精霊の愛の歌

黄金 

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25 金玲はやっぱり暴走する

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 中に入るというので、直ぐ側の部屋かと思っていたらどんどん奥に向かって行く。
 そこは寝室だった。
 寝室にはくるぶし程度の高さの大人が四人ほど寝れそうな段差があり、厚めの布団が敷かれている。天井には囲う様に鳥と花模様の欄干があり、薄い布がカーテンの様に掛けられ房飾りが垂れ下がっている。
 此処に来てから使っている寝室だった。
 朝使った布団は綺麗なものに既に交換されている。
 専属の使用人がいるらしいのだが、配膳の時にしか会えないのが不思議だ。
 勿論これは金玲の采配で、必要以上に誰にも合わせたく無い為の処置だった。

 卵が入った籠を二つとも枕元に置く。

「銀玲おいで。卵を授かりに行くのを伸ばしてしまって悪かったな。」

 銀玲は布団の端に座った金玲の横に座った。

「いいえ、金泰家としてやるべき事が有るのですから、私は何時迄もお待ちします。」

「そうか………。」

 金玲は自分より細い身体を抱きしめた。
 いつか抱きしめて身体を確認した。
 あの日の通り細いながらもよく鍛えたしなやかな身体をしている。
 顔を赤くして身を寄せ、されるがままになる銀玲の顎を取り、上向かせる。
 銀玲は恐らく勘違いをしている。
 ジオーネルと知らず、経験も薄く、思うままに襲った自覚はあるのだが、肝心の襲われた方は忘れてしまったかの様に無垢だ。
 だから今も信じて微笑んでいる。

「そんなに真っ直ぐ見つめてくると…………。」

「?」

 ………穢してしまいたくなる。

 等とはとても言葉に出来ない。
 いつの間にかあのゴミの様な元黒の巫女に染まってしまったのだろうか。
 白の巫女が何故白なのか、なんとなく理解した。皆、無垢で純真。
 銀玲の髪は黒に変わってしまっだが、その本質は真っ白で純粋だ。
 どこか歪んでしまった自分が触れていい存在では無いかもしれない。
 でも、欲しくて欲しくて仕方なかった。
 名前で魂まで番えばもう離れられない。
 どんなに私が汚くても、いつか逃げたいと思っても、もう逃げられない。

 金玲の眼がパチパチと金と銀に光輝きゆるりと笑った。

 銀玲は思い出す。前もこんな風に眼が光を放ったと。
 あの時は……………。
 過去を思い出しカァーーーと一気に体温が上がった。
 別に忘れていたわけでは無い。
 しっかり記憶にある。
 でもあれば自分が銀玲だと言わないせいでの、金玲の思い余った行動で、番えばそういう事はもうしないんだろうなぁと思っていたと言うか!
 
「卵に精霊力を注がなければ。」

「そ、そそそ、そうですねっ!」

 顎を抑える金玲の手がずっとそのままなのが気になる。恥ずかしすぎて目を逸らそうにも、顔を伏せる事も出来ないし、これ見よがしに眼を逸らす事も出来ない。
 金と銀の眼が眩しくて、細い眼をキュウっと閉じてしまう。

「知っているか?精霊力を注ぐには、ただ力を注ぐでも、歌舞音曲で精霊に助力して貰うだけではなく、違う方法もあるんだ。」

 え?
 習った内容はそうだったけど。
 二人で卵に半年間精霊力を注げば卵は孵る、のでは?
 
 唇に柔らかい感触が当たった。

「????」

 濡れた生暖かいものがペロリと舐める。ペロリと舐めて意識して閉じていたわけでは無い口の中へ侵入してきた。
 そこで漸く銀玲はキスをされているのだと気付いた。
 だって弓弦の時でもジオーネルの時でもした事なかったから、キスの感触なんか知らなかったんだ!

「うんっ………!」

 舌を絡め唾液を絡めて深いキスをされる。歯列をなぞって上顎を撫でられると、ジンジンとした感覚が生まれて、初めてのキスに翻弄される。
 上手く息継ぎが出来ず、苦しくて金玲の袖に縋り付いた。
 チュパっと音を立てながら離れる卑猥さにゾクゾクとしながら眼を開けると、銀色の唾液の線が繋がっているのをまざまざと見て、あぁと声を出してしまう。
 金玲は口の横についた唾液を赤い舌で舐め取りながら、ギラギラと光る瞳で銀玲を射抜いた。
 帯紐を紐解き服の前を次々と広げさせ、銀玲の鍛えた細身の身体を露わにする。
 ズボンも下着もひょいひょいと取られていく早技に銀玲はついていけない。

「あ、あうあう……。」

 なんの話してた?
 卵に精霊力を注ぐって、その方法があるって話し……。
 いや、まさか、そんな……。
 銀玲の混乱をよそに、金玲はにっこりと笑った。

「興奮したらいいんだ。」

 乳首の周りをくるくると指で回し、キュッと摘む。

「んんっ!」

 先をカリカリとかいて、グリグリと擦られる。
 金玲の唇が近付いてペロリと舐めて唾液を付けられた。
 ペロペロペロ、ジュウッ~~~。

「あぁ!!そんな強く吸ったら!」

 強く吸われてビクリと小さく跳ねる。
 吸って擦られてジンジンと痛みが出てきた。赤くなってそうだと思うけど、見たら金玲も見てしまうので眼がやれない。
 顔を背けて眼を閉じる銀玲に、不安そうに金玲は問い掛けた。

