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第一章 清純派聖女、脱出する
#15 セム、一肌脱ぐ。③
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連れてこられたのは納屋のような建物だった。
ミアが手にしている安っぽいランプでもぎりぎり照らしきれるくらいの狭い空間の中に十数人もの女性が横たわっている。
ここはいわゆる隔離施設なんだろう。手前にいる女性ほど症状がまだ軽いようで体を起こしているが、一番奥にいる女性に至っては下に敷いている薄い布団が血で染まっていて手足を柱や重しに繋がれ呻いていた。
これはこの病の典型的な末期症状だ。気が狂ったように患部を掻きむしり、最後は病魔が脳までまわって死に至る。
もっとも、そこまで行く前に自ら命を絶つケースの方が多かった。
セムは一目で状況を把握し、上着を納屋の外で脱ぎ捨てて奥へと急ぐ。一番症状の重い女性の傍らに座って一度天井を見上げた。
宿よりも低い天井だ。セムの自室とはいい勝負。
セムはゆっくり息を吸って全神経を手へと集中させながら目を閉じていく。そして顔を下げて女性の胸辺りへ手をかざすと、さっきよりずっと力強い光が満ちて納屋の中はランプが要らなくなった。
ゆっくりと、なぜか足音も立ててはいけないんじゃないかと思ったミアがセムのところまで辿り着いたけれどセムはピクリとも反応しない。
そっと覗いた彼の顔は無表情。なのにあまりにも綺麗で、そこに彼の柔らかな光が当たるから不思議と怖さは無かった。
ミアは治療が終わるまでずっと立てた膝の上に頬を乗せてそれを眺めていた。
***
「これで全員か?」
セムが伸びをしながら言った。末期状態だった女性はさすがに時間がかかったけれど結局納屋にいた全員を直すのに延べ一時間もかからなかった。
「本当に、ありがとう」
ミアが絞り出すように言う。セムがそれに軽く頷いて二人は外に出た。
外には手の空いていた女性たちがわらわらと話を聞きつけて集まって来ていた。皆そわそわとしていてそのうちの一人がセムの方をうかがいながらミアに話しかける。
体を屈めるようにして小さい声で話しているのでセムにはその内容までは聞えなかったが大方予想はついていた。
この伝染病は発症までの潜伏期間が長いから、皆不安なのだ。
セムは誰が何か言うより先に全員の検診を申し出る。女性たちの顔が見るからに明るくなって、セムはゆっくりと瞬いた。
「あの人、あんたの客なんだろ?」
検診が終わった女性の一人がこそこそとミアに近付いて言った。セムの検診は手を合わせてものの数十秒で終わるから、それほど大きくないこの集落ではすぐに一回りできそうだ。
ミアがやんわり否定するのを無視して女性が続ける。
「かなりいい男じゃないのさ。 それにあんなギフト、一生食いっぱぐれないさね、ちゃんと捕まえるんだよ」
「いや、私そんな」
「いいのかい? もう何人あの人のこと狙ってるか分かんないよ」
ミアに降って湧いた浮いた話に、女性はにやついた顔でくるくると指を回しながら言った。
この集落にミアよりいい女なんていっぱいいる。そう思うとミアは胸の内にもやりとしたものが広がった。
目の前に並んだ行列をさばき切ったセムが最後にミアの方へとやってきて手を差し出す。
ミアに話しかけていた女性は頑張れ~と一声かけてスッとその場を立ち去った。変に意識してしまったミアはその目の前に出された手に驚いて両手を顔もとまで上げてしまって、セムに眉をひそめられる。
「自分は最後だって自分で言ったんだろ」
「あ、ああ、うん」
おずおずと、彼の手に手を重ねる。ミアは名前も知らない相手に自分の心臓が跳ねていることに動揺していた。
短く息を吸って、勇気を振り絞って口に出す。
「あ、あんた、名前は?」
セムはふっと一瞬斜め上に目線をやってから、言った。
「訳あって言えない」
「そ、うか……」
