偽りオメガの虚構世界

黄金 

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 昼休み、今日は雨なので外に出れなかった。
 校舎の中だとスクリーンが他人にも丸見えになってしまうので、昼休み討伐は本日は無し。
 鳳蝶と何処で食べる?と相談し合い、特に候補もなく教室でお弁当を広げる事にした。
 相変わらず鳳蝶の弁当は三段で大きい。
 近くにいたクラスメイトがマジで?と態々聞いてきた。
 
「マジマジ、お手製だよ。卵焼き食べる?オレのは甘口だけど。」

「え?いいのか!?いるいるー!」

 その子は喜んで卵焼きを貰って行った。
 鳳蝶は僕にも一つくれる。
 あまり教室では食べないし、二年生に上がってからここで食べるのは初めてなので、鳳蝶の弁当サイズに驚く人は多い。
 卵焼きはふわふわで美味しかった。
 そう褒めると、最初の一層目をかき卵にして丸めるとフワフワになると教えてくれた。

 教室は意外と人が多かった。
 雨の日でも屋内テラスや屋根付き屋上も開放されているのに、識月君達もいる。
 識月君と青海君がいるので、それにくっついて人が集まっているというのもある様だ。



「あ、いたいた。なんで今日は教室で食べてんの?」

 他のクラスの生徒がやってきた。
 
「識月がここで食べるって。」

 識月君の代わりに浅木君が答えていた。
 いつもは違うのか。
 
「弁当?」

「買いに行かせてる。」

 どうやらランチボックスかパンを買いに行かせているらしい。王様だね。

 やってきたのはこの人もまた有名なアルファの生徒だった。
 麻津 史人(あさづ ふみひと)君。識月君や青海君と同じアルファで三人は仲が良い。話し易く人気がある人だ。顔は勿論美形。少し長めの髪を蒸し暑いのか後ろに引っ詰めて一つに結んでいる。ザンバラに落ちた後毛さえかっこよく見える。
 麻津君と識月君は学校の中で人気が高い。
 他にもアルファの子はいるんだけど、ダントツでこの二人が上位にいる。
 アルファは皆容姿がいいのは当たり前で頭脳も運動能力も高いのが普通だけど、この二人はずば抜けている。
 ただ麻津君の家は普通の家庭だという噂がある。
 
「ねえねえ、史君さぁ~僕の相手してよ!」

 きゃっ!と浅木君が擦り寄っていた。
 それを無視して何故かこちらに歩いて来る。

「相変わらず弁当凄いな!」

 鳳蝶に話しかけてきた。

「食べる?」

 鳳蝶も普通に食べるか聞いている。
 麻津君に唐揚げを差し出した。
 それをそのまま麻津君はパクリと一口で食べてしまう。

「うげ、箸ごと咥えるなよ。」

 鳳蝶の嫌そうな顔にも頓着せず、上手いと言いながら咀嚼している。
 女子がキャーとかイヤーとか叫んでいてやかましい。
 鳳蝶の唐揚げは美味しいよね。下味がちゃんとついてるのだ。しかも家に業務用ですか?と言わんばかりのフライヤー持っていて、それで揚げるから上がり具合も超美味しい。フライパンで揚げるなんて言語道断と言われた。

「鳳蝶達も教室で食べるなんて珍しいな。」

「雨で移動めんどかった。」

「いつも何処で食べてんの?」

「校庭の花壇とこ。敷物敷いて。」

 麻津君はふーんと言いながら鳳蝶から離れない。
 僕は黙って成り行きを見届けながら食べる事にした。
 チラリと視線を上げると、麻津君と目があった。
 あ、しまったと思ったが遅かった。

「君さ鳳蝶とよく一緒にいるよね?」

 話しかけられてしまった……。
 話し下手だからあまり話しかけられない様にしてるのに………。こういう時鳳蝶のハキハキとした物言いが羨ましい。
 どうしようと息を詰めていると、思い掛け無い助け舟がきた。

