落ちろと願った悪役がいなくなった後の世界で

黄金 

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女王が歌う神仙国

65 ドキドキが止まらない①

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 そしてクオラジュとトステニロスの関係はイツズによって答えが出た。

「叔父さんだよ?確かねぇクオラジュ様のお母様がお姫様で、青の一族の方と番になってクオラジュ様が生まれたんだよ。」

「流石イツズ。お助けキャラは健在なんだな。」

「なにそれ?」

 なんも?と言いつつ漸く納得できた。叔父だったのか。身内かと思うとちょっと安心する。いや、安心ってなんで?
 でも疑問が解けて少しスッキリした。

 俺とアオガはイツズ達四人を追いかけて港町に来ていた。
 町には緑がかった肌色の肌と焦茶の瞳、黄緑の髪の仙達が溢れかえっている。
 あれ?ちょっと前まで森の中の水辺で生まれたばかりだよね?と不思議に思うが、彼等は身を清めるとサッサと町に戻り其々定位置に着いたらしい。
 仙は生まれると直ぐに自分の役目を認識し、普通に前任者の後を継いで生活を続けていくのだとか。どーいう仕組みか分からない。謎だ。

 イツズとリョギエンは主に食材屋にいた。後は鍛冶屋にも興味を示している。
 
「ツビィロラン。」

 呼ばれて振り向けばクオラジュがいた。

「トステニロスとの話は終わったのか?」

「ええ、指示は出したので直ぐに動くでしょう。」

 指示って…。仮にも叔父さんに言う言葉なんだろうか。

「トステニロスの甥だったんだ?」

「そうですよ。」

「仲良いな。」

 天涯孤独かと思いきやちゃんと血縁者がいたんだな。

「仲良いでしょうか?会ったのは私が天上人になってからですから、あまり身内という感じはないのですが。」

「うん、他とは接し方が違うかな?」

 こき使ってるふしもあるけど。その度合いが他の人より強めだから、無意識にやってるのかもなぁ。クオラジュの過去を聞くと頼れる人間もいなかったようだし……。

「うん?なんで天上人になってからしか会ってないんだ?叔父だろ?」

 というかトステニロスは赤の翼主だったんだから助けられなかったのか?

「ああ、それは…。トステニロスは前青の翼主の推薦で翼主にはなっていましたが、結局青の翼主一族は滅んでしまいましたので、なんの後ろ盾もなく孤立してしまっていたのです。それでほぼ遠方に行かされておりました。私もトステニロスもていよく緑の一族に使われたのですよ。」

 それはまた……、気の毒な…。
 えーと、そうなると今の聖王陛下がロアートシュエになってから、クオラジュとトステニロスは普通の翼主として扱われるようになったってことか。
 それからは仲良しと。
 ふんふんと内容を整理している俺の横で、クオラジュは何やら店の商品を見ていた。
 俺達がいるのは広場に所狭しと簡易の軒を連ねる出店が並ぶ通りだった。最近は大陸との交流を図っているらしく、定期便で普通の人々がやって来て仕入れていくらしい。
 イリダナルの説明曰く、神仙国の植物は僅かながらも神聖力を自ら放出する植物が多いし、大陸にはない動植物に溢れている為、今注目の物流なんだとか。
 
「何見てんだ?」

「これですよ。」

 何か小さい物を差し出されたので、無意識に手のひらを出してしまうと、そこにコロンと指輪が転がった。

「指輪?」

「もう再生不可な仙の種を使って作られた装飾品です。」

 指輪は透明な緑色で花や葉っぱの装飾が彫られていた。真ん中に好きな石を入れれるようになっていた。石は安い物から高い物まで陳列されていて、そこから選ぶ方式だ。
 
「今朝生まれ変わったばかりなので大量にあるそうです。ですが今だけなので購入するなら今がお買い得と言われました。ほら…。」

 クオラジュが指差した方を見ると、イリダナルが箱買いしていた。
 仙って逞しいな。自分達の同種のいわば死骸のような物じゃないのか?これ。それを売るとか。しかも店主はクオラジュに売り込みしながらも、せっせと装飾を掘って商品を作成中だ。

「おお………。てかこれ装飾品以外に何か使えるのか?」

「神聖力が抜けた後ですので、自分の神聖力を込める事が出来ますよ。」

 クオラジュは着ていた上着を脱いだ。それを店主に見せて交渉しだし、指輪を二つ購入した。
 クオラジュの上着は生地も厚めで細やかな刺繍が施された高そうな物だったので、多少汚れていても難なく交渉成立していた。

「買うんだ?」

「はい。」

 なんで二つ?と思いながら、クオラジュが懐に指輪をしまうのを見ていた。
 ちなみにアオガは俺たちを無視してヤイネに贈るプレゼントを選んでいた。俺の護衛はどうしたよ。

