翡翠の魔法師と小鳥の願い

黄金 

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2章 俺のイジワルな皇子様

68 霊峰に滞在

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 青く流れる草原にポツンと建つお屋敷。
 周囲はフィガナ山脈に覆われて、草原の周りは木と草が囲い人が踏み込める場所では無い。
 見えない結界が半球体に張られ黒龍ワグラの許可なしには入れないようになっている。
 今日は雪が降っていたのに、結界の中は暖かく、春の日差しのを浴びているかの様に空気は柔らかい。

「さあ、どうぞ。」
 
 ソファに座る自分達に、ロワイデルデ殿下自ら紅茶を入れて出してくれた。
 お茶菓子まで置かれ、ソファに座らされた俺とパルは恐縮しきっている。
 パルは自分が入れますからと替わろうとするのだが、ここでは身分は関係無いとロワイデルデ殿下に止められていた。
 十三歳からここにいるらしく、もう四年ほぼ家事炊事をやっているので気にするなと言われたが、王子様がやってたんだと知り恐れ仰いた。
 
 俺とパルが並んで座り、窓側の一人掛けに黒龍ワグラ、俺達の対面にロワイデルデ殿下が座って漸く話しが始まった。
 まずはロワイデルデ殿下の進捗状況だが、治療はほぼ終盤だという。
 予定通り闇属性を徐々に抜いて、聖属性のみにしたらしい。

「漸く聖魔法の訓練が出来るよ。」

 と嬉しそうにロワイデルデ殿下は言った。
 前回の魔力に飲まれ狂った昏い瞳のロワイデルデ殿下はどこにもいない。
 身体も大きく成長して、結界から出て狩りをしながら生活していたと聞いて、王太子殿下なのに野生味がある。なのに生まれ持った気品もあり、肘掛けに肘をついて顎に手を当て優雅に座る姿は、カーレサルデ殿下よりモテそうだと思った。
 黒龍ワグラに視線を送ると、満足気に頷いたので、もうロワイデルデ殿下が狂う事も、リューダミロ王国を滅ぼす事も無いのだと安心した。

「それじゃあ、水龍ソギラの行方はどうなったんですか?連絡つきました?」

 尋ねると、黒龍ワグラは首を振った。

「それが、何度言霊を送っても返事が無い。死んだら私達は知った者なら分かるから、生きているとは思う。あまり遠くに行くと分からないのだが。龍種は力を温存する時長い睡眠に入る事があるから、もしかしたら眠っているのかもしれない。」

「探し出して無理矢理起こす事は?」

「出来るんだが…………。」

 何か言いにくそうに口を閉じた。

「私はこの結界の中からあまり出ない様にしている。なので探し出すのを頼めないだろうか?」

「それは、俺が探せるのなら構いませんけど、黒龍はこの結界から出たらダメだったんですか?」

 以前何度か出てもらったのに、大丈夫だっのだろうか?

「短い時間ならいいんだ。ただ長く龍の姿で出ると察知されて他の龍が来たら困るんだ。出るとしても人型を取らないとならない。」

 自分の人型はほぼ無力だから、あまり出たく無いと言った。
 ロワイデルデ殿下もその事を知らなかったらしく、興味深そうに聞いてきた。

「他の龍がいるというのも興味が有るが、見つかるとどうなるんだ?まさか……。」

 殺されるのか?と、全員が固唾を飲んだ。

「いや、殺されない。というか殺すのは私の方になるな。私は黒龍、人で言うなら闇魔法師になる。龍はこの世界に落とされてから、途方もない時間を過ごしている。例え管理者という存在になろうとも心が疲弊して自殺願望を抱える者が出てくるんだ。その者達が選ぶ先が私なんだよ。私に龍気を吸わせ死なせてくれと言ってくる。最初の頃は望み通りにしてたんだが、もう今は龍の数も少なくなってきた。これ以上個体数を減らしたくないんだ。可哀想だがそれぞれ頑張ってもらうしかないと思っている。」

 安楽死の場所として黒龍ワグラを頼ってくるのか。
 それは誰でも嫌だろう。
 ワグラだって長く生きているのだろうし、孤独には耐えていると思う。
 死ぬのを手伝って黒龍ワグラの心の方が心配だ。