「銀玲………、いやか?」

「………え?」

「霊薬の所為とはいえ私は…………。」

 それは翼の事だと悟った。
 気にならないと言ったら嘘になる。
 でも、金玲は幼い頃からただただ修練を積むだけだった自分を初めて認めてくれた人。
 綺麗だと言ってくれた人。
 白家の屋敷の隅で、白の巫女としてだけを求められた。良家に嫁いで良い色を持つ子を授かりなさい。ただそれだけを求められた子供だった自分を褒めてくれた人。
 金色の髪のこの美しい人に求められたい。
 好かれたい。
 愛されたい。
 それだけで歌い続けた。
 私は貴方が欲しい。
 だから招霊門から落ちた私を迎えに来てくれた貴方に、帰ろう言われて頷いた。帰ったら貴方は私のものになるかもしれないと思って。私だって下心くらい持っている。

「嫌じゃ、ありません。わ、私も貴方が欲しいのです………。」

 恥ずかしい。
 でも、嫌じゃない。
 
 赤い顔をして震えながらそう言う銀玲に、金玲はブルリと歓喜で震えた。
 金玲は一旦身体を離して手早く服を脱ぐ。はやる気持ちはあるが、これから長く可愛がれるのだ。
 ようやく。
 また屈んで唇を奪う。
 下がって先程とは逆の乳首を弄ぶ。
 移動の度に耳を喰み首筋にキスを落とし赤い印を刻んでいく。
 何度もしゃぶられ弄られた乳首は両方とも熟れた果実のように赤くぷっくりと膨らんでいた。
 あぁぁと言いながら銀玲は薄っすらと眼を開ける。
 黒い瞳が仄かに銀を浮かべ、興奮で涙を浮かべて潤んでいた。
 高まりつつある精霊力に、近くに居た精霊達が集まって来た。
 ふわふわと漂い、何が起きているのかと興味津々で周囲を舞う。

 銀玲は沸騰しそうなくらい頭がいっぱいで、自分の腰が上がっている事も、自分が金玲の腹に己の主張を押し付けている事も気付かず、潤んだ瞳で金玲の輝く眼を見た。

「ふふ、気持ちいいか?」

 金玲が身を起こすと腹の辺りが濡れていた。自分の陰茎の先から溢れるぬめりに、恥ずかしくてカァと熱くなる。

 銀玲の陰茎は熱くて大きな手のひらに包まれた。まずは亀頭をゆっくりと擦る。カリを引っ掻く様に擦られてあまりの気持ちよさにプルプルと震えてしまう。
 
「……ふぅ、ん……っ。」

 恥ずかしくて声を我慢するが、鼻から吐息と共に甘い声が出てしまう。
 金玲の指が後孔に伸び、クルクルとシワを伸ばす様に触り出す。
 くるくる、くるくる。
 飛び回っていた精霊達が何をしてるのかと集まっている。
 あぁ、覗き込まないでっ!
 精霊達は金玲の精霊力を食べ、望まれるままに力を貸す。
 なにそれ?楽しそうっ!
 お気楽な精霊達は金玲に水をあげた。
 ヌルヌルと滑る水を。

「え、ちょ…………何して!?」

 金玲の指先に集まった水はヌルヌルと後孔を解かし、ツプンと指が一本入った。

「ああっ!」

 何とも言えない感触に、大きな声が出てしまい、銀玲は慌てて口を塞ぐ。
 穴を広げようとゆっくり入って指をグルリと回し、指を押し込んで液体を流すを繰り返す。
 片手は後孔を弄り、片手は銀玲の陰茎や乳首を弄ぶ様に動く。

「はぁ……あ…ん、ん、ん、ん。」

 指を増やされグリっと入り込み身体が跳ねる。

「はぁんっ。」

 くるくると回しながら指が入る度にグシュリと滑る水が増え、押し込まれていく。
 精霊がそんな事を手助けするなんて!
 恐らく自分の眼は銀色に輝いているのだろう。
 金玲の金銀のオッドアイも眩く輝き、精霊達が楽しそうに飛び回りながら花びらを落として遊んでいる。
 楽しい事をやってるのだと思ってるんだ………。
 熱に浮かされた様にハァハァと息をしながらぼんやりと考える。