「史人。」

 識月君が麻津君を呼んでくれた。
 麻津君はキョトンとして、じゃあねと言って去って行った。
 ホッと息を吐く。

「ナイス、従兄弟どの。」

 マジで助かった。なんで呼んだのか知らないけど。

「麻津君と仲良いの?」

 何気なく聞くと、昨年度同じクラスだったらしい。
 
(なんか仲良さそうだったけど、鳳蝶がオメガって知ってるの?)
(分からん。教えたことはない。ていうか学校で知ってるの仁彩だけだぞ?アイツはオレの弁当のオカズを狙ってくるんだ。)

 麻津君はアルファだから勘繰ってしまった。
 鳳蝶にも春が!?と思ったけど、全然違う様だ。興味なさ気だし、どちらかというと鳳蝶は迷惑っぽい。さっきも唐揚げあげたら去っていくと思ってたっぽい。
 鳳蝶はまだ発情期が来ない事を気にしているから、恋でもしたらどうかと思ったけど、僕は恋した事もないのに発情期きてるから関係ないかと思い直す。それに余計なお世話だろうしね。

 鳳蝶はその後もお弁当の中身をいくつかクラスメイトに捕られて、減ったと文句を言いながら食べ終わっていた。











 カラン、コロン。
 今日も識月君がやってきた。
 
「こんばんは。今日は違う奴連れてきた。」

 ダメ?と僕の手を取って首を傾げて来る。
 識月君がだんだんとワンコ化している気がする。
 そして連れて来られたのは今日唐揚げを捕って行った麻津君だった。
 表情は和かで変わってないけど、おそらくアゲハの心の中は罵詈雑言かもしれない。

「初めまして。俺はフミです。よろしくお願いします。」

 丁寧に挨拶してくれた。
 青海君や浅木君より人格は良いと思う。
 チラリとアゲハを見ると、アゲハもこちらをチラリと見ていた。
 お互い困ったなぁという心境である。
 フミ君はどうやらサブ垢を作って元々遊んでいたらしく、装備もレベルもちゃんとしていた。
 
 職業 神官 名前 フミ レベル135
       年齢17  男性アルファ
  装備 武器 聖者のロッド課金SSR
     防具 白銀のローブ課金SR
     帽子 聖職者の誓い課金SSR
     手袋 白銀の小手SR
     靴  白銀の靴SR
     アクセサリ 聖者の聖書
           課金SSR
     エフェクト 癒しの雨SSR

「僕はジンです。よろしく。」

「オレはアゲハな。よろしく。」

 名乗らないわけにもいかずに、僕達も簡単に自己紹介をする。
 フミ君は片方の眉毛をヒョイと上げた。

「へえ、俺のリアルに鳳蝶って同じ名前の友達いるけど。」

 今日話したばかりだ。
 僕はなるべく表情に出さないように微笑みを貼り付けておく。

「そ?たまたまじゃ?」

 アゲハは平然と嘘をついている。
 
「確かに同姓同名結構いるしな。」

 フミ君も話を合わせたようだ。
 ドキドキする。
 そんな事には頓着せず、識月君は今日は喫茶店なのか討伐なのか聞いてきた。

「今日は討伐だよ。」

 アゲハの雷神の槍のレベルをもう少し上げたいという希望により、暫くは討伐優先だ。
 今日も昨日同様冒険者協会で討伐依頼を請け負って出発する事にした。










 今日は二人を外に待たせて僕とアゲハで受付をする事にした。
 何故ならフミ君は流石に青海君達と違って勘が良さそうだからだ。

「バレると思う?」

「大丈夫と思うけど、ヤバそうな。」

 二人の意見は一致している。
 識月君はどういうつもりでクラスメイトを連れて来ているんだろう。

 依頼は壁にあるボードに半透明のスクリーンが浮かび上がる形式だ。
 僕達は適当な依頼書をタッチした。







 協会の外で待つ二人に、獣人モチーフの二人組が声をかけてきた。

「ね、ね、暇なら一緒に遊ぼ?」

「きぁ~~~、かっこいい~職業何にしてるの?君は神官?聖職者?君の方は?」

 識月は鬼だが今は装備を全部解いて普通の格好をしているので分からないようだった。
 猫耳をピクピクさせて声を掛けてきた女性二人組に、識月はあからさまに目を眇めたが、それすら様になるので二人は嫌がられていると気付けていない。