「しなくていいんじゃないかな?探すのは俺の方でやってみるね。なんか魔女サグミラも水龍を探してるっぽいんだ。何か知ってる?」

「魔女が?…………もしかしたら取り込むつもりか?」

 黒龍ワグラが言うには、龍の力である龍気は取り込んでも身体機能も強化する為、闇魔法で魔力を吸い取る時の様に身体が崩れない。魔力よりも質が高い龍気を食べるつもりなのではと教えられた。
 黒龍も他龍の龍気を吸い取る力が有るが、どんなに吸収しても大丈夫らしい。身体が崩れるのは人種の身体が龍より弱いのと、魔力という力が龍気より歪な所為だと教えてくれた。

「じゃあロクテーヌリオン公爵も龍気なら吸収出来るんだ?あ、でも吸収の仕方って………。」

「人と一緒で性交が最も効率はいいが、個人の資質によるが触れるだけ見るだけでも吸い取れる。確か現公爵は見るだけでも出来るはずだが、今のところ魔工飴という物で補えているし、私としてはソギラと共に闇魔法師が産まれないよう黒龍の因子を取り除こうと考えている。現公爵の闇属性を他属性に転換出来ないか考えてみるつもりだ。」

「そうだったんですね……。」

 ホッとした。それが可能なら後は魔力が生成出来ないという持病だけになるのか?それならアーリシュリン兄が常にくっついているし、魔工飴もある。

 後の問題は、パルの事だけかな?
 黒龍にパルの身体に入っている封魔石を取り除けるか話してみた。
 パルは申し訳なさそうな顔をしたが、聞ける時に聞いておくのが一番いい。

「人種はそんな物まで考え出しているんだな。」

 呆れながらも黒龍ワグラはパルに近寄って見てくれた。
 動くたびにサラサラと黒髪が流れ、座ったパルの身体を見る為に腰を落とすと、黒髪がスルスルサラサラと流れる。
 うーん綺麗だ。
 
「私達の世界にあった物を模しているな。魔石の魔力の補填を本人の魔力で補い、魔力の循環を堰き止めている。魔石を龍気で覆って魔力を吸い出せば、封魔石とやらの機能は停止するだろう。」

 そう言ってパルの左肩の下あたりに手を置いた。
 置いたのはほんの一瞬。
 いいぞ、と黒龍ワグラは言うとパルから離れた。
 パルは驚いた顔をしていた。
 右手を出すと、手のひらの上に弓が出現する。細身のちょうどパルの身長程度の長さの弓だ。淡い光を放つ美しい弓だった。

