【激エロ】BL神の策略

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番外編~シャチの怒り~

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レキュスはどこからか子供の泣く声で目が覚めた。
海底まで泣き声が聞こえるはずがないと頭では思っても胸騒ぎがする。

シャチは気づいていないのか、レキュスに腕枕をしながら寝息をたてている。
レキュスはシャチを起さないように静かに立ち上がると、窓から海に出るとそのまま海面へ向かった。

そして海面を見渡せば一艇の船が波に漂っていた。レキュスが船に乗り込むと、鎖につながれた男が20人。生きているのか死んでいるのかも分からないほどぐらいぐったりしていた。

レキュスは鎖を引きちぎると、まだ動けそうな男に声をかけた。

「何があった?」

「・・・あんたは神か」

男は海から上がってきたレキュスを最初から見ていた。海面の水がレイシャルを押し上げるように船と並ぶと、その水の上を歩いて船に乗り込んだのだ。

レキュスの慈悲深い瞳と神々しい姿もあって、神と言う言葉が自然と出たのだろう。

「いや・・・」

「まあいい。誰でも助けてくれるなら有難い。俺たちは奴隷として海を渡った国に売られるところだった。しかし、その国に着く前に何かがあって商人たちは俺たちを捨てて逃げやがったんだ・・・」

「じゃあ、ここには奴隷しかいないのか」

「ああ」

「奴隷として売られる予定だった子供を昨日から見ていない。何かあったかもしれない」

レキュスが男たちの鎖を引きちぎると、男たちを残して階段を下りていく。

レキュスが廊下を進みだした時、子供の足が見えた。子供はうつ伏せで倒れているようだ。急いで子供を抱きかかえると身長は7歳ぐらいに見えるが、体重が余りにも軽い。鼓動は動いているようだが身体も冷たく虫の息だ。

レキュスは一瞬迷ったが、飛び出した釘に指の先を刺すと、一滴の血を子供の口に垂らした。

「見つけたか?」

「ああ・・・」

「その坊主、生きているか・・・」

「ああ」

「そうか。良かった・・・この子だけが鎖につながれていなかったから、雨水を酌んでは俺たちに飲ませてくれたんだ」

子供を連れて船の甲板に戻ると、他の男たちも心配していたのだろう。生きているのかと何人にも聞かれた。

「それで、これからどうする?」

「・・・・・・」

話を聞けば鎖につながれた状態で、住んでいた陸地の方向も分からず何日海を彷徨ったのかも分からないという。何日も食事を食べず、雨水だけで過ごしていた彼らは意識も朦朧としていた。

レキュスはまた海に飛び込み食糧を戻ってくると、海水から塩を分離した水と食事を与えた。その姿をレキュスを神と崇めるが、シャチと違ってレキュスにできることは限られている。

神殿に戻った時、シャチにこのことを告げるか迷ったがシャチのことだ。神は人間に手を出さない、助けていたら切りがないと言われるのが落ちだ。そう思ったレキュスは、シャチに何も言わずに戻ったのだ。

恐れ多いと男たちは話しかけてこないが、最初に助けたディンカと名乗った男と子供のディオだけはレキュスに話しかけてくる。

「俺たちは今後どうなる?」

「一番近い陸まで見送ろう」

「そうか、助かる。何日で着く?」

「この調子だと3日といったところか」

「・・・・・ディオのことも悪かったな」

「ああ、ディオは強い子だ。きっと立ち直る」

ディオは父親と狩りに出かけた時に捕まり、奴隷として船まで連れてこられた。だが、ディオを逃がそうとして父親は目の前で殺されたそうだ。ディンカは別の村から連れて来られたので何も知らなかったが、別の男がその様子を見ていた。

それからディオは声が出ないという。レキュスは、細すぎるディオにしっかり栄養を取らせ、商人たちが使っていた部屋で寝させているが、相当疲れていたのだろう。腹いっぱい食べた後起きることなく寝続けている。他の男たちも同じで、緊張から解放され死んだように寝ていた。