 今や指は三本まで増え、押し込まれる度に腹の中に水が流れ込み、圧迫されていく。

「苦しいか?」

 聞かれてもよく分からない。
 苦しいと言われれば苦しいし、気持ち良いと思えば気持ち良い。

「わ、わ、かんなぁ…い……。」

 金玲の指が引き抜かれる度にグジュと音を立てて水が出て、垂れる感触がする。

「じゃあ、此処は?」

 三本の指がスルスルグリと動いた。
 頭にチカっと火花が散って身体が跳ねる。

「…………っあ、あぁっ!!ダメっ!」

 何度もグリグリと押され、指に合わせて快感が走る。
 これは、所謂、前立腺!?
 何度も執念く擦られ陰茎が下から突き上げられる様にビクビクと震えた。
 迫り上がる射精感に下半身全体に力が入る。
 もう直ぐそこっ!というところでまたもや止められた。
 前回もやられた気がする。

「うう……なんで止めるのぉ~。」

 流れた涙を舌で掬いながら、金玲は鮮やかに笑った。

「そりゃ、私も……ねぇ?」

 うんんん??
 何がねぇなのか首を傾げると、腰を上げられ恥ずかしい格好をさせられる。
 自分の陰茎と金玲の大きくて長い陰茎が丸見えとなり、恥ずかしくて目を見開く。
 後孔に熱を感じた。
 ヌルと大きな物が浅く入る。

「はぁ、ぁあ……入って、る……?」

「ふふ、ヌルヌルだ。大丈夫、中は精霊達が綺麗にしてくれたから。」

 なんて事を精霊に頼んでるんだと思いながら、ズプッと入り込んでくる圧迫に、あぁっと叫ぶ。
 一気に押し込まれ、頭が真っ白になる。チカチカと眼の前に星が飛び、射精したのを感じた。抜ける気持ち良い快楽にピクピクと痙攣する。

「出てしまったな。入れられて気持ち良かった?」

 ユルユルと腰を動かしながら、金玲は尋ねてくるが、まだ動かさないでと腰を支える腕を掴む。
 動かされる度に前立腺が刺激され、収まらない快感が辛い。

「まだ、だよ。まだ。まだ奥まで入ろうね?」

 え?奥?
 今でも深く入っている気がするのに奥があるの?
 金玲の身体が体重を掛けて落ちた……。
 グポッという音に息が止まる。
 
「あ、あ、気持ちいぃ………!?」

 入ってはいけない音と快感に、口を閉じることが出来ないほど喘ぐ。
 
「あ、ダメ………だ、ぁぁ……グポグポ、やぁぁ…………。」

 何度も抜き差しされ自分が何を言っているの分からない。

「今日はここまでにしようか。まだ半年間もある。もっと奥まで入るからね?」
 
 おく?おく?え?
 優しく言われても今は理解出来ない。
 既に今でもキャパオーバー。

 金玲の瞳はギラギラと輝き、舐める様に銀玲の白濁で汚れた身体を眺める。
 金玲と銀玲の高まる精霊力は二つの卵に注がれているが、溢れるおこぼれを精霊達は喜んで貰う。
 銀の蛇が抱き込む卵は銀が灯り、以前切った金玲の髪に包まれた卵は金が灯った。

「ああ……、私も一度出させてもらおう。」
 
 ガツンと奥に押し込まれ、快感にビクビクと震えた。
 暖かいものが中に溢れて、残さず飲ませる様に擦り付けてくる。
 金玲が押し込みながら動く度に、自分も二度目の射精をしていた事に漸く気付く。白い白濁がビュビュと出るのを他人事のように眺めていると、金玲の眼が合った。
 脱力してトロトロと眠気がやってくる。ダメだ……、これ以上はダメ。
 鍛えているので体力には自信があるが、頭の中が混乱し過ぎてついていけない。

「愛してるよ、銀玲。」
 
 囁く金玲にふにゃりと笑って私もですと答える。
 ああ、幸せだなぁと思いながら目を瞑った。




 眠ってしまった銀玲の中から、ずるりと抜く。
 まだまだ自分のは元気だが、眠ってしまっては起こすのが可哀想だ。
 今や部屋の中は精霊だらけになっていた。
 集まり幻視の樹を伸ばし、思い思いに遊んでははしゃいでいる。
 金玲と銀玲の周りには花を咲かせ、布団のはずなのに花畑の有様だ。
 
 銀の精霊王とパチリと眼が合う。
 もう終わり?
 いや、終わりたくないけど……。
 眼と眼で会話する。
 銀玲の腹に乗った白濁を掬い取り、銀玲の陰茎に塗り付ける。
 ヌルヌルと擦ると元気になり出すのを見て、はぁはぁと我慢が効かなくなって来た。
 まだ柔らかい後孔にずぶりと戻し、パンパンと激しく打つ。

「………ふぇ?……あ、なん………でぇ!?……あぁあっ…あっ…あっ!」

 瞳孔開き気味に激しく攻めてくる金玲に、これっていつ終わるんだろうと銀玲は恐怖した。
 ゲーム課金者は言っていた。
 金の泰子は執着束縛系だと。
 え、その設定生きてるの?

 精霊達は大盛り上がりで花を咲かせ、光を飛ばし、お祭り騒ぎに気付いた金泰家が用意したお酒と料理を平らげていく。
 銀の蛇はクワァと欠伸をしながら甘いお菓子に齧り付いた。
 
 






















 








  
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