「凄い!魔力が使える!!」

「武器ごと具現化するのか。なかなかの魔力だね。」

 パルが出した弓にロワイデルデ殿下は感心した様に見入っていた。
 武器に魔力を纏わせて戦っている人はいるが、武器ごと具現化して使っている人は俺も見た事が無かった。

「有難うございます!!」

 パルは涙を浮かべて黒龍にお礼を言っている。

「役に立てて光栄だ。私の場合なかなか役に立つ能力じゃないからな。」

 黒龍ワグラも珍しくほんのりと笑顔になっていた。
 

 黒龍ワグラの住む霊峰はとても静かな地だった。
 ふわりと優しい風が吹き青々とした草が波打つ草原。とこどころに咲く野花は可憐で愛らしく、青い空に白い雲がゆっくりと流れる空間。
 ポツンと一軒だけ建つお屋敷は大き過ぎず小さ過ぎず、煉瓦造りの可愛らしい家だった。
 裏には畑が作られていて、ロワイデルデ殿下が草むしりをしている姿が似合い過ぎてて驚いた。
 狩りに行くと言うので、パルが久しぶりの魔法を試したいと言いだし、一緒について行く事にした。
 驚いた事に魔法を禁止しているロワイデルデ殿下は身体強化すら無しで狩りを行っていた。罠を張り獣を追い詰め狩っていく姿はやはり王太子殿下の姿ではなく、ここでもやっぱり驚いた。
 パルの魔法は弓と弓矢を具現化させ、魔法の矢を撃つのが基本らしい。矢だけでも飛ばせるのだが、弓もあった方が威力も命中度も増すと言ってスパスパと空に飛ぶ鳥を撃ち落としていた。
 狩りすぎた獲物は血抜きをして直ぐに麓の町まで売りに行くらしく、それもついて行った。
 そこでなんか見覚えある町だな~と思ったら、前回霊峰を探す為に最後に寄った町だった。ただ前回は貧困に喘ぎ町ぐるみで強盗を働いていたはずなのに、今の町は活気に溢れていた。
 この町から霊峰に向かって道が作られ、その時の工事で町は潤い、神がいると言う噂で旅人が訪れお金を落としていくようになったので、町は活気付いたらしい。
 霊峰の結界の外には神殿が作られ、そこにはちゃんと管理者がいるようになり、周辺にも店や民家、宿屋が出来ていたのでちょっとした村になっている。
 神殿の中には転送用の魔法陣が作られており、王宮から直通で来れる。俺達はそこから来たので、この町は通らなかったのだが、普通の人たちは徒歩や馬を使ってやってくる。
 ちょっとした観光地の様になっていて、これは暇を持て余したロワイデルデ殿下が片手間に町おこしをやったのだという。
 魔獣討伐も定期的に行われて安全性も高められ、前回訪れた様子とは全く違う地域に発展していた。
 
 常春のような結界の中で、畑を耕し狩りをして、時間も忘れてゆっくりと過ごす生活は、とても楽しかった。
 霊峰に来る前、ユキト殿下の情事を見て涙を流したのが嘘のように、ここの空気は穏やかな気持ちにしてくれる。

「ロルビィ様、ここに来る前何か嫌な事があったのでしょう?学院が始まるギリギリまで、ここに居ませんか?」

 本当はトビレウス兄にしがみついて泣いているのを、皆んな見ていたのだという。
 それは恥ずかしかったが、今は戻る気がしなかったのでパルの言う通りここに居る事にした。
 今はユキト殿下の顔を見て、無邪気に笑える気がしなかった。

「うん、そうしようかな。」

 笑ってそう言うと、パルも笑って頷いてくれた。
 パルはやっぱり優しい人だと思う。
 前回も今回も、パルは相手の事を気遣う。そんな考え方をするパルがもしまた裏切るような事になったとしても、必ず助けてあげたいと思った。









 結局俺達は冬の長期休学中ずっと黒龍ワグラのお屋敷で過ごしていた。
 パルとロワイデルデ殿下の家事スキルが高くて快適すぎた。
 たまに畑仕事を手伝い、たまに狩りを手伝い、たまに黒龍ワグラとお茶をして過ごすと言う、なんだか田舎のおじいちゃんちに帰ったような気分だった。
 そう言うとワグラは、おじいちゃん……、と何とも言えない顔をしていた。




 ロクテーヌリオン公爵邸に帰ると、今か今かとアーリシュリン兄が待っていた。
 そわそわとしているなと思ったら、夜の晩餐後いつものようにお茶をしようと誘われる。
 
「何かいい事ありました?」

 真紅の瞳をキラキラと輝かせて、アーリシュリン兄はこくこくと頷く。
 
「聞いてくれ、ロルビィ!私はついにやったんだよ!」

 何をだろうと首を傾げた。

「何をですか?」

「性交だよ!」

 ブフッとトビレウス兄が紅茶を吹いた。
 前にもこんな風に紅茶吹いてたなと思いながら、ゴホゴホと咳き込むトビレウス兄の背中を指すってやる。

「パルが教えてくれた通り、慣らしをしてたんだが、リディはなかなかチャンスを与えてくれなかったんだ。でも私は諦めずチャンスを作る事にした。」

「へえ。どうやったんですか?」

「リディはお酒に弱いので、紅茶に甘いお酒を混ぜた。あまり度数の強いものは勃たなくなるかもと言われたので、まあ少しだな。で、明け方魔工飴を舐める前の魔力が少なくなる時間帯を狙った。お酒でぐっすり眠ったリディを襲う事にしたんだ!」

