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第19話【完成への道のり】
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あらすじ:冒険者ギルドで決闘をして敗北した秀吉を2階に呼びいろいろと質問された。村を襲った元凶の帝国もわかり冒険者としてギルドに加入する。ガルトの店に戻るとまさかの秀吉が冒険者となりキースとライルは愕然としていた。
「キース、ライル。諦めろ。職人として何時かは通る道のりだ。」
「その通りだぁ!この石コロを手に入れるのに決闘までしたんだからなぁ!」
「…わかったぜ。造ってやる。」
「仕方ないね。」
「よし。お前達付いてこい。」
秀吉達はガルトに付いて行き店を出た。向かい側の防具屋を過ぎて2軒先にある店に入った。
「入るぞ。ビレッタ。」
「いらっしゃい。久しいねガルト。」
「相変わらずの若さだな。お前にとってもいい話かもな。ライル。このビレッタはこの王都一番の錬金術師でな。各アイテム屋の元締めでもある。」
白髪だが肌艶が凛としている。特徴は左目中央から左上唇に目立つ小さなホクロが3つある。
「何の御用だい?」
「このライルに魔力薬の制作の指導を頼みたい。実はのぉ…」
ガルトが秀吉達の経緯を話す。
「ヒッヒッヒッなるほどね。しかしよく血吸い石を貰えたねぇ。誰と決闘したんだい?」
「ん~確か……リタス?いや…リファス!そうだリファスって女剣士と決闘したんだよぉ!負けたけどなぁ。」
「うちの孫娘と決闘したのかい?呆れた坊やだね。」
「へぇー孫娘かぁ。確かに眼が似てらぁ。頑なに獲物を逃がさないって眼だなぁ。」
「ガハッハッハッ!秀吉よ。それは間違いじゃないな。」
「おだまり!確かライルだったね?」
「あ、あの!はい!ライルです。」
ライルはコチコチな返事で返す。
「自分で造った物はあるかい?」
「王都に来る途中に回復薬を造りました。どうぞ!」
ライルは素早くアイテムポーチから回復薬を取り出した。
「どれ?…フンフン…香りは…スゥー…なるほどね。良く仕上がってるねぇ。」
「はい!来る途中に薬草とブルーウォーターをベースに清涼剤代わりに果物の濾して混ぜました。」
「その知識なら魔力薬を造れそうだねぇ。難しい薬だと心得ているね?」
「はい!父さんや母さんに魔力薬は冷静で手早く造る事と習いました。」
「…久しぶりに金のたまごに会っちまったかねぇ。ガルト、この子は預かるよ。」
眼がランランとしながらライルを見るビレッタ。
「ライルもいいな?」
「はい!見とけよ秀吉。魔力薬を造ってやる。」
ライルを置いて店を出た。
「キース。近くの防具屋に行くぞ。」
綺麗な防具屋にガルトが入ると店番の若い男が奥の鍛冶場に引っ込んだ。すると汗だくのヒゲを生やした男が出てきた。
「親っさん。どうしましたか?」
「仕事中にすまんな。キース、この男はお前の親父…ジンバとは切磋琢磨した鍛冶師だ。」
「ムドーだ。お前がジンバのせがれだな。俺は鍛冶しか能がないが…キースはどうだ?」
「俺は鍛冶…以外でも全力で羽ばたくだけです。」
するとガルトとムドーはニヤリ笑った。
「親っさん。間違いなくジンバの血が流れてますよ。」
「だな。羽ばたくか…。ガハッハッハッ!」
「さて親っさん。御用は?」
「実はな…」
ガルトは秀吉との賭けを話す。
「そうですか。」
「ワシが教えるよりお前の方が優しいだろ。ワシなら数年はかかる。」
「親っさんの目利きは細かいですからね。」
「それはすまなかったな。」
ギロリとムドーを見るガルト。
「ハッハッハッ。俺は感謝してますよ。」
ムドーは笑いながらガルトに言った。
「さてと…キース。俺はペンダントの基礎を教えるが…鍛冶師が業を見せるってどう言う事か分かるか?」
「はい!心の底に閉まっておきます。」
「心得は習ったようだな。よし!鍛冶場にこい。」
キースはムドーに連れられて鍛冶場に向かった。
「なかなか本格的だなぁ。」
「秀吉よ。お前も冒険者の端くれだぞ。」
店を出てガルトが秀吉に話す。
「確かになぁ…何かでかいクエストやりてぇーな。」
歩きながら話しているとガルトの店に武装した男が2人いた。
「おっ!オッサン。何か冒険者ぽいのがいるなぁ?知り合いかぁ?」
「…以前門前払いした奴等だな。」
こちらに気付き近づいてきた。
「あ、あの!ガルトさん。」
「防具なら売らんぞ。知ってるだろ?」
ガルトは威圧感を出しながら冒険者の言葉を切る。
「違います。実は情報が欲しくて。」
「んっ?情報?なんのだ?」
「はい!【蒼の鋏蟹】について」
するとガルトの顔つきが変わった。
「お前ら。階級は?」
「はい!先程B級に上がったばかりです。」
「B級か…ん~」
ガルトが悩む。
「覚悟はあるんだな?」
2人の冒険者は真剣に頷く。
「よし。だが忘れるなよ。その場所にはソイツより凶悪な奴がいる。」
「いえ、あくまで蒼の鋏蟹だけが目的です。」
「ウム、なら教えてやろう」
ガルトが2人に場所を話す。
おっ!何か面白そうだなぁ。
秀吉が近寄るとガルトに睨まれる。
