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2-1 夜道のポッドキャスト
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店内に入ると早々に、トウヤはポツポツと売りたい記憶についてを語り始めた。
「俺が売りたいもの。それは、先週あった出来事なんだ。もう、怖くて怖くて思い出すのも嫌だけど……思い切って、言うよ。値段なんてつかなくてもいい。とにかく、早く売りたいから……」
「安心しな。うちは、ほとんどそういう客しか来ねえよ。値段なんてつかなくてもいいってな。でもそういう客ほど、特にいい値段がつくんだ。思い出したくもないひどい体験ほど、より上質な恐怖だから、いい値がつくのさ」
ルドンは店のソファにどかっと沈み込む。
ふたりもその向かいに座った。
ルドンはテーブルに、トウヤの同意書を置くと膝の上で両手を組んだ。
「じゃあ、話してもらおうか。きみの売りたいもんを」
トウヤは、ごくりとつばを飲み込んだあと、ゆっくりと話し始めた。
「俺が売りたいもの。それは、先週あった出来事なんだ。もう、怖くて怖くて思い出すのも嫌だけど……思い切って、言うよ。値段なんてつかなくてもいい。とにかく、早く売りたいから……」
「安心しな。うちは、ほとんどそういう客しか来ねえよ。値段なんてつかなくてもいいってな。でもそういう客ほど、特にいい値段がつくんだ。思い出したくもないひどい体験ほど、より上質な恐怖だから、いい値がつくのさ」
ルドンは店のソファにどかっと沈み込む。
ふたりもその向かいに座った。
ルドンはテーブルに、トウヤの同意書を置くと膝の上で両手を組んだ。
「じゃあ、話してもらおうか。きみの売りたいもんを」
トウヤは、ごくりとつばを飲み込んだあと、ゆっくりと話し始めた。
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