ヤムヤムガール！ 〜ブルーム・アカデミーの悪夢記録〜

2-11 ミート・ミート・ミート

「コンビニのホットスナックじゃないか。育ち盛りなんだから、しっかりと食べないとだめだぞ」
　先生が言い終わるや否や、注文もしていないのにどんどんと料理が運ばれてきました。
　テーブルの上が、おいしそうな料理で埋まっていきます。
　バベルのマネではなく、本当にヤミーと言ってしまいそうなほどの料理たち。
　それにしても、肉料理ばっかりですね。
　焼肉定食に、チキンオムライス。生姜焼きに、鳥串ですか。
　ちょっと、まだまだ来るじゃないですか。
　どんだけ食べるんですか、この先生。まあ、これは私の夢なんですけどね。
　しかし、黙ったままなのもなんですよね……。
　バベルも見当たらないことですし、とりあえずこの悪夢の状況を探っていきましょう。
「ええっと、クズキリ先生は先生になる前は夢見士として働いていたんですか？」
「ああ。パートナーのバクといっしょにな。海外の悪夢も食べに行ったことがある」
「ええ！　それはすごいですね」
「だがな……やっぱり料理は、自分の国の味付けが一番だよ。海外の味付けはどうも舌にあわなかったな」
「なるほど。小さい頃から慣れ親しんだ味付けがありますからね」
「そうなんだよ。さあ、六門。食べようじゃないか。何しろ、俺は……腹を空かせているからな」
　クズキリ先生は、箸をつかんで目の前の料理をひたすら口のなかに放りこみはじめました。
　クズキリ先生がこんなに落ち着かないようすで食事をするはずがありません。
　このクズキリ先生は、ニセモノですねッ？