42 / 66
飛び立つ時
40
しおりを挟む
***宿 サリサの部屋***
ドラゴンの真名によってカメリアの制限が解除された同時刻、サリサにも同じ現象が起きた。
「――――――を解除します。おめでとうございます。新たなスキルを取得しました」
目の前に浮かぶ文字を見てサリサの体は震えていた。
「なんだこりゃあ!?っつーか『ドラゴンの真名が開放されました。対なる竜騎士として力を開放しますか』で『はい』を選んだだけだぞ?なにがどうなってんだ!?いきなりなんだ!?」
サリサは混乱しながらもステータス画面を開く。前と変わらない数字が並んでいる。
「名前:サリサ
レベル:999
種族:人間
職業 :聖樹の巫女/竜騎士
状態 :正常
HP :999
MP :999
体力 :133
筋力 :79
敏捷 :28
知力 :12
魔力 :11
運 :9
SP :0
祈り:24回」
「お、祈りが増えてる。おばちゃん達の腹が痛いの早くなおりますようにも祈りに入るのか~。へー」
呑気に感想を言いながら今度は自分の『スキル』を表示する。
「剣術(LV1)
槍術(LV1)
棒術(LV1)
馬術(LV1)
魔法耐性(全)(LV1)
気配察知(LV1)
(NEW)罠感知(LV-)
(NEW)解錠(LV1)
(NEW)治癒促進(LV1)
特殊スキル/竜騎士(LV-)」
「おお!ホントにスキル増えてんじゃん!ってあたい、馬に乗ったことなんてねーぞ。」
独り言を呟きながらもスキルの説明を読む。
「剣術……剣を装備するとダメージ量が増える。熟練度が上がるほど斬撃に補正がかかる。
槍術……刺突攻撃のダメージ量が増える。熟練度が上がるほど刺突に補正がかかる。
棒術……長物を装備するとダメージ量が増える。熟練度が上がるほど殴打に補正がかかる。
馬術……馬を御することに優れている。乗馬の際に補正が付かかる。
魔法耐性……魔法のダメージを軽減する。熟練度が上昇すると効果が増す。
気配察知……生物のいる方向がわかる。熟練度が上昇すると精度が増す。
罠感知……トラップのある場所が分かる。
解錠……鍵を開けることができる。熟練度が上昇すると開けるためにかかる時間が短くなる。ただし魔法との併用などで開けることができないものもある。
治癒促進……自然回復力が少し上がる。また病気にもかかりにくくなる。」
「へー、治癒促進はカメリアのと説明が違うけどあたいにもあるんだ。なんか戦う女って感じで格好いいことになってんな~」
「特殊スキル/竜騎士(LV-)
逆鱗ダイブ……どれだけ離れていようと龍の首元に飛び込むことが可能。
逆鱗剥ぎ……このスキルの発動範囲内にいる龍の逆鱗を剥ぐ一撃必殺技。
投擲……狙った場所に必ず投げ飛ばすことができる。」
特殊スキルについてサリサは投擲以外はイマイチ使い勝手が悪いスキルだと思った。
「もっと派手に悪人を倒すスキルが良かったのになぁ。龍限定だと使えないな。でも普通のスキルがいっぱいあるからいいか」
サリサは使えないと思った二つのスキルが世界の命運を握ることになるなど考えもしていなかった。
サリサは変わった実感は無いがステータス表では格好良いスキルを持っている自分の体を見つめる。そしてふと静かにしていると頭の中で声が響いてくるのでそこに意識を集中させた。
〘半径50m以内に1人以上います〙
なにもしていないのに頭の中にハッキリと声と文字が浮かび上がる。
「うわっ!?ちょっ!?どうなってんだ!?」
ひっきりなしに響くこの声を確認するためサリサはステータス表のスキルを見た。
「スキル:気配察知 自動発動中」と書かれている。
(気配察知をなんとかしてくれ!)
