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この国では8~16歳を迎える貴族やお金のある商人の子供達は、王都にある王立学園に通う。私も一度は8歳で入学をしたが、オーロラ商会の手伝いが楽しくって12歳までは休むことも多かった。12歳までは定期的な試験さえクリアしていれば問題がないといった風潮があるからだ。
しかし、12歳からは出席率もカウントされ授業の内容も難しくなる。学園に通うためレイシャルはタウンハウスで過ごすことが増えた。
それまでは婚約者のスザン王子と接点も少なく、定期的なお茶会だけ会えば良かったけど今では毎日のように学園で見かける。
今日も食堂でクラスメイトと笑いながらランチを食べていると、派手な集団が見えた。スザン王子が側近やお気に入りの令嬢を引き連れて近づいてきたのだ。そうなると食事を中断せざる負えない、クラスメイトが私に目配せをすると周りにいた人も一緒に王子を待つのだ。
「レイシャル、オッド公爵は今月も税を納めたか?」
食事を止めてまでする話かと思うが、貴族としての当たり前の感覚もスザン様は違うようだ。もしくは陛下に聞くように言われているのか、どちらにせよ無粋な話には違いない。最初はぎょっとしていた生徒たちも今では慣れたものだ。
「はい。毎月同じ日に納めていますわ」
毎月同じ返事をしているのだが、スザン様は毎回同じことが聞きたいようだ。もう、この学園の名物になっている。
あまり気持ちがいい話ではないので私も『みなさんを不快にさせるので離れて食べましょう』と提案してみたが、レイシャル様が気を使う必要はないと言って今でもランチに誘ってくれるのだ。
「そうか」
私の体調や天気の話をすることもなく、ただそれだけを言うと振り返ることもなく王子専用の区画に歩いて行ってしまった。王子の腕に胸を押し付けている女生徒はスザン様の最近のお気に入りだ。
「スザン様~。私今度はネックレスが欲しいの」
「しょうがないな、今度の休みに買い物にでも行くか」
「きゃ。嬉しい~」
わざと聞こえるように言っているのは、私がスザン様の婚約者だと分かっての発言だ。あわよくばと王妃の座を狙っているのかもしれないが、私はどうぞどうぞと熨斗を付けて差し上げたい。
そうして今でも一応婚約者なので王子専用の区画を使用する許可は下りているが、あの取り巻きの連中と同じテーブルに座る気にはなれないので、一般の区画でランチを頂いている。
「王子はあんな女のどこがいいんだ?」
王子が見えなくなると、そんな声が周囲からちらほら聞こえる。
なぜスザン王子と婚約を続けるのかと聞かれることがあったが、その時はそれが当たり前だと思っていたのだ。王妃教育でも執拗に『レイシャル様はスザン王子と結婚して、将来王室を支えるのです』と言われて育ったからだろう。
***
次の日も中庭を見れば、楽しそうにおしゃべりに興じるスザン様が見えた。昨日とは違う女生徒が王子にしな垂れ身体を密着しているが、あれでは娼婦のようだ。
(それにしてもスザン様の嬉しそうな顔。ああいう女性がタイプなのかしら。周りにいる側近たちも注意はしないのね)
「レイシャル様という婚約者がいるのに・・・」
目に前に座っていたソニヤ様が、私の視線の先に気づいたようだ。
「いいのよ。私は納得しているから。寧ろスザン様が楽しそうで何よりだわ」
ソニヤ様とは入学してから仲良くなった令嬢のひとりだ。
「次期王妃になる方は寛大なのね・・・とは思いませんからね。少しは怒ってください」
ソニヤ様の言う通り婚約者なら嫉妬ぐらいするのかもしれない。でも、スザン様が女生徒といちゃついていても何も感じないのだ。
今でも定期的に王宮に呼ばれスザン様と顔を合わせているが、スザン様が私に会いたくて誘っている訳ではない、婚約者に対する形式的なものだ。
会ったところでお互いに会話も続かない。ある日無言でお茶を飲んでいると王妃様が通りがかったことがある。地位としては王子の方が上だが、多額の税金を納めているオッド家の娘と理解している王妃様は流石に不味いと思ったのだろう。それ以降偶然王妃様と出くわすことが増えた。最近はその確率が非常に高い。
