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28ラダフィムの最後

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 『剣聖』と『神の愛し子の剣』であるラダフィムは強い。
 まだ騎士になったばかりだが、勝てる人間はそうそういない。

 なのに、何故……!?

 ラダフィムは焦っていた。
 今相手にしているのは単なる従者だった。
 ジュリテアの側に侍り、身を整え学業から趣味まで、あらゆる事を補佐するだけの、お茶を用意しているだけの人間だったはずだ。

 打ち込む剣は長剣の重さも相俟って、柔らかい地面に足が減り込んでもおかしく無いのに、軽々といなし打ち返して来る。

 オレンジ色の瞳には気迫がこもり、吐く息には神気が宿る。
 一撃、二撃と撃ち合っても決着はつかない。
 

 アルゼトの表情は変わらない。
 焦っても顔に出ないだけだが、今は感謝しかない。
 ラダフィムの剣は重く速い。
 体術も駆使して躱していくが、どこまで保つだろうか。
 森の中は視界が狭く、ラダフィムの長く大きな剣は不利だったのが幸いしているが、なんとか好機を見つけなければならない。

 コイツは殺す。

 アルゼトの愛するカシューゼネを何度も蹂躙した罪人だ。
 
 チカッと何かが反射した。
 視界に映ったのはほんの一瞬。
 光はカシューゼネの緋色の蝶の光を反射した銀の甲冑だった。
 だが、アルゼトにはそれが誰だか理解した。

 アルゼトは剣を力一杯叩きつけ、力の押し合いに持ち込む。
 ラダフィムは自分の大きな体躯と力に自信がある。
 だから力比べになると必ず乗ってくる。
 重心をずらし力をぬくと、ラダフィムは横に避ける形になった。
 アルゼトは狙いやすい様に反対横に身体を滑らせる。

 シュウンーー、という音と共にラダフィムの右肩に弓が刺さった。甲冑の繋ぎ目を見事に撃ち抜いている。

「なぁ!?」

 狙いやすい様にアルゼトは立ち位置を変えただけ。必ず射ってくれると信じて。

 更に喉にーープスンッーーと軽い音を立てて矢が通る。

 アルゼトは畳み掛ける様にラダフィムの腹に剣を突き刺した。
 ゴポリと血を吐きよろめくラダフィム。
 剣を杖にして、よろめきながらラダフィムはアルゼトを睨み付けた。
 苦しげに息を吐きながら、腹に剣を刺したまま立つのは、『剣聖』という加護による肉体強化の恩恵だ。

「アルゼト!」

 木の影から出て来たのはナギゼアだった。
 騎士の甲冑を脱ぎ捨てアルゼトに駆け寄る。

「ナギゼア来てたのか。」

「………シューニエ神官長がカシューゼネ様達が来るから会えるだろうと教えてくれたから、頼んだんだ………。」

「………そうか。」

 ナギゼアはアルゼトの表情を窺うように言葉を続けた。

「アルゼトに、謝りたかったんだ。」
 
 アルゼトはフウと息を吐くと、ナギゼアの肩をポンポンと叩いた。
 ナギゼアのオレンジ色の目がぱぁと輝く。

「謝るべきは俺じゃ無いだろう?もう直ぐ来るからな。その前にこっちをどうするか……。」

 ラダフィムは肩と喉に矢が刺さり、腹に剣が刺さっているにも関わらず生きていた。
 流石に近くの幹に寄りかかっているが、逃がすつもりはないので、ナギゼアが腰に下げていた剣を受け取る。
 





 ゼィゼィと息が上がり、絡まった血が喉に詰まる。喉の矢は食道を掠めていた。
 矢も剣も抜けば血が噴き出て失血が早まるだろう。

 アルゼトとナギゼアの奥から人影が近付いて来た。

「凄い格好になってるね、ラダフィム。」

 サラサラと白金の髪を揺らして現れたカシューゼネと人ならざる金の瞳の人物、神官長シューニエが現れた。

「……ゴポ、ぐっ………、げほっげほっ…ペッ………。カシュー………ゼネ、き、さま…。」

 血溜まりを吐き出して、なんとか声を出そうとするが、血と刺さった矢が邪魔で喋りづらい。
 喉の矢を掴みグッと抜いた。
 血が噴き出し更に目が回り出すが、ラダフィムはまだ足に力を入れて踏ん張った。
 
