのだ。
ヴァンもまさか女性がいるとは思わなかっただろう。すごく驚いた顔をしていた。私は頭が真っ白になってどうやって部屋に戻ったのかも記憶がない。現生だったら間違いなく痴漢で捕まっていただろう。そんな彼は1番の被害者だった。
「///////」
「レイシャル様、なぜ真っ赤?」
「くっくっく。何か思い出したようですね」
「貴方は?」
「ヴァン・ヘルシキ。ヘルシキ子爵の次男です」
「ヴァン様とレイシャル様はお知合いですか?」
(リリアン、聞かないで~)
「少し前に知り合ったのですが、楽しい出会いでしたから印象的で・・・」
(もーーーう、無理だわ)
「リリアン!お仕事の途中で邪魔をしては駄目よ。ヴァン様どうぞ行ってください」
「先ほど引継ぎも終わったので、今日の仕事は終了です。時間はたっぷりありますからお気遣いなく」
「・・・へぅ。そうなのですか」
「くっくっく。リリアン嬢の今日のお相手はゴーン先輩でしたね。ここで見学しても?」
「ええ、構いませんが」
「あ、あの・・・私は向こうに行くのでごゆっくり」
「だったら、荷物は私がお持ちしますよ」
「あぅ・・・(ああ、逃げ出したい)」
王妃教育まで受けているレイシャル様だ。普段は表情に出さないのに明らかに言動がおかしい。
(おっと、ウエン王子の強敵現れるか?ヴァン様は爽やかな好青年。押しに弱いレイシャル様はどうなる!)
「とか考えていないで、ストレッチでもするか」
ちらほらと人が集まり観客席が埋まり始めた。挑戦相手も訓練場の反対側で準備をしているのが見える。
(今日の相手は身体も大きいしパワータイプのようね)
試合では公平性をかくため、騎士団長が立会をすることになっている。団長が会場に現れるとふたりは中央に歩き始めた。
「今日お相手いただくゴーンだ。勝つだけで公爵になれるなんて美味しい話だよな。本気を出すから許してくれ」
(最近こんなのばっかりだな)
「勝てればの話でしょ・・・」
「負ける気がしねぇ。怪我がないように気を付けるから、いつでもギブアップしてくれ」
「・・・・・」
***
(なんだか強そうな男ね。無理をしないでよリリアン)
「レイシャル嬢、肩に力が入り過ぎです」
「あ、ありがとう。なんだかリリアンが怪我をしないか心配で、こっちまで力が入っちゃうわ」
「少し肩を揉みましょう。貴方が緊張しているとリリアン嬢にも緊張が移りますから」
「ごめんなさい。貴方に気を使わせて」
ガスッ
「あっ、始まったようです」
ゴーンが先制攻撃に剣を振り下ろすと、すんでのところでリリアンが避けた。剣は地面にめり込み、力の強さを見せつけているようだ。
上手く避けているが、一撃一撃が強いかしてリリアンも距離を取る。
「どうした?かかってこないのか」
リリアンは何度か剣を交わしているうちに先ほどから左脇を狙っているようだ。
「くっそ!」
距離を開け、またリリアンが切り込む。そうしているうちにゴーンがよろけた。
「リリアンの勝利!」
「はあ、はあ、はあ・・・」
「卑怯だぞ、同じところばかり狙いやがって!」
「何を言っているのです。恨むなら自分の弱さを恨みなさい」
「キース様?」
「人だかりができていると思えば、こんなところで何をしていたのです」
「練習試合ですが、それが何か?」
「試合ですか?今日は勝てても騎士を相手にそこまで貴方が強いと思いません。怪我をする前にお辞めなさい」
「私の勝手です。それともキース様が練習を付けてくれるのですか?」
「・・・・なぜ私が戦わないといけないのです」
「だって、噂ばっかりでキース様が本当に強いのか私は知りませんから。貴方の一族の強さも」
「いいでしょう。では10分です・・・貴方に与える時間は」
「おーーーーーと!次の挑戦者だ!」
***
「はあ?キースが戦うの?」
「レイシャル嬢どうかしたのですか?」
「ヴァン、ちょっと黙って」
私はキースの登場に動揺が隠せない。この国に戻ってきてまだ日が浅い、絶対この挑戦の意味が分かっていないはずだ。
(ミカエルはハネムーンでいないし、どうすればいいの?)
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「両者が立ち位置に立った」
ふたりが1mほどの距離に立ちお互いの目を見据えていた。キースは素手で戦うのか何も持っていない。それでもお互い本気で戦うのか今までと殺気が違うのだ。みんな固唾を飲んで試合を見守る。
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「・・・・え?」
「・・・・・・何が起こったの?」
予想外と言っていいのか、予想通りと言えばいいのか試合は一瞬で終わったのだ。キースの強さは次元が違った。気づいたらリリアンは地面に背中を打ち付け、痛そうに顔をしかめている。みんなが一瞬過ぎて何が起こったか分からなかったのだ。
「ち、挑戦者の勝ち!!!リリアン嬢の結婚相手はキース殿です!」
「・・・・ん?」
土を払い立ち上がったリリアンはキースに手を差し伸べていた。
「不束者ですが、よろしくお願いします」
「はあ?・・・・・・結婚。私が?」
「ええ、国王陛下も認めた婿取りです。その試合にキース様が勝ったのです。私の結婚相手はキース様です」
(やっぱりーーーーーーーーー!分かってなかった!)
「そうじゃ、私がリリアン嬢の希望を叶えたのだ」
そこに現れたのは国王陛下だった。今までもリリアンの試合を陰で見守っていたという。
「キース殿は確かノル王国の出身だったな。昨日はミリュー王国出身の若者の結婚式を見守った。次はシェド王国で新たに令嬢となったリリアン嬢とノル王国出身であるキース殿との結婚式か。いいだろう、鷲が責任を持ってプロディースしよう」
「何?何が?ど、どうなっている?」
陛下がふたりの手を取り、高く持ち上げると会場からは温かい拍手が起こった。
私は隣に座っているヴァンの手を強く握っていたようだ。それをウエンが見ているとも気づかずに。私はただ冷や汗を流し固まっているキースに『虐殺は駄目よ』と念を送っていただけなのだ。
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