それは関係を築く気はないという意思表示であってミアの目線が無意識のうちに下がる。せめて何かこの人に返せるものはないかと、意識的に思考をそっちの方へと向けて気落ちしそうな自分を立て直そうとした。
「数時間前、宿場町の診療所にいたか?」
「え?」
ここまで必要以上のことを全く口にしなかったセムがそんなことを言うのでミアはまずそこに驚いて、時間差で何故知っているのかと不安になった。でもすぐに、この人はたまたまそこに居合わせたんだろうと合点がいく。
「足」
セムはそのまま、苦手ながらミアの体中に出来た痣の治療に入った。だから単語しか発さなかったけれど、ミアにはその意図が分かった。
ミアは確かにセムたちが診療所近くを通った時に扉を叩いていた。もう落としてしまったけれど、その時彼女は足に化粧道具で色を付けあたかも症状が出ているかのように偽装していた。
なぜそんなことをしていたのかと聞かれているのだ。
「あ、こっち側の人間があんなところにいたら集落の誰がかかってるのかって思われるかと思って。 そしたら集落全体に人が来なくなる。 わ、私がかかってて一人で騒いでることにすればなんとか、なるかなって、思った」
「そうか」
疑問のすっきりしたセムはそれ以上何も言わなかった。治療が終わって手が離れる。セムのギフトによる光に熱はないのだけれど、ミアはどこか肌寒く感じた。
「あとは?」
セムが聞く。あと検診を受けていないのは既に客の相手をしているところだった何人か。
「あ、えと」
ミアが礼を言うのも忘れて目を泳がす。それを見かねたセムに一番最初に話しかけた女性が二人の背中を同時に押した。
「残りが集まったらまた呼ぶから、それまでミアの部屋で待ってておくんな!」
「ちょ、ちょっと!」
ミアが何か言うのも構わず、女性が二人を部屋の中まで押し込んで扉を閉めた。狭いその部屋には客用の多少はマシなベッドくらいしかない。
セムはまあ待つのは仕方ないかと思いながらもそこに腰掛けるのは遠慮して壁にもたれかかる。その一挙一動にミアは体をビクつかせた。その理由はミアにもよく分からなかった。
「あ、あのさ!」
やっと決心のついたミアがセムの前に立つ。ミアだってこの集落で生きているのだ、皆が言いたいことが分からない訳がない。赤らめた顔を上げれば、彼と目が合った。
「? なんだ」
ポケットに手を突っ込んだままのセムがきょとんと見返してくるので、ミアはええいままよと彼の襟もとを掴んで引き寄せ、ベッドへ押し倒そうとする。
「うおっ、と」
さすがのセムも完全に体を壁に預けていたのでバランスを崩したが、脊髄反射で体を反転させミアを押し倒す形でベッドに着地した。ミアの心拍がガツンと上がる。すぐに体を離そうとするセムの襟をもう一度ギュッと握る。
「あ、」
ひどく時間がゆっくりと感じられる。なんとかミアが薄く唇を開いて息を吸ったとき、彼女よりも先に少年が叫んだ。
「ババアあ!!! 持ってきたぜ!!!!!!」
セムが扉の方を向くより先に大量に何かが背中やら頭に振ってきた。いきなりのことでミアの手が緩んだ隙に体を起こしたセムがそれを一つ手に取ると錠剤の入った小瓶で、そのラベルにかかれている文字には見覚えがある。
セムはここに着いたときに彼女たちの言っていた薬とはこれのことかと一人納得した。
「アァレフ!!!! このクソガキ!!!」
ミアが扉のところまでその犯人である少年を追うが、少年はあっかんべーと思いっきりミアを煽って逃げ去って行く。おかげでミアはどうして自分の体温がこんなに上がっているのか分からなくなった。
セムが声をかけなければ、なかなか部屋の中にも戻って来れなかっただろう。
「なあ、あんた、文字読めるか?」
「え? あ、いや、」
「じゃあとりあえずここにあるやつだけ覚えてくれ」
ミアがセムの方を見やると彼は床に薬品を種類別に分けていた。そこ、と彼が指をさすので、ミアは何度も瞬きをしながらそこに正座をする。
「俺が今全員治したって病気全体で見ればただの応急処置にしかならない。 友人が研究をしているから、それまではこれで耐えてくれ」
