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2-4 夜道のポッドキャスト
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そうだ。
誰かに手伝ってもらって、イヤホンを外してもらえばいいんだ!
今は、緊張と恐怖で手汗がすごいから、うまく外せなかっただけだ。
他の人に頼るのは申し訳ないけど。
でも、今だからこそ他人と話すことで、冷静さを取り戻せるかもしれないと思った。
家に引き返すんだ!
親にイヤホンを外してもらおう。
その時だった。
「しゅ……シュークリーム……」
うわ言のように、何かを確かめるように、俺はつぶやいたんだ。
家に引き返せばいいのに。
俺の足は全速力で、青い看板が立っている建物を目指していた。
「シュークリームを……買わないと……」
コンビニに到着する。
走りすぎて、心臓が爆発しそうだった。
手が、勝手にスイーツコーナーのシュークリームへと伸びていた。
自分でも、なんでこんなことをしているのか、わからなかった。
自分が、自分でないようだった。
「飲み物も……買おうかな……」
カラフルなペットボトルたちが並ぶ大きな冷蔵庫。
その前に、一人の女の人が立っていた。
ジッと冷蔵庫を見つめ、品さだめをしているようだった。
(そうだ。この人にイヤホンを外してもらえないか、頼んでみよう)
と言う考えが、頭をよぎる。
同時に、その女の人の雰囲気に多少の不安感を抱いた。
黒いワンピースに黒いスリッポン。
色白の肌に、長い黒髪によって影の降りた顔。
どんな表情をしているのか、見ることができなかった。
さっきまでの奇妙な出来事は、みんなこの人のせいだったのではないか。
いや、「ホラー映画の見過ぎだ」と、自分に言い聞かせた。
この人がさっきのことと関係あるだなんて、現実的に考えて出来過ぎた話だ。
今は人を選んでいる場合じゃない。
考えすぎなんだ。
さっきのことも、この女の人のことも。
意を決して、俺は一歩前に進み出た。
そして、声を振り絞る。
「あ、あの……すみません。このイヤホン……」
「きて……くれたんですね……」
「え?」
ポロッ、と耳のあたりが軽くなるのを感じた。
ようやくイヤホンが外れたのだ。
目の前の人が外してくれたのか、自然と外れたのかは、わからない。
その軽くなった耳に、やけに鮮明な女の人の声がハッキリと聞こえた。
「お待ちしておりました……」
【おわり】
誰かに手伝ってもらって、イヤホンを外してもらえばいいんだ!
今は、緊張と恐怖で手汗がすごいから、うまく外せなかっただけだ。
他の人に頼るのは申し訳ないけど。
でも、今だからこそ他人と話すことで、冷静さを取り戻せるかもしれないと思った。
家に引き返すんだ!
親にイヤホンを外してもらおう。
その時だった。
「しゅ……シュークリーム……」
うわ言のように、何かを確かめるように、俺はつぶやいたんだ。
家に引き返せばいいのに。
俺の足は全速力で、青い看板が立っている建物を目指していた。
「シュークリームを……買わないと……」
コンビニに到着する。
走りすぎて、心臓が爆発しそうだった。
手が、勝手にスイーツコーナーのシュークリームへと伸びていた。
自分でも、なんでこんなことをしているのか、わからなかった。
自分が、自分でないようだった。
「飲み物も……買おうかな……」
カラフルなペットボトルたちが並ぶ大きな冷蔵庫。
その前に、一人の女の人が立っていた。
ジッと冷蔵庫を見つめ、品さだめをしているようだった。
(そうだ。この人にイヤホンを外してもらえないか、頼んでみよう)
と言う考えが、頭をよぎる。
同時に、その女の人の雰囲気に多少の不安感を抱いた。
黒いワンピースに黒いスリッポン。
色白の肌に、長い黒髪によって影の降りた顔。
どんな表情をしているのか、見ることができなかった。
さっきまでの奇妙な出来事は、みんなこの人のせいだったのではないか。
いや、「ホラー映画の見過ぎだ」と、自分に言い聞かせた。
この人がさっきのことと関係あるだなんて、現実的に考えて出来過ぎた話だ。
今は人を選んでいる場合じゃない。
考えすぎなんだ。
さっきのことも、この女の人のことも。
意を決して、俺は一歩前に進み出た。
そして、声を振り絞る。
「あ、あの……すみません。このイヤホン……」
「きて……くれたんですね……」
「え?」
ポロッ、と耳のあたりが軽くなるのを感じた。
ようやくイヤホンが外れたのだ。
目の前の人が外してくれたのか、自然と外れたのかは、わからない。
その軽くなった耳に、やけに鮮明な女の人の声がハッキリと聞こえた。
「お待ちしておりました……」
【おわり】
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