私としてもその方が有難いのだが、今日は現れないところをみると不在のようだ。
(王妃様が来ないかしら、会話もないし困ったわね・・・)
私の密かな楽しみは王宮でいただくスイーツだ。王宮料理人が手掛けたスイーツだけに、手も込んでいる。今日はチョコと季節のフルーツを使ったタルトだった。舞踏会でも使用される美しい陶器に盛り付けられている。
(どれもオーロラ商会が輸入しているものだけど)
私はオーロラ商会の扱う商品の中でも人気が高いチョコに手を伸ばした。
(うん。チョコはどんな形になっても美味しいわね)
「レイシャルはチョコが初めてだろう。チョコを使ったお菓子は人気が高いから滅多に手に入らない。俺の婚約者だから食べられるのだ。感謝しろよ」
「・・・・はい」
(この馬鹿王子はここのテーブルに載っているほとんどの物がオーロラ商会が取り扱っていると、本気で気づいていないのかしら)
スザン王子とは悲しいことに産まれた時から婚約者になると決められていた。貴族に生れれば政略結婚も良くある話だが、産まれる前から婚約関係になることは余りない。
(まあ、同性同士の可能性もあるからね)
きっかけは、王妃様と私の母が同じタイミングで妊娠したことから始まる。王妃様が勝手に運命を感じ、半ば無理やり婚約を決めたのだ。お母様はとても困惑したようだが貴族の立場では断ることもできない。今になってお父様は嫌なら断ってもいいと言ってくれているが、王族に対して婚約破棄を突き付けるのはハードルが高い。
できれば王子から婚約を破棄して欲しい願っているが、私から破棄を突き付けるには犯罪に関わるような重要な証拠がいる。そんなことができる器もないと諦めている。もし、今婚約を破棄できるとすれば、私が怪我をして醜くなるとか重い病気になるぐらいしかないだろう。
スザン王子が浮気をしても問題ないが、私がすればオッド公爵家の汚点なるだろう。王子を殺すわけにもいかないし・・・本当に邪魔くさいわね。
スザン様とは子供のころから会話が噛み合わなかった。スザン様の会話は侍女に隠れて夕食前にお菓子を食べたとか、煩い侍女がいたから泥で部屋を汚してやったとかそんな話ばかりなのだ。
そんなことを自慢そうに話をされても、どのように返事をしていいのか迷ってしまう。答えられず黙っているとスザン様は機嫌が悪くなるし、お茶の途中で席を立つこともある。スザン様の機嫌に振り回され本当に疲れるのだ。
最近のスザン様の話題は『あの令嬢は俺に惚れている』とか『あの女に迫られた』いかに自分がモテるかを自慢したいようだ。年頃になって色気づいてきたのかもしれない。
「良かったですね」と返事をすれば「馬鹿にしているのか」と怒るし、「もう少し御立場を考え下さい」と注意すれば「お前は俺の母親か」と拗ねるし、一体何を言えばいいのか。
「私には勿体ない婚約者です」と言ったら、「俺と婚約が出来てお前は幸せだな」と満足そうに頷いていた。
スザン様は一体何がしたいのだろう。シェド王国のウエン王子が10歳になった頃には『将来国を豊かにしたい』ぐらいは話していた。
それ以上会話が続かなくなると王子が『お前といてもつまらない』とブツブツぼやいていた。
(だったら、呼び出さないで欲しいわ。私にはお父様から学びたいことが山ほどあるのに)
無言でお茶を頂いていると、王子も流石に耐えられなかったのか『最近陛下が色っぽいと評判の令嬢を側室にすることを考えている』と言い出した。
「まあ、20歳は年が離れていると思いますが陛下もまだまだ現役なようで」
そう答えるとスザン王子の顔が険しくなった。答えが間違っていたようだ。
本当に邪魔臭いので「お、ほっほっほっ」と笑ってごまかしておいた。
国王陛下の側室がここまで増えたのは、子供がスザン様ひとりしか産まれなかったせいだ。スペアがいないということは、王室の存続にかかわる。何人もいる側室に子供が産まれないのは、王妃が毒を盛っているせいではないか囁かれている。真相は分からないが唯一の王子であるスザン様は王宮の中で過保護に育てられた。