 向こうで購入が終わったイリダナルがコーリィンエの神殿に戻ると言うので俺達はまた来た道を戻ることにした。




 マドナス国が神仙国と国交を繋いでいるとは聞いていたけど、神仙国の代表はコーリィンエがやっていたのだと知った。
 そしてコーリィンエの神殿に入った俺達は、成長したコーリィンエに驚いた。

「わぁ、美少女になったね!」

 誰よりも素直なイツズが真っ先に感想を述べた。
 イツズが言う通り、コーリィンエは美少女になっていた。緑がかった肌に黄緑色の長い髪をお団子にして残りを垂らした姿は同じなのに、身長が伸びすらりとした手足と大きな切長の目の十代半ば程度の美少女に変貌していた。
 その代わり女王は大地に根付く大樹となるべく、大地に根を生やさなければならないと言って、神殿の広間の中央奥で一本の樹と同化していた。
 樹の高さはまだそう大きくないので、これから長い年月をかけてラワイリャンのような大樹になるのだろう。

「ふっ、ふっ、ふっ。驚いたか!」

 でも性格はあまり変わっていなさそうだ。

「なんか残念。」

 俺の感想にコーリィンエは「なぜだ!?」と憤っている。
 
「新たなる女王になられたとか。お祝い申し上げます。これはいくばかりかの祝いの品です。」

 そう言ってイリダナルはコーリィンエの手のひらに小さな袋を渡した。
 
「なんだの?」

「中には女王に相応しい物を用意致しました。」

 時止まりの袋にはマドナス国産の装身具や衣装が大量に入っていた。
 いくつか出してみたコーリィンエの目がキラキラと輝いている。木工装身具の多い神仙国では、金属製の道具や装身具は少なく珍しいのだと言って、いくつか衣装を身体に当てている。
 マドナス国の貴族女性はドレスが主流だが、コーリィンエには締め付けの少ないゆったりとした衣装を持って来たようだ。今のコーリィンエのサイズをどうやって知ったんだろう。謎だ。

「おお、そうだ。クオラジュに頼まれていた器が出来たぞ。」

 思い出したようにコーリィンエが手を叩いた。奥からゴロゴロと仙達が台車を押して来る。追いかけ回された記憶が新しい俺はちょっと構えてしまったが、彼等の表情は穏やかで頭を下げていく姿は普通だった。
 唱和を使ってない時はちゃんと一人一人別人に見えるのが不思議だ。
 台車に乗って来た器は、以前トネフィトが使っていた器よりももっと大きな物だった。人一人がすっぽりと入ってしまいそうだ。

「これ竜の骨と鱗で出来てるのか?」

「そうです。神仙国の技術でしか作れないのだそうです。竜の骨や鱗は強度が硬く加工するにはそれなりの神聖力と対象物に干渉する力が必要になります。天上人や竜も神聖力は高いのですが、親和力は低いので、コーリィンエに頼んだのですよ。」

 親和力かぁ。あの歌を歌ってるような力のことかな?仙達が同一になる唱和という力らしいけど、他にも使いようがあるんだろうな。

 どうやって持ち帰るのかと思ったらイリダナルがいつの間にか飛行船から人を寄越すよう手配して、さっさと持ち去ってしまった。
 
「いつの間に?」
 
「イリダナルの周囲には影がついているんですよ。」

 クオラジュがコソッと教えてくれた。付かず離れず護衛がいるらしい。見てみたいと思って見渡したけど俺にはわからなかった。
 キョロキョロしているとコーリィンエと目が合った。ほんと、美少女になったなぁと感心する。

「母を入れてくれて感謝する。」

「うん?おぉ、まぁ元々ラワイリャンの物だし。俺の所為じゃないけど責任感じるしな。」

「入れなくてもよかったのです。」

 クオラジュが隣でボソッと何か言っている。そんなに嫌だったのかなぁ。

「して、どうするつもりなのだ?そのまま魂の核の中に住まわせ続けるのか?」

「仮の身体を用意するつもりです。」

 俺は特に改善案はなかったんだけど、クオラジュは既に考えついていたらしい。

「しかし我もトネフィトから万能薬の材料について聞いておるが、絶滅した種が多すぎるぞ?まず魔狼と生命樹はもうおらん。精霊魚は消えた精霊達と共にどこかへ消えてしまったし、妖霊はいそうではあるが姿をくらましておる。薬草類は探せば代替があるとは言っておったがな。」

 コーリィンエが指を数えながら指摘した。

「ええ。ですが今回入れる魂は仙の女王です。人ではないのですよ。」

「おお、そうか。仙の肉体であれば良いのか。そして魂の核はスペリトトがやったように仙の種を使うと。」

「そうです。女王であり続ける必要もないので、女王の種ではなく普通の種でも良いのではないのでしょうか。」

 クオラジュとコーリィンエが二人でどんどん話を進めていく。
 
「ふむ。ならば来い。ちょうど良いのがある。」

 コーリィンエが空中に渦を出した。
 クオラジュは俺の手を繋ぎ渦の中へ歩き出す。

「行きましょう。」

 俺達はよくわからないまま渦に消えるコーリィンエを追って中に入っていった。




 出たのは仙達が生まれたあの崖の下だった。
 点在する池や沼とそれを繋ぐ小川が陽を受けてキラキラと輝いている。
 今はもう身体を洗う仙達もいないし仙達が生まれた花も綺麗に消えていた。
 先を歩くコーリィンエの後を追っていくと、レテネルシーの花が生えていた。まだ蕾のままで、小川の側にポツンとあった。
 近付いていくとその花はレテネルシーよりは大きかった。花の蕾の大きさも腕の長さ一本分程度ある。