「あ、申し訳ありません。今パーティーメンバーが依頼取りに行ってるので、待ってるんですよ。」

 フミが丁寧に断って追い払った。
 識月は面倒だとばかりに無視し続けていた。
 冒険者協会の前は広場になっており、待ち合わせや談笑をする者がごった返している。
 たった半径三十キロメートルの中にこれだけの人がいるのだと思うと、普段現実で人々はどこにいるのだろうと不思議でならない。
 皆思い思いの姿で、美しく着飾り、態々醜い姿を晒すものはいない。
 理想の姿になって、自由に過ごす。
 嫌な事が有ればアカウントを消してやり直しができる。
 本当の自分を隠して偽って、楽しい事だけを追い求める事が出来る世界。
 さっきの二人組の女性も、本来の姿はかけ離れたものなのかもしれないのだ。

「もうちょっと楽しそうに遊べば良いのに。将来会社継ぐんでしょう?」

 フミが識月を諭すように言い聞かせる。

「………さあ?」

 識月は笑って嘯いた。






 識月にとって父は母を苦しめる存在だった。
 自分の実弟を可愛がり、その息子を可愛がる。
 実の子である識月は父と雑談した記憶などない。形式的な挨拶だけだ。
 識月の両親はアルファ同士だ。
 だから仲が悪いと言うわけではなく、アルファ同士でも仲の良い夫婦はいる。
 母親は父に対して確実に愛情があるのに対して、父皓月の愛情は全て実弟に向いている。それが原因で不仲になっていた。

 あのオメガ親子を追い出しなさい。
 いなくなれば皓月は戻ってくる。
 私達は仲の良い家族に戻れる。

 そう囁く母親の言葉は、幼い頃から言い聞かせられており、もはや呪いのようだ。
 
 オメガ親子が離婚して帰って来ると聞いた時、母親は怒り狂って暴れた。
 普段強く優しい母の恐慌に、識月は愕然とした。
 留守の間にやってきた親子に、お茶を用意するよう言い付けだ挙句、熱湯の入ったヤカンを投げつけたと聞いて、悋気にとうとう狂ってしまったのかと恐怖した。
 息子の方が火傷を負ったが命に別状はないと聞いて安堵したが、母は本邸から追い出されるようにして引っ越しをさせられ、母に縋られた識月もついて行かねばならなかった。
 これ以上母を放置すれば、何をするのか分からなかった。

 父は父で実弟親子の事しか頭にないらしく、識月に編入して学校を移れと命令するし、親の我儘に辟易してきた。

 識月はアルファだ。
 先の先を読む頭脳は父譲りで、ここで我を出して逆らっても得策ではないと理解していた。
 だから言われるがまま今の高校に入った。
 クラスは別となったが、雲井仁彩は目立っていた。
 顔の左耳から側面にかけて火傷を負って赤くなっていたからだ。火傷自体は治っても痕がはっきりと分かり、まだ赤く茶色く変色していた。
 肌が白く綺麗な分、それは酷く目立っていて、好奇の目に晒されていた。
 
 あれは従兄弟だと、雲井家の人間だと周囲に漏らすと、人は腫れ物の様に近付かなくなった。
 本人もオメガを隠すつもりの様で、顔も髪で隠し出したし、変に弄られるより良いのだろうと判断した。
 オメガの数はアルファより遥かに少ない。
 容姿と性別でおかしな奴に狙われるより、高校生活はこの方が静かだろうから、今の状態で良いと思っている。