「秀吉。お前は行くなよ!階級がB以上の場所だからな!」
「なぁんだよ~。行きたくなるなぁ。」
秀吉はブツブツと文句を言うが真剣なガルトの顔を建てておとなしくした。
冒険者は礼をしてその場を去った。
「キース、ライル。諦めろ。職人として何時かは通る道のりだ。」
「その通りだぁ!この石コロを手に入れるのに決闘までしたんだからなぁ!」
「…わかったぜ。造ってやる。」
「仕方ないね。」
「よし。お前達付いてこい。」
秀吉達はガルトに付いて行き店を出た。向かい側の防具屋を過ぎて2軒先にある店に入った。
「入るぞ。ビレッタ。」
「いらっしゃい。久しいねガルト。」
「相変わらずの若さだな。お前にとってもいい話かもな。ライル。このビレッタはこの王都一番の錬金術師でな。各アイテム屋の元締めでもある。」
白髪だが肌艶が凛としている。特徴は左目中央から左上唇に目立つ小さなホクロが3つある。
「何の御用だい?」
「このライルに魔力薬の制作の指導を頼みたい。実はのぉ…」
ガルトが秀吉達の経緯を話す。
「ヒッヒッヒッなるほどね。しかしよく血吸い石を貰えたねぇ。誰と決闘したんだい?」
「ん~確か……リタス?いや…リファス!そうだリファスって女剣士と決闘したんだよぉ!負けたけどなぁ。」
「うちの孫娘と決闘したのかい?呆れた坊やだね。」
「へぇー孫娘かぁ。確かに眼が似てらぁ。頑なに獲物を逃がさないって眼だなぁ。」
「ガハッハッハッ!秀吉よ。それは間違いじゃないな。」
「おだまり!確かライルだったね?」
「あ、あの!はい!ライルです。」
ライルはコチコチな返事で返す。
「自分で造った物はあるかい?」
「王都に来る途中に回復薬を造りました。どうぞ!」
ライルは素早くアイテムポーチから回復薬を取り出した。
「どれ?…フンフン…香りは…スゥー…なるほどね。良く仕上がってるねぇ。」
「はい!来る途中に薬草とブルーウォーターをベースに清涼剤代わりに果物の濾して混ぜました。」
「その知識なら魔力薬を造れそうだねぇ。難しい薬だと心得ているね?」
「はい!父さんや母さんに魔力薬は冷静で手早く造る事と習いました。」
「…久しぶりに金のたまごに会っちまったかねぇ。ガルト、この子は預かるよ。」
眼がランランとしながらライルを見るビレッタ。
「ライルもいいな?」
「はい!見とけよ秀吉。魔力薬を造ってやる。」
ライルを置いて店を出た。
「キース。近くの防具屋に行くぞ。」
綺麗な防具屋にガルトが入ると店番の若い男が奥の鍛冶場に引っ込んだ。すると汗だくのヒゲを生やした男が出てきた。
「親っさん。どうしましたか?」
「仕事中にすまんな。キース、この男はお前の親父…ジンバとは切磋琢磨した鍛冶師だ。」
「ムドーだ。お前がジンバのせがれだな。俺は鍛冶しか能がないが…キースはどうだ?」
「俺は鍛冶…以外でも全力で羽ばたくだけです。」
するとガルトとムドーはニヤリ笑った。
「親っさん。間違いなくジンバの血が流れてますよ。」
「だな。羽ばたくか…。ガハッハッハッ!」
「さて親っさん。御用は?」
「実はな…」
ガルトは秀吉との賭けを話す。
「そうですか。」
「ワシが教えるよりお前の方が優しいだろ。ワシなら数年はかかる。」
「親っさんの目利きは細かいですからね。」
「それはすまなかったな。」
ギロリとムドーを見るガルト。
「ハッハッハッ。俺は感謝してますよ。」
ムドーは笑いながらガルトに言った。
「さてと…キース。俺はペンダントの基礎を教えるが…鍛冶師が業を見せるってどう言う事か分かるか?」
「はい!心の底に閉まっておきます。」
「心得は習ったようだな。よし!鍛冶場にこい。」
キースはムドーに連れられて鍛冶場に向かった。
「なかなか本格的だなぁ。」
「秀吉よ。お前も冒険者の端くれだぞ。」
店を出てガルトが秀吉に話す。
「確かになぁ…何かでかいクエストやりてぇーな。」
歩きながら話しているとガルトの店に武装した男が2人いた。
「おっ!オッサン。何か冒険者ぽいのがいるなぁ?知り合いかぁ?」
「…以前門前払いした奴等だな。」
こちらに気付き近づいてきた。
「あ、あの!ガルトさん。」
「防具なら売らんぞ。知ってるだろ?」
ガルトは威圧感を出しながら冒険者の言葉を切る。
「違います。実は情報が欲しくて。」
「んっ?情報?なんのだ?」
「はい!【蒼の鋏蟹】について」
するとガルトの顔つきが変わった。
「お前ら。階級は?」
「はい!先程B級に上がったばかりです。」
「B級か…ん~」
ガルトが悩む。
「覚悟はあるんだな?」
2人の冒険者は真剣に頷く。
「よし。だが忘れるなよ。その場所にはソイツより凶悪な奴がいる。」
「いえ、あくまで蒼の鋏蟹だけが目的です。」
「ウム、なら教えてやろう」
ガルトが2人に場所を話す。
おっ!何か面白そうだなぁ。
秀吉が近寄るとガルトに睨まれる。
「秀吉。お前は行くなよ!階級がB以上の場所だからな!」
「なぁんだよ~。行きたくなるなぁ。」
秀吉はブツブツと文句を言うが真剣なガルトの顔を建てておとなしくした。
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