「レテネルシーか?」
 
 それまで黙ってついて来ていたリョギエンが興味津々に触っていた。いつの間に近付いたんだ?植物のことになると早いな。

「うーん、中に何かある?なんか人っぽい。」

「神聖力はないから、仙の生まれそこない?」

 イツズも一緒になって観察しだしている。
 俺達から仙の誕生について話を聞いていた二人が、花弁を触ったり茎が生きているのかを見たりしている。

「育ちきれなかった花だな。小さな仙が入っておるが、魂が宿る前に成長が止まった身体だよ。仙の種は質の良いものをやるから、これで仮の身体を作ってみてはどうだ?」

「いいですね。仮死状態に近いのですね。土から掘り起こして持って行っても大丈夫でしょうか?」

 クオラジュも近付いて観察し、コーリィンエに確認をとった。

「勿論。よろしくな。」
 
 コーリィンエは笑って俺とクオラジュに頭を下げてくれた。

 

 俺達はそのまま飛行船で天空白露に帰ることになった。巨大飛行船から中型飛行船が出て来て俺たちの上空で止まる。

「はい。」

 さあ、どうぞとクオラジュが手を広げた。
 
「え?飛ぶ?」

 この状況だと俺は中型飛行船まで誰かに連れてってもらうしかない。

「飛行船は木が邪魔で降りられませんから。私が連れて行きますね。」

 クオラジュ……、なんでそんなに嬉しそうなんだ。
 他の面々は先に飛び出している。イリダナルとリョギエンは自分達の羽があるので飛べるし、アオガはその二人に片手ずつ持ってもらい運んでもらった。イツズはサティーカジィが勿論連れて行くので、俺はクオラジュに運んでもらうしかない。

「絶対落とすなよ!」

 男は度胸だ!俺はクオラジュに抱きついた。

「ご安心を。」

 黎明色の羽が広がり、俺を抱き締めたクオラジュが舞い上がる。予備動作もなく浮かぶクオラジュの飛行は滑らかなんだろうと思う。他の天上人の飛行は人によるが多少は予備動作があるのだ。
 
「また来るとよい。」

 コーリィンエの声が聞こえるが、あっという間に飛び上がる為返事も出来ない。
 ギュウ~~と抱きついていると、クオラジュの笑い声が耳の中に響いてきた。クオラジュの胸元に頭を押しつけていたので、ダイレクトに響く。
 チラッと上を見ると、嬉しそうに笑うクオラジュが、俺を見下ろしていた。

「……な、なんだよっ………!」

 笑いたきゃ笑えーーー!ホントに怖いんだぞ!!

「いえ、空にいれば貴方をこうやって独占できますね。」

「へ?」

 クオラジュの両腕が俺をギュッと柔らかく抱き締めた。身体全体で宝物のように抱き締められて、俺は一瞬ここが高い上空であることを忘れてしまった。
 なかなかこんな抱擁を受けることはない。それこそ記憶にない。津々木学の頃に付き合って来た女の子達にもここまで抱きついたことあっただろうか。


 俺を抱き締めた器用な状態で、クオラジュは見事飛行船まで飛んでしまった。
 降ろされた俺はヘロヘロと腰を抜かす。

「高くて怖かったの?」

 先に到着していたアオガが寄って来て片手を出してくれた。

「へ?え?…………え?あれ?着いてる……?」

 俺ちょっと放心してた?
 立ちあがろうとして身体に浮遊感がおこる。
 アオガの手を取る前に、クオラジュからまた軽々と抱っこされてしまった。

「腰が抜けてしまったようですね。部屋まで連れて行きましょう。」

 中型飛行船は巨大飛行船の腹の横から船内に入り、地面は見えなくなった。明るく広い格納庫には他にも持って来た飛行船が綺麗に並べられ、船員達が忙しく作業をしていた。
 船から船に渡る橋は細く、下が丸見えなので抱っこして移動してくれるのは助かるが、俺が腰を抜かした理由は高所恐怖症の所為ではない。

 クオラジュが耳元で密やかに放った一言の所為だ。


「こうやって……、私の中に入ってしまえばいいのに………。」
 
 

 ちょっとヤンデレっぽいのに思わずドキッとする、艶のある低い声にゾクゾクとして腰を抜かしてしまったと………。
 俺、大丈夫かな…。
 
 ドキドキさせた張本人に部屋に運ばれながら、俺は悶々と考え込んでしまった。おかげで高所恐怖症は忘れられたけど。



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