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3-2 よくない人形
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「そう。食品に加工したら、地獄の給食センターに卸すんだ。小鬼が通う小学校の給食の材料になったりしてるぞ」
恐怖って食べられるの? という質問はしなかった。
それは、人間側の質問だ。鬼にとっては当たり前のことなのかもしれない。
鬼の食生活を知らないサクマには、まるで未知の世界だった。
「恐怖ってのはいろいろ使い道がある、貴重な資源なんだよ」
「ぜ……全然知らなかったよ……」
「今回は貯めた恐怖で闇オークションを呼ぶ。トウヤを救うためにもな」
(やっぱり、ルドンは漫画やアニメで見るような、悪い鬼には見えないな……)
バッコとルドンは違う鬼だ。
この世には、いい鬼と悪い鬼がいるのかもしれない。
(なんで助けてくれるのか、そんなことを考えるのは後だ。今は、ルドンを信じよう)
「そういえば、恐怖を具現化って、どういうこと?」
「ああ、それはな……」
その時、スプーキーリサイクルに一人の客がやってきた。
サクマよりも年上らしき女の子が、震える手を抑えながら、入口に立っている。
「あの……ここで、恐怖の記憶を買い取ってくれるって聞いたんですけど……」
女の子は肩から下げていたトートバッグから『スプーキーリサイクル 買取保護者同意書』を取り出した。
「お願い、できますか……。買い取ってください、この記憶を」
ルドンは同意書を確認すると、それをサクマに手渡した。
「ちょうどいい。きみが接客しな。初仕事だ」
「わ、わかった」
サクマは深呼吸して気合を入れると、女の子をソファへ促した。
「いらっしゃいませ。スプーキリサイクルへようこそ」
言いながら、自分はその向かいに座った。
ルドンもカウンター席に腰掛け、ふたりを見守る。
「それじゃあ……竜胆リンさん。聞かせてもらえますか。あなたが売りたい記憶を」
リンは、顔を真っ青にしながらうなずいた。
恐怖って食べられるの? という質問はしなかった。
それは、人間側の質問だ。鬼にとっては当たり前のことなのかもしれない。
鬼の食生活を知らないサクマには、まるで未知の世界だった。
「恐怖ってのはいろいろ使い道がある、貴重な資源なんだよ」
「ぜ……全然知らなかったよ……」
「今回は貯めた恐怖で闇オークションを呼ぶ。トウヤを救うためにもな」
(やっぱり、ルドンは漫画やアニメで見るような、悪い鬼には見えないな……)
バッコとルドンは違う鬼だ。
この世には、いい鬼と悪い鬼がいるのかもしれない。
(なんで助けてくれるのか、そんなことを考えるのは後だ。今は、ルドンを信じよう)
「そういえば、恐怖を具現化って、どういうこと?」
「ああ、それはな……」
その時、スプーキーリサイクルに一人の客がやってきた。
サクマよりも年上らしき女の子が、震える手を抑えながら、入口に立っている。
「あの……ここで、恐怖の記憶を買い取ってくれるって聞いたんですけど……」
女の子は肩から下げていたトートバッグから『スプーキーリサイクル 買取保護者同意書』を取り出した。
「お願い、できますか……。買い取ってください、この記憶を」
ルドンは同意書を確認すると、それをサクマに手渡した。
「ちょうどいい。きみが接客しな。初仕事だ」
「わ、わかった」
サクマは深呼吸して気合を入れると、女の子をソファへ促した。
「いらっしゃいませ。スプーキリサイクルへようこそ」
言いながら、自分はその向かいに座った。
ルドンもカウンター席に腰掛け、ふたりを見守る。
「それじゃあ……竜胆リンさん。聞かせてもらえますか。あなたが売りたい記憶を」
リンは、顔を真っ青にしながらうなずいた。
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