「ラダフィムは仮にも加護に神の愛し子が入っているから、最後は僕が送ってあげるよ。」

 『神の愛し子』を殺めれば、神に見放されると言われている。
 それは愛し子を護る守護者、剣、盾にも言える事となっていた。
 誰も手を掛けようとした者はいないので、嘘か誠かは分からないが、それならば同じ立場の『神の愛し子の盾』である僕がやるべきだろう。

 僕の手のひらに一筋の光が現れ、パタパタ…と四枚の羽が広がり羽ばたき飛んだ。
 パタパタ、パタパタと蝶々は増え続け、炎を纏わせラダフィムへ集まっていく。
 ラダフィムは音もなく炎で焼かれ出した。

 蝶は増え続け、炎に集まる虫のように飛び込んでは、その炎の勢いを増していく。

 立っていたラダフィムもとうとう力尽き倒れ込む。なんとか騎士の剣は手に持っているが、力が無くなり剣もろとも前へとズルズル倒れ込んだ。

 僕達はただ燃えて力尽きようとしているラダフィムを見ていた。

 僕を凌辱し続けたラダフィムに同情は起こらない。
 彼の目は相変わらずジュリテアの敵として睨み付けてくるだけだ。

「カシューゼネ様、少し彼に話があるのですが、耳を塞いでいても宜しいですか?」

 僕の背後から肩に手を置いて見守っていたアルゼトが、覗き込んで聞いて来た。
 よく分からないけど僕が頷くと、アルゼトの両手が後ろから僕の耳を塞いでしまった。

「?」

 だから、僕は彼らが何を話していたのか知らない。
 ただ、燃えて無くなるラダフィムの、最後の目が、可哀相になっただけ。
 
 驚いて、最後に僕を見つめて、悲しそうに手を伸ばして………、消えていったから。
 幼い頃から睨み付けられていた記憶しか無かったけど………、とても哀れに見えた。








 


 カシューゼネの耳をしっかりと塞ぐ。
 小さな頭はアルゼトの大きい手のひらの中にスッポリと挟まった。

「ラダフィム様にお尋ねしますが、貴方の初恋の瞬間をご自身で認識されていますか?」

 アルゼトの質問に、ラダフィムは怪訝な顔をした。
 なんとか上げている顔は血の流し過ぎで土気色になっている。目の下は黒ずみ死相が出ていた。

 

 ラダフィムは覚えている。
 晴れた日の午前、ツベリアーレ公爵領の屋敷を訪問した。
 同じ公爵家としてお互い親交があり、年の近い子供もいるからと連れて来られた。
 
 その子は小柄な身体に大きな帽子を被って、両手いっぱいに花を抱えていた。
 
「ああ、ご子息が庭師の手伝いをしているようだね。」

 広い廊下を案内されている時、父が外から聞こえる子供の笑い声に釣られて明るい庭園を覗くと、白金の長い髪を揺らして帽子と大量の花に埋もれたあの子がいた。
 庭師の老人と従者らしき子供が側に控えていた。
 
 開いた窓から話し声がするが、よくは聞き取れない。
 風が吹いて流れる髪が、陽の光を反射してキラキラと輝いていた。
 帽子の鍔は日焼け除けの為か広く、子供の顔に影を落としていたが、風がハタハタと巻き上げようとしていた。
 小さな手が片手は花束を、片手は風に飛ばされそうな帽子を慌てたように抑えている。

「ツベリアーレ公爵家は双子の子供なんだ。勉強の合間に使用人の手伝いをしていると言ってたかな?……………どっちの話だったかな……。」

 屋敷の中にまで吹き込む程の強風が、父の言葉を聞き辛くする。
 子供の帽子は手で押さえきれず風に飛ばされて青空に巻き上がっていった。

「……そうそう。」

 帽子の中から現れたのは、煌めく青い瞳。
 星の瞬きが綺麗だった。
 青空よりも深い青の瞳。
 陽の暑さでほんのりと頬が赤らみ、額に汗を流していた。

「……………………ネ君だ。」

 父の言葉はよく聞こえず、俺はただ見惚れていた。
 輝く瞳が、流れる白金の髪が、青空の中に浮かんで煌めいていた。




 覚えている。
 あの瞬間を。
 名前を聞きそびれて、後から双子のどちらだろうと、もし兄のカシューゼネなら既に王太子殿下の婚約者だから、どうしようと悩んでいた。
 その日は挨拶のみで終わり、別の日に遊びにいった時、ジュリテアが花壇に花を植えたという話をして、あの日庭師の手伝いをしていたのは弟のジュリテアの方なのだと安心した。
  
 儚く笑う小さな肩に、カシューゼネに意地悪をされると泣く姿に、庇護欲をそそられた。
 自分が護ると約束して婚約の打診をした。




「あの日ですよね?よく晴れた日に庭師の切った花を運んでいた日。………帽子が飛ばされて、貴方は父君と屋敷の中から見ていましたよね。」

 やけに断定的にアルゼトは言い切る。
 何故、知っている?