「あ、ああ」
セムは誰かが二人を呼びに来るまで、永遠に真面目な話をし続けた。
ミアが手にしている安っぽいランプでもぎりぎり照らしきれるくらいの狭い空間の中に十数人もの女性が横たわっている。
ここはいわゆる隔離施設なんだろう。手前にいる女性ほど症状がまだ軽いようで体を起こしているが、一番奥にいる女性に至っては下に敷いている薄い布団が血で染まっていて手足を柱や重しに繋がれ呻いていた。
これはこの病の典型的な末期症状だ。気が狂ったように患部を掻きむしり、最後は病魔が脳までまわって死に至る。
もっとも、そこまで行く前に自ら命を絶つケースの方が多かった。
セムは一目で状況を把握し、上着を納屋の外で脱ぎ捨てて奥へと急ぐ。一番症状の重い女性の傍らに座って一度天井を見上げた。
宿よりも低い天井だ。セムの自室とはいい勝負。
セムはゆっくり息を吸って全神経を手へと集中させながら目を閉じていく。そして顔を下げて女性の胸辺りへ手をかざすと、さっきよりずっと力強い光が満ちて納屋の中はランプが要らなくなった。
ゆっくりと、なぜか足音も立ててはいけないんじゃないかと思ったミアがセムのところまで辿り着いたけれどセムはピクリとも反応しない。
そっと覗いた彼の顔は無表情。なのにあまりにも綺麗で、そこに彼の柔らかな光が当たるから不思議と怖さは無かった。
ミアは治療が終わるまでずっと立てた膝の上に頬を乗せてそれを眺めていた。
***
「これで全員か?」
セムが伸びをしながら言った。末期状態だった女性はさすがに時間がかかったけれど結局納屋にいた全員を直すのに延べ一時間もかからなかった。
「本当に、ありがとう」
ミアが絞り出すように言う。セムがそれに軽く頷いて二人は外に出た。
外には手の空いていた女性たちがわらわらと話を聞きつけて集まって来ていた。皆そわそわとしていてそのうちの一人がセムの方をうかがいながらミアに話しかける。
体を屈めるようにして小さい声で話しているのでセムにはその内容までは聞えなかったが大方予想はついていた。
この伝染病は発症までの潜伏期間が長いから、皆不安なのだ。
セムは誰が何か言うより先に全員の検診を申し出る。女性たちの顔が見るからに明るくなって、セムはゆっくりと瞬いた。
「あの人、あんたの客なんだろ?」
検診が終わった女性の一人がこそこそとミアに近付いて言った。セムの検診は手を合わせてものの数十秒で終わるから、それほど大きくないこの集落ではすぐに一回りできそうだ。
ミアがやんわり否定するのを無視して女性が続ける。
「かなりいい男じゃないのさ。 それにあんなギフト、一生食いっぱぐれないさね、ちゃんと捕まえるんだよ」
「いや、私そんな」
「いいのかい? もう何人あの人のこと狙ってるか分かんないよ」
ミアに降って湧いた浮いた話に、女性はにやついた顔でくるくると指を回しながら言った。
この集落にミアよりいい女なんていっぱいいる。そう思うとミアは胸の内にもやりとしたものが広がった。
目の前に並んだ行列をさばき切ったセムが最後にミアの方へとやってきて手を差し出す。
ミアに話しかけていた女性は頑張れ~と一声かけてスッとその場を立ち去った。変に意識してしまったミアはその目の前に出された手に驚いて両手を顔もとまで上げてしまって、セムに眉をひそめられる。
「自分は最後だって自分で言ったんだろ」
「あ、ああ、うん」
おずおずと、彼の手に手を重ねる。ミアは名前も知らない相手に自分の心臓が跳ねていることに動揺していた。
短く息を吸って、勇気を振り絞って口に出す。
「あ、あんた、名前は?」
セムはふっと一瞬斜め上に目線をやってから、言った。
「訳あって言えない」
「そ、うか……」
それは関係を築く気はないという意思表示であってミアの目線が無意識のうちに下がる。せめて何かこの人に返せるものはないかと、意識的に思考をそっちの方へと向けて気落ちしそうな自分を立て直そうとした。