 アーリシュリンはうっとりと目を瞑り回想する。



 朝明の光がカーテンからほんの少し漏れ出る時、ひんやりとする空気の中、暖かな毛布の中にアーリシュリンはゴソゴソと潜り込んだ。
 ムルエリデの股間の横に身を潜め、そっと手を伸ばすと立ち上がる陰茎に、アーリシュリンは高揚した。
 着ているガウンの前をはだけさせ、下着をそーとずり下ろす。
 手探りで亀頭を探してペロリと舐めた。
 完勃ちさせ、自分の魔力を乗せた唾液とムルエリデの先っぽから出て来た汁を、口の中でグチュグチュと混ぜ舐めていく。

「…………ん、………あ、は…ぁ。」

 小さく喘ぎ出したムルエリデに、アーリシュリンは更に魔力を乗せてジュウと吸った。
 あまり吸ってはムルエリデの残り少ない魔力が出てしまうので、もう少し舐めたかったが我慢して口から出す。
 既にアーリシュリンは直ぐ様やれるよう臨戦体制をとって来た。
 後孔には蜜の実を入れ香油で広げたし、避妊薬もちゃんと飲んだ。
 ムルエリデの上半身を優しく撫で上げ、毛布から頭を出してキスをする。
 クチュクチュと舌を入れて魔力を送ると、無意識だろうが舌を絡めて美味しそうに吸い出した。最近キスだけはしてくれるので、お互い慣れた物である。
 後は自分の後孔に入れるだけ!
 
「リディ、リディ、起きてっ。」

 意識がない方が抵抗されないだろうが、自分達の初めてはちゃんと覚えててほしいので、起こそうと思っていた。
 頬を撫でながら起こすと、リディの黒い瞳が薄っすらと開いた。

「………ん、ん?アーリ?……まさか魔力を送った?」

 半分寝ぼけながら聞いてくるムルエリデは無視して、アーリシュリンはちゃんと起きててねと言って、問答無用で後孔にムルエリデの陰茎を当てて入れていった。

「ああっっ!!」

 亀頭が入り、初めての圧迫感に声が出る。
 張型を入れて慣らせばもっと入りやすいとは言われたが、例え道具であろうと入れたくなかった。初めてはリディのでないと!

「………っっ!?……え!何して!?」

 くぐっと気持ちの良い圧迫感にムルエリデは慌てた。
 慌てて抜かれては元も子もないので、アーリシュリンは自分の体重も使って思い切り押し込んだ。

「ーーーーーっっ!!」

 しがみついて入れてしまったアーリシュリンを、ムルエリデは上半身を上げて抱き起こそうとして、更に深く入ってしまい、二人とも何とも言えない快感と圧迫感に身悶えた。
 
「………こ、ら!なんて無茶を!」

 ハァと熱い息を吐きながらムルエリデは怒ろうとしたが、アーリシュリンから魔力が流れ出し、快感で意識が飛びそうになる。
 元々魔力が減った状態に、ムルエリデの自制心が崩れた。
 トロリと溶けた真紅の瞳に、頬を染めた赤い顔に、グラリと我慢の限界が訪れた。
 頬にかかったムルエリデの黒い髪を耳に掛けてやり、アーリシュリンはキスを送って、もっとしよう、と誘った。




「うふふふふふ、そこからはいっぱいっっ!」
 
 と両手を天に掲げてそう言うアーリシュリンの話を、俺とトビレウス兄は無の境地で聞いていた。
 人の情事を聞く、しかもそれが血を分けた身内というのは、こんなに聞いてて居た堪れないものなんだ………、という感想しか出てこない。

「はいはいはいはい、人がお茶の準備をしている間に何ちゅー話をしてるんですか。」

 パルがお茶とお菓子を乗せたワゴンを置いて、アーリシュリンを止めに入った。
 
「良いじゃないか。誰かに話したかったんだ。でも流石に公爵の許嫁が話して回ることでもないかと思って我慢したんだぞ。」

「左様ですか。しかしロルビィ様にはまだ少し早い話しかと思いますので、それはトビレウス様だけにしましょうか。」

 トビレウス兄はえ!?と嫌な顔をしていた。
 頑張れ。
















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