サリサがそう望むと「気配察知―感知度の調節ができます。全察知 危険な時のみ察知 察知しない」と頭の中で選択肢が出てきた。
「わーっ!これだ!察知しない!これ!」
口に出さなくてもいいのだが声をだして選択を决めるサリサ。
すると頭の中に浮かんでいた文章が消えた。
(おっ、聞こえなくなった。よし。これで大丈夫だ)
気を取り直したサリサはこれからの事を考え始めた。
(巫女になるなら強くなくちゃダメだろうし、まずは強くなるために冒険者ギルドで登録しよう。その後は……お金を稼ぐか。カメリアのじいちゃんが色々用意してくれるらしいけどあたいのじいちゃんじゃないしなあ。やっぱ気を使っちまうよ。とりあえず冒険者の登録はカメリアに話さないとな。明日一緒に行動したいからカメリアが来たら話そう)
カメリアが気を失っていることなど知らないサリサは彼女なりに妖精の森に行くための計画を立てて過ごすのだった。
ドラゴンの真名によってカメリアの制限が解除された同時刻、サリサにも同じ現象が起きた。
「――――――を解除します。おめでとうございます。新たなスキルを取得しました」
目の前に浮かぶ文字を見てサリサの体は震えていた。
「なんだこりゃあ!?っつーか『ドラゴンの真名が開放されました。対なる竜騎士として力を開放しますか』で『はい』を選んだだけだぞ?なにがどうなってんだ!?いきなりなんだ!?」
サリサは混乱しながらもステータス画面を開く。前と変わらない数字が並んでいる。
「名前:サリサ
レベル:999
種族:人間
職業 :聖樹の巫女/竜騎士
状態 :正常
HP :999
MP :999
体力 :133
筋力 :79
敏捷 :28
知力 :12
魔力 :11
運 :9
SP :0
祈り:24回」
「お、祈りが増えてる。おばちゃん達の腹が痛いの早くなおりますようにも祈りに入るのか~。へー」
呑気に感想を言いながら今度は自分の『スキル』を表示する。
「剣術(LV1)
槍術(LV1)
棒術(LV1)
馬術(LV1)
魔法耐性(全)(LV1)
気配察知(LV1)
(NEW)罠感知(LV-)
(NEW)解錠(LV1)
(NEW)治癒促進(LV1)
特殊スキル/竜騎士(LV-)」
「おお!ホントにスキル増えてんじゃん!ってあたい、馬に乗ったことなんてねーぞ。」
独り言を呟きながらもスキルの説明を読む。
「剣術……剣を装備するとダメージ量が増える。熟練度が上がるほど斬撃に補正がかかる。
槍術……刺突攻撃のダメージ量が増える。熟練度が上がるほど刺突に補正がかかる。
棒術……長物を装備するとダメージ量が増える。熟練度が上がるほど殴打に補正がかかる。
馬術……馬を御することに優れている。乗馬の際に補正が付かかる。
魔法耐性……魔法のダメージを軽減する。熟練度が上昇すると効果が増す。
気配察知……生物のいる方向がわかる。熟練度が上昇すると精度が増す。
罠感知……トラップのある場所が分かる。
解錠……鍵を開けることができる。熟練度が上昇すると開けるためにかかる時間が短くなる。ただし魔法との併用などで開けることができないものもある。
治癒促進……自然回復力が少し上がる。また病気にもかかりにくくなる。」
「へー、治癒促進はカメリアのと説明が違うけどあたいにもあるんだ。なんか戦う女って感じで格好いいことになってんな~」
「特殊スキル/竜騎士(LV-)
逆鱗ダイブ……どれだけ離れていようと龍の首元に飛び込むことが可能。
逆鱗剥ぎ……このスキルの発動範囲内にいる龍の逆鱗を剥ぐ一撃必殺技。
投擲……狙った場所に必ず投げ飛ばすことができる。」
特殊スキルについてサリサは投擲以外はイマイチ使い勝手が悪いスキルだと思った。
「もっと派手に悪人を倒すスキルが良かったのになぁ。龍限定だと使えないな。でも普通のスキルがいっぱいあるからいいか」
サリサは使えないと思った二つのスキルが世界の命運を握ることになるなど考えもしていなかった。
サリサは変わった実感は無いがステータス表では格好良いスキルを持っている自分の体を見つめる。そしてふと静かにしていると頭の中で声が響いてくるのでそこに意識を集中させた。
〘半径50m以内に1人以上います〙
なにもしていないのに頭の中にハッキリと声と文字が浮かび上がる。
「うわっ!?ちょっ!?どうなってんだ!?」
ひっきりなしに響くこの声を確認するためサリサはステータス表のスキルを見た。
「スキル:気配察知 自動発動中」と書かれている。
(気配察知をなんとかしてくれ!)