「数時間前、宿場町の診療所にいたか?」
「え?」
ここまで必要以上のことを全く口にしなかったセムがそんなことを言うのでミアはまずそこに驚いて、時間差で何故知っているのかと不安になった。でもすぐに、この人はたまたまそこに居合わせたんだろうと合点がいく。
「足」
セムはそのまま、苦手ながらミアの体中に出来た痣の治療に入った。だから単語しか発さなかったけれど、ミアにはその意図が分かった。
ミアは確かにセムたちが診療所近くを通った時に扉を叩いていた。もう落としてしまったけれど、その時彼女は足に化粧道具で色を付けあたかも症状が出ているかのように偽装していた。
なぜそんなことをしていたのかと聞かれているのだ。
「あ、こっち側の人間があんなところにいたら集落の誰がかかってるのかって思われるかと思って。 そしたら集落全体に人が来なくなる。 わ、私がかかってて一人で騒いでることにすればなんとか、なるかなって、思った」
「そうか」
疑問のすっきりしたセムはそれ以上何も言わなかった。治療が終わって手が離れる。セムのギフトによる光に熱はないのだけれど、ミアはどこか肌寒く感じた。
「あとは?」
セムが聞く。あと検診を受けていないのは既に客の相手をしているところだった何人か。
「あ、えと」
ミアが礼を言うのも忘れて目を泳がす。それを見かねたセムに一番最初に話しかけた女性が二人の背中を同時に押した。
「残りが集まったらまた呼ぶから、それまでミアの部屋で待ってておくんな!」
「ちょ、ちょっと!」
ミアが何か言うのも構わず、女性が二人を部屋の中まで押し込んで扉を閉めた。狭いその部屋には客用の多少はマシなベッドくらいしかない。
セムはまあ待つのは仕方ないかと思いながらもそこに腰掛けるのは遠慮して壁にもたれかかる。その一挙一動にミアは体をビクつかせた。その理由はミアにもよく分からなかった。
「あ、あのさ!」
やっと決心のついたミアがセムの前に立つ。ミアだってこの集落で生きているのだ、皆が言いたいことが分からない訳がない。赤らめた顔を上げれば、彼と目が合った。
「? なんだ」
ポケットに手を突っ込んだままのセムがきょとんと見返してくるので、ミアはええいままよと彼の襟もとを掴んで引き寄せ、ベッドへ押し倒そうとする。
「うおっ、と」
さすがのセムも完全に体を壁に預けていたのでバランスを崩したが、脊髄反射で体を反転させミアを押し倒す形でベッドに着地した。ミアの心拍がガツンと上がる。すぐに体を離そうとするセムの襟をもう一度ギュッと握る。
「あ、」
ひどく時間がゆっくりと感じられる。なんとかミアが薄く唇を開いて息を吸ったとき、彼女よりも先に少年が叫んだ。
「ババアあ!!! 持ってきたぜ!!!!!!」
セムが扉の方を向くより先に大量に何かが背中やら頭に振ってきた。いきなりのことでミアの手が緩んだ隙に体を起こしたセムがそれを一つ手に取ると錠剤の入った小瓶で、そのラベルにかかれている文字には見覚えがある。
セムはここに着いたときに彼女たちの言っていた薬とはこれのことかと一人納得した。
「アァレフ!!!! このクソガキ!!!」
ミアが扉のところまでその犯人である少年を追うが、少年はあっかんべーと思いっきりミアを煽って逃げ去って行く。おかげでミアはどうして自分の体温がこんなに上がっているのか分からなくなった。
セムが声をかけなければ、なかなか部屋の中にも戻って来れなかっただろう。
「なあ、あんた、文字読めるか?」
「え? あ、いや、」
「じゃあとりあえずここにあるやつだけ覚えてくれ」
ミアがセムの方を見やると彼は床に薬品を種類別に分けていた。そこ、と彼が指をさすので、ミアは何度も瞬きをしながらそこに正座をする。
「俺が今全員治したって病気全体で見ればただの応急処置にしかならない。 友人が研究をしているから、それまではこれで耐えてくれ」
「あ、ああ」
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