ダンゴムシのレッスン

中靍 水雲

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アポロ・ファーマシー

中靍 水雲
児童書・童話
薬局・アポロファーマシーは不思議な薬局だ。 店主の玉野は常にカラスの被り物をしているし、売っている薬も見たことのないものばかり。 そして、対価は「マテリアル」という薬に使われる素材。 マテリアルは人間からしか取れないもので、それは爪や髪の毛のように取り出しても痛くも痒くもないのだ。 店主の玉野の不思議な力で取り出し、対価としていた。 * この町に引っ越して来たばかりのモコはアポロファーマシーの存在を知り、店を訪ねる。 仲よくなったクラスメイト・ユナが可愛がっていたペットを亡くし、元気をなくしていたのだ。 どうにか元気づけたいと言ったモコに玉野が処方したのは「ソレイユの花の種」。 植えると一生の友情が咲くと言う。 早速それをユナにプレゼントしたモコ。 ユナはモコの気持ちに応え、懸命に花を育てる。 そしてある日、「いよいよ咲きそう」とユナに言われ、花を見に行くことになったモコ。 しかし、家に着くとユナは「間に合わなかった」と泣いていた。 モコは薬の説明書を読んでいなかったのだ。 薬には副作用があった。 「一週間以内に咲かせないと、一生の友情を失う」。 もうダメだとモコは落ち込む。 「ユナの笑顔を見たかっただけなのに」と。 するとユナは「違うよ」とモコに言う。 「私は二人で花を見たかった。 そのために花を咲かせたかった」。 すると、悪天候だった空が晴れ、突然ソレイユの花が開き始めた。 目的は達成したが、納得がいかないモコはそのまま玉野の元へ。 「副作用なんて聞いてない」「一般の薬局でも言っていますよ。 用法容量は守るようにと」玉野の言い分にぐうの音も出ないモコ。 「でも何でいきなり花が咲いたんだろう」「あの花は最後に友情という養分を与えなければ咲かないのですよ」。 * 他にも「アプロディテのと吐息」「石清水のせせらぎジェル」「妖精用丸型オブラート」「ヒュギエイアの整腸薬」など多数取り揃えております。 * 表紙イラスト ノーコピーライトガールさま

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