サリサがそう望むと「気配察知―感知度の調節ができます。全察知 危険な時のみ察知 察知しない」と頭の中で選択肢が出てきた。
「わーっ!これだ!察知しない!これ!」
口に出さなくてもいいのだが声をだして選択を决めるサリサ。
すると頭の中に浮かんでいた文章が消えた。
(おっ、聞こえなくなった。よし。これで大丈夫だ)
気を取り直したサリサはこれからの事を考え始めた。
(巫女になるなら強くなくちゃダメだろうし、まずは強くなるために冒険者ギルドで登録しよう。その後は……お金を稼ぐか。カメリアのじいちゃんが色々用意してくれるらしいけどあたいのじいちゃんじゃないしなあ。やっぱ気を使っちまうよ。とりあえず冒険者の登録はカメリアに話さないとな。明日一緒に行動したいからカメリアが来たら話そう)
カメリアが気を失っていることなど知らないサリサは彼女なりに妖精の森に行くための計画を立てて過ごすのだった。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
下げ渡された婚約者
相生紗季
ファンタジー
マグナリード王家第三王子のアルフレッドは、優秀な兄と姉のおかげで、政務に干渉することなく気ままに過ごしていた。
しかしある日、第一王子である兄が言った。
「ルイーザとの婚約を破棄する」
愛する人を見つけた兄は、政治のために決められた許嫁との婚約を破棄したいらしい。
「あのルイーザが受け入れたのか?」
「代わりの婿を用意するならという条件付きで」
「代わり?」
「お前だ、アルフレッド!」
おさがりの婚約者なんて聞いてない!
しかもルイーザは誰もが畏れる冷酷な侯爵令嬢。
アルフレッドが怯えながらもルイーザのもとへと訪ねると、彼女は氷のような瞳から――涙をこぼした。
「あいつは、僕たちのことなんかどうでもいいんだ」
「ふたりで見返そう――あいつから王位を奪うんだ」
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
絶対婚約いたしません。させられました。案の定、婚約破棄されました
toyjoy11
ファンタジー
婚約破棄ものではあるのだけど、どちらかと言うと反乱もの。
残酷シーンが多く含まれます。
誰も高位貴族が婚約者になりたがらない第一王子と婚約者になったミルフィーユ・レモナンド侯爵令嬢。
両親に
「絶対アレと婚約しません。もしも、させるんでしたら、私は、クーデターを起こしてやります。」
と宣言した彼女は有言実行をするのだった。
一応、転生者ではあるものの元10歳児。チートはありません。
4/5 21時完結予定。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
婚約破棄からの断罪カウンター
F.conoe
ファンタジー
冤罪押しつけられたから、それなら、と実現してあげた悪役令嬢。
理論ではなく力押しのカウンター攻撃
効果は抜群か…?
(すでに違う婚約破棄ものも投稿していますが、はじめてなんとか書き上げた婚約破棄ものです)
幼い公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
朱色の谷
ファンタジー
公爵家の末娘として生まれた6歳のティアナ
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。愛されたいと願い、愛想よく振る舞っていたが一向に興味を示してくれない…
そんな中、夢の中の本を読むと、、、
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる