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番外編
78 ミゼミの砂糖菓子⑤
しおりを挟む白銀騎士団に招かれざる客がやって来た。
申し訳なさそうな顔をするファマリ・エレンレフ副団長が、団長室の扉の横に立ちアジュソーを見ていた。
アジュソーは団長机に座り来客を迎え入れたのだが、やってきたエレンレフ伯爵は促してもいないのにソファに座りふんぞり返っている。
仕方なくお茶を出し勧めると、悪くない茶だと宣い話し出した。
「リマリネ伯爵のところにミゼミが世話になっているそうだな。」
アジュソーのこめかみがピクリと動く。何故ミゼミの名が出る?しかも呼び捨てとはどういうことか。
「確かに僕の所に居りますが、それが何か?」
「近々我がエレンレフ家に輿入れさせる。そのつもりでいてもらいたい。何なら直ぐにでも引き取ろう。」
アジュソーの笑顔は変わらないが、その背後には不穏な気配が漂い出した。
ファマリが青い顔であちゃーと顔を顰めている。
「誰の許可を得てミゼミの輿入れが決定したのですか?」
アジュソーの問い掛けに、エレンレフ伯爵は高圧的に答えた。
「国王陛下だ。」
「へぇ、コクオウヘイカが。」
「あの、父上、本日はもう帰った方がいいですよ。」
エレンレフ伯爵の後ろからファマリが口を挟む。これ以上この二人がいるのは血を見ると思ったからだ。
「貴様は黙っていろ。家を捨てた者のくせに口出しするな。」
ファマリが顔を顰めてそっぽを向いた。折角止めてあげたのにと内心思うが、この父が次男の話を聞いたことは一度としてない。これも運命、諦めてもらうしかない。
「エレンレフ伯爵、本日は帰ってもらいましょうか。僕は急用が出来ましたので。」
「な!?まだ話は終わっていないぞ!?」
「ファマリ、お見送りを。」
ファマリは礼をとり父親の肩を掴んだ。
「父上に後妻など必要ないでしょうが。無駄な欲なんて持たない方が身の為ですよ。」
「貴様!」
エレンレフ伯爵はスキルを持っている。それはミゼミの『隷属』程ではないが、他人に干渉できる力『制御』というもので他者を支配する力だ。どちらも似たような力だが、ミゼミは相手に対して身体の自由だけでなく意思も従わせることが出来るのに対して、エレンレフ伯爵の『制御』は身体の自由を奪うだけだ。範囲も一対一だということをアジュソーは知っている。
この手のスキルを持つ人間は自分の能力が何であるのかを隠すが、アジュソーは勿論抜かりなく調べていた。
エレンレフ伯爵がアジュソーの方を見た。
愚かだなと思う。
「!?」
「………!父上!団長に対して何をしようと!?」
アジュソーは立ち上がった。
エレンレフ伯爵の目を一瞬も逸らさずに見て、脅しをかける。
「僕に伯爵のスキルは効きません。だからこその白銀騎士団長なんです。それに今僕の身体の自由を奪ったところで何の問題の解決にもならないでしょう。」
アジュソーは普段からミゼミのスキルで耐性をつけている。ミゼミは無闇矢鱈と周りに『隷属』をかけたりしないが、最近いい雰囲気になると漏れてくるのだ。
ちょっと思い出して機嫌が良くなる。
ファマリが腹を立てて伯爵を連れ出して行った。
「ふん。あれで暗部とは笑わせる。」
部屋の中で待機していた騎士に命じた。
「国王陛下に拝謁する。今直ぐに行くと伝えてくれ。」
アジュソーはマントを羽織り、腰に剣を差してそのまま外に向かった。
慌ただしく謁見の間が整えられ、国王陛下が玉座に座った。
アジュソーの名が告げられ扉が開くと、白い騎士服にマントを羽織ったアジュソー・リマリネ白銀騎士団長が真っ直ぐに歩いてくる。
若葉色の瞳は穏やかに輝き、玉座の前に到着すると柔らかく微笑んだ。
頭を垂れ礼をとる。
「私はそうそう簡単に謁見出来る身ではない。リマリネ伯爵の申し入れだからこそ受けたのだぞ。顔を上げるといい。」
アジュソーは頭を上げ段上の上に座る国王陛下を見上げた。国王陛下はアジュソーの主人ルキルエル・カルストルヴィン王太子殿下の父親だ。銀髪赤目なのも顔立ちもよく似ている。年齢は既に六十に近い。ルキルエル王太子殿下は第一子ではない。ではないがスキル『絶海』を持つ為王太子に選ばれた人だ。