スザン様も不憫ではあるが、だからと言って次期国王になる王子を咎める者がいないのが現状だ。
スザン様は以前『国王になったら子作りに励む』と張り切っていたし、結婚したらすぐに側室を作ってもらおう。そう心に決めて家路についた。
しかし、12歳からは出席率もカウントされ授業の内容も難しくなる。学園に通うためレイシャルはタウンハウスで過ごすことが増えた。
それまでは婚約者のスザン王子と接点も少なく、定期的なお茶会だけ会えば良かったけど今では毎日のように学園で見かける。
今日も食堂でクラスメイトと笑いながらランチを食べていると、派手な集団が見えた。スザン王子が側近やお気に入りの令嬢を引き連れて近づいてきたのだ。そうなると食事を中断せざる負えない、クラスメイトが私に目配せをすると周りにいた人も一緒に王子を待つのだ。
「レイシャル、オッド公爵は今月も税を納めたか?」
食事を止めてまでする話かと思うが、貴族としての当たり前の感覚もスザン様は違うようだ。もしくは陛下に聞くように言われているのか、どちらにせよ無粋な話には違いない。最初はぎょっとしていた生徒たちも今では慣れたものだ。
「はい。毎月同じ日に納めていますわ」
毎月同じ返事をしているのだが、スザン様は毎回同じことが聞きたいようだ。もう、この学園の名物になっている。
あまり気持ちがいい話ではないので私も『みなさんを不快にさせるので離れて食べましょう』と提案してみたが、レイシャル様が気を使う必要はないと言って今でもランチに誘ってくれるのだ。
「そうか」
私の体調や天気の話をすることもなく、ただそれだけを言うと振り返ることもなく王子専用の区画に歩いて行ってしまった。王子の腕に胸を押し付けている女生徒はスザン様の最近のお気に入りだ。
「スザン様~。私今度はネックレスが欲しいの」
「しょうがないな、今度の休みに買い物にでも行くか」
「きゃ。嬉しい~」
わざと聞こえるように言っているのは、私がスザン様の婚約者だと分かっての発言だ。あわよくばと王妃の座を狙っているのかもしれないが、私はどうぞどうぞと熨斗を付けて差し上げたい。
そうして今でも一応婚約者なので王子専用の区画を使用する許可は下りているが、あの取り巻きの連中と同じテーブルに座る気にはなれないので、一般の区画でランチを頂いている。
「王子はあんな女のどこがいいんだ?」
王子が見えなくなると、そんな声が周囲からちらほら聞こえる。
なぜスザン王子と婚約を続けるのかと聞かれることがあったが、その時はそれが当たり前だと思っていたのだ。王妃教育でも執拗に『レイシャル様はスザン王子と結婚して、将来王室を支えるのです』と言われて育ったからだろう。
***
次の日も中庭を見れば、楽しそうにおしゃべりに興じるスザン様が見えた。昨日とは違う女生徒が王子にしな垂れ身体を密着しているが、あれでは娼婦のようだ。
(それにしてもスザン様の嬉しそうな顔。ああいう女性がタイプなのかしら。周りにいる側近たちも注意はしないのね)
「レイシャル様という婚約者がいるのに・・・」
目に前に座っていたソニヤ様が、私の視線の先に気づいたようだ。
「いいのよ。私は納得しているから。寧ろスザン様が楽しそうで何よりだわ」
ソニヤ様とは入学してから仲良くなった令嬢のひとりだ。
「次期王妃になる方は寛大なのね・・・とは思いませんからね。少しは怒ってください」
ソニヤ様の言う通り婚約者なら嫉妬ぐらいするのかもしれない。でも、スザン様が女生徒といちゃついていても何も感じないのだ。
今でも定期的に王宮に呼ばれスザン様と顔を合わせているが、スザン様が私に会いたくて誘っている訳ではない、婚約者に対する形式的なものだ。
会ったところでお互いに会話も続かない。ある日無言でお茶を飲んでいると王妃様が通りがかったことがある。地位としては王子の方が上だが、多額の税金を納めているオッド家の娘と理解している王妃様は流石に不味いと思ったのだろう。それ以降偶然王妃様と出くわすことが増えた。最近はその確率が非常に高い。
私としてもその方が有難いのだが、今日は現れないところをみると不在のようだ。
(王妃様が来ないかしら、会話もないし困ったわね・・・)
私の密かな楽しみは王宮でいただくスイーツだ。王宮料理人が手掛けたスイーツだけに、手も込んでいる。今日はチョコと季節のフルーツを使ったタルトだった。舞踏会でも使用される美しい陶器に盛り付けられている。
(どれもオーロラ商会が輸入しているものだけど)
私はオーロラ商会の扱う商品の中でも人気が高いチョコに手を伸ばした。
(うん。チョコはどんな形になっても美味しいわね)
「レイシャルはチョコが初めてだろう。チョコを使ったお菓子は人気が高いから滅多に手に入らない。俺の婚約者だから食べられるのだ。感謝しろよ」
「・・・・はい」
(この馬鹿王子はここのテーブルに載っているほとんどの物がオーロラ商会が取り扱っていると、本気で気づいていないのかしら)
スザン王子とは悲しいことに産まれた時から婚約者になると決められていた。貴族に生れれば政略結婚も良くある話だが、産まれる前から婚約関係になることは余りない。
(まあ、同性同士の可能性もあるからね)
きっかけは、王妃様と私の母が同じタイミングで妊娠したことから始まる。王妃様が勝手に運命を感じ、半ば無理やり婚約を決めたのだ。お母様はとても困惑したようだが貴族の立場では断ることもできない。今になってお父様は嫌なら断ってもいいと言ってくれているが、王族に対して婚約破棄を突き付けるのはハードルが高い。
できれば王子から婚約を破棄して欲しい願っているが、私から破棄を突き付けるには犯罪に関わるような重要な証拠がいる。そんなことができる器もないと諦めている。もし、今婚約を破棄できるとすれば、私が怪我をして醜くなるとか重い病気になるぐらいしかないだろう。
スザン王子が浮気をしても問題ないが、私がすればオッド公爵家の汚点なるだろう。王子を殺すわけにもいかないし・・・本当に邪魔くさいわね。
スザン様とは子供のころから会話が噛み合わなかった。スザン様の会話は侍女に隠れて夕食前にお菓子を食べたとか、煩い侍女がいたから泥で部屋を汚してやったとかそんな話ばかりなのだ。
そんなことを自慢そうに話をされても、どのように返事をしていいのか迷ってしまう。答えられず黙っているとスザン様は機嫌が悪くなるし、お茶の途中で席を立つこともある。スザン様の機嫌に振り回され本当に疲れるのだ。
最近のスザン様の話題は『あの令嬢は俺に惚れている』とか『あの女に迫られた』いかに自分がモテるかを自慢したいようだ。年頃になって色気づいてきたのかもしれない。
「良かったですね」と返事をすれば「馬鹿にしているのか」と怒るし、「もう少し御立場を考え下さい」と注意すれば「お前は俺の母親か」と拗ねるし、一体何を言えばいいのか。
「私には勿体ない婚約者です」と言ったら、「俺と婚約が出来てお前は幸せだな」と満足そうに頷いていた。
スザン様は一体何がしたいのだろう。シェド王国のウエン王子が10歳になった頃には『将来国を豊かにしたい』ぐらいは話していた。
それ以上会話が続かなくなると王子が『お前といてもつまらない』とブツブツぼやいていた。
(だったら、呼び出さないで欲しいわ。私にはお父様から学びたいことが山ほどあるのに)
無言でお茶を頂いていると、王子も流石に耐えられなかったのか『最近陛下が色っぽいと評判の令嬢を側室にすることを考えている』と言い出した。
「まあ、20歳は年が離れていると思いますが陛下もまだまだ現役なようで」
そう答えるとスザン王子の顔が険しくなった。答えが間違っていたようだ。
本当に邪魔臭いので「お、ほっほっほっ」と笑ってごまかしておいた。
国王陛下の側室がここまで増えたのは、子供がスザン様ひとりしか産まれなかったせいだ。スペアがいないということは、王室の存続にかかわる。何人もいる側室に子供が産まれないのは、王妃が毒を盛っているせいではないか囁かれている。真相は分からないが唯一の王子であるスザン様は王宮の中で過保護に育てられた。
スザン様も不憫ではあるが、だからと言って次期国王になる王子を咎める者がいないのが現状だ。
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