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9-3 闇オークション
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コックリさんだ。
【コックリさん
検索結果 : オークションの極意は、〝スピード〟。
トウヤ、そろそろ帰ってくる?】
(スピード……!)
サクマの心臓が緊張でドクンと跳ねた。
(とにかく相手に負けないように、次々と手をあげればいいってこと……? 授業でいつもやってることだよ! これなら、僕にもできる……!)
「はいッ! 千円!」
サクマのひと声で、一気に値段が釣り上がる。
その大胆な行動に、鬼たちが一瞬ひるんだ。
カンカンッ! とオークション・ハンマーが叩かれる。
「それでは、こちらは千円でそちらの坊ちゃんが落札でーす! ありがとうございまーす! はいはい、それではどんどん次へ行きましょう!」
バッコは接客モードに入っており、落札したのがサクマだろうが全然お構いなしだ。
サクマは腹から息を吸い込み、どんどん手をあげていく。
「千五百円!」「三千円!」「五千円!」
何十回目かのカンカン! が響く。
「そちらの坊ちゃんで、落札です!」
商売人・バッコの声が上がる。
これで、半分以上の魂を落札できた。
サクマの手元には、たくさんの魂が蜘蛛の巣の網のなかでその灯を燃やしている。
もう半分を落札すれば、全ての魂を救えることになる。
サクマは一心不乱に声を出す。
強気でいかないと、周りの鬼たちの勢いに負けてしまうからだ。
「よし! 後もう少しだ……もう六十の魂を落札できた! あとちょっとで……」
「商品は、残り四十です。これより、個数制限に入らせていただきま~す」
そのバッコの言葉に、サクマは冷水を浴びせられたような気持ちになる。
「えっ!」
「これより、お一人さま魂三個までとさせていただきま~す」
会場も、波のように不気味にざわめいた。
サクマは慌てて抗議する。
「個数制限っ? そんなの聞いてない」
「よう、坊ちゃん。調子乗っちまったなあ」
隣にいた鬼がニヤリと笑いながら、言った。
【コックリさん
検索結果 : オークションの極意は、〝スピード〟。
トウヤ、そろそろ帰ってくる?】
(スピード……!)
サクマの心臓が緊張でドクンと跳ねた。
(とにかく相手に負けないように、次々と手をあげればいいってこと……? 授業でいつもやってることだよ! これなら、僕にもできる……!)
「はいッ! 千円!」
サクマのひと声で、一気に値段が釣り上がる。
その大胆な行動に、鬼たちが一瞬ひるんだ。
カンカンッ! とオークション・ハンマーが叩かれる。
「それでは、こちらは千円でそちらの坊ちゃんが落札でーす! ありがとうございまーす! はいはい、それではどんどん次へ行きましょう!」
バッコは接客モードに入っており、落札したのがサクマだろうが全然お構いなしだ。
サクマは腹から息を吸い込み、どんどん手をあげていく。
「千五百円!」「三千円!」「五千円!」
何十回目かのカンカン! が響く。
「そちらの坊ちゃんで、落札です!」
商売人・バッコの声が上がる。
これで、半分以上の魂を落札できた。
サクマの手元には、たくさんの魂が蜘蛛の巣の網のなかでその灯を燃やしている。
もう半分を落札すれば、全ての魂を救えることになる。
サクマは一心不乱に声を出す。
強気でいかないと、周りの鬼たちの勢いに負けてしまうからだ。
「よし! 後もう少しだ……もう六十の魂を落札できた! あとちょっとで……」
「商品は、残り四十です。これより、個数制限に入らせていただきま~す」
そのバッコの言葉に、サクマは冷水を浴びせられたような気持ちになる。
「えっ!」
「これより、お一人さま魂三個までとさせていただきま~す」
会場も、波のように不気味にざわめいた。
サクマは慌てて抗議する。
「個数制限っ? そんなの聞いてない」
「よう、坊ちゃん。調子乗っちまったなあ」
隣にいた鬼がニヤリと笑いながら、言った。
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