国王陛下の斜め後ろには、これまた王太子殿下と似た顔立ちの青年が立っている。彼はこの国の宰相でルキルエル王太子殿下の兄王子だ。スキルはないが頭脳明晰なところを買われて宰相に就いている。
「本日は急な謁見の申し入れを聞き入れて下さり感謝致します。」
アジュソーは表面上の感謝を述べた。心の中は全く感謝していない。
「うむ。それで、急な申し入れの内容は何だ?」
「はっ、本日エレンレフ伯爵が訪れまして、僕が預かっている青年を引き渡すよう言ってきました。その内容の取り消しをお願い致します。」
アジュソーがそこまで伝えると、扉からもう一人入ってきた。
エレンレフ伯爵だ。
「陛下、リマリネ伯爵は王命に背こうとしております!」
アジュソーの隣までやってきたエレンレフ伯爵は、国王陛下に向かって叫んだ。
「ミゼミという『隷属』持ちのことであろう?その者はエレンレフ伯爵と婚姻するよう王命を下した。リマリネ伯爵も従ってもらおう。」
国王陛下の言葉は厳かに伝えられたが、アジュソーの若葉色の瞳はギラリと燃えるように輝いた。
「なぜ、今ミゼミを?」
「『隷属』という稀有な力は必要な場所にあるべきだ。リマリネ伯爵はスキルも持たんだろう。」
「スキルを持つ者同士子を成せと?」
この老害と?
声なき声が謁見の広間に響いた。この広間にいた者達は何故か皆聞こえた気がした。それ程の迫力がアジュソーから発せられていた。
「貴様!私を愚弄するのか!?スキルも持たんくせに偉そうな!」
若干震える声でエレンレフ伯爵が噛み付く。
「まぁ、待て。リマリネ伯爵には我が娘を降嫁させようではないか。これも王命だ。」
玉座の後ろから女性が現れた。恭しく出てきたのは以前ミゼミを幽霊と言った王女だ。
期待に膨らみ頬を染めてアジュソーを見下ろしている。
アジュソーの心が一気に冷える。
ミゼミを老害に嫁がせ、王女を僕の嫁にすると?王女をリマリネ伯爵家に降嫁させるのは、リマリネ伯爵家との繋がりを強化する為だろう。
そしてミゼミをエレンレフ伯爵家に嫁がせるのは、国王陛下の暗部であるエレンレフ家を強化する為。
アジュソーが凶悪な顔で笑った。
「お待ち下さい。」
アジュソーの怒りが頂点に行く前に、それを阻む者が現れた。国王陛下の斜め後ろに立つ宰相があからさまにホッとする。
「その王命は即刻取り消しを。」
入って来たのはルキルエル・カルストルヴィン王太子殿下だった。
「お前は呼んでおらんぞ。」
ルキルエルは不遜に笑いながらアジュソーの隣まで来た。
「陛下が大きな過ちを侵そうとしているのに、止めに来ないわけにはまいりません。」
「何だと?」
国王陛下と王太子は親子であっても仲良いわけではない。同色の赤い目で睨み合った。
カッカッと王太子が階段を登っても誰も止める者はいない。王女殿下だけが困惑したようにアジュソーに助けを求めていたが、アジュソーは無視していた。
階段を登りつつルキルエルは王へ話し掛ける。
「いいか?この国の経済は王家とファバーリア侯爵家、そしてリマリネ伯爵家でほぼ回っている。そこに、お前の持分は一つもない。」
「なっ!?私は王だぞ!?」
ルキルエルは薄っすらと笑った。そして上に到達すると片足を持ち上げ、王が座る玉座に足をつける。
「王だからと付け上がるな。無駄な散財ばかりで増やすことも出来んくせに、その地位が不変だとでも思っているのか?」
貴族が治める税のうち、その殆どがファバーリア侯爵家とリマリネ伯爵家が占めている。その二つともがルキルエルの下についているのだ。
王家も多少は経済を独自に回してはいるが、それは王家のものであって個人のものではない。
ルキルエルは個人的に資産を持っているが、そうやって立ち回れる者は少なかった。今玉座に座る父王も持たない者の内の一人だ。
「な、お前、たかだか王太子の分際で……!」
「…………父よ、今この椅子に足を上げて誰か止める者はいるか?この椅子が大事ならば大人しくしていることだ。時がくれば僻地にある避暑地で贅沢に暮らさせてやる。」
国王陛下はパクパクと口を開けるだけで言葉を出すことが出来なかった。
この不遜な王太子を止める者は確かにいない。宰相である息子も、護衛の為に立つ騎士達も動かないのだ。