ディンカの体力が異常なのだろう。この男は部族の戦士で今まで奴隷商人から部族を守っていたが、奴隷商人に賄賂をもらった長老に騙されてここにいる。

「騙されるなんて情けないだろ」

と笑っていたが、ディンカの背中が少し震えていた。

***

「レキュス様!陸が見えます」

ディオは目が覚めて、声が出るようになるとずっとこの調子だ。

「レキュス様、こんなに多くの星がでています」
「レキュス様、隣に座っていいですか」
「レキュス様、一緒に食べていいですか」

子犬のように後ろを付いて回るので、それを見ていた男たちが「もう、すっかりお前さんの子供だな」と言うようになった。ディオには短い間だけでもお腹いっぱいご飯を食べさせているせいか、腹だけがぽっこりでている。

(タルも幼い頃は、俺から離れなかったよな。タルは元気でやっているかな・・・)

「レキュスは・・・たまに母親のような目でディオを見るよな」

「ああ、母親だったからな」

「結婚しているのか」

「そうだが、何故だ?」

「いや・・・神でも結婚するのかと思って」

「おお。ディンカは振られたみたいだぞ」

「何言ってやがる。俺はレキュスに感謝はしているが、そんな感情はない!」

「はっはっは、そうムキになるなよ」

食事と睡眠のお蔭で男たちも体力が戻ってきているようだ。この2日間で見ず知らずだった男たちもお互い話をするようになった。

陸の様子を見ると、騎士のような男たちが武器を持って待ち構えているのが見えた。座礁させて別の浜から上陸してもいいのだが、またこの船を使う時が来るかもしれないと思うと、この辺で停泊できそうな港はここしかない。

レキュスは、騎士達を刺激しないように波を操作してゆっくりと船を港に付けた。

「反対です!レキュス様がひとりで行くなんて」

「レキュスといえども俺も心配だ」

「でも、貴方達だと言葉が通じないでしょう。まずは話をしてみないと何も始まりませんから」

ふたりを説得して、レキュスだけが港に降りてみることになった。

***

船から降りて来たレキュスを見た騎士達は唾を飲んだ。

レキュスのきめ細かい肌、艶のある髪、美しく整った顔、均等の取れた身体に同性愛者でなくともこの男を手に入れることができれば、どれほど幸せだろうと本能が囁く。

何か神々しいものも感じるが、この儚さと色気はどこから来るのだろう。レキュスは騎士達に少し近づくと『責任者と話がしたい』と伝えると騎士達がざわめきだした。

レキュスの声は、暖かくよく通る声だった。

ふたりの騎士がどこかに向かって1刻が過ぎた。責任者でも呼びに行ったのだろうと、港にあった木箱に座るが、残った騎士達の値踏みをするような下品な視線。別の港を探すかと考え出した時1台の馬車が着いた。

馬車を取り囲む護衛達を見ると、それなりの地位の者が来たようだ。明らかに高級そうな衣服を着た青年が馬車から降りると周りの空気が一変した。

「あれがそうか?」

「はい」

ロイ・ハーンはこの国の王太子だ。3番目に産まれたにも関わらず王太子になれたのは、母親が王妃だったからだ。先に産まれたふたりの兄は側室の子供だった。

ロイが物心つくころには兄たちは暗殺され、母親である側室も処刑になっていた。後ろで糸を引いていたのが王妃なのは誰も気づいていたが、大国から嫁いだ王妃に反対できるものはいなかった。

そして、ロイも子供のころから残虐性の片りんを見せていた。

「私はこの国の王太子ロイ・ハーンだ。お前の名は」

「レキュス・・・」

「レキュス馬車に乗れ、お前の要求は城で聞こう」

「ここを離れるつもりはない。話はすぐ終わる」

「・・・では、話はここまでだ」

後ろを振り返りざまに『その子供を殺せ』と命令した。

レキュスがロイの見た視線をたどると、ディオが捕まっていた。

「ディオ!なぜ船から降りたのだ。待て、待ってくれ」

「どうした。城に行く気になったか」

「くっそ・・・城に行くがディオは解放してくれ」

「それはお前次第だ」

***

ロイは奴隷船が港に着いたと聞き、奴隷も奴隷商人も全員殺すつもりで港に向かった。奴隷を売買していると勘違いされれば、他国からの印象が悪い。ここ船が到着した事実ごとなかったことにするつもりだった。

