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5-7 ハッピー・ライフ・ゴースト

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 その強い意志が宿った瞳に、ハニービーは弱々しく顔をあげた。
「いいの?」
「はい。悪夢サンプルを飲ませたのが誰であろうと、こんなの見過ごせませんから」
「本当に助かるわ。お願い、ユミルを助けて!」
 すると、トロンが前に進み出た。
「二手に別れよう。うちは、この人に悪夢サンプルを飲まされたときの状況をハニービーから聞いておくよ。犯人が誰なのか、わかっているみたいだから」
「そうですね。私とバベルは一刻も早く、ユミルさんの悪夢を食べてきます」
「うん。気をつけて」
 トロンの言葉に、ククルはサッと手を振った。
 すると、トロンは少しだけ目を見開いた。
 自分のしたことは許されないことだけれど、それでもククルは自分に手を振ってくれるんだと。
 帰ったら、まっさきにヨメルに謝りたい。
 トロンはそう思った。
 ユミルの前に立ったバベルのおでこが、ぱあっと輝く。
 ブルーム・アカデミーの校章だ。
 それを、相手のおでこにぶつけないように、ゆっくりと重ねる。

 ユミルの悪夢の扉が、開かれた——。

 *


 珍しく〝あいつ〟が缶コーヒーをくれたと思ったら……。
 まさか、こんなことになるなんてなあ。
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