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9-10 闇オークション

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「彼、ずっと落ち込んでるんだよ。あの冤罪の魂のことでさ。誰かがそばにいてくれるといいなあ、と僕はずっと思ってたんだ。だから……それをきみにお願いしたい」
「え、えっと……」
「ああ~! もうこんな時間だ! それじゃあみんな、また地獄で会おうね~!」
 ザザはそう言って、床に作った闇のなかへと沈んでいった。
「完全に悪役の捨て台詞だったな……」
 顔を引きつらせているルドンを、サクマはジッと見つめる。
 気にはなっていた、ルドンの過去。
 ザザは、自分にルドンを見守ってほしい、と言った。
(ルドンの昔のこと……くわしく聞いてもいいのかな……)
「うわあー! なんで俺のスマホ、呪われてんのっ?」
 ソファでずっと眠っていたトウヤが目覚めたらしい。
 しかし……自分のスマホに取り憑いていたコックリさんを見て、また泡を吹いて倒れてしまったようだ。
「まったく。今度はこいつがあわただしいのかよ」
 ため息をつくルドンによって、タオルケットをかけられているトウヤ。
 あれから、トウヤの体は無事、生き返ることができた。
 周りの人たちのトウヤの記憶も、これで戻るとルドンは言った。
 しかし……これまでとは違う変化もあった。
 それが、コックリさんだ。
「ルドン、コックリさんはトウヤのスマホがすごく落ち着くみたいなんだ。でもトウヤはびっくりするよね。どうすればいいかなあ」
「だな。コイツ、悪いやつじゃないしな……」
 これまでのコックリさんの情報や助言は、助かるものばかりだった。
 サクマも悪意を感じたことは一度もない。
「除霊するかは、持ち主のトウヤ次第だな」
「僕、トウヤにこれまでのコックリさんのこと、説明してみるよ」
「そうだな。それが一番いい」
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