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6-3 グッド・ナイト・ナイトメア
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バベルはアロマがくわえているリグナムバイタをまじまじと見つめている。
それは鍵穴に差し込めるほどに、細く加工されている。
「もちろん夢の力でここまで加工してもらったんだ。まあ……なんでこんなことを思いつけるのかっていうと、エルとリズによく空き教室の鍵を開けさせられてたんだ。授業をサボるためにね」
トロンは思い出されてしまった黒歴史に、頭を抱えてはじめた。
「トロンさんが開けてくれなかったら、私たちここで立ち往生でしたから。気にしないでください」
ククルがあわててフォローを入れる。
すると、トロンはコクリと頷いた。
「ありがと。六門さん」
「そんな……ククルでいいですよ」
「ま、マジ? いいの?」
「はい。ククルと呼んでください」
これまで、エルとリズの仲間だと思っていたトロン。
だがククルは今日、トロンと同じ時間を過ごしてようやくわかった。
トロンは怖かったのだ。エルとリズが。
だから、仕方なく仲間になって、ふたりに合わせていただけ。
それは周りを傷つける行為だったかもしれない。
でも、少なくとも自分の心を守りたくてしたことだった。
それも、いよいよできなくなって、ああして公園でククルを待っていたんだ。
トロンは、言った。
「……これが終わったら、四谷に謝るよ。そして、ククル。これまで、本当にごめん」
「いいんです。話してくれて、ありがとうございました。トロンさん」
「な、なんでうちには〝さん付け〟ッ? やっぱりまだ……」
「ち、違います! 私は友達には〝さん付け〟をするキャラなんです! 深読みしないでください!」
あわてふためくククルとトロンの後ろで、バベルが「ぶふっ」と吹き出した。
「トロンも大概、ヤムヤムキャラだなあ」
「……ヤムヤムって、なんだそりゃ?」
アロマの問いに、バベルは「知らね~」ととぼけた。
——ガチャ
ユミルが地下への扉を開く。
「さあ、みんな。行くよ」
それは鍵穴に差し込めるほどに、細く加工されている。
「もちろん夢の力でここまで加工してもらったんだ。まあ……なんでこんなことを思いつけるのかっていうと、エルとリズによく空き教室の鍵を開けさせられてたんだ。授業をサボるためにね」
トロンは思い出されてしまった黒歴史に、頭を抱えてはじめた。
「トロンさんが開けてくれなかったら、私たちここで立ち往生でしたから。気にしないでください」
ククルがあわててフォローを入れる。
すると、トロンはコクリと頷いた。
「ありがと。六門さん」
「そんな……ククルでいいですよ」
「ま、マジ? いいの?」
「はい。ククルと呼んでください」
これまで、エルとリズの仲間だと思っていたトロン。
だがククルは今日、トロンと同じ時間を過ごしてようやくわかった。
トロンは怖かったのだ。エルとリズが。
だから、仕方なく仲間になって、ふたりに合わせていただけ。
それは周りを傷つける行為だったかもしれない。
でも、少なくとも自分の心を守りたくてしたことだった。
それも、いよいよできなくなって、ああして公園でククルを待っていたんだ。
トロンは、言った。
「……これが終わったら、四谷に謝るよ。そして、ククル。これまで、本当にごめん」
「いいんです。話してくれて、ありがとうございました。トロンさん」
「な、なんでうちには〝さん付け〟ッ? やっぱりまだ……」
「ち、違います! 私は友達には〝さん付け〟をするキャラなんです! 深読みしないでください!」
あわてふためくククルとトロンの後ろで、バベルが「ぶふっ」と吹き出した。
「トロンも大概、ヤムヤムキャラだなあ」
「……ヤムヤムって、なんだそりゃ?」
アロマの問いに、バベルは「知らね~」ととぼけた。
——ガチャ
ユミルが地下への扉を開く。
「さあ、みんな。行くよ」
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