 暫くするとやけに丸々とした男子生徒と仲良くなったが、調べるとオメガだったので、性別を隠すにも同性がいる方が良いだろうと思い放置している。

 母は父の意向でこの高校に通うのをよく思っていない。元々は母の希望で私立校に通っていたのだ。そのまま高校に上がり、大学に進学する予定だった。
 識月本人としては別にどこの高校に行こうと問題ない。喧しい親が納得して静かにしててくれればそれで良いだけだ。

 両親もオメガ親子もどうでもよかった。
 視界に入れるのも面倒で、無事平穏に暮らしてるなら問題ないと放置していた仁彩が、今年度は同じクラスになった。
 
 父が手を回したのか、友達の湯羽鳳蝶も同じクラスになった。
 作為的なものを感じた。
 久しぶりに目に入った仁彩の火傷はかなり綺麗になっていた。
 父が熱心に治療に通わせていたので、治りも良かったのだろう。
 
 実の子よりも大切な存在なのかと、なんとなく見る様になった。
 視界にチラリと入ると気になって仕方がない。
 楽しそうに湯羽鳳蝶と話し、朝からお菓子を貰って喜んで食べている。
 クスクスと口を押さえて小さく笑う。
 その一連の動作をコソコソと見ている自分に、ハッと気付いて目を逸らす日々。

 たまたま青海がゲームのPVを見せて来た。
 俺の父親の会社だからと言うのもあるが、どうやらイベント報酬を狙っていたのに取れなかったと愚痴ってきただけだった。
 俺に愚痴ったところで、そのイベント報酬とやらは貰えないと蹴散らした。
 だが問題はそれではなく、PVの方だ。
 
 白い羽、金の粒が舞う中ふわりと浮かぶ青年。

 その美しい青年に釘付けになった。

 
 自分でもどうしたいのかわからない。
 所属ギルドが月雫になっているのを見て、父の会社関係の人間かと思ったが、父に問いただしてものらりくらりとはぐらかされた。
 そんなに知りたければ、ここに行け。
 そう言われて二人が経営しているという喫茶店に行く。
 営業日が不定期なおままごとの様な店。
 それでも人気があるのは、三割減な筈の味覚を唸らす料理の腕と、ニコニコと愛想のいい店員がいるから。
 看板が出ていれば、気付いた人間が入っていく。
 周囲にいる人間に聞き込みをすると、皆そういう評価を返してきた。

 ドアを開けるとカラン、コロンというレトロな音。

 開いた先にいるのは、今の自分よりも大人なのに、どこか頼りなげな儚さと、白い花を思わせる純真無垢さを漂わせる青年。

 いつの間にか必死にフレンド申請をし続けながら、もっと側に近寄ろうと、特別な存在になろうとする自分がいた。

 フレンド登録を拒否ではなく待つように言ったのは、少しは可能性があるのだろうか?
 あまりゲームの事は分からないが、フレンドになる事によって何か面倒な事があるのだろうか。
 どこか怯えたような目に、庇護欲がそそられる。
 俺は身の安全を脅かす存在では無いのだと認識して欲しい。
 どうすればいい?





 物思いに耽っていると、隣にいたフミが覗き込んできた。

「こんなに必死な君は初めて見たねぇ。」

 いるのを忘れていた。
 『another  stairs』をしていると聞いて、ついて来たのだ。
 あの二人に干渉しないのならという約束はさせたが、こいつは人の良い笑顔で何を考えているのか分からない奴だ。
 変に引っ掻き回されたく無かった。

「………………。」

「彼等が誰なのか調べてるの?」

「…………調べたがかなり厚い保護が掛かっていた。」

 識月は父皓月の会社の次期後継者として、高校生ながらもそれなりの権限を持っている。データアクセス権限も父皓月程ではないがそれなりに上位の権限があるにも関わらず、あの二人のデータは秘匿されていた。

「それは、凄いね………。会社の上層部かな?」

 史人も興味を惹かれたようだった。

 そこまで話していて、二人が帰ってきた。
 討伐は問題なく終了し、また明日と無理矢理約束してログアウトする。
 二人のやや困った顔は無視だ。
 



















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