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3-11 アート・ブレイク・ダウン
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ぼくの手に狙いを定め、ハンマーが勢いよく振り下ろされようとしている。
もうダメか……。
観念して目をつむった、その時。
「ぎゃあああああッ」
しっぽを踏まれた猫の悲鳴のような叫びが、暗転した空間に響き渡る。
目を開けると、ロロくんの顔面にモノクロの物体が印籠のようにつきつけられている。
六門さんだ。そして、ぎゃあぎゃあ叫んでいるモノクロの物体は——バクのバベルだ。
カーン、とハンマーの落ちる音がした。
あまりの驚きに、ロロくんが落としたのだろう。
「いい加減にしてください! さっさと食え! このバカーッ!」
「ちえッ。せっかくお前の影に隠れて、熟成のタイミングを見計らってたのに。何も引きずり出すことないだろお」
「ほら! 早く!」
「わかったよお。いただきまーす」
——バクッ
モシャモシャと、ロロくんが食べられていくのをぼくはポカンと見守る。
ロロくんが食べられていくのと同時に、ぼくのからだも動けるようになっていく。
「うーん。マッズイ! ナイトメアの悪夢って感じ~。しかもこの夢、入ったとたんにカビくさいにおいがするんだもんよ。も~サイアク! ヤミーじゃない! せめて、もうちょっと熟成させたかったよ~!」
「あなたのほうがワガママじゃないですか! 仕事なんですから、少しはガマンしてください!」
「これは仕事じゃないよ! 満月でもないし、月も笑ってないし! ただのナイトメアの悪夢じゃん!」
バベルが悪夢を食べ終わると、ぼくの目の前が真っ白になっていく。
ナイトメアの悪夢が終わったのだ。
いや、それよりも早く目覚めなければならない。
今の話、くわしく聞きたい。
*
ヨメルが悪夢から目を覚ますと、はじめに目に飛び込んできたのはパープルのバク・ヨゾラだった。
「ヨメル! ごめんな。あたしが眠ってるあいだにこんなことになってたとは知らんくって……」
もうダメか……。
観念して目をつむった、その時。
「ぎゃあああああッ」
しっぽを踏まれた猫の悲鳴のような叫びが、暗転した空間に響き渡る。
目を開けると、ロロくんの顔面にモノクロの物体が印籠のようにつきつけられている。
六門さんだ。そして、ぎゃあぎゃあ叫んでいるモノクロの物体は——バクのバベルだ。
カーン、とハンマーの落ちる音がした。
あまりの驚きに、ロロくんが落としたのだろう。
「いい加減にしてください! さっさと食え! このバカーッ!」
「ちえッ。せっかくお前の影に隠れて、熟成のタイミングを見計らってたのに。何も引きずり出すことないだろお」
「ほら! 早く!」
「わかったよお。いただきまーす」
——バクッ
モシャモシャと、ロロくんが食べられていくのをぼくはポカンと見守る。
ロロくんが食べられていくのと同時に、ぼくのからだも動けるようになっていく。
「うーん。マッズイ! ナイトメアの悪夢って感じ~。しかもこの夢、入ったとたんにカビくさいにおいがするんだもんよ。も~サイアク! ヤミーじゃない! せめて、もうちょっと熟成させたかったよ~!」
「あなたのほうがワガママじゃないですか! 仕事なんですから、少しはガマンしてください!」
「これは仕事じゃないよ! 満月でもないし、月も笑ってないし! ただのナイトメアの悪夢じゃん!」
バベルが悪夢を食べ終わると、ぼくの目の前が真っ白になっていく。
ナイトメアの悪夢が終わったのだ。
いや、それよりも早く目覚めなければならない。
今の話、くわしく聞きたい。
*
ヨメルが悪夢から目を覚ますと、はじめに目に飛び込んできたのはパープルのバク・ヨゾラだった。
「ヨメル! ごめんな。あたしが眠ってるあいだにこんなことになってたとは知らんくって……」
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