でも、馬車を降りた時目に飛び込んできたレキュスを一目見て、誰に反対されようと手に入れる価値のあるだと直感で感じたのだ。

『この男が欲しい』

護衛に『あれがそうか?』と聞いた時船からロープを伝って、子供が降りてくるのが見えていた。『あの子供を人質にしろ』と指示を出しておいたのだ。

ロイは、人の弱点(弱み)を見つけるのが昔から得意だった。空気を吸うように、相手の弱点が分かる。それは肉体の弱い場所だったり、心の拠り所だったり様々だった。

彼の慈悲深い瞳を見れば、子供を人質にすればどういう行動をするかは明らかだった。

***

「レキュス、お前はどこの国の者だ?」

「・・・・・」

「俺の質問に答えろ」

「なぜ答える必要がある」

「信用に値するか、お前を知らないと判断できないだろう。それともお前は奴隷商人なのか」

「違う。彼らを元いた場所にもどしたいだけだ」

「彼らを元の国へ戻したらお前は何をしてくれる。私を喜ばせてくれるのか」

城の奥にある屋敷に連れてこられ、豪華な客間にあるソファーに座るとロイまで隣に座った。レキュスは人より長く生きているが、シャチの距離が普段から近いので隣に座る男の下心には気付いていない。

ロイは精悍な顔つきではあるが、笑っていても本心ではないと感じる。それに、何か深い闇のようなものが心底にある。

突然後ろに立っていた護衛が、レキュスを羽交い絞めにすると無理やり首輪をつけたのだ。レキュスは抵抗し、扉の前まで走るとロイが『止まれ!』と命令した。

レキュスはその場で止まると、動かない身体に焦ったようだ。

「どうなっている?私を解放しろ」

ロイがレイシャルの隣に歩いて来ると、細い腰を引き寄せレキュスの乳首を服の上から掴んだ。

一瞬にして真っ赤になったレキュスが、怒りの形相でロイを睨み付けるが色香が増したような気がしてロイは下半身い血が集まるような高ぶりを感じていた。

「なっ、なにをする!」

「先ほどお前に付けたのは奴隷用の首輪だ。これでレキュスは私の命令から逃れることはできない」

「はあ、私は帰るぞ。首輪を外せ」

「怒る顔も美しいな・・・レキュス、私のものをしゃぶって見せろ」

ロイが下ばきを下すと、まだ16歳にもならないはずの男のペニスが赤黒くそそり立っていた。

レキュスは抵抗するが、次第に足が膝をつくと口を大きく開けた。部屋にいる護衛達も目が離せないように見つめていた。

「ヤメろ・・・そんなことをしたら、大変なことになる。国が滅んでもいいのか?」

「気遣いは不要だ。この国は周辺国でも1・2を争う軍事国家だ。攻めてくるものはいないから安心しろ。俺がレキュスを一生可愛がってやる」

レキュスはロイのペニスを咥える距離まで顔を近づけた。

「頼む・・・ヤメテくれ」

ちゅぷ

「ああ・・・どこで仕込まれた?上手だ・・・もっと喉の奥を使って俺を往かせろ」

レキュスの目には涙が浮かんでいるが、シャチに仕込まれ喉の奥で絞るようにロイのペニスを喜ばせている。護衛達もそれを見ながら自分のペニスを扱いていた。

「往くぞ、全部飲み込むのだ」

ロイがレイシャルの頭を掴んで、逃げられなくすると喉の奥に射精した。

「げっほ、げっほ・・・・」

シャチの白濁は美味しいと感じるが、この男の精子が苦くて臭いと感じたレイシャルは吐き出すように床に伏せた。
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