ルキルエルは玉座から足を下ろし、宰相である兄を見た。
「ミゼミと白銀騎士団長に対する王命の取り消しを。」
「承知しました。」
ここにルキルエルを呼んだのは宰相だった。ミゼミをエレンレフ伯爵に嫁がせるという内容は父王とエレンレフ伯爵が二人で勝手に取り決めたものだったのだが、王命が出された時点で気付いた。
何やってるんだと慌ててルキルエルを呼んだのだ。
父王もエレンレフ伯爵も少し考えれば分かるだろうに、何故そんな無謀な考えに至ったのか。
リマリネ伯爵はスキル持ちではない。そしてこの国一番の商会を持ち、納税額もかなりの金額に上る。リマリネ商会は他国にも多数の支店を持ち、伯爵自身顔が広い。もしこの国に見切りをつけて他国に行ってしまえばどうなると思っているのか。リマリネ伯爵はスキルがないので、伯爵位を捨ててしまえば、行こうと思えば行けるのだ。
そのミゼミという青年を殊更可愛がっているという話は有名だった。
王女も余計な欲を出してリマリネ伯爵を手に入れようなどと浅はかな。
とりあえず急いでルキルエル王太子に伝令を送り間に合ってよかった。
先程のリマリネ伯爵の気迫に足がまだ震えている。
階段を下って来る王太子殿下へアジュソーは膝をついた。国王陛下には一度も膝を突かなかったが、ルキルエル王太子殿下が前に立つと膝を突き礼をとる。
「ご配慮有難うございます。」
「こちらそこ手を煩わせたな。ミゼミは北離宮にいるんだろう?迎えに行くといい。」
にっこりとアジュソーは微笑んで立ち上がった。
「お、お待ち下さい!私との婚姻のお約束は……!?」
王女が慌てて玉座でへたり込む王の横から叫んだ。
ルキルエルもアジュソーも面倒臭そうに一瞥する。ルキルエルが手のひらをヒラヒラとさせると、意を汲み取った宰相が騎士に命じて王女を無理矢理下がらせた。
「……待って下さい!兄様っ!アジュソー様っ!」
ずっと叫んでいるが二人は返事をしない。
「王家に縛り付けるつもりはないから安心しろ。」
「ええ、その言葉、必ずですよ。」
それだけ言ってアジュソーは身を翻し謁見の間から出て行った。立ち去る間際に呆然と立つエレンレフ伯爵を一瞥して無視する。
国王陛下を無視して下りて来た宰相に、ルキルエルは話し掛けた。
「兄上、助かりました。」
「いや、陛下を止められるのはお前しかいないからな。呼び出すしかないと思った。」
「せっかく前リマリネ伯爵を退かせてアジュソーを手の内に入れているのに、危うく駄目にしてくれるところでした。」
「そうだろうと思ったんだ。だいたいエレンレフの暗部にかかる資金もリマリネ伯爵家が出してくれる献上金から出てるのになんでこんな無謀のことをしようと思ったのか理解出来ないな。」
「…………一周回ってそれでアジュソー・リマリネが手に入るとでも思ったんだろう。」
「え?そうなのか?よく分かるな。私には理解出来ん。」
「まだまだですね、兄上。」
「はーーー。」
宰相の大きな溜息が謁見の間に広がった。
謁見の間を出たアジュソーの前に、ファマリが立っていた。
ここまで来た父親の後をついて来たのだろう。流石に王族の前に出れる程ファマリの地位は高くないので、手前で待つことにしたようだ。
「止めることも出来ずに申し訳ありません。」
アジュソーは歩く速度を変えずに笑う。
「いいさ。君にはこれからも僕の下で働いてもらうんだから、これくらい大したことではないよ。」
これは本心だ。ファマリという人間の信頼と忠義を得られるのなら安いものだ。それに、ミゼミに老害を合わせることもなく解決出来たのが一番大きい。
「ミゼミに汚物を見せずに済んで良かったよ。」
「はぁ、人の親を汚物というのはどうなんでしょうね。ミゼミ様にそんな汚い内容言ったら……。」
「言うわけないだろう。」
ミゼミには細心の注意を払って言葉は選んでいる。
「………ミゼミ様はいつか気付けますかね。」
「お前も話し掛けるなら言葉は選ぶんだ。」
マジですか…。本当に人間離れした妖精作るつもりですか?ファマリは心の中で呟いた。
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