 アルゼトの目が三日月の様に笑う。

「何故知っているのかと、不思議ですか?………俺はあそこにいたのですよ。カシューゼネ様とジュリテア様の従者になったばかりの頃でよく覚えています。」

 滅多に笑わないくせに、アルゼトの瞳は残酷に楽しげだ。

「見惚れていましたよね?綺麗な方でしたでしょう?」

 そう、青い瞳がとても綺麗だった。

 ラダフィムは失血のし過ぎで視界が暗くなり出した。

「あの後ジュリテア様が花を育て出したので、ああ、勘違いされたのだなと思ったのですが、既に婚約者がいる方を想っても辛いだけだろうと黙っていたのです。」


 …………………………は?


 耳を塞がれパチクリとした顔で自分を見ているカシューゼネを見る。
 ラダフィムの身体は緋色の蝶々によって燃やされ続けて、グズグズと無くなり出していた。
 癒しの火だから熱はないのに燃えていく。
 生きたまま燃やされる恐怖よりも、アルゼトの言葉の方に衝撃を受けた。

「覚えておりますか?カシューゼネ様とジュリテア様は幼少の頃から髪型を変えていないのですよ。」

 カシューゼネは前髪も伸ばして形の良い額を出している。ジュリテアは真っ直ぐに前髪を切っていた。
 そう、昔から。

「ありました?………前髪。」


 ラダフィムはカシューゼネの額を見た。
 もう視界の半分は暗闇に囚われ、目を細めて集中しないと見えなくなってきている。
 
 あの日見た青い瞳は、相変わらず星屑を散らした様に美しく輝いていた。
 緋色の蝶が撒き散らす炎の輝きが瞳の中に映り込んでいる。
 青の中にオレンジの光。

 忌々しいアルゼトと同じ、オレンジ……!

 ラダフィムは声を出そうとして口を開くが、血混じりの泡がコポコポと出てきただけだった。

 好きだったのは、どっち。
 
 美しいと見惚れたのは、どっち…?

 流れる汗は形の良い額を流れていた。
 意志の強い青い瞳が、少しだけ俺と目が合った。
 花束を抱えて青空の中に立つあの子は……。

 もう一度、ちゃんと確かめたくて、あの輝く青い瞳を見たいのに、もう見えない。

 伸ばした手は、届かない。
 指先がボロリと崩れる。

 熱の無い炎がラダフィムを紙屑の様に燃やしていく。

 炎が爆ぜ、散った火から蝶が生まれ、空に昇って塊は小さくなっていった。
 大柄な体躯は炎一色の光になって、小さく小さく縮んで、消えてしまった。




 完全に炎が消えてから、アルゼトはカシューゼネの耳から手を離した。
 ラダフィムの炎を不思議そうに見ていたカシューゼネは、仰ぎ見てアルゼトに尋ねた。

「なんの話だったの?」

 アルゼトの顔はいつもの無表情に戻っていた。

「はい、俺が言いたかった事は無事伝わった様です。」

 ほんの少し口角が上がるのを見て、アルゼトの機嫌が良いことを知る。

「そう?良かったね。」

 カシューゼネはアルゼトが嬉しいなら良いかと、ラダフィムの事はスッキリと忘れた。
 元々嫌いな人間で、自分に嫌な事をいっぱいしてきた奴だ。もう忘れようと思う。
 
「ナギゼアが謝罪をと言っておりますが、今日はもう遅いので明日にしましょう。」

 アルゼトは町に戻ろうと促した。



 4人と神獣1匹、連れ立って森から帰りながら神官長シューニエはタラリと汗を流す。
 真面目で優しい従者だと思っていたが、先程のやり取りでアルゼトの隠された心の奥底を見た気がする。
 ナギゼアは平然としているところを見ると、これが本性かとシューニエの笑顔が引き攣った。
 ナギゼアにとってはこれが当たり前なんだろう。

 アルゼトにはあまり歯向かうまい。
 そう思うシューニエだった。














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