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2-7 夜道のポッドキャスト

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「お願いします。トウヤを救うにはどうしたらいいのか、教えてください!」
 すると、ルドンはニヤリとキバを見せつけ、トウヤのスマホをサクマに手渡した。
「救う方法はただ一つ。より多くの恐怖を客から買い取って、集めるんだ」
「……それでトウヤが助かるんですか?」
「ああ。『闇オークション』はより闇の濃い場所で行われる。闇とは、イコール恐怖だ。オークションの開催までに、より多くの恐怖を集める。たくさんの恐怖を集めれば、このスプーキーリサイクルを闇オークションの会場に出来る。そうすれば、必然的にバッコはここに現れるだろう」
「そのすきに、バッコからトウヤの魂を取りもどす……ってこと?」
「そういうことだな」
 何が何でも、この店に闇オークションを呼ばなければならないようだ。
「闇オークションの開催まで、あとひと月。それが、タイムリミットだ。それまでに、より多くの恐怖を買い取らねえといけねえ」
 サクマは、トウヤのスマホを見つめた。
 さっきまで、家で一緒にゲームをしていた親友の笑顔を思い出す。
「トウヤの両親に、何て言えば……」
「あ~、そこは心配いらねえ」
「え?」
「闇オークションのバイヤーは、後々の混乱を避けるために記憶操作の力を持っているんだ。神隠しされたものの記憶を持つ人間から、その当人の記憶を消しちまえるのさ」
「つまり、トウヤの両親はトウヤのことを忘れるってこと……? でも僕は、」
「お前はこの店に居たから記憶を消されずに済んだんだよ」
 驚いたサクマは、思わず店内をグルリを見渡した。
「この店、何かあるんですか」
「まっ、色々とな。俺はつえ~から」
「な、なるほど……?」
 胸を張って言うルドンに苦笑しつつも、心の底からは笑えないサクマ。
 いろいろとありすぎて、不安で落ち着かない。
 トウヤを取りもどせるのだろうか。
 闇オークションまでに間に合うのだろうか。
 そんなサクマのようすに、ルドンは「フッ」と笑みを浮かべた。
「手伝うか? うちの店」
「……えっ」
「闇オークション、ブッ叩くんだろ」
「もちろんです」
 サクマのその手には、トウヤの大事なスマホが握られていた。
「お願いします。このお店